・・悪魔なキミ・・
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#528 [みい]

「まだ俺が5歳のとき、あのくそじじい…蓮と2人で消えたんだ。そのあとの俺は、アル中の母さんとふたりきり」


自嘲気味に笑う彼を見て、私ははっと思わず息を飲む。
そんな…そんなことがあったなんて…。


「で、ここに双子のうち出来の悪い方、雨宮淕(アマミヤ リク)の誕生ーってわけ」


ふんっ、と鼻で笑うと、淕…は立ち上がって私を見下ろす。

⏰:08/08/04 22:05 📱:SH905i 🆔:obrxLMmQ


#529 [みい]

「…柚稀ちゃん。俺はね、許せないんだよ。俺を見捨ててのこのこ生きてる親父が。…染谷蓮が、ね」


憎しみがこもった言葉とは裏腹に、淕の声には抑揚がない。


「こっちに戻ってきてるって小耳に挟んでさ。この上ない復讐のチャンスだと思った」


にやりと口角を上げる淕に、胸がざわつく。蓮が…蓮の身が、危ないかもしれない。

足の痛みを我慢し、弾みをつけて立ち上がる。

⏰:08/08/04 22:07 📱:SH905i 🆔:obrxLMmQ


#530 [みい]

でも、またすぐに強く押され、倒れ込んでしまう。

「悪いけど、柚稀ちゃんにはちょーっとばかし手伝ってもらうよ」


淕はそう言い、


「おい、そろそろいいぞ、出てこい」


と誰にともなく招集をかけ始めた。

すると、ごちゃごちゃした物の影から一人、また一人と男が出てくる。

⏰:08/08/04 22:11 📱:SH905i 🆔:obrxLMmQ


#531 [みい]

その中には、1週間ほど前、私に話し掛けてきた巨体男の姿があった。


「久しぶりだね、お嬢ちゃん」


この人だ…この人が淕に、言ったんだ…。蓮に会ったことを。


「い、や!来ないで!」


どうにか立ち上がり、必死で逃げるものの、引きずる足が邪魔をして上手く走れない。

⏰:08/08/04 23:12 📱:SH905i 🆔:obrxLMmQ


#532 [みい]

ポケットから携帯が落ちる。でも、それを拾う余裕もない。


「なんで逃げるの〜?俺らと楽しいことしようよ、ね?」


ケラケラ笑いながら追い詰めてくる連中。私はもう、恐怖に頭がおかしくなりそうだった。


………………………………

――*蓮Side*――

あんなに注意したのにっ…!

⏰:08/08/04 23:12 📱:SH905i 🆔:obrxLMmQ


#533 [みい]

30分前、柚の母さんから電話があって俺は家を飛び出した。


夕刊取りに行ったついでにコンビニにでも行っただけだと思いたいが…


前回と同じように、柚が行きそうな場所を当たってみるが、あいつの姿はない。


道に突っ立って周りを見渡していたとき、携帯が鳴った。

⏰:08/08/04 23:14 📱:SH905i 🆔:obrxLMmQ


#534 [みい]

発信元を見ると、「早瀬柚稀」になっている。俺は直ぐさま通話ボタンを押した。


「柚かっ!?おい、今どこに…っ」
『残念!柚稀ちゃんではありませーん』


しかし俺の声に応えたのは柚ではなく、嘲笑を含んだ男の声。


「…誰だお前」
「…マジでわかんねーの?」


最初の声は高くてわからなかったが、二言目で気付いた。

⏰:08/08/04 23:16 📱:SH905i 🆔:obrxLMmQ


#535 [みい]

こいつ…俺と同じ声してやがる…!


思い当たるふしが出てきた。でもまさか、そんな…。なぜ今更?


「…柚稀をどこにやった」


とりあえず今は相手が誰かなんてどうでもいい。柚が第一だ。


『ああ…柚稀ちゃん?柚稀ちゃんならうちの奴らがかわいがってくれてるよ…』

⏰:08/08/04 23:17 📱:SH905i 🆔:obrxLMmQ


#536 [みい]

何だと…っ!?


耳に神経を集中させると、後ろに聞こえる騒がしい声。


「柚っ!?おい柚稀!」
『聞こえるわけねーじゃん』


ククッと笑う相手。俺は怒りに携帯を握りつぶしてしまいそうだった。


くそっ…どこにいんだよ…!

⏰:08/08/04 23:18 📱:SH905i 🆔:obrxLMmQ


#537 [みい]

震える拳を握りしめ、精神を落ち着かせて耳をすます。


やけに響く声と、鉄骨が倒れるような音…


…!あそこかっ…!


『ま、あの女が大事なら、急いだほうがいいぜ。じゃーな』


甲高い笑い声と共に電話が切れると同時に、俺は一目散に駆け出した。

⏰:08/08/04 23:18 📱:SH905i 🆔:obrxLMmQ


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