*柴日記*
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#435 [向日葵]
実は私、明日から4日間、椿の別荘にお邪魔する事になってるの。
柴が帰って来た時、きっと1番に「おかえり」って言ってあげられないけど許してね……。
柴は、そっちで色々考えたいって言ったよね。
私も、色々考えたい事があるの。
……ねえ柴。
私ね、柴が来てから欲張りになっちゃったみたいなの。
だから、そんな自分を反省する為にも、よく考えてくるよ。
柴、会いたいのは、柴だけじゃない。
私も……桜や空や苺、お父さんお母さんだって……、皆みんな、柴に会いたいんだからね……。
待ってるよ。
:08/07/26 01:07
:SO906i
:☆☆☆
#436 [向日葵]
メールは作った。
でも送信が出来ずにいた。
ボタンを押そうとすれば、手が震えてしまう。
結局、メールを遅れたのは、寝てしまう直前だった。
:08/07/26 01:10
:SO906i
:☆☆☆
#437 [向日葵]
―*10日目*―
柴がいなくなってから家が随分静かな気がするよ。
なんだかんだで、あの子はこの家のムードメーカだったのかね……。
(神田家・主婦・祐子談)
窓からの日差しが眩しい……。
そう感じて柴は寝返りをうつ。
そして気づく。
いつもの布団じゃない。
ガバリと起きれば、高級なシーツに自分はくるまっていた。
「あ……」
そうか……。ここは実家だ……。
:08/07/26 01:14
:SO906i
:☆☆☆
#438 [向日葵]
結局泊まる事にしたんだっけか……。
大きなあくびをしながら頭をポリポリかいていた柴は、ふと窓の近くにあるテーブルを見る。
そこには自分の携帯を置いている。
よく目をこらせば、ピカピカとライトが点滅している。
そういえば、昨日バイブの音が聞こえていた気がする。
……もしかして、越……っ!?
柴は勢いよくベッドから降りて、携帯を取る。
開いてメールボックスを開けば、やはり越からだった。
一通りメールを読んだ柴は呟く。
:08/07/26 01:19
:SO906i
:☆☆☆
#439 [向日葵]
「考えたい事って……何……?」
それに伝えたい事も。
しかも柴に決めて欲しいって……。
越は何か勘違いしていないか?
今日から別荘に行くという事は学校は休み。
柴は急いで越の携帯に電話した。
が、電源を切っているらしく繋がらない。
別荘から帰ってきてからでは遅すぎる。
彼女は別荘に行っている間に何かを考えようとしている。
考え終えて、結果が出てからでは遅いのだ。
こうしちゃいれないと、柴は部屋を出た。
出た瞬間、すぐそこに早代がいた。
思わずぶつかりそうになる。
:08/07/26 01:23
:SO906i
:☆☆☆
#440 [向日葵]
「あ……おはよう大和君。昨日は……寝れた……?」
「……早代、頼みがある。車を出してくれないか?」
「どうして」と言いかけて、早代はハッとする。
「帰るの?」
「うん……」
早代は一瞬悲しそうな顔をしたが、やがて諦めたように小さくため息をついて、微笑んだ。
「そう……分かったわ……」
車の準備をしようと踵をかえした早代を、柴は呼び止めた。
「ねえ早代。父さんからヒドイ事されてもここに居続けたのは、父さんの寂しさに気づいていたから?」
:08/07/26 01:28
:SO906i
:☆☆☆
#441 [向日葵]
こちらに背を向けたまま、早代は小さく2回頷いた。
「放っておけなかったの……。きっとこの人は、私までいなくなってしまっては、泣いてしまうんじゃないか……って……」
「そっか……」
早代は、柴が好きだった。
しかしそれと同時に、父の事も好きだったのだ。
その事に、柴はホッとした。
2人の間に、愛が無い訳では無かったのだと。
「早代……今までありがとう……」
初めて、愛情を注いでくれていた人。
柴と共に父を支えてくれていた人……。
:08/07/26 01:33
:SO906i
:☆☆☆
#442 [向日葵]
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「越ー!」
お母さんの声にハッとした。
ぼんやり座っていた私は返事をする。
「いつ出るんだったー?」
「あと10分くらいー!」
そう答えたキリ、お母さんからの返答はなく、それが「分かった」と言う意味だろうと思った。
「越姉!」
「おねーちゃん!」
空と苺が仲良く手を繋いで入ってきた。
そして私の隣に座る。
「おねーちゃんいつ帰ってくるのー?いちごおねーちゃんいないとさみしいなぁー」
「日曜には帰ってくるよ。それまでいい子で待っててね」
「お土産忘れんなよー」
ニヒッと笑う空の頭をわしゃわしゃ撫でてやる。
されるがままにされていた空はふと何かを思い、私の手を止めた。
:08/07/27 23:49
:SO906i
:☆☆☆
#443 [向日葵]
「なぁ越姉……」
「ん?」
首を傾げて空の答えを待つ。
しかし空は口を開いては閉じ、開いては閉じと、何だか言いにくそうにしていた。
やがて「なんでもないっ」とまた笑った。
「よし苺、母さんの手伝いしに行こう」
「うん」
パタパタと出ていく2人に入れ替わりで、桜が入ってきた。
それと同時に私は笑い出す。
「何よお姉ちゃん」
「だって、なんだか私がこの家出ていくみたいな雰囲気なんだもん」
:08/07/27 23:53
:SO906i
:☆☆☆
#444 [向日葵]
桜はドアをパタンと閉めて、私の隣に座った。
「そんな雰囲気漂わせてるのは、お姉ちゃんだよ」
「え……」
「本当に別荘から帰ってくる?」
「もちろんだよ、何言ってんの桜」
桜は泣きそうな顔をしながら私の服の裾をキュッと掴む。
「柴がどこかへ行ってしまってからのお姉ちゃんは怖い……。急にどっか消えちゃいそうなんだもん……」
「桜……」
:08/07/27 23:57
:SO906i
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