狼男にご注意を
最新 最初 🆕
#1 [マイマイ]
  




良かったら
見て下さいね




.

⏰:08/03/29 09:11 📱:F904i 🆔:U7Tq5nHk


#2 [マイマイ]
  

「お父さーん…
お腹空いたよぉ…
帰ろうよぉ…」

小さな手でお父さんの服の裾を掴みながら私はごねていた。

「もう少しだけ待って…
後少しだけ…」

銃を両手で持ち暗い闇の中で何かを待ち続けるお父さん…
小さかった私には不気味なものだった…

.

⏰:08/03/29 09:16 📱:F904i 🆔:U7Tq5nHk


#3 [マイマイ]
  

しばらくすると
木々がざわつき始め
満月が空の真上まで上がった。

ーバーンッ

大きな銃声がして辺りは一気に静まり返った。

「お父さん…
っ…うわぁぁんっ!!」

小さな私は大きな音に驚き泣きわめいた。

.

⏰:08/03/29 09:20 📱:F904i 🆔:U7Tq5nHk


#4 [マイマイ]
  

いや…
お父さんが銃口を向けた生き物と目が合い…
息が止まりそうなぐらい苦しくなった。

「当たったと思ったのになー…。」

お父さんは頭をかきながら残念そうに呟いた。

「おどぅざぁーん…」

.

⏰:08/03/29 09:23 📱:F904i 🆔:U7Tq5nHk


#5 [マイマイ]
  

私は泣くことで恐怖を取り払うことしか知らなくて大声で泣きながらお父さんにしがみついた。

「おぅ…
ごめんな夜深(ヨミ)
びっくりしたな。
早く帰ろうか…」

お父さんは大きな手を私の頭の上にぽんぽんと乗せ優しく笑った。

.

⏰:08/03/29 09:27 📱:F904i 🆔:U7Tq5nHk


#6 [マイマイ]
  

私はお父さんが大好きだった。優しくてぶっきらぼうだけど真っ直ぐで…
一途で照れ屋なお父さんが大好きだった。

「帰る…ッヒク…」

涙の余韻を残しながら私はお父さんの腰元に顔を埋めながら言った。

「よしっ…帰ろう。」

.

⏰:08/03/29 09:31 📱:F904i 🆔:U7Tq5nHk


#7 [マイマイ]
  

お父さんは私の手をしっかりと握って歩き始めた。

「お父さん…
猪捕れなかったね…」

私はお父さんと手をつないで歩く帰り道の山道の中お父さんに言った。

「そーだなぁ…」

.

⏰:08/03/29 09:34 📱:F904i 🆔:U7Tq5nHk


#8 [マイマイ]
  

お父さんは目を細めて綺麗に夜空に浮かぶ満月を見て言った。

「また村に降りてくるかも知れないね…」

そう…
近年、私達の住んでいる所の山里の畑は猪に荒らされ始めた。

「夜深…
悪いのは猪だけじゃ無いんだ。」

.

⏰:08/03/29 09:38 📱:F904i 🆔:U7Tq5nHk


#9 [マイマイ]
  

「何でぇ??
猪は村を荒らす悪者だって先生言ってたよ??」

何も知らない私はお父さんの言っている意味がわからず首を傾げた。

「夜深…
猪が村に降りてくるのはお腹が空いているからなんだ。山にあった食べ物の木を人間が切り倒してしまったからね。猪達の食べ物が無くなってしまったんだよ。」

.

⏰:08/03/29 09:42 📱:F904i 🆔:U7Tq5nHk


#10 [マイマイ]
  

私は少し難しい言葉の理解に苦労しながらも
"なるほど"と首を縦に振った。

「ハハハッ…
夜深には難しすぎたか?
さてと…
早く帰って風呂に入ろうか。」

お父さんは大きく笑って言った。

.

⏰:08/03/29 10:00 📱:F904i 🆔:U7Tq5nHk


#11 [マイマイ]
  

「うんっ!!」

私は大きく頷いて笑った。

ーワオォーンッ…ワオォーンッ…

「あっ!!!
狼さんだぁ!」

私は楽しそうに言った。

「本当だなぁ…」

.

