・・悪魔なキミ・・
最新 最初 🆕
#1 [みい]

・・恋愛模様・・を書いて
いたみいです!(^ω^)
皆様に楽しんでもらえた
ら、感無量です、、
ぜひお立ち寄り下さい

みい感想板
bbs1.ryne.jp/r.php/novel/3395/

⏰:08/05/06 09:39 📱:SH905i 🆔:3qoe3xq2


#2 [みい]







・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
Story1〜悪魔のお出まし
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

⏰:08/05/06 10:02 📱:SH905i 🆔:3qoe3xq2


#3 [みい]

雨の降る夜、私の家のインターホンが鳴った。

思えばこの時からだ。私の悪夢が派手に幕を上げたのは…。



「柚ー!!誰か来たみたい!!お母さん今、手が離せないから出てくれない!?」

「はーい!!」


私、早瀬柚稀(ハヤセ ユズキ)は地元の学校に通う高校2年生。そこらへんによくいるような至って普通の女子高生です。

⏰:08/05/06 10:04 📱:SH905i 🆔:3qoe3xq2


#4 [みい]

「はーい…どちら様で?」

細めにドアを開けると、見覚えのない人が立っている。


「あのー…?」


こちらの質問に答えないで無言でじろじろ私を見回すそいつに不信感だけが募る。


「どちら様とか、正気か?お前…」


やっと口を開いたかと思ったらそんなことを言いながらくすくす笑ってる。

⏰:08/05/06 10:05 📱:SH905i 🆔:3qoe3xq2


#5 [みい]

え?な、何この人…;;


きっとかわいそうな人なんだ…とそいつに哀れみの目を向けたあと、ドアを閉めようとした。


が、そいつの手によってそれは阻まれる。


「ちょっと!!何勝手に閉めようとしてんの!?」
「はあ!?ここ私んち!!ドア閉めんのも私の勝手!!」


まじで何なのよこいつー…っ!!

⏰:08/05/06 10:06 📱:SH905i 🆔:3qoe3xq2


#6 [みい]

「覚えてねーの?俺んこと…」


そいつは前髪をさらっとかきあげながら私を見る。


「覚えてるも何も、初対面だと思うんですけど!!」


馬鹿にされてる気がして、私はきっとそいつを睨みながら答えてやった。


「柚?何よーそんな大声出して…あら?あなた…」

⏰:08/05/06 10:07 📱:SH905i 🆔:3qoe3xq2


#7 [みい]

私の声に驚いた顔をしながら奥から出てきたお母さんは、そいつを見るなり更に驚いたように目を丸くする。


え、何?お母さんの知り合い?;どーすんの、私かなり態度悪かったよ?;


一人で内心焦っていると、ぽんっと手を叩きながらお母さんが口を開いた。


「もしかして…蓮くん?」


……蓮?

⏰:08/05/06 10:08 📱:SH905i 🆔:3qoe3xq2


#8 [みい]

「あったりー♪よくわかったね!!さすがおばちゃん!!」


蓮という青年は指を鳴らしてお母さんに向かってウインクをした。


「そりゃわかるわよー!!やだあ、随分男前になったわねえ!!」
「あー、それは昔からっす♪」


…蓮……レン……
遠い昔に聞き覚えがあるような名前…。うーん……。


お母さんと親しげに話す青年の顔…言われればどっかで……。

⏰:08/05/06 10:10 📱:SH905i 🆔:3qoe3xq2


#9 [みい]

私が考え込んでいると、お母さんがやれやれ、と言うように私を見る。


「ごめんねー、この子馬鹿だから」


馬鹿とは何さっ!!


「あー、知ってます♪」


お前も調子乗んなよっ!!!!


むっとしている私に、お母さんは衝撃的な真実を告げた。

⏰:08/05/06 10:10 📱:SH905i 🆔:3qoe3xq2


#10 [みい]

「小3まで隣に住んでた、染谷蓮(ソメヤ レン)君よ、ほら、途中で引越しちゃった…」


染谷蓮………


そっ、そめやれんっっ!!!!???


