夢の中の私の影
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#222 [紫陽花]
「今日はもう一つ聞きたいことがあるんです……あの、柚紀ちゃんの事なんですが……」

私のこと?
ドアノブを回す手を止める。
盗み聞きしちゃ悪いと思いつつも声のトーンを低くした優人さんの声に耳を傾けてしまう。

⏰:08/06/08 14:10 📱:F905i 🆔:MW..VydM


#223 [紫陽花]
「殺害された二人とはまた別に柚紀ちゃんの幼稚園時代も知りたいんです……」

「………」

優人さんの声は小さいながらも聞き取れる範囲内だ。だが一緒にいるはずの久子先生の声がしないということは口を開いていないのだろうか?

⏰:08/06/08 14:11 📱:F905i 🆔:MW..VydM


#224 [紫陽花]
「………分かりました。お話しましょう」

久子先生の声が聞こえた。先生の声は優人さんよりもか細く、扉の隙間に耳を押し当てないとよく聞こえない。

しかし、こんな風に言うのも変なのだが先生の声は小さいけれど聞き取りやすく耳障りの良い、柔らかい声だった。

⏰:08/06/08 14:12 📱:F905i 🆔:MW..VydM


#225 [紫陽花]
「秋野柚紀ちゃん……あの子は……怖い子でした。この写真を見てください」


「……………かわいい笑顔で普通の女の子みたいですけど」

私には写真は見えないが今二人は私の写真を見ているのだろう。優人さんが私の写真の感想を言うまで少しだけ間が空いていた。

⏰:08/06/08 14:13 📱:F905i 🆔:MW..VydM


#226 [紫陽花]
それにしても、私が怖い?話が全然見えない。私が悩んでいる間にも久子先生は話を進めた。

「この写真砂場で写ってるでしょ?この時、柚紀ちゃんなにをしていたと思いますか?」

「えっと………普通に砂遊びじゃないんですか?こんなに笑顔ですし」

⏰:08/06/08 14:15 📱:F905i 🆔:MW..VydM


#227 [紫陽花]
「他の子供達はトンネルを作ったり、泥団子作ったりしていました。でも柚紀ちゃんは違ったんです……柚紀ちゃんはとっても楽しそうに蟻を潰していたんです……」


は?私が蟻を?
自慢じゃないが私は虫が大の苦手だ。それはもう虫を目にするだけで鳥肌がゾクゾクと立ってその場から逃げ出したくなるほどなのだ。

⏰:08/06/10 16:29 📱:F905i 🆔:U7phR9sk


#228 [紫陽花]
「確か柚紀ちゃんはすごく虫が嫌いなはずじゃ……」

優人さんもそのことを疑問に思ったらしく久子先生に確認した。
以前私は優人さんの前で虫と遭遇し大声を上げたことがあったから、私が極度の虫嫌いだとは強烈に優人さんの記憶に残っているのだろう。

⏰:08/06/10 16:30 📱:F905i 🆔:U7phR9sk


#229 [紫陽花]
「分かりません。何年も前のことですから、その時から柚紀ちゃんが虫を嫌っていたかどうかは分からないのです。けれど本当に彼女は触ることなんて絶対に嫌なはずの蟻、いや、虫を指で潰していたんです」

「……なぜ、そんなことを?」

⏰:08/06/10 16:31 📱:F905i 🆔:U7phR9sk


#230 [紫陽花]
「柚紀ちゃんに言ったんです。『何でそんなことするの?蟻さんも生きてるんだから命を無駄にさせちゃ駄目よ』と少し注意の意味も込めて言いました。すると彼女……」

「柚紀ちゃん何て言ったんですか!?」

⏰:08/06/10 16:32 📱:F905i 🆔:U7phR9sk


#231 [紫陽花]
「楽しんでるんだから邪魔しないで、と……」

楽しいから?
幼稚園時代と言えば人間に対してでも動物に対してでも少なからず生き物に興味を持つ年齢だろう。だが私の行為は興味があるとか、そう言う可愛らしいものが理由じゃない。

命を踏みにじることに楽しさを見いだしているただの狂気じみた幼稚園児……。

⏰:08/06/10 16:33 📱:F905i 🆔:U7phR9sk


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