⏰:08/03/29 10:09 📱:F904i 🆔:U7Tq5nHk


#12 [マイマイ]
  




満月に照らされた
2つの大小の影は…

ぴたりとくっ付き
ながら家路を辿った…




.

⏰:08/03/29 13:34 📱:F904i 🆔:U7Tq5nHk


#13 [マイマイ]
  
ー−ー…‥・

「おとぉーさぁーんっ!
お山行ってくるー!!」

朝日が登り
霧が少し晴れたころ
小さな小屋に大きな声が響きわたった。

「おー…
気をつけてなぁ…」

お父さんの眠そうな声が聞こえたのを確認して私は玄関の扉を開いた。

.

⏰:08/03/29 13:43 📱:F904i 🆔:U7Tq5nHk


#14 [マイマイ]
  

ーバタン

扉を閉めると小鳥の鳴き声が聞こえて、
山の隙間から太陽が覗いている。

「ふわぁぁあ…」

私は大きく欠伸をした。

「さてと…
早く行こっと!!」

.

⏰:08/03/29 13:48 📱:F904i 🆔:U7Tq5nHk


#15 [マイマイ]
  

しばらく歩いていると、昨日の狩りをした場所まで来た。

「前が…見えない…」

そこに行くといきなり霧が濃くなっていて何だか肌寒かった。

ーガサッ

小さく木の葉のぶつかり合う音が聞こえて私はバッと振り返った。

.

⏰:08/03/29 13:51 📱:F904i 🆔:U7Tq5nHk


#16 [マイマイ]
  

そこにいたのは…
お腹の辺りから血を流した子供の狼だった。

「大丈夫っ!??」

私は急いでその狼に近寄って行った。

「グゥゥゥ…」

狼は小さく私を威嚇した声を出したけれどその場にパタリと倒れ込んだ。

.

⏰:08/03/29 13:55 📱:F904i 🆔:U7Tq5nHk


#17 [マイマイ]
  

「わぁ!!」

私は急いで近寄って持っていたハンカチで狼の傷口を抑えた。

「グゥゥゥ…ワオォー…」

狼は大きく吠えた。
私はびっくりして後ろに転び尻餅をついた。

「おと…う…さ…ん。」

.

⏰:08/03/29 17:19 📱:F904i 🆔:U7Tq5nHk


#18 [マイマイ]
  

いきなり立ち上がった狼はゆっくりと私に近付いて来る。

「グゥゥゥ…ハァハァ…」

息を荒くして近付いて来る狼に、私の心臓は音を立てて暴れ出す。

ードクンッ…ドクンッ…

私は息が詰まり胸が締め付けられるような衝動に襲われる。

.

⏰:08/03/29 17:23 📱:F904i 🆔:U7Tq5nHk


#19 [マイマイ]
  

「はぁ…はぁ…」

私の目には涙が浮かび
私はぎゅっと心臓の辺りを抑える。
足はすくんで逃げられる状態では無い。

「グゥゥゥ…」

狼は私の前まで来るとぴたりと止まった。

「…っ…」

⏰:08/03/29 17:27 📱:F904i 🆔:U7Tq5nHk


#20 [マイマイ]
  

私の体中が危険信号を出している…
私は軽く過呼吸状態に陥った。

「グゥゥゥ…」

狼は軽く私に鼻を近づけてくる。

「ひっ…」

私はその行為に体を震わせ小さく声を漏らす。

.

⏰:08/03/29 17:30 📱:F904i 🆔:U7Tq5nHk


#21 [マイマイ]
  

狼はしばらく私の匂いを嗅いだ後ゆっくりと私のワンピースから出ている胸元に前脚の爪を立てた。

「はぁはぁはぁ…」

私は目を見開き体を硬直させる。涙が頬を伝う。
恐怖に声は出ない。

ーカリッ

.

⏰:08/03/29 17:35 📱:F904i 🆔:U7Tq5nHk


#22 [マイマイ]
  

小さな音と共に私の胸元に生暖かい感覚を感じとれた…血だ…

「い…つ…か…会い…に…印…。」

狼が何か話した。
私は目を見開いたまま胸元の傷を見る。
不思議と痛みは無かった。

.

