夢の中の私の影
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#172 [紫陽花]
本当はそんなの嘘。
時間の20分前から待っていた。早く来すぎたと言えばそれだけだが、なんだろう……優人さんに早く会いたいと思えば思うほど私の足は勝手に動き、何度も鏡で髪をチェックをしてしまう自分の手がおかしかった。
「じゃあ行こっか」
少し落ち着いたのか、呼吸は一定のリズムになり優人さんは優しく私に声をかけた。
:08/05/18 18:53
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#173 [紫陽花]
「行くって……どこに?」
「説明は電車の中でするから、とりあえず切符買ってくるね。柚紀ちゃんは確か定期があるから切符はいらないよね?」
「はあ………」
イマイチ状況のつかめない私は気の抜けた返事をしつつも券売機へ向かい切符を購入している優人さんを視界に入れる。土曜というのに電車を利用する人は多いらしく、一枚の切符を買うのに齷齪している姿が見えた。
:08/05/18 18:55
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#174 [紫陽花]
かわいいなぁ……
もう大人で、さらに自分の叔父への形容詞を『かわいい』にするのは普通はおかしいのだろうけど私の場合はもう、なにがなんだか分からなかった。
優人さんの可愛いところ、格好いいところ、無邪気なところ……。もっといろんな角度の優人さんを見たい。
:08/05/18 18:56
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#175 [紫陽花]
人はこれを恋と呼ぶのだろうか。
その人を見ると胸が熱くなる。声を聞くと何故か落ち着く。
早く会いたいと願う。
恋って何だろう?
私は優人さんのことが好きなの?
:08/05/18 18:56
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#176 [紫陽花]
「お待たせ!!人多くってさ〜。それと紅茶買ってきたよ。好きでしょ?紅茶」
私は帰ってきた優人さんの顔を見上げた。サラサラの黒髪が風になびき何とも言えない格好良さが目に入る。それに紅茶まで買ってきてくれて……。その優しさの一つ一つに胸が苦しくなる。
:08/05/18 18:57
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#177 [紫陽花]
 ̄
私は……優人さんが好き。
_
:08/05/18 18:58
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#178 [紫陽花]
「ん?なんか顔についてる?」
「いやっ……何でもないです!!ありがとうございます」
ダメだ。
このことは気付かれちゃいけない。
:08/05/18 18:59
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#179 [紫陽花]
もし私が『叔父さん』のことを好きだって気付かれたら私はきっと異変な目で見られ、優人さんも困るだけ。
どんなに私の中の恋心という甘い光が外にでたがっても、影のようにひっそりと隠し続けなければならない。
:08/05/18 19:00
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#180 [紫陽花]
「ちょ……柚紀ちゃん!!ぼーっとしてるけど大丈夫?電車来たよ」
「だい…じょうぶです。電車、乗りましょう」
私と優人さんはガタガタと機械音をならしている電車へと足を踏み入れた。
:08/05/18 19:00
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#181 [紫陽花]
:08/05/18 19:04
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