「うわあっ!!」


奴の正体を理解した瞬間、思い切り後ずさってしまった私をお母さんは軽く小突いた。


「失礼でしょ!!もう、ごめんねー、本当に」

⏰:08/05/06 10:12 📱:SH905i 🆔:3qoe3xq2


#11 [みい]

「や、平気っすよ♪」


笑顔で返す染谷蓮…。


「親父の転勤で大阪行ってたんすけど、そっちでの仕事も無事終わったらしくて」
「あらー、そうだったの?じゃ、高校もこっちの方に転校するのよね?」


私のことなんかそっちのけで話に花を咲かせる二人;


「そっすねー、あした初登校っす♪何だったっけなー…吉原高校?だっけ?」

⏰:08/05/06 10:14 📱:SH905i 🆔:3qoe3xq2


#12 [みい]

「うげええーっ!?」


私は思わず素っ頓狂な声を上げてしまった。


だってだって吉原高校って!!私も…そこ通ってんだけど……(涙)


「あら、柚と一緒じゃない!?」
「え?そーなんすか?」


ああーもう、余計なこと言わないでよお母さんっ!!;


「じゃあ明日連れてってくんない!?こっからどう行くのかよくわかんないし…」

⏰:08/05/06 10:15 📱:SH905i 🆔:3qoe3xq2


#13 [みい]

「はあ!?絶対……っ!!」


いや!!って言いたかったんだけど…お母さんのものすごい形相にひるんで、その2文字を飲み込んだ;


あーもう最悪……(涙)


……ん?ところでさっきこいつ、「こっから」って言った…?


「ねえ、『こっから』って……」


私が言いかけた言葉に、染谷蓮はああ、と呟いてからこう答えた。

⏰:08/05/06 10:16 📱:SH905i 🆔:3qoe3xq2


#14 [みい]

「俺らまたお隣り同士だから!!よろしく♪」


……死にたい。


「じゃ、お邪魔しました!!柚、明日の朝、下で待ち合わせな♪」


…………………………


部屋に戻ってから、ベッドにダイブする。


頭をよぎるのは昔の思い出。
いや、思い出なんてゆー綺麗なものじゃない。

⏰:08/05/06 10:17 📱:SH905i 🆔:3qoe3xq2


#15 [みい]

「ばかゆずーっ!!」
「ふえっ…く…」


蘇るあいつの声。その後の泣き声は小さい頃の私…。


「忘れてたのに…」


布団に顔を埋めながら思わず呟く。


また…あいつに意地悪されんのかな……。


想像しただけで長く深いため息が出る。

⏰:08/05/06 10:18 📱:SH905i 🆔:3qoe3xq2


#16 [みい]

でも、と気分を変えるように思い直す。


あいつも私ももう高校生。高校2年にもなってあんなイジメとか…



いや、あいつなら有り得る;


でもでも、と今度はさっきの染谷蓮を思い出した。


別れ際に見せた笑顔は意地悪さを微塵も感じさせず、むしろあどけなさが残ってるようにさえ見えた。

⏰:08/05/06 10:19 📱:SH905i 🆔:3qoe3xq2


#17 [みい]

「…うーん……」


あーもう!!考えたって無駄!!


極力避ければいいのよ、うん、そうしよう!!


明日学校連れてったらもうさよなら。永遠に口を聞くこともない。お隣りさんとか関係ねえ!!


「頑張れ私っ!!」


うしっ!!とガッツポーズを決めてから、お母さんが呼ぶリビングへ晩御飯を食べに向かった。

⏰:08/05/06 10:20 📱:SH905i 🆔:3qoe3xq2


#18 [みい]

・・・・・・・・・・・・・・・・・・
更新stopします

まだ始まったばかり
ですが、もし感想等
ありましたら、ぜひ
>>1感想板にお願
いします、、(^ω^)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・

⏰:08/05/06 10:27 📱:SH905i 🆔:3qoe3xq2


#19 [架恋☆s.by冠那]
続き気になる~

頑張ってくださいシ

⏰:08/05/06 10:43 📱:W42K 🆔:dywPdg2k


#20 [みい]

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
こちらに下さったコメ
ント等のお返事は、全て
>>1の感想板にてさせ
ていただいてます
ご理解お願いします
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

⏰:08/05/06 11:49 📱:SH905i 🆔:3qoe3xq2


#21 [みい]