⏰:08/03/29 17:38 📱:F904i 🆔:U7Tq5nHk


#23 [マイマイ]
  

訳がわからない…
小さかった私はいっぱいいっぱいだった。

「ワオォー…ワオォー…」

狼は上を向き大きく雄叫びをあげた。

その瞬間私の意識は途絶えたんだ…

.

⏰:08/03/29 17:41 📱:F904i 🆔:U7Tq5nHk


#24 [マイマイ]
  
ー−…‥・

「わぁっ!!!」

私は大きな声をあげてベッドから起き上がる。

「…懐かしい夢...」

私は天井を見ながら呟いた。体中は汗でびっしょりだった。

「今…何時…」

.

⏰:08/03/29 17:49 📱:F904i 🆔:U7Tq5nHk


#25 [マイマイ]
  

まださっきの夢の余韻を残した心臓はバクバクと音を立てている。
私は胸をぎゅっと抑えながら時計を見た。

「五時…か…」

窓からは朝日が差し小鳥が飛んでいる。

「シャワー浴びよ…」

.

⏰:08/03/29 17:52 📱:F904i 🆔:U7Tq5nHk


#26 [マイマイ]
  

私はとりあえず汗だくの体を流す事にした。

「はぁー…」

私は最近あの時の夢を頻繁に見るようになった。

「どうしちゃったのかな…」

私はぼそっと呟いてお風呂場に入った。

.

⏰:08/03/29 17:55 📱:F904i 🆔:U7Tq5nHk


#27 [マイマイ]
  

ーザァァアアア…

シャワーから勢い良く水が流れ私の中のもやもやを流すように下へと落ち、流れて行く…

あれから8年…
私は16歳になった。
故郷の山里を離れ都会に出てきた高校生。
お父さんは私がこっちに来ることを快く許してくれた。

.

⏰:08/03/29 18:00 📱:F904i 🆔:U7Tq5nHk


#28 [マイマイ]
  

ーキュッ

シャワーの蛇口を捻り水を止めお風呂場を後にした。

「あ…」

私は洗面所の鏡に映った胸元の傷に目をやり小さく声を漏らした…

「残ってるなぁ…」

.

⏰:08/03/29 18:04 📱:F904i 🆔:U7Tq5nHk


#29 [マイマイ]
  

傷跡をそっと撫でため息混じりに呟いた。

しばらくして私は制服に着替えてご飯を食べ家を後にした…

ーガチャ

ドアを開くとむあっとした空気が私を包む。

「あつ…」

.

⏰:08/03/29 18:10 📱:F904i 🆔:U7Tq5nHk


#30 [マイマイ]
  




軽く手をかざし太陽を見上げると光を眩しいほど放っていた。

「眩しいなぁ…」

見上げた空はビルだらけで酷く狭く感じた…




.

⏰:08/03/29 18:14 📱:F904i 🆔:U7Tq5nHk


#31 [マイマイ]
  
ー−…‥・

教室はいつも以上に騒がしかった。
理由は一つ…

「今日転校生が来るんだって!!!」

私の机に勢い良く手を置いて智香(チカ)が言った。

「そうなんだぁ…」

.

⏰:08/03/29 18:17 📱:F904i 🆔:U7Tq5nHk


#32 [マイマイ]
  

小さく呟いた私を呆れた顔をする智香。

「あのねぇ…
んっとに!!夜深は男に興味無いよねぇ!??
本当に高校生なの!?」

智香は興奮気味に私に怒鳴ってくる。

「智香…ウルサい…;;」

.

⏰:08/03/29 18:20 📱:F904i 🆔:U7Tq5nHk


#33 [マイマイ]
  

私は少し引き気味に智香に向かって言った。

「(怒)!??
興味無いんならその顔私に譲れぇ〜っ!!」

智香は笑いながら私の頬を抓る。

「キャーッ(笑)
無理だよぉっ!!」

そんな風にじゃれ
あっていると前の扉が勢い良く開いた。

.

