よすが
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#791 [○&◆oe/DCsIuaw]
「5人て……。そうなったら大家族だよお母さん」
「あぁ!おねーちゃん!」
後ろから声がするので振り向いてみれば、三女で4歳のいちごと、長男で10歳のそらがそこにいた。苺はトテトテと走ってきて私の足に抱きついた。
「おかえりなさぁい!あのね、いちご今日おうたおぼえたんだよー!」
「そうなんだぁ。またお姉ちゃんに聞かせてね。」
:22/10/25 20:09
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#792 [○&◆oe/DCsIuaw]
苺は「うん!」と元気よく言って、お母さんの膝によじ上った。
「えこ姉!俺今日野球でホームラン打ったよ!」
「空はさすがだねー!この調子で頑張りなよ!」
空はニカッと笑う。それにつられて私も笑うと、玄関の方から叫び声が聞こえた。
「うわぁぁ!!」
「あ、さくらおねえちゃんだ!」
:22/10/25 20:09
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#793 [○&◆oe/DCsIuaw]
さくらとは、次女で14歳。おそらく部活から帰って来たのだろう。それはいい。多分.......柴がいたな。玄関へつけば、風呂上がりで、さっきと変わらず頭びちょびちょの柴と、見知らぬ柴に驚いた桜がいた。
「え!?ちょ、お姉ちゃんこの人誰?」
「柴。ちょっと柴。ちゃんと頭拭かなきゃダメでしょうが」
:22/10/25 20:09
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#794 [○&◆oe/DCsIuaw]
すると、柴は頭にタオルを乗っけて、私に頭を差し出してきた。拭けと言ってるらしい。桜の叫びにかけつけた苺と空も、驚いていた。
「わ!誰?」
「いちごのおにいちゃん?」
.......いっぺんに説明しなくちゃならないようだった。
小さな苺もいると言う事で、分かりやすく丁寧に話した所、最初こそ驚いたものの、皆次第に納得していった。
:22/10/25 20:09
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#795 [○&◆oe/DCsIuaw]
「分かったよお姉ちゃん」
「俺も」
「いちごもー!」
皆が了解したと言う事で、私は柴が使う部屋へと案内した。丁度1つ余っているので、そこにする事にする。階段を上がって、空いてる部屋へと案内。柴は黙々とついてくる。ドアを開けると、何もない空間が広がっている。
:22/10/25 20:10
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#796 [○&◆oe/DCsIuaw]
「じゃあここね。布団はまた持ってくるから」
「.......てない」
「え?」
柴は入口に止まったまま、窓を見つめて何か呟いた。柴よりも先に部屋に入ってた私は、柴に寄っていってもう1回何を言ったか尋ねた。
「何?」
「似てない.......誰ひとりとして、兄弟も、親子も」
:22/10/25 20:10
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#797 [○&◆oe/DCsIuaw]
「.......そっか」
私はにこっとして、質問に答える。
「皆、施設からこの家に来たから。似てなくて当然なんだよ」
私は皆、桜も空も苺も……皆施設から今のお母さんの所へ引き取られた。お母さんは、子供が欲しいけど出来なくて、ずっと悲しんでいた。そんな時、私達を見つけてくれた。
:22/10/25 20:10
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#798 [○&◆oe/DCsIuaw]
血の繋がりなんてないけど、愛情一杯に育ててくれた。私は5歳の時、両親から捨てられた。それでも今のお母さんが大事に育ててくれたおかげで、今は何も寂しくもないし、怖くもない。
「本当の兄弟じゃなくても、皆大切よ」
柴は静かに私を見つめ返す。灰色の瞳でじっと見つめられるば、少しドキドキした。
:22/10/25 20:10
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#799 [○&◆oe/DCsIuaw]
「いいな」
「え?」
.......と、突然、柴が被さってきた。急なので、バランスを崩した私の体は、柴と共に倒れる。ドスンと派手な音を立てると、私はムクリと起き上がった。
「あいったたたた。ちょっと柴!何すん」
「スー……スー……」
え、寝ちゃった?
:22/10/25 20:10
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#800 [○&◆oe/DCsIuaw]
確認するまでもなく、ピクリとも動かず柴は寝息を立てる。何か……謎めいた人だなぁ。歳は20ちょっとくらい。長身、どちらかといえば美形。そして灰色の瞳。一体どこの人なんだろうか。結果として膝枕をしなくちゃならない羽目になった私は、柴の寝顔を見ながらぼんやりと色々考えた。
:22/10/25 20:11
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