よすが
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#215 [蜜月◆oycAM.aIfI]
サトルとの出会いは、いきなり訪れた。
新しい学校に初めて登校する日、サトルがあたしの家に迎えにきた。
あたしは久しぶりの学校に緊張していて、朝からずっと泣きそうだったのを覚えている。
そんなあたしに母が、新しいお友達よ、と言ってサトルを紹介してくれた。
サトルは、今はもう見慣れたあの人懐っこい笑顔で、「サトルです! ユキちゃんよろしく!」と言って、学校まであたしの手を引いてくれたっけ。
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:08/04/20 01:36
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:bC7weAIo
#216 [蜜月◆oycAM.aIfI]
どうして母がサトルを知っていたのかあたしは知らないけれど、そのおかげで今となっては一番の友達だ。
サトルはひとつ年下なので、学校ではあまり顔を合わさなかったけれど、行き帰りや休日はほとんど一緒だった。
あたしが同じ学年の友達と遊ぶ時でも、サトルはみんなに混じって遊んでいた。
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:08/04/20 01:36
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#217 [蜜月◆oycAM.aIfI]
サトルとは中学校も同じで、あたしに合わせたんじゃない、と本人は言っていたけれど、部活まで一緒だった。同じ、バレーボール部。
サトルは運動神経が良いからか、どの試合でも活躍していた。
あたしはといえば、万年補欠。
なぜバレーボール部に入ったのか、と聞かれてもおかしくないほど下手だった。
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:08/04/20 01:37
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#218 [蜜月◆oycAM.aIfI]
情けなくも、あたしはサトルにコーチを頼んで秘密の特訓をしてもらったことがある。
そのおかげか、中学生活最後の試合で、あたしは初めてスタメンに選ばれたのだった。
こうして思い返しても、サトルはいつも側にいてくれた。
サトルとの思い出は、楽しいものばかり。
ケンカなんて一度もしたことがない。
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:08/04/20 01:38
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#219 [蜜月◆oycAM.aIfI]
サトルがあたしを理解してくれているからだろう、と思う。
あたしはサトルのことを理解出来ているだろうか?
いや、出来ていないだろう。
サトルは喜怒哀楽が激しいように見えて、実は感情を抑えているような気がする。
あたしの気のせいかもしれないけれど。
「ユキ? ……ユキ! ユキ!」
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:08/04/20 01:39
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#220 [蜜月◆oycAM.aIfI]
サトルがあたしを呼んでいる。
――でも……なんで? 返事が出来ない……。
熱い……体が重い……。
コンクリートの一点を見つめながら、あたしの体はゆっくりと水溜まりの中に倒れ込んだ。
遠くであたしを呼ぶ声がする。
これは……サトルの声?
いや、違う。この声は――。
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:08/04/20 01:39
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#221 [蜜月◆oycAM.aIfI]
:08/04/20 01:42
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#222 [蜜月◆oycAM.aIfI]
―X―
「ユキ? ……ユキ! ユキ!」
目の前でユキが倒れ、サトルは慌てて彼女の体を抱き上げた。
泥がつくのも気にせず、彼女の軽い体を自分の両手と胸で支える。
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:08/04/20 23:05
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#223 [蜜月◆oycAM.aIfI]
何度名前を呼んでも、反応がない。
ユキの頬は紅潮し、息遣いもかなり荒くなっていた。
はっとした表情で、サトルはユキの額に手を当てた。
「ユキ……」
彼女の額は、熱を帯びていた。
冷たい雨に打たれて、熱を出してしまったようだ。
サトルは慌てて自分が着ていた上着やマフラーを外し、ユキの体に巻きつけていく。
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:08/04/20 23:06
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#224 [蜜月◆oycAM.aIfI]
――こんな山の中で……どうしよう! 早く乾かさないと! ていうか着替えさせないと!
サトルは焦っていた。
まだ雨は降り続いている。
早くどうにかしないと、ユキが死んでしまうんじゃないかと思っていた。
その時。
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:08/04/20 23:06
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