………………………………

「はあーあ……」


今まで生きてきた中で、最高に憂鬱な朝がやってきた。前にも後にもこれほどまで気分が落ちる一日の始まりはないだろってくらい。


「行ってきまーす……」
「ちゃんと蓮くん連れてってあげるのよー?」


はいはいわかってますよー…。

心の中でお母さんに返事をして、私の心と同じくらい重たい鞄を持って家を出た。

⏰:08/05/06 14:43 📱:SH905i 🆔:3qoe3xq2


#22 [みい]

マンションの階段を下りていくごとに私の心臓が鈍く痛む。


一歩一歩進む度にあいつに近づいていると思うだけで身震いがする。



最後の階段を下りて角を曲がると…


やっぱりいた。私が1番大嫌いで1番恐れている男、染谷蓮。


「よお!!」

⏰:08/05/06 14:44 📱:SH905i 🆔:3qoe3xq2


#23 [みい]

軽く手を上げて優しそうな笑みを浮かべ、彼は私に挨拶をした。


「よ、よっ!!」


ひきつりそうな笑みを顔面に貼付けて私も手を上げる。


「んじゃ、ナビ頼むぜ?」


そう言って奴は私の後ろにまわる。


私は常に背後の気配を気にしながら学校までの道を急いだ。

⏰:08/05/06 14:45 📱:SH905i 🆔:3qoe3xq2


#24 [みい]

「お前さあ」


不意に後ろから話し掛けられて、肩がびくんと跳ねてしまった。
思わず止まる足。


「…かわいくなったな」


私の頭を撫でながら前にまわって、至近距離で顔を覗き込む染谷蓮に、私は不覚にも顔を熱くした。


かっ…かわいくって……!!//


予想だにしなかったまさかの褒め言葉に、パニックを起こす思考回路。まさにショート寸前;

⏰:08/05/06 14:48 📱:SH905i 🆔:3qoe3xq2


#25 [みい]

何、こいつ…もしかして心入れ換えた?もう昔の意地悪な染谷蓮じゃないの?


必死に頭をフル稼動させる。


「おい?」
「あ、え!??」


考え込みすぎて、目の前の男をほったらかしにしてしまってた;声のするほうに顔を上げると、飛び込んでくる染谷蓮の度アップな笑顔。


「……っ!!//」

⏰:08/05/06 22:18 📱:SH905i 🆔:3qoe3xq2


#26 [みい]

思わず俯いてしまったのは、悔しいけどかっこいいと思ってしまったから。


こんな優しそうな笑顔…。やっぱり性格変わったの……?


と思ってると、


「ぷっ……あははははっ!!」


………え?


頭上で響く豪快な笑い声。

⏰:08/05/06 22:19 📱:SH905i 🆔:3qoe3xq2


#27 [みい]

驚いて顔を上げた私の目に映ったのは……


「お前やっぱり馬鹿だな♪」


意地悪そうにニヤつく…悪魔。


「簡単に騙されてやんの!!かわいいとか冗談に決まってんじゃん」
「………っ!!!//」


ああ…やっぱしこいつは何にも変わっちゃなかった…。
昔の性悪な糞野郎のまんまだ…。

⏰:08/05/06 22:20 📱:SH905i 🆔:3qoe3xq2


#28 [みい]

「何?んな顔赤くして、もしかして俺に惚れた?」


相変わらずにやにやしたまんま私に問う染谷蓮。


「なっ……!!//んなわけっ…」
「ねーよなー?俺は高嶺の花すぎるよ、お前には♪」


くっ…そぉぉおおおーー!!!!


私は奴を無視して、すたすたと歩き始めた。

⏰:08/05/06 22:21 📱:SH905i 🆔:3qoe3xq2


#29 [みい]

「おいそこの馬鹿!!もっとゆっくり行こうぜー?」


あいにく私、馬鹿じゃないんで!!急がせていただきますっ!!!!(怒)


……………………………

「あっち職員室だから。じゃ、さよなら!!」


校門に着くなり逃げるように染谷蓮を残して一目散に駆け出した。


「どーもね〜♪」

⏰:08/05/06 22:22 📱:SH905i 🆔:3qoe3xq2


#30 [みい]

どーいたしましてっ!!!!


心の中で嫌味ったらしく返事をしながら教室へと向かった。




ああ、神様…なんであいつをまたこっちへ戻って来させたの?
あいつのせいでこれからの高校生活お先真っ暗だよ…(涙)


はっ!!でも、もうあいつを学校に連れてくっていう任務は果たしたし!!もうあいつとあたしは無関係…!!