⏰:08/03/29 18:44 📱:F904i 🆔:U7Tq5nHk


#34 [マイマイ]
  

その瞬間騒がしかった教室が一気に静まり返った。

「席ついて〜!!」

女の先生が入ってきて大きな声で叫ぶ。

するとみんなはぞろぞろと席に戻り始めた。

「今日は転校生が来ていますっ!!」

.

⏰:08/03/29 18:49 📱:F904i 🆔:U7Tq5nHk


#35 [マイマイ]
  

先生は少し顔を赤らめながら言った。

その瞬間教室中がざわめきだした。

(眠たいなぁ…)

私は外を見ながら頬杖をついてため息を漏らした。

「入って来て!!」

.

⏰:08/03/29 18:52 📱:F904i 🆔:U7Tq5nHk


#36 [マイマイ]
  

先生がドアに向かって言うとドアが開いた。

ーガラッ

教室中が一気に静まり返る…まるで時間が止まったかのように。

私だって興味は無いとはいえ、転校生だって聞くと見てみたいし気にはなるものだと思い目線を前に向けた。

.

⏰:08/03/29 18:55 📱:F904i 🆔:U7Tq5nHk


#37 [マイマイ]
  

時が止まる…

顔をあげるとそこには綺麗な男の子が立っていた。

ふいにあの狼が頭をよぎって胸元の傷がチクリと痛んだ。

「…っ!」

私は胸元をぎゅっと抑えつける。

.

⏰:08/03/29 18:58 📱:F904i 🆔:U7Tq5nHk


#38 [マイマイ]
  

すると男の子と目があった。

目が離せない…

吸い込まれそう…

私はじっと男の子を見つめ続けた…

.

⏰:08/03/29 19:00 📱:F904i 🆔:U7Tq5nHk


#39 [マイマイ]
  

黒に近い灰色のような髪の毛に…

真っ黒な瞳…

整った顔…

すらっと長い背…

全てから目が離せなかった。

.

⏰:08/03/29 19:02 📱:F904i 🆔:U7Tq5nHk


#40 [マイマイ]
  

「こらこらみんな見とれないのっ!」

先生はまるで自分のものかのように男の子の前に立ちながら言った。

すると止まっていた
時間が動き始める…

「じゃあ…
自己紹介してくれる??」

.

⏰:08/03/29 19:05 📱:F904i 🆔:U7Tq5nHk


#41 [マイマイ]
  

先生は甘ったるい声で首を傾げながら言った。

「牙塚恭弥(キバヅカ キョウヤ)」

男の子は不機嫌そうな声で呟いた。

「じゃあ〜…
牙塚君の席はあそこで!」

先生が指差した場所は私の2つ後ろの席だった。

.

⏰:08/03/29 19:13 📱:F904i 🆔:U7Tq5nHk


#42 [マイマイ]
  

(窓際の一番後ろ…
良いなぁ…)

何て呑気な事を思っていると男の子がすぐそこまで来ていた。

ーズキッ

胸元の傷が痛み私は机にもたれかかる。

「やっと見つけた…」

.

⏰:08/03/29 19:16 📱:F904i 🆔:U7Tq5nHk


#43 [マイマイ]
  

「えっ…」

私はバッと顔をあげると転校生が何食わぬ顔で横を通り過ぎた。

でも…
確かに聞こえた…

いったい誰なの…

胸元の痛みは収まっていた。

.

⏰:08/03/29 19:18 📱:F904i 🆔:U7Tq5nHk


#44 [マイマイ]
  




ストップします
感想頂けると嬉しいです




.

⏰:08/03/29 19:20 📱:F904i 🆔:U7Tq5nHk


#45 [さち]
すごぃ楽しいおもしろぃ
頑張ってくださぃ

⏰:08/03/29 19:27 📱:D704i 🆔:tnsQLnkc


#46 [美樹]
おもしろいですI頑張ってくださいイ

⏰:08/03/29 19:27 📱:W51S 🆔:tf0D9jOY


#47 [マイマイ]
  


さちさん
嬉しいです
頑張ります

美樹さん
ありがとうございます
頑張ります


.

