狼男にご注意を
最新 最初 🆕
#19 [マイマイ]
  

「はぁ…はぁ…」

私の目には涙が浮かび
私はぎゅっと心臓の辺りを抑える。
足はすくんで逃げられる状態では無い。

「グゥゥゥ…」

狼は私の前まで来るとぴたりと止まった。

「…っ…」

⏰:08/03/29 17:27 📱:F904i 🆔:U7Tq5nHk


#20 [マイマイ]
  

私の体中が危険信号を出している…
私は軽く過呼吸状態に陥った。

「グゥゥゥ…」

狼は軽く私に鼻を近づけてくる。

「ひっ…」

私はその行為に体を震わせ小さく声を漏らす。

.

⏰:08/03/29 17:30 📱:F904i 🆔:U7Tq5nHk


#21 [マイマイ]
  

狼はしばらく私の匂いを嗅いだ後ゆっくりと私のワンピースから出ている胸元に前脚の爪を立てた。

「はぁはぁはぁ…」

私は目を見開き体を硬直させる。涙が頬を伝う。
恐怖に声は出ない。

ーカリッ

.

⏰:08/03/29 17:35 📱:F904i 🆔:U7Tq5nHk


#22 [マイマイ]
  

小さな音と共に私の胸元に生暖かい感覚を感じとれた…血だ…

「い…つ…か…会い…に…印…。」

狼が何か話した。
私は目を見開いたまま胸元の傷を見る。
不思議と痛みは無かった。

.

⏰:08/03/29 17:38 📱:F904i 🆔:U7Tq5nHk


#23 [マイマイ]
  

訳がわからない…
小さかった私はいっぱいいっぱいだった。

「ワオォー…ワオォー…」

狼は上を向き大きく雄叫びをあげた。

その瞬間私の意識は途絶えたんだ…

.

⏰:08/03/29 17:41 📱:F904i 🆔:U7Tq5nHk


#24 [マイマイ]
  
ー−…‥・

「わぁっ!!!」

私は大きな声をあげてベッドから起き上がる。

「…懐かしい夢...」

私は天井を見ながら呟いた。体中は汗でびっしょりだった。

「今…何時…」

.

⏰:08/03/29 17:49 📱:F904i 🆔:U7Tq5nHk


#25 [マイマイ]
  

まださっきの夢の余韻を残した心臓はバクバクと音を立てている。
私は胸をぎゅっと抑えながら時計を見た。

「五時…か…」

窓からは朝日が差し小鳥が飛んでいる。

「シャワー浴びよ…」

.

⏰:08/03/29 17:52 📱:F904i 🆔:U7Tq5nHk


#26 [マイマイ]
  

私はとりあえず汗だくの体を流す事にした。

「はぁー…」

私は最近あの時の夢を頻繁に見るようになった。

「どうしちゃったのかな…」

私はぼそっと呟いてお風呂場に入った。

.

⏰:08/03/29 17:55 📱:F904i 🆔:U7Tq5nHk


#27 [マイマイ]
  

ーザァァアアア…

シャワーから勢い良く水が流れ私の中のもやもやを流すように下へと落ち、流れて行く…

あれから8年…
私は16歳になった。
故郷の山里を離れ都会に出てきた高校生。
お父さんは私がこっちに来ることを快く許してくれた。

.

⏰:08/03/29 18:00 📱:F904i 🆔:U7Tq5nHk


#28 [マイマイ]
  

ーキュッ

シャワーの蛇口を捻り水を止めお風呂場を後にした。

「あ…」

私は洗面所の鏡に映った胸元の傷に目をやり小さく声を漏らした…

「残ってるなぁ…」

.

⏰:08/03/29 18:04 📱:F904i 🆔:U7Tq5nHk


★コメント★

←次 | 前→
↩ トピック
msgβ
💬
🔍 ↔ 📝
C-BoX E194.194