*柴日記*
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#461 [向日葵]
「柴が私の前からいなくなっちゃうと思ったら嫌だって思っちゃった、行かないで、そばにいてって思っちゃったの……っ。そんなの決めるのは、私じゃないのに……っ」
「越……」
「だから、反省も兼ねて、色々考えたかっただけ……。だから柴、間違えないで……。私の心の半分以上は、柴が私の隣にいる事を望んでいるの……」
柴は目を見開いて数回瞬きした。
私は言ってしまった安心感と恥ずかしさで胸がドキドキ鳴って、涙目になってしまった。
すると柴は眩しいくらいの笑顔を私に向けた。
「ハハッ!やったー!!それって越は俺が好きって事だよね!」
:08/08/02 00:21
:SO906i
:☆☆☆
#462 [向日葵]
「え、あの……っ」
柴は私の顔を大きな手で包み、覗き込む。
「もう違うだなんて言わないでよね。そばにいてほしいって思ったって事は、そういう事でしょ?」
どこか得意気な柴の顔。
だから意地悪したい気分になったけど、そんな場合じゃなかった。
柴が私の目をじっとみつめる。
これは……、この雰囲気は……知ってる……っ!
どうしようっ!
私、キスなんてした事ないのに……っ!
「あ、あの、えと、し、柴っ!ま、待って……っ!」
:08/08/02 00:26
:SO906i
:☆☆☆
#463 [向日葵]
無言の「待った無し」の雰囲気に、どうすることも出来なくてギュッと目を瞑る。
柴が近づいてくる気配がする。
もう……っ、心臓壊れそう……っっ!!
すると小さく吐息のような笑い声が聞こえた。
と思えば、柔らかなものが私の鼻に少しだけ触れた。
目を開けて、ぱちくりと瞬きをすれば、柴が柔らかく微笑んでいる。
「緊張しすぎ。でも越には早いみたいだから」
私の鼻をトントンと指先で叩く。
「そこで我慢するよ」
:08/08/02 00:31
:SO906i
:☆☆☆
#464 [向日葵]
自分の鼻をおさえながら、私は肺が空になるくらい息を吐く。
ようやく柴の腕から解放されて、代わりに優しく私の手を包んだ。
「帰ろっか。色々話したいから歩いて帰ろう。そんなに遠くないだろうし」
「うん。……ねえ柴。どうして急に帰ってきたの?」
柴は眉を寄せる。
「あんなメール送ってくるからだよ。何か決めちゃうんだと思えば、決めちゃう前に阻止しなきゃって思ったの」
「あ……なるほど」
んー……。私文章力ないのかなぁー……。
:08/08/02 00:36
:SO906i
:☆☆☆
#465 [向日葵]
柴をちらりと見る。
柴はこちらを向いたままだった。それだけで胸が苦しい。
「お……お父さんと大丈夫で良かったね!心配してたんだー。柴がもしイジメられてたりしたらどうしようって」
恥ずかしさを紛らわそうとすれば、早口になった。
柴は一層笑みを深くする。
「話をする前ね、すっごく恐かった。でもね、越の声が聞こえたんだ。そしたら胸の中が軽くなって勇気が出た」
柴は握っている手に少し力を入れる。
「それくらい特別だよ。越は」
柴がここまで自分を好いてくれるのが嬉しい。
私は柴に笑顔を向ける。
:08/08/02 00:43
:SO906i
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#466 [向日葵]
「ありがとうっ。柴っ」
柴は急にニヤリと笑う。
どうしたのかと私は首を傾ける。
「祐子さんがね、越を寂しくしないようにって俺に言ったんだ。だから悪いけどね越、俺は絶対越から離れたりしないからね」
「大袈裟……っ」
私は笑う。
柴も笑う。
幸せ。
2人一緒だからもっと幸せ。
柴は私を必要としてくれて、その必要は、柴の幸せと繋がっていて、そしてその柴の幸せは私に繋がっている。
:08/08/02 00:49
:SO906i
:☆☆☆
#467 [向日葵]
帰ろう。
皆が待ってるあの家へ。
全てが始まったあの家へ。
これからずっと一緒に住むあの家へ。
温かい、あの家へ……。
――――――――…………
「おかえりなさいっ!」
家へ戻って来ると、笑顔で皆が玄関に勢ぞろいしていた。
「ただいま。ってか、すっごく短い旅行だよ」
「せっかくお土産期待してたのにぃー」
ちゃかす桜と顔を見合わせてアハハと笑う。
:08/08/02 00:53
:SO906i
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#468 [向日葵]
「さて柴、色々話てもらうかな。リビングにやって来な。桜、空と苺連れて2階にいて」
桜はお母さんの指示に、従う。
私は柴とリビングへ向かった。
柴はさりげなく私の手を握る。
どうしたのかと柴を見れば、苦笑いを浮かべて耳元でこそこそ話す。
「1発くらい、殴り飛ばされそうで恐い……」
それにクスリと笑う。
「ま、ヤバイと思ったら歯を食い縛ったらいいよ」
リビングにある机をはさんで、お母さんと向かい合わせになる。
お母さんはタバコを1本取り出すと火をつけ、ふぅ……と煙を吐く。
:08/08/09 02:02
:SO906i
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#469 [向日葵]
「柴。まずアンタの事を喋れる範囲で喋りな。帰って来たって事は、越のそばにいるんだろ?なら自分の娘を預ける相手が、どんな奴か知っておく必要があるからね」
「……ハイ」
柴は淡々と話し出した。
自分は本当は伊勢屋 大和と言って、何故あの場所にいたのか。
この4〜5日間何をやっていたのか。
お母さんは相づちを打ちながら柴の話に耳を傾ける。
「これで全部です」
「なるほどね……」
タバコをギュッと灰皿に押し潰し、最後に吸い込んだ煙を吐く。
:08/08/09 02:08
:SO906i
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#470 [向日葵]
「柴、アンタは越のそばにいるってあたしに言ったけどさ、越の事本当に大切に出来る?中途半端な思いなんだったら、帰れって言うよ」
「越が俺をいらないって言わない限り、俺はいつも越の隣にいます」
そういえば、なんで柴は今お母さんに敬語なんだろう。
そう思いながら、隣にいると宣言してくれた柴を嬉しく感じていた。
「じゃ、越。今度はアンタが柴に話す番だよ」
そう言うと、お母さんは立ち上がって、桜達がいる2階へと行った。
:08/08/09 02:13
:SO906i
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