⏰:08/03/29 19:59 📱:F904i 🆔:U7Tq5nHk


#48 [ぺぇ]
次の展開が
めちぁ気になる(*´艸)
楽しいです
頑張ってください

⏰:08/03/29 20:03 📱:D903i 🆔:ZefbsIBg


#49 [マイマイ]
  




ぺぇさん
ありがとうございます
ご期待にそえるかは
わかりませんが
頑張ります




.

⏰:08/03/29 20:54 📱:F904i 🆔:U7Tq5nHk


#50 [マイマイ]
  

ズキズキと痛む胸を抑えながら私は悩んだ。

「深水さん??大丈夫?」

横から優しい声が聞こえる。沢野くんだ。

「大丈夫だよ。」

私は痛みをこらえながら笑って言った。

.

⏰:08/03/29 20:58 📱:F904i 🆔:U7Tq5nHk


#51 [マイマイ]
  

「顔色凄く悪いけど…」

沢野くんはゆっくりと私に手を伸ばした。

ーガンッ

その瞬間大きな音が後ろから聞こえて私はすぐに振り向いた。

「さわんじゃねーよ。」

.

⏰:08/03/29 21:02 📱:F904i 🆔:U7Tq5nHk


#52 [マイマイ]
  

私の目に飛び込んできたのは机に足を置きこちらを睨みつける転校生だった。

「えっ…」

教室中が静まり返って
みんなが転校生を見る。

「どうしたの牙塚君…??」

.

⏰:08/03/29 21:08 📱:F904i 🆔:U7Tq5nHk


#53 [マイマイ]
  

先生が心配そうに少しいつもより高めの声で言う。

「…」

無視…怖いなぁ…

少し教室の雰囲気が悪くなり始めた。

ーキーンコーンカーンコーン

.

⏰:08/03/29 21:27 📱:F904i 🆔:U7Tq5nHk


#54 [マイマイ]
  

すると絶妙なタイミングでチャイムが鳴り響いた。

(やった…)

「じゃあここまでー…」

そう言った先生の顔はさっきの無視が影響か引きつっているような気がした。

.

⏰:08/03/29 21:30 📱:F904i 🆔:U7Tq5nHk


#55 [マイマイ]
  

元通りざわめき始める教室…

(それよりさっきのはいったい誰に…)

「さっきのって僕に言ったのかな??(笑)」

沢野くんはへらへらと笑いながら言ってきた。

「よくわかんないね(笑)」

.

⏰:08/03/29 21:33 📱:F904i 🆔:U7Tq5nHk


#56 [あ〜チャン]
すごい面白いです
頑張って下さい

⏰:08/03/29 21:35 📱:F703i 🆔:QVdFwCJs


#57 [マイマイ]
  

私も沢野くんの笑顔につられて笑った。

「なぁなぁ…!!」

牙塚くんの周りには男女共が集まり質問をしていた。

「大変だよねぇ♪」

肩にいきなり重みを感じ振り返ると智香が私にのしかかっていた。

.

⏰:08/03/29 21:36 📱:F904i 🆔:U7Tq5nHk


#58 [マイマイ]
  




あ〜ちゃんさん
ありがとうございます
頑張りますね




.

⏰:08/03/29 21:37 📱:F904i 🆔:U7Tq5nHk


#59 [マイマイ]
  

「本当だねぇ…」

私は智香に笑いかけながら言った。

「それよりさっき夜深、思いっ切り睨まれてなかった!?大丈夫!?」

智香はオロオロとしながら私に訪ねた。

.

⏰:08/03/29 21:40 📱:F904i 🆔:U7Tq5nHk


#60 [マイマイ]
  

それを聞いて私と沢野くんは顔を見合わせて笑った。

「何っ!?何で笑ってるの!?私本当に心配してるんだよ!??」

智香は私の反応が気に入らなかったのか頬を膨らませて怒る。

「ごめんごめん!!大丈夫だよ(笑)」

.