⏰:08/05/06 23:13 📱:SH905i 🆔:3qoe3xq2


#31 [みい]

そうだよ!!もう喋ることもないさ!!馬鹿にされることもない!!


はあ〜…よかった……♪


「柚!!おはよう♪」


この子は同じクラスの室田さえ(ムロタ サエ)ちゃん♪1番仲良しなんだあ♪♪


「おはよう!!ねえ、昨日のあいのりさあ〜…」


たわいもない会話を交わしたあと、自分の席に着いた。

⏰:08/05/06 23:14 📱:SH905i 🆔:3qoe3xq2


#32 [みい]

この時まではまだ幸せだった。


朝のSHRの時間、私の希望は粉々に打ち砕かれることになる…。




「今日は、このクラスに転校生が来ます」


ん?転校生…?


担任の言葉に、ある不安が生まれる。

⏰:08/05/06 23:16 📱:SH905i 🆔:3qoe3xq2


#33 [みい]

は…はは、そんなまさか…ね…。


「入ってきていいわよ〜♪」


担任の声とともに教室のドアが開いて…


「初めまして、染谷蓮です」


ひっ、ひええええ〜!!!!(涙)
まさか同じクラスとは…。神様、私なんか悪いことしましたか!?;

まじで最悪………。

⏰:08/05/06 23:17 📱:SH905i 🆔:3qoe3xq2


#34 [みい]

私が悲しみに暮れていると、


「やばっ!!超タイプ〜♪」
「めちゃイケメン君じゃんっ!!」


と女子の方々から奴への賛辞の言葉が小声で飛び交う。


私は前に立っている染谷蓮に目を向けた。


少し長めの薄茶色の髪に、綺麗な二重の目、筋の通った鼻、少し口角の上がった口…。

⏰:08/05/06 23:19 📱:SH905i 🆔:3qoe3xq2


#35 [みい]

まあ、確かにかっこいいと言えなくもない。
朝少しだけドキっとしてしまったのも事実。


「皆と仲良くできたら嬉しいです。よろしくお願いします♪」


へっ!!愛想よく笑顔なんか振り撒きやがって!!


心の中で毒づいていたら、ばちっと奴と目が合ってしまった;


するとなんと、満面の笑みで私に手を振ってくるじゃないですか!!

⏰:08/05/06 23:20 📱:SH905i 🆔:3qoe3xq2


#36 [みい]

おかげでクラス皆の視線が私に集中;;


「あ、あはは…?」


とりあえず意味不明な笑顔を作って、軽く手を振り返した。


「何、早瀬あいつと友達なの?」
「えっ!?//いやいや違くて!!ただちょっと知り合いなだけだよ!//」


今話し掛けてきた隣の席の人は、佐々木悠(ササキ ユウ)君。
私の…片思いの相手//

⏰:08/05/06 23:20 📱:SH905i 🆔:3qoe3xq2


#37 [みい]

「へえ〜、そうなんだ♪」
「う、うん!!//」


うひゃあ〜やばいっ!!私絶対顔真っ赤だよ……っ;;//


ちょっと言葉交わしただけでこんなになっちゃうなんて…すごい好きなんだなあ…//
…佐々木君は絶対私のことなんか眼中にないだろうけどね(涙)


………………………………

「ちょっと柚!!転校生と知り合いなの!?」

⏰:08/05/06 23:21 📱:SH905i 🆔:3qoe3xq2


#38 [みい]

SHRが終わるやいなや、さえちゃんが私の席へ駆け寄ってきた。


「や、知り合いってゆうか…;」


横目で染谷蓮を見ると、女子に囲まれながら爽やかな笑顔で応対しているのがわかった。


…腹立つー!!私に向ける時と全然違う笑顔!!この二重人格男っ!!


