･ﾟ*･love story ..から始まった恋:･ﾟ'★たまに⑱

部屋に戻った彼は…

『明日…籍入れよ』

ポケットから少しグチャグチャになった紙を取り出した。

彼の名前と‥
保証人の欄にシンちゃんの名前の書いてある婚姻届だった。

『あづのオヤジさんにサインして貰って…明日、出しに行こうや』

たった一枚の紙だけど…
嬉しかった。
.

あづさは彼の見守る中…
サインをした。

『翔…戸籍抄本持ってきたぁ？』

『ん？なんやそれ…』

『…翔は本籍地がこっちぢゃないから…戸籍抄本がないとダメなんだよ』

『ほな…アカンやん』

『明日…あづの戸籍抄本だけもらって来ようよ』

『せやな…帰ったらスグに行こな』

.

　
『うん。ねぇ…翔。昨日、みゅぅに言われた時も思ったんだけど…あづは大阪に帰るんだね。』

『ん？？』

『だからぁ～！あづは大阪に【行く】んぢゃなくて【帰る】んだね。』

『せやで…』

.

　
『あづの居場所はこっちじゃなくなったんだね。寂しいような…嬉しいような…』

『ちゃうで！あづの居場所はココや…』

彼はあづさを抱きしめた

彼の腕の中…
あづさの居場所…

.

『このまま…あづを押し倒したいんやけど…来るやんな(笑)』

『来るね(笑)』

　　━ガチャ━

ドタバタと走る音が止まったと同時にあづさの部屋のドアが開いた。

『あーちゃんっ！ゆう、あーちゃんとしょおと寝んねするぅ！』

.

　
『明日、幼稚園やろ？早よぉ寝んと起きられへんでぇ。』

彼は裕弥を抱き上げた。

そして、あづさの狭いベッドで三人で眠った。

裕弥のカラダの上で
二人は手をつないだ。

『翔‥子供って温かいんだね。』

『せやな。』

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翌日…
区役所に寄ってから大阪に帰った。

狭いベッドで裕弥を潰さないように気を付けていた二人は新幹線で爆睡した。

新大阪の駅から直接、役所に行った。

今日…あづさは

【芹澤あづさ】
　　　になりました。

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『あづちゃーん！おかえりぃ！』

シンちゃんが仕事から帰ってきた。

『シンちゃん！ただいまぁ！ってか…おかえりぃ(笑)』

『ただいま(笑)あづちゃんの好きなプリン買うてきたで！』

.

　
『ありがとぉ。ねぇ、シンちゃん…今日、あづ…どっか違くない？』

『…‥』

シンちゃんはクルクル回るあづさを真剣に見ていた。

『答えられへんかったら、うちの嫁は飯喰わせてくれへんで！』

彼が笑いながら…シンちゃんに言った。

.

　
『えっ？嫁？籍入れたん？ホンマ？』

『うん(笑)』

『ホンマに？うわｯ！おめでとう』

この夜…
三人でお祝いした。

いつもと同じように過ごした夜だったけど
なにかが違う気がした
忘れられない夜だった

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