⏰:08/03/29 21:43 📱:F904i 🆔:U7Tq5nHk


#61 [マイマイ]
  

私は笑って智香の頭を撫でてあげた。

「もぉ〜…」

って怒りながらもしぼんでゆく智香の頬を見てまた笑みが零れた。

「智香は本当に可愛いね(笑)」

私が笑って言うと智香は耳まで真っ赤にして首を横に振った。

.

⏰:08/03/29 21:46 📱:F904i 🆔:U7Tq5nHk


#62 [マイマイ]
  

「私沢野くん恨むよ(笑)」

「それは恐ろしい(笑)」

沢野くんは笑って言った。
そう…
智香と沢野くんは付き合っている。
私から見ても羨ましくなるぐらい本当に仲のいいカップルだ。

.

⏰:08/03/29 21:48 📱:F904i 🆔:U7Tq5nHk


#63 [マイマイ]
  




ストップします
感想頂けると
嬉しいですっ




.

⏰:08/03/29 21:49 📱:F904i 🆔:U7Tq5nHk


#64 []
この話大好きです
頑張ってくださいっ!

⏰:08/03/29 22:53 📱:N903i 🆔:qQL1NvUY


#65 [マイマイ]
  



さん
大好きだなんて…
感動ですっ
今日の更新は
ここまでですが
また明日頑張ります

感想板
bbs1.ryne.jp/r.php/novel/3389/



.

⏰:08/03/29 23:26 📱:F904i 🆔:U7Tq5nHk


#66 [いちご]
あげえ

⏰:08/03/30 00:34 📱:SH703i 🆔:7Xg2t6Mc


#67 [マイマイ]
  




いちごさん
あげありがとですっ




.

⏰:08/03/30 09:26 📱:F904i 🆔:VjOTRXeM


#68 [我輩は匿名である]
続き気になる

⏰:08/03/30 09:36 📱:D705i 🆔:It6DNrA2


#69 [マイマイ]
  




我輩は匿名であるさん
読んで下さって
ありがとうございます
今から更新ですっ




.

⏰:08/03/30 09:52 📱:F904i 🆔:VjOTRXeM


#70 [マイマイ]
  

でも私にはわからない。
異性を好きになる気持ちがよくわからない。

怖いとも思わないし…
良い人もいるし…
恋だってしてみたい…

だけど…
誰かを好きになったり、胸がときめいたりしたことは無い…

.

⏰:08/03/30 09:55 📱:F904i 🆔:VjOTRXeM


#71 [マイマイ]
  

「好きって何??」

私はぼぉーっとしながら小さく呟いた。

「どーしたの夜深??」

智香は突然訳の分からない事を言った私を可笑しそうに見ながら言う。

「へっ??…ぁ…別に…」

.

⏰:08/03/30 09:57 📱:F904i 🆔:VjOTRXeM


#72 [マイマイ]
  

「夜深…焦らなくったっていつか大事に思える人は出てくるよ。」

智香は私の頭に手をぽんっと置いて笑った。

「だよね…」

私も智香の方を向いて笑った。

「2人とも僕忘れてない?;」

.

⏰:08/03/30 10:00 📱:F904i 🆔:VjOTRXeM


#73 [マイマイ]
  

野沢くんが少し苦笑いしながら言った。

「「忘れてた(笑)」」

私と智香が同時に言った。

「ひどすぎる…」

それから3人で笑いあった。

.

⏰:08/03/30 10:03 📱:F904i 🆔:VjOTRXeM


#74 [マイマイ]
  

「夜深っ!!
次移動教室だから早く行かないとっ!!」

智香がハッと思い出したように言った。

「あっ!!そっか!!
私日直だから先に行ってて??」

私はガタッと席を立ち上がり言った。

.

⏰:08/03/30 10:08 📱:F904i 🆔:VjOTRXeM


#75 [マイマイ]
  

「了解っ!!」

智香と野沢くんは2人で教室から出て行った。

「私も早く行こっと!」

私は教室の鍵を閉めるために前にある鍵を取りに行く。

ーガタッ

.

