･ﾟ*･love story ..から始まった恋:･ﾟ'★たまに⑱

母はあづさの手を握りしめ…もう片方の手であづさの手をさすった。

夢の中の赤ちゃんと同じように温かかった…。

この時の母は…
近所に買い物中に携帯で彼からの連絡を受け
そのまま家に帰らず大阪に来たらしく…
新幹線に乗るには不似合いなサンダルのままだった。

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あづさは…彼から聞く前に看護婦さんから赤ちゃんのことを聞いていた事を思い出した。

興奮状態になったあづさは…すぐに薬で眠らされたのだった。

『ぉか…さん…。あづね…夢ん中で…赤ちゃんに会ったんだ…』

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彼はかすり傷程度で
特に異常がなかったので帰る事になった。

あづさは２日程
様子をみる為に入院することになった。

母は本来、付き添いの泊まりは許されないが
個室だったこともあって、特例として泊まらせてもらえる事になった。

看護婦さんが簡易ベッドを持って来てくれて…
あづさのベッドの横で眠ることにした。

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『お母さん…寝た？』

『起きてるよ…どうしたの？のど渇いた？』

『うぅん。』

母は体をあづさの方へ向けた…。

『家…大丈夫なの？』

『お姉ちゃんいるから大丈夫だよ。お父さん、明日来るって…』

『靴…持ってきてって言った？(笑)』

『…言った(笑)』
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お母さん
この時…あづ、ホントは赤ちゃんの話をしたかったんだ。

ケド‥
お母さんを困らせるだけの気がして…
言えなかったの。

『あづは大丈夫だから‥心配しないで…』

目一杯の強がりだった。

彼にも…母にも…
本当の気持ちは言えなかった‥。

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翌日…
面会時間を無視して父と彼が来てくれた。

面会時間には彼の両親が来てくれた。

あづさの両親と彼の両親が会うのは…
これが初めてだった。

病室だったので‥
少し、話をしただけで
『また‥日を改めて』
というコトになった…。

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心配する父と母に‥
『大丈夫だから』
と笑顔を見せ、帰ってもらった。

あづさの両親をシンちゃんが車で新大阪まで送ってくれてる間…
彼とあづさは病室に二人きりだった。

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彼はベッドに座ってるあづさを抱きしめた…。

『あづ‥ごめんなぁ』

『あづこそ‥ごめんなさい。あづが気付いてれば良かったのに‥』

彼と愛し合う時‥
いつもあづさの中に出していたのに
新しい生活を始めたせいか‥生理不順になってしまっていたので妊娠を疑わなかったのだ。

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どうして気付かなかったのか‥胸が苦しかった。

今更、悔やんでも‥
涙が溢れ出るのを止める事はできなかった。

『翔‥あの飛び出して来た子は平気だったの？』

警察の対応は全て彼がしていてくれていた。

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『おらんのや…』

『えっ？』

その親子も…
近くにいた母親の知り合いらしき女性達も…
すぐにその場から立ち去ってしまったらしい。

あづさは言葉にできない怒りをおぼえた…。

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