「ゆ、柚?なんか恐いよ?;」


さえちゃんの声で現実に引き戻された。

⏰:08/05/06 23:22 📱:SH905i 🆔:3qoe3xq2


#39 [みい]

「へ?ごめん、何が恐いって?」
「顔…;物凄い表情で睨んでたよ、染谷君のこと。」


あ、ほんとに?;無意識だった;


「で!?どうゆう関係なわけ!?」


さえちゃんが私に向けた瞳に、何となしに期待が込められているのを感じた私は、ため息をついた。


「あのね、さえちゃん。私とあいつはさえちゃんが期待してるような仲じゃないから。」

⏰:08/05/06 23:23 📱:SH905i 🆔:3qoe3xq2


#40 [みい]

私はさえちゃんに思い出せる限りの奴とのエピソードを語った。


幼稚園の遠足で、蛙を投げ付けられたこと。

小1で隣の席になったとき、授業中ずーっと足を踏ん付けられていたこと。

大切にしていたお人形の髪の毛をちょん切られたこと。


「まだまだあるよ、あとはね…」


話し始めればきりがない。これだけで一日中口を動かしていられるくらいだよ。

⏰:08/05/06 23:25 📱:SH905i 🆔:3qoe3xq2


#41 [みい]

「ちょ、もういいから!!」

さえちゃんの制止が入ったので、私は渋々口を閉じた。


「つまり、柚と染谷君は仲良しではないってこと?」
「仲良しじゃないなんてもんじゃないよ!!」


今んとこ、世界一嫌いって言っても過言じゃない。
向こうだってきっとそうなんだろうなあ。


「でも、まあ……」

⏰:08/05/06 23:26 📱:SH905i 🆔:3qoe3xq2


#42 [みい]

と言いかけたあと、さえちゃんはくすっと笑って、

「好きな子には意地悪したくなるって言うじゃん?」


と、想像しただけで鳥肌が総立ちしそうな暴言を笑顔で吐きやがった…;;


「さえちゃん…あいつに限ってそれは絶っっ対ありえない!!」


えー、そっかなあ…とまたまたかわいらしい笑顔のさえちゃんには悪いけど、まじでそれだけはないっ!!!!!!

⏰:08/05/06 23:27 📱:SH905i 🆔:3qoe3xq2


#43 [みい]

あいつの場合、そんなかわいらしいもんじゃないんだって!!

私を泣かしたあと、満足そうにニヤつくあいつの姿が思い出されて、思わず身震いする。


「とにかく!!絶対違うから!!」


まだ納得いかなそうなさえちゃんにすごい勢いで否定しておいた。


………………………………

やーっと授業終わった♪今日は朝から大変だったからやけに長く感じた一日だったよ…。

⏰:08/05/06 23:27 📱:SH905i 🆔:3qoe3xq2


#44 [みい]

「早瀬?これ落としたよ?」

背後から大好きなあの人の声。


「え!?あ、ありがとう!!//」
「いやいや、どういたしまして♪じゃ、また明日な〜!!」


うきゃー!!どーしよー!!//佐々木君にシャーペン拾ってもらっちゃったあ!!//

…これ一生使お…//


なんて幸せな気分に浸っていると、

⏰:08/05/06 23:28 📱:SH905i 🆔:3qoe3xq2


#45 [みい]

「ゆーずっ♪」

今度は、背後から…心底大嫌いな奴の声。


真っ赤な顔が一瞬で真っ青になる。私は信号かっつーの。


「な、何?」
「一緒帰ろ♪」


…めちゃめちゃ嫌だけど、断れない。目が言ってるもん。

「拒否ったらどーなるかわかってんだろうな…?」って…(涙)

⏰:08/05/06 23:29 📱:SH905i 🆔:3qoe3xq2


#46 [みい]

…………………………

もちろん断る勇気があるはずもなく、染谷蓮と一緒に帰ることになってしまった…。


「俺今日一日でクラスのほとんどの女子のアド教えてもらったぜ〜?」
「へー、すごいね」
「反応薄っ!!」


これ以上どう反応しろと?反応しにくい会話をふったあんたのせいだよ!!

心の中で奴をけちょんけちょんに罵倒した。

⏰:08/05/06 23:30 📱:SH905i 🆔:3qoe3xq2


#47 [みい]

「あ、もしかして妬いてる?」
「はああああっ!?!?」


まじで脳みそ腐ってんじゃないの!?それか間違えて西京みそ詰まってるとか!?


かなりの大声を出してしまった私に、染谷蓮は不快そうな顔をした。と思えば、


「そういやさあ」

と話を変えてくる。つくづく自己中な奴…。

⏰:08/05/06 23:31 📱:SH905i 🆔:3qoe3xq2


#48 [みい]

なんて呆れていると、


「柚の隣に座ってる奴!!あいつ、なんて名前?」


私は思わず派手にむせてしまった。

なっ、なんであんたが佐々木君のこと聞いてくんのよー!?