⏰:08/03/30 10:11 📱:F904i 🆔:VjOTRXeM


#76 [マイマイ]
  

「あっ…」

私は取った鍵を床に落としてしまった。

「握力大丈夫かな?;;」

何てふざけた事を考えながらしゃがみ込み床に落ちた鍵に手を伸ばす。

「ふぅ〜…
早くしないと遅刻しちゃう!」

.

⏰:08/03/30 10:14 📱:F904i 🆔:VjOTRXeM


#77 [マイマイ]
  

軽くため息をついてから立ち上がりスカートをはたきながらドアに向かった。

ーズキッ

「…っ!?」

突然胸元の傷が痛んだ。

(今日はよく痛むな…)

.

⏰:08/03/30 10:16 📱:F904i 🆔:VjOTRXeM


#78 [マイマイ]
  

胸元を軽くこすりながら思った。

ーガラッ

「いっそっげーっ!!」

1人変にテンションが高いまま教室の外にでた。

「…っ…」

.

⏰:08/03/30 10:25 📱:F904i 🆔:VjOTRXeM


#79 [マイマイ]
  

息が出来ない…

「やっと見つけた…」

私にそう言ったのは
転校生の牙塚恭弥だった。

「はぁ…っ…」

胸元の痛みがだんだん酷くなって私はしゃがみ込みそうになる。

.

⏰:08/03/30 10:29 📱:F904i 🆔:VjOTRXeM


#80 [マイマイ]
  

だけど私の体は床にはつかなかった…

顔をあげるとそこには大きな胸板があった。

私の腰には手が添えてあり私を支えている。

「はぁ…誰な…の??」

私は私を支えている手を掴みながら言う。

.

⏰:08/03/30 10:39 📱:F904i 🆔:VjOTRXeM


#81 [マイマイ]
  

ゆっくりと顔をあげると私を真っ直ぐ見つめる整った顔…

「ずっと探したんだ…
忘れるなよ…」

牙塚恭弥は目を細めて私を見ながら空いている手で私の胸元をゆっくりとなぞった。

「…っ!!//」

.

⏰:08/03/30 10:44 📱:F904i 🆔:VjOTRXeM


#82 [マイマイ]
  




ストップします
感想頂けると
嬉しいですっ




.

⏰:08/03/30 10:46 📱:F904i 🆔:VjOTRXeM


#83 [あひる]


読んでますっ★

野沢クン=沢野クン
ですかね
もし違ったらすみません;

更新ふぁいとです!

⏰:08/03/30 11:04 📱:SH902i 🆔:IzZXJ6hQ


#84 [マイマイ]
  




あひるさん
本当ですね
ご指摘ありがとう
ございますね
頑張りますっ




.

⏰:08/03/30 16:26 📱:F904i 🆔:VjOTRXeM


#85 [マイマイ]
  

私は目を見開きとっさにその腕を掴み離そうとするが腕はびくともしない。

「やっ…!」

牙塚恭弥は胸元をなぞっていた手でゆっくりと前のボタンを開ける。

「何するのっ!?///」

.

⏰:08/03/30 16:31 📱:F904i 🆔:VjOTRXeM


#86 [マイマイ]
  

私の必死の抵抗も虚しく前のボタンは3つ開けられた。

「やっぱり…」

牙塚恭弥はぼそりと呟き私の胸元の傷を目を細めながら見つめる。

「いやっ!!!…私っ!!
あなた何か知らないっ!!」

.

⏰:08/03/30 16:35 📱:F904i 🆔:VjOTRXeM


#87 [マイマイ]
  

私が言うと
牙塚恭弥は私の胸元に顔を埋めた。

「なっ///」

誰も居ない廊下…

私はいったい何をしているんだろう…

「俺は知ってる…」

.

⏰:08/03/30 16:42 📱:F904i 🆔:VjOTRXeM


#88 [マイマイ]
  

牙塚恭弥は胸元に顔を埋めたまま私を見上げ言った。

「えっ…っ!??」

すると牙塚恭弥は私の胸元の傷をぺろっと舐めた。

「もう離さない…」

私を見上げる目は…
まるで野獣のような…
まるで…狼…

.

