よすが
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#800 [○&◆oe/DCsIuaw]
確認するまでもなく、ピクリとも動かず柴は寝息を立てる。何か……謎めいた人だなぁ。歳は20ちょっとくらい。長身、どちらかといえば美形。そして灰色の瞳。一体どこの人なんだろうか。結果として膝枕をしなくちゃならない羽目になった私は、柴の寝顔を見ながらぼんやりと色々考えた。
:22/10/25 20:11
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#801 [○&◆oe/DCsIuaw]
眠りがもとから浅いのか、1時間経つと柴は目を覚ました。覚えてないのか、半目で辺りを見渡す。そんな仕草に、あたしは笑ってしまった。
「本当犬みたい!柴って名前あってたみたいね」
柴は少し首を傾げてから、座って頭をポリポリかいた。私のビジョンからは、子犬が後ろ足で頭をかいてるように見える。
:22/10/25 20:11
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#802 [○&◆oe/DCsIuaw]
「お腹空いてない?喉は渇いてない?」
柴は頭をかくのを止めて、またあたしをじっと見つめる。見つめながら、眉間のしわを深くした。何か、私悪い事言ったっけ?
「馬鹿らしい」
は?
「赤の他人家にあげるなんてどういう神経してんだか。第一そんなに親切にして何なの?媚売ってんの?」
:22/10/25 20:11
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#803 [○&◆oe/DCsIuaw]
最後の言葉を言い終わると同時に、私は柴の両方の頬をつねってやった。そして間近で怒った顔をする。
「二度と、あたしの家族の悪口言わないで」
媚なんて売った事はない。困っているなら助けてあげたい。そんな、ただ優しい心をそんな風に言うなんて許さない。
:22/10/25 20:11
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#804 [○&◆oe/DCsIuaw]
「少なくとも、私はこの家族を誇りに思ってる。本当の家族であろうがなかろうが関係ない。本当の皆の心を見ずに、悪く言うのは止めて」
そうして、私は頬から手を離す。依然、まだ顔も気持ちも怒ったままだ。柴はつねられた頬をさすりながら、ぼんやりと足元を見ていた。少し、言いすぎた?
:22/10/25 20:12
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#805 [○&◆oe/DCsIuaw]
でも柴が悪いのよ。私の家族を、あんな風に.......。
「うらやましい.......」
柴がまたポツリと言う。私は眉を寄せて柴を見る。柴はまたさっきのように悲しい目をしていた。灰色の瞳に憂いの色が混ざる。
「悪く言ってごめん」
:22/10/25 20:12
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#806 [○&◆oe/DCsIuaw]
あれ、意外と素直。
「でもお人好し」
でもやっぱり毒舌。
「いいの。誰かにとってはお人好しでも、誰かにとっては救いになってるかもしれないでしょ?」
柴は珍しい物のように私をじっと見つめる。そんなにおかしい事言ったかな。すると、カタと音がしたので振り向くと、そこに苺が覗いていた。苺は恐る恐る部屋に入って来て、柴の近くで止まった。
:22/10/25 20:12
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#807 [○&◆oe/DCsIuaw]
最初は上から下まで何度も観察して、その内ににこぉっ笑った。
「しばおにいちゃん。いちごおにいちゃんとあそびたいな」
柴は軽く目を見張ると、少し表情を柔らかくしたのが分かった。目元も笑みを含んでいる。苺も柴を気に入ったのか、生意気に膝の上に乗ってる。
「兄弟いたの?」
「弟がね、」
:22/10/25 20:12
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#808 [○&◆oe/DCsIuaw]
柴は苺の頭を撫でながら言う。苺のおかげで柴の警戒していた空気が緩和されてる。だから私もなんなく喋る事が出来た。
「何歳くらい?」
「この子と同じくらい。」
「“このこ”じゃないよ。いちごだよ!」
苺の主張に、思わず笑ってしまう。
「苺ー!ちょっとおいでー!」
:22/10/25 20:12
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#809 [○&◆oe/DCsIuaw]
桜の呼ぶ声に、元気よく「はーい!」と答えて苺は言ってしまった。まるで空気を和らげに来ただけみたいな苺に、私は胸が温かくなった。
「あの子はいつからこの家の子?」
柴から喋り出したので、私は少し驚いた。
「苺は赤ちゃんの時から。でも本当の家族じゃない事はもう知ってるよ」
:22/10/25 20:13
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