夢の中の私の影
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#199 [紫陽花]
「あっ……」
思い出したのか、小さな声を漏らす。私の方は依然として思い出せないままなのに……。
「柚紀ちゃん?そうよ!!柚紀ちゃんよね」
:08/06/02 21:28
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#200 [紫陽花]
「はい……」
おばあさんの顔は、やっと思い出したと言う喜びと、私を懐かしんでいるようで笑顔をこぼしていた。
「私よ!!あぁ〜覚えてないのも無理ないわ。柚紀ちゃんはこーんなに小さかったんだもの。私よ、久子!!坂枝久子よ!!!」
:08/06/02 21:28
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#201 [紫陽花]
「あっ………」
突然稲妻か走ったように私の記憶が頭を駆け抜けた。思い出した……。
私を育ててくれた人だ……。
:08/06/02 21:29
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#202 [紫陽花]
「久子先生!!お久しぶりです!!」
懐かしさに全身が震える。
あぁ、先生!!
お世話になった先生!!
私は先生へと一歩また一歩と歩み寄る。
:08/06/02 21:30
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#203 [紫陽花]
久子先生は毎日のようにお母さんがいない、と泣きじゃくる私をいつも優しい言葉で慰めてくれた。
記憶こそ曖昧だが泣きじゃくっていた私の体の中の何かがこの人は私に安心をくれる人だと伝えてくれていた。
:08/06/02 21:31
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#204 [紫陽花]
 ̄
「感動の再会の途中に水を差すようで悪いんですけど、捜査に入ってもよろしいですか?」
ひょいと後ろから優人さんが私の肩をたたく。
:08/06/02 21:32
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#205 [紫陽花]
「す、すいません!!」
懐かしさのあまり優人さんには悪いが優人さんの存在を忘れていた。久子先生と私、二人の世界、二人だけの過去の懐かしさに浸っていた。
「じゃあ、中に入りましょうか。園内の応接室に案内しますよ」
:08/06/02 21:32
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#206 [紫陽花]
―――――――………
―――――………
焦げ茶色で統一された椅子に机。
壁には小さな枠に囲まれた絵画がいくつも掛けてあり自然と目がそれらを眺めてしまう。
机の上には白い細かな刺繍の施されたレースのテーブルクロス。
至る所に細かな趣向が凝らされており待つことに対して退屈を感じさせない作りだった。
:08/06/02 21:33
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#207 [紫陽花]
「綺麗な応接室だね」
優人さんもこの部屋の居心地の良さに感嘆の言葉を漏らした。
「お待たせしました。紅茶でよろしいですね?」
:08/06/02 21:34
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#208 [紫陽花]
目の前におかれた紅茶の湯気と共に独特の匂いが鼻孔をくすぐる。
すごく気分が良い。
「紅茶まで頂いてすいません。……それでは、本題に入らせていただきます」
優人さんの顔が少し引き締まる。これが仕事の顔だろうか。
:08/06/02 21:35
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