よすが
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#192 [蜜月◆oycAM.aIfI]
今はまだ、何も解らない。
けれど、知りたければ進むしかないのだ。
あたしは後ろから響くサトルの靴音を聞きながら、何も考えず歩き続けた。
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:08/04/15 22:06
:SH903i
:OfU8ov5.
#193 [蜜月◆oycAM.aIfI]
足の痛みは、もう既に限界値を越えたように思えた。
この木のトンネルは、どこまで続くのだろう。
歩き続けた末に、あたしもサトルも疲れ果ててしまったが、それでも足を引きずるようにしてさらにゆっくりと進んでいた。
ふとトンネルの先に目をやると、乱立している木々の間から、自然の中にはありえない、灰色のコンクリートのようなものが見えた。
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:08/04/15 22:07
:SH903i
:OfU8ov5.
#194 [蜜月◆oycAM.aIfI]
驚きながらも少しずつ近づいていくと、それはコンクリートで出来た小さな建物だった。
建物の少し手前で、視界が開ける。
最後の木と木の間を通り抜けると、先ほどのものよりかなり大きな空間が現れた。
見上げると、さっきまで全く見えなかった空は、さらに雲を増やし、色を濃くしていた。
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:08/04/16 18:53
:SH903i
:ncWRAm.w
#195 [蜜月◆oycAM.aIfI]
その空間の真ん中に、コンクリートの建物が建っている。
近くで見ると、コンクリートを正方形に固めて壁の一部にドアを取り付けただけのものだった。
天井はどうか解らないが、見えるところに窓は一つも無い。
「なに、これ……」
不気味だった。
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:08/04/16 18:54
:SH903i
:ncWRAm.w
#196 [蜜月◆oycAM.aIfI]
自然しかないと思っていた山の中に、コンクリート製の箱がぽつりと置かれている。
あまりに不釣り合いで現実離れしたその光景に、あたしは次の言葉が出なかった。
それはサトルも同じだったようで、ぽかんとした顔でコンクリートの箱を眺めている。
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:08/04/16 18:55
:SH903i
:ncWRAm.w
#197 [蜜月◆oycAM.aIfI]
あたしは目の前にある異様な建物に、少なからず恐怖を覚えた。
戸惑いながら、その建物を観察する。
取り付けられたドアの近くに目をやると、焚火の跡のような燃えかすと灰が散らばっていた。
「ちょっと……ここ、誰か住んでるんじゃない?」
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:08/04/16 18:55
:SH903i
:ncWRAm.w
#198 [蜜月◆oycAM.aIfI]
あたしは小声でサトルに囁き、燃えかすの方を指で指し示した。
それを見たサトルは、驚いた表情でキョロキョロと周りを見回す。
「戻る?」
サトルに言われてあたしは少し迷ったけれど、引き返すのはやめた。
今さっきあたしたちが通ってきた森の中に戻り、木の影からコンクリートの箱を観察することにした。
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:08/04/17 23:00
:SH903i
:XxBpfdyc
#199 [蜜月◆oycAM.aIfI]
しかし、見れば見るほど不気味だ。
箱の高さはあたしの身長より頭三つ分ほど高い。
ところどころにシミがあるのを見ると、それほど新しくはなさそうだ。
ドアは鉄製のようで、かなり頑丈そうに見えた。
――何のために作られたんだろう……?
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:08/04/17 23:01
:SH903i
:XxBpfdyc
#200 [蜜月◆oycAM.aIfI]
人が暮らすには不自由すぎないだろうか?
窓が無ければ中は完全に真っ暗だろうし、コンクリートだけで造られているなら今の時期かなり寒いだろう。
何より、こんな山の中に建てる意味がわからない。
食料を買いに行くだけでもかなり不便ではないか。
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:08/04/17 23:02
:SH903i
:XxBpfdyc
#201 [蜜月◆oycAM.aIfI]
そんなことを考えながらコンクリートの箱を観察していたが、何の動きもない。
腕に付けていた時計を見てみると、時刻はもうしばらくで夕方の四時になるところだった。
さっきまで汗だくになって歩いていたので、熱が引いた今、汗で濡れた体が冷えてきた。
雲に遮られたせいで太陽の光が全く届かなくなったのもあって、あたしの体はカタカタと震える。
同じように震えているサトルの呟きが聞こえた。
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:08/04/18 22:29
:SH903i
:gqbjt9BM
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