*柴日記*
最新 最初 🆕
#511 [向日葵]
「み、美嘉ちゃん、越ちゃん。私、ちょっと帰らせて頂きます……っ!」

深々と頭を下げると、こちらの返事も待たずに椿は走って行ってしまった。

「ね、美嘉の予想通り」

少し拗ね気味の美嘉に、私は笑う。

あの椿が走って行く程の相手。
恋の力は凄いなとつくづく思う。

「美嘉、ちょっと電話してきていい?」

「ハイハイ。そうやって皆友情をほったらかしにするんだねーっと」

⏰:08/08/19 01:22 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


#512 [向日葵]
「電話するだけっ!」

私より背の高い美嘉の頭を一撫でして、お店から少し離れた場所で私は電話をかけた。

「もしもし、柴……?」

――――――――…………

年末は美嘉の為にパーティーしてよね!
とまだ拗ね気味の美嘉と別れた私は家へと帰っていた。

ハァ……と息を吐けば、一瞬白くなって消えていく。
しているマフラーで口元を隠す。

「えーつっ!」

その声に顔を上げれば、まだ少し遠くの家の前で柴が立っていた。

⏰:08/08/19 01:27 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


#513 [向日葵]
「ただいま柴っ!ごめんね、寒い中待たせちゃって」

「大丈夫っ。ところでなんで外に出なきゃいけなかったの?」

私は門から中に入る。
柴は私の冷えた手を取って包みこんでくれた。

「柴、もうすぐ何の日か知ってる?」

「なんかって……まさか越の誕生日とか!?」

「アハハ!違う違う!もっと簡単よ」

柴は眉間にシワを寄せて考える。
そんなに難しい質問をした訳じゃないんだけどなぁ……。

⏰:08/08/21 02:12 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


#514 [向日葵]
「クリスマスだよ。クリスマス」

「あぁ、なぁんだ」

私は柴が包みこんでくれてる手をソッと放して、カバンからラッピングされた袋を出した。

柴はそれを見つめながら目をパチパチ瞬きさせる。

「少し早いんだけど、メリークリスマス!」

「え!?俺に!?」

頷くと、柴は目をキラキラさせた。
急いで、でも丁寧にラッピングを開けていく。

「マフラーだ……」

⏰:08/08/21 02:16 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


#515 [向日葵]
プレゼントに選んだのは、柴の瞳と同じ、灰色のマフラー。
一目でこれだと思い、買ったのだ。

「ありがとう!すっごく嬉しい!」

本当に嬉しいのか柴は満面の笑みを浮かべて、いそいそとマフラーを巻いた。

巻いてまたニヒヒと笑う。

「どう?似合う?」

「うん!もちろん!」

柴は歯を見せて笑うと、私の両手をキュッと握って目を細めて微笑んだ。

「俺は越に色んなもの貰ってるね」

⏰:08/08/21 02:19 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


#516 [向日葵]
「そうかな……?」

「ここで拾ってくれたのが越で本当に良かった。越が俺に色々教えてくれて、与えてくれて、幸せ。俺の幸せは、全て越のおかげだよ」

それは、私が望んでいた事。

柴の幸せを、私が与える事が出来ますようにって。

柴、あのね……。

私は柴が巻いているマフラーの端っこをグイッと引っ張った。
当然柴は前のめりになる。

その唇に、そっと私の唇を押し付けた。

柴が驚いているのが分かる。

⏰:08/08/21 02:24 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


#517 [向日葵]
そして離れる。

「柴、あのね……。私、柴が大好き……っ!」

やっと言えた。
この溢れる想いを。

柴は私から色々貰ったって言うけれど、私だって柴から沢山のものを貰った。

それが嬉しくて、そしていとおしい……。

柴は急な私のキスと告白に呆然としている。
いつも私が戸惑う立場だから、なんかいい気分。

「……初めてのキスは俺からが良かったのに……」

ようやく口を開いたかと思ったら、なんだか拗ねている。

⏰:08/08/21 02:28 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


#518 [向日葵]
「そんな事勝手に決められても困るよ。さぁ、寒いから早く家に……」

と進みかけた私の腕を、柴が掴んで引き止めた。

かと思えば、そのまま柴の腕の中へ。

「俺も好き……。越が大好きっ!」

そう言われれば、素直に嬉しくて、ギュッと抱き返す力が強くなった。

しかし、私は忘れていたのだ。

こんな素直な反応を見せれば、柴が調子にのるという事を……。

「ねぇ越。気持ちを再確認したって事で、もう1回キスしていい?」

⏰:08/08/21 02:33 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


#519 [向日葵]
身の危険を察知した私は、手の力を入れて離れようとしたが、柴の力には敵わず、腕の中におさまったまま硬直する。

「し、し柴……っ、私、早く家に入りたいなぁーって思ってんだけどなぁー……」

「だぁかぁら、キスしたら入ったらいいじゃない!」

あぁ……私なんであんな事しちゃったんだろう……。

軽く後悔し始めている私の事なんて露知らず。
柴は顔の距離を詰める。

「や、あの、えと、柴っ……」

「わぁー!雪降ってんじゃーんっ!」

能天気な声は空のものだった。

私と柴は反射的にサッと離れる。

空は庭に続く戸を開けて外を眺めていた。
そしてこちらに気づいた。

⏰:08/08/21 02:39 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


#520 [向日葵]
「あれ、越姉帰ってきてたんだ。ってか何してんの?こんな寒いとこで」

「や、お姉ちゃん達も雪降ってきたから嬉しくなっちゃって……っ!」

「あ、ちょっとお姉ちゃん聞いてよ!柴があたしに敵うのはゴリラだけとか言ったのよー!!」

桜もヒョイと顔を出す。
そして苺も同じように顔を出す。
まるでトーテンポール。

「だって桜って女の子っぽくないんだもん。俺のタイプじゃないね」

「あたしだってアンタみたいななよっちいのタイプじゃないから安心してっ!」

⏰:08/08/21 02:44 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


★コメント★

←次 | 前→
↩ トピック
msgβ
💬
🔍 ↔ 📝
C-BoX E194.194