⏰:08/03/30 16:47 📱:F904i 🆔:VjOTRXeM


#89 [マイマイ]
  

不意にあの狼が頭をよぎった。

真っ黒な瞳に吸い込まれそうになる…

私を支える筋肉質な腕に壊されそうになる…

狼の毛並みのような灰色の髪が顔をかすめる…

胸が高鳴る…

.

⏰:08/03/30 16:55 📱:F904i 🆔:VjOTRXeM


#90 [マイマイ]
  

ードクンッドクンッ

"逃げられない…"

「いやっ!!!
離してっ!!あなたなんか知らないっ!!」

私は牙塚恭弥の胸を強く押した。

「何故逃げる???」

.

⏰:08/03/30 17:02 📱:F904i 🆔:VjOTRXeM


#91 [マイマイ]
  

「授業遅れるからっ!!」

とっさに出た言い訳だったんだ…

「遅れなかったら良いのか??」

牙塚恭弥は私を見つめながら首を傾げた。

「もぉ遅いよ…」

.

⏰:08/03/30 18:25 📱:F904i 🆔:VjOTRXeM


#92 [マイマイ]
  

私は牙塚恭弥の胸元に手を添えながら言った。

「遅れたくないか??」

無理に決まってる。
ここから移動教室まで五分弱はかかる。
時間は後二分…

「遅れたくわ無いけど…」

.

⏰:08/03/30 18:28 📱:F904i 🆔:VjOTRXeM


#93 [マイマイ]
  

「夜深が望なら…」

牙塚恭弥は私の目の横にキスを落として私を軽々と持ち上げた。

「きゃっ!??///
なっ何するのっ!?//」

私は反射的にいきなり持ち上がった体に驚き牙塚恭弥の首に腕を回す。

.

⏰:08/03/30 18:33 📱:F904i 🆔:VjOTRXeM


#94 [マイマイ]
  

「走るぞ…
捕まっとけよ。」

牙塚恭弥は私をお姫様だっこして言った。

「そんなっ…」

とは言いながらも私は体が宙を浮いている恐怖に体を硬直させて牙塚恭弥にしがみつく。

.

⏰:08/03/30 18:44 📱:F904i 🆔:VjOTRXeM


#95 [マイマイ]
  




ストップします
感想頂けると
嬉しいです

感想板
bbs1.ryne.jp/r.php/novel/3389/




.

⏰:08/03/30 18:54 📱:F904i 🆔:VjOTRXeM


#96 [マイマイ]
  

「道案内よろしく。」

牙塚恭弥はにっこり笑った後走り出した。

「…っ!」

速い…
怖い怖い怖いっ!!!
私は涙目になりながら必死に肩にしがみつく。

「次どっち??」

.

⏰:08/03/30 21:51 📱:F904i 🆔:VjOTRXeM


#97 [マイマイ]
  

「かい…だん…お…下りて…っ…!!!」

余りの怖さに声が震える。

「了解。」

牙塚恭弥は走った状態で余裕の表情で言った。

「しんどくないの…キャッ!」

.

⏰:08/03/30 22:01 📱:F904i 🆔:VjOTRXeM


#98 [沙倭]
沙倭(サワ)です♪
頑張って下さいd(@^∇゚)/

⏰:08/03/30 22:58 📱:auSH34 🆔:8P0Rx.8c


#99 [ミキ]
とても面白いです(p愛qO∀o*)+゚

文章も読みやすくて,物語に引き込まれます
更新頑張ってください

⏰:08/03/30 23:45 📱:P904i 🆔:eh4PilAc


#100 [マイマイ]
  

沙倭さん
読んでくださって
ありがとうございます
頑張りますね

ミキさん
本当ですか
とても嬉しいです
もっと引き込めるような
文章を目指して
頑張りますね

.

⏰:08/03/31 01:17 📱:F904i 🆔:OA0pEh4A


#101 [マイマイ]
  

突然私の体が上下に動き始めた。

牙塚恭弥が猛スピードで階段を下り始めたからだ。

「キャッ!!落ちるよっ!!」

ゆさゆさと上下に揺れる体の反動で放り出されそうな予感がする。

.

⏰:08/03/31 01:24 📱:F904i 🆔:OA0pEh4A


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