夢の中の私の影
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#272 [紫陽花]
もう夢には馴れてしまった。

いつものように影も光りもない無の世界の中に私は存在していた。

そして、いつものように叫び声が聞こえ始めた。

⏰:08/06/24 23:14 📱:F905i 🆔:kVepP.ak


#273 [紫陽花]
いやだぁぁああ!!

お願いだから助けて!!!!


ゴキ


やめ……やめて……

許してぇぇええ!!!

ゴキ

⏰:08/06/24 23:15 📱:F905i 🆔:kVepP.ak


#274 [紫陽花]
断末魔
その言葉がよく似合っている。
叫び声よりも奇声に近い声は、いつか夢のように知っている声だった。

いつもならこの声を発している人物を思い出せない。
それに、もうすぐ私は目覚めるだろう。

⏰:08/06/24 23:15 📱:F905i 🆔:kVepP.ak


#275 [紫陽花]
けれど今日はなかなか現実に引き戻される気配がない。

………なに、この臭い

私はあたりを包むこの異臭に顔をしかめた。いや、暗闇で何も見えないのだがきっと私は顔をくしゃくしゃにして、この異臭を感じているだろう。

それほどに臭い。

⏰:08/06/24 23:16 📱:F905i 🆔:kVepP.ak


#276 [紫陽花]
肉が腐ったような腐乱臭。
その臭いのせいか周りの空気もぬるぬると私の表面に纏わりつく。腐った臭いが、まるで蜘蛛の糸にとらえられた獲物のように私の体中をぐるぐると包んでいるようだ。


そんな事を考えていると次の瞬間、一際大きな叫び声が辺りを揺らした。

⏰:08/06/24 23:17 📱:F905i 🆔:kVepP.ak


#277 [紫陽花]
やめて!
やめて!
やめて!
やめて!
やめて!

柚紀ちゃんやめてぇぇえええ!!!


ゴキ

⏰:08/06/24 23:17 📱:F905i 🆔:kVepP.ak


#278 [紫陽花]
……今、私の名前を呼んだ?






「ギャアァァア!!!!」

⏰:08/06/24 23:18 📱:F905i 🆔:kVepP.ak


#279 [紫陽花]
頭が痛い!!
頭の中の記憶という扉が乱暴にこじ開けられていく感触に私自身も声を荒げる。

目の前がちかちかする。
吐き気のするめまい、頭を殴られたような頭痛。まるでプールに入ったときのような感覚が私を襲う。


これは夢だと頭は分かっていても痛みは段々強くなるばかりで、さらに悪いことにあの腐った臭いも格段に強くなってきた。

⏰:08/06/24 23:19 📱:F905i 🆔:kVepP.ak


#280 [紫陽花]
黒しかない闇の世界なのに私の瞼の裏は赤、黄色、青の原色が瞬きをするたびに交互点灯を繰り返す。

それから間もなくして、その3色は重なり合い一枚の風景となってスライドショーのように瞼の裏に次々と現れだした。

⏰:08/06/24 23:19 📱:F905i 🆔:kVepP.ak


#281 [紫陽花]
何これ……!?


そのスライド全てには私と思われる人物が写っていた。

背格好、髪型すべてをとっても間違いなく《秋野柚紀》なのだが、何か、毎朝鏡の前で見る《秋野柚紀》の顔とは何か違う。

⏰:08/06/24 23:20 📱:F905i 🆔:kVepP.ak


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