*柴日記*
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#212 [向日葵]
気がつけば、私は柴と女の子達の間に入っていた。
柴の表情は見えないけど、女の子達は驚いて、握手しようて出していた手をゆっくり引っ込めた。

「柴は、私の家族なんだからっ!」

そう言って柴の腕を掴み、中庭の更に奥へ早足で行った。

何で自分がこんな事言ったか理解出来ないまま私は足を進める。

なんだか嫌だったんだ。

あの子達が、柴にベタベタするのが許せなかったんだ。

⏰:08/04/13 02:23 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#213 [向日葵]
だって柴は……私の大切な人だもん……。

「越」

静かに柴に呼ばれて、足を止めた。

「……ごめん。勝手に引っ張ったりして」

大切な大切な家族。
馬鹿みたい。嫉妬するだなんて……。

柴に向き直る。

怒ってると思った。
勝手に傷つけて、勝手に引っ張って。
私に振り回されて嫌な思いしてると思った。

でも彼は、とても優しく柔らかく、笑っていた。

⏰:08/04/13 02:28 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#214 [向日葵]
「なんで……笑ってるの?」

「越が怒ってくれたから」

それが何故そんなに嬉しく笑う事となったかが私は分からなかった。

私が眉を寄せて理由を考えていると、柴が「違うな……」と呟いた。

「怒ったんじゃないな……拗ねてくれた」

「す、拗ねてって……っ!」

「俺が取られちゃうって思った?」

楽しそうな様子で私の顔を覗き込むから、私は自分のさっきの行動が恥ずかしくて顔を赤らめる。

⏰:08/04/13 02:32 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#215 [向日葵]
「柴の意地悪!」

「そんな事ないよ」

と笑いながら、私を近くの石のイスに座らせてくれた。
柴はしゃがんで、私と目線を合わせる。

私はさっきの赤くなった余韻を残したまま、まだ恥ずかしくて目をそらす。

「嬉しいんだ。越が俺の事で拗ねてくれるのが。いつも俺ばっかだからなー」

柴はさっきより嬉しそうに笑う。
嬉しくてたまらないのか、歯を見せてにっこり笑っている。

⏰:08/04/13 02:37 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#216 [向日葵]
それからまた靴に手をかけた。
それを見て私もまた驚く。

でも柴はさっきみたいに強制で脱がさず、靴と私の足首を持って私を下から見る。

「越。越は心配するなって言うけどそんなの無理だよ。だって越が俺の事で拗ねてくれるみたいに、俺だって拗ねる程越が大事だもん」

大事……。

そう言われてしまえば、抵抗しようと力を入れていたのが、一気に抜ける。

「傷、見てもいい?」

⏰:08/04/13 02:41 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#217 [向日葵]
少し躊躇ってから、ゆっくり頷いた。

柴は微笑んで、靴、靴下と丁寧に脱がしていく。

足の裏に貼っているガーゼに少し血が滲んでいるのを見て、顔を少し険しくする。

「大丈夫なの?保健室より病院行った方がよくない?」

「先生は傷は浅いって言ったから……」

「自分が車出すのめんどくさいから言っただけかもよ」

まるで自分もそんな事を体験したかのような口ぶりだった。

⏰:08/04/13 02:45 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#218 [向日葵]
過去に柴はそんな体験をした事があるのだろうか。

[どこかであの方見た事が……]

椿の言葉を思い出す。

私が知らない柴が、まだいる。
そう思えば、柴を知りたくなった。

柴は、私に心を開いてくれてるけれど、深い心の扉も開いてはくれるのだろうか……。

⏰:08/04/15 00:05 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#219 [向日葵]
―*5日目*―

柴は分かりやすいようで分かりにくいんだよね。
ま、ミステリアスな所があの子の売りなのかもしれないけど。

(神田家・主婦・祐子談)





体育祭も無事終わった。
私達B組は残念ながら2位だったけど、とても楽しかったと皆口々に話をした。

私の足も傷は塞がり、もう痛くなくなったし気にならない。

⏰:08/04/15 00:10 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#220 [向日葵]
どちらかと言えば私の傷よりも柴の方が気になる一方だった。

どんなに考えても、柴の正確な今までの人生は分からない。
だからと言って本人に聞いてもいいのかと考えて、結局いつもやめておこうと引き下がるのだ。

「越、さっきから何……」

「へ?」

知らずの間に、テーブルをはさんで向こう側に座っている柴を睨みつけていたらしい。

只今晩御飯中なのだ。

⏰:08/04/15 00:15 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#221 [向日葵]
「え……あ、ごめんね」

食べた食器を片付ける為、私は席を立って、そそくさと台所へと向かった。

いけない、いけない。
私ったら直ぐに顔に出ちゃうんだから……。

根掘り葉掘り聞こうなんて気はないけど、聞く事で柴を傷つけるのは嫌だ。
でもやっぱり……っ!
あぁぁぁ!どうしたらいいのぉっ!!

「何悶えてんのお姉ちゃん」

気づけば私と同じように食器を持ってきた桜が後ろにいて、私の様子に引いていた。

⏰:08/04/15 00:19 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


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