*柴日記*
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#81 [向日葵]
何事かと台所から顔を出せば、目をつり上げた桜と、そんな桜に動じずにソファーでゆったりと寝転んでる柴。

桜の手には、何やら袋が持たれていた。

「ここに置いてたクッキー、勝手に食べたでしょ!」

「うん。それが何?」

「調理実習で作って皆で食べたかったのに!アンタだけ食べちゃダメじゃんかぁっ!!」

あちゃー……。それはダメだよ柴。

晩御飯の用意している手を一旦止めて、仲介役で私は2人の間に入る。

⏰:08/03/27 01:06 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#82 [向日葵]
「まぁまぁ桜、クッキーならまた一緒に作ろう。柴も、人の物勝手に食べたりしちゃダメでしょ?」

「だってお腹減ってたんだもん」

「だからって了承もせずに食べるな!」

桜と柴は少し相性が悪いのか、よくケンカしている。

桜は気が強いからケンカしだしたら止まらない。
私はいつも2人のやりとりをハラハラしながら見ている。
柴の態度が態度だから桜の怒りが更にアップ。
正に火に油。

ケンカする程なんとやらだけど……。
これはどちらかと言うと犬猿の中だね。

桜には悪いけど桜は猿だな……。

⏰:08/03/27 01:11 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#83 [向日葵]
「お姉ちゃん!もっと柴叱ってよ!柴は勝手すぎるしワガママすぎる!!そしてお姉ちゃんは柴に甘すぎる!!」

痛い事言うなー桜ちゃん……。
柴を甘やかし過ぎたと思った事は無いけど……。
とりあえず注意はしなきゃね。

私は柴の前まで来ると、彼を座らせて目線を合わせた。

「いい?柴。人の物は許可なく好きにしてはダメなの。柴だって大事な何かを誰かに勝手に触られたりしたら嫌でしょ?」

「俺の大事な物はいつも触られっぱなしだけどね。許可なく。」

⏰:08/03/27 01:16 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#84 [向日葵]
「柴の大事な物はなに?」

聞けば柴は指差した。
指差した方向は私。
思わず笑ってしまった。

「アハハハ!柴、それは嬉しいけど私は人だよ。私が言ってるのはもーの!」

すると柴は不機嫌な顔をして口を尖らせてまた寝転んでしまった。

ソファーの後ろでは桜がそっぽを向きながら口を手でおさえてプルプルしていた。

「え?え?柴?桜、どうして笑ってるの?」

「柴、これが天罰よ。これに懲りたらもうしないでよね」

⏰:08/03/27 01:21 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#85 [向日葵]
「そんなの俺の自由だし」

「アンタねー!!」

柴の機嫌も、何故か悪くなってしまったので、桜と柴のケンカは暫くおさまりそうにはなかった……。

――――――……

「そー……しんっとぉ!」

前の事もあって、遅くなる日には柴にメールを入れる事にした。

学校は体育祭の準備で慌ただしく、特に私の役職である学級委員は大変だった。

⏰:08/03/27 23:57 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#86 [向日葵]
実行委員と打ち合わせたり、足りなくなったペンキとか、その他諸々の調達をしなくちゃならなくて、学級の中を駆けずり回っていた。

柴は私との時間が減った!とか言うし、桜は柴がまた何かやらかしたと怒るし……。
学級と家で私は手が一杯になっていた。

「神田さん。大丈夫ですか?」

「あ、立川君。大丈夫だよ。平気平気!」

「何かあれば、頼って下さいね」

それだけ言うと、立川君を呼んだクラスメイトの所へと行ってしまった。

⏰:08/03/28 00:01 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#87 [向日葵]
やっさしいなー立川君……。私はその一言でまた頑張れるよ!ありがとうー!!

「気を付けなよー」

「わ!美嘉!」

いきなりニュッと現れた美嘉に驚いて、私は文字どおり飛び上がってしまった。
その後ろに控えめに椿がいる。

「気を付けるって……何を?」

「どんっっかんな越でも分かってる通り」

そんな力込めて言わなくても……。
ってか私鈍感なの?

⏰:08/03/28 00:05 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#88 [向日葵]
「立川って人気じゃん?だから越は仲良いし、目つけられるかもよっつってんの」

「あーそっか。なるべく気を付けるよ。でも学級委員だから喋ったりするのは仕方ないんだけどなー」

「中には、情熱的な方もいらっしゃいますから……気にくわない方も多くいるんですよ……」

うーん。
私って立川君を好きな子からしたら邪魔なのかー。
それは申し訳ないなー。

「越ちゃーん!赤のカラーテープ無くなっちゃったー!」

⏰:08/03/28 00:08 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#89 [向日葵]
クラスメイトの要望を聞いて、美嘉達に「後でね」と言うと、私は教室を出た。

「えーと……」

カラーテープの青と赤、ペンキの緑、ゴミ袋、それからー……。

色々考えながら歩いてると、女の子に肩がぶつかった。

「あ、っと。ごめんなさい!」

謝ったと言うのに、少し化粧をしたギャルっぽい女の子は私をギッと睨んできた。

念のため、頭を少し下げてから私はその場を去ろうとした。

「拾いもんばっかの家族のくせに……でしゃばんじゃねーよ」

⏰:08/03/28 00:14 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#90 [向日葵]
確かに、そう聞こえた。
大した音量で言った訳じゃなかったけど、聞こえた。

止まってしまいそうな足を動かして、なんとか歩き出す。

あれは……多分立川君を好きな子なんだろうなぁ……。

歩きながら深呼吸して、なんとか気分を変える。

大丈夫。
そんなの言われ慣れてる。
いくらでも言えば良い。

馬鹿にされても、自分は柴も含めてあの家族に誇りを持ってるんだから。

⏰:08/03/28 00:16 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


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