「佐々木君だけど?」


私は、それが何か?と言わんばかりの涼しい顔を作って答えた。

⏰:08/05/06 23:32 📱:SH905i 🆔:3qoe3xq2


#49 [みい]

「佐々木かあー…で?お前あいつが好きなんだ?」
「うん//…ってぇえ!?//」


何をまんまと暴露させられてるのよ私は!!!//


「ち、違う!!今のはつい勢いで…」
「勢いで本音が出たんだろ?別にいーじゃん、隠さなくても」


あんたにばれるくらいならクラス中の皆に教えて回る方がまだマシ!!

焦っている私を尻目に口笛なんか吹きはじめる染谷蓮…;;

⏰:08/05/06 23:33 📱:SH905i 🆔:3qoe3xq2


#50 [みい]

「お、お願いだから…佐々木君に変なこと言わないで……」


ばれてしまった今、もう頼むしかない。

「やっぱ好きなんじゃん」


くそお…っ!!こいつ絶対今楽しんでる…!!!!
死ぬほど悔しい。でも…


「お願い…だから……」


泣きそう。でも泣いてしまったらこいつをもっと喜ばせるだけ。

⏰:08/05/06 23:34 📱:SH905i 🆔:3qoe3xq2


#51 [みい]

俯き、ぐっと唇を噛み締めて涙を堪えていると、


「まあ…気分次第だな♪」


と悪魔の囁きが聞こえた…。



まじで…なんであんな素直に返事しちゃったんだろ(涙)最悪;;

すっかりこいつのペースにはまってしまった気がする。

「じゃ、また明日の朝、下でな」

⏰:08/05/06 23:35 📱:SH905i 🆔:3qoe3xq2


#52 [みい]

別れ際…つっても隣同士だから、お互いの家の玄関の前まで来た時、染谷蓮が言った言葉に、私は全力で反抗した。


「はあ!?もう道分かったでしょ!?なんで…」
「さーさーきーくんっ♪」


…まじでこいつ最悪だ。最低最悪男だ…。


私は反抗すら出来なくなって、逃げるように家に入った。

⏰:08/05/06 23:36 📱:SH905i 🆔:3qoe3xq2


#53 [みい]

これからこんな日々が続くと思うと背筋に悪寒が走る。


はあ……どうなっちゃうんだろ…私の青春……。


――*蓮Side*――


自分の部屋に入ると着替えもしないでベッドに横になった。


あー…やっぱあいつまじ面白い。なんつーの?ほら、イジメがいがあるっつーか…。

⏰:08/05/06 23:45 📱:SH905i 🆔:3qoe3xq2


#54 [みい]

にしても、柚が恋、ねえ…。


「生意気…」


天井を見つめながら呟く。

いつも俺にびーびー泣かされてたあのばかゆずが、一人前に恋ですか。


『うん//』


佐々木を好きなのかと聞いた時の柚の答えと恥ずかしそうな表情が瞳を閉じた瞼をよぎる。

⏰:08/05/06 23:46 📱:SH905i 🆔:3qoe3xq2


#55 [みい]

…なんかイライラする。


喉の奥がつっかえて、叫びたいのに叫べない、みたいな?


そうゆうもどかしいイライラ。



「……んだよ、これ…」


あー、意味わかんねっ!!考えるの止めた止めた!!
こんなしょうもないことより、柚をからかうネタ考えよ(笑)

⏰:08/05/06 23:47 📱:SH905i 🆔:3qoe3xq2


#56 [みい]

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
更新stopします
よかったら感想等もら
えると嬉しいです
>>1の感想板にぜひお
願いいたします
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

⏰:08/05/06 23:50 📱:SH905i 🆔:3qoe3xq2


#57 [みい]








・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
Story2〜悪魔VS悪魔
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

⏰:08/05/08 13:23 📱:SH905i 🆔:3XMTJPj6


#58 [みい]

『ばっかゆず〜!!ばかがうつるからちかよるなっ!!』





……………………………

…はっ!!ゆ、夢かあ…。


最悪な目覚めを迎えた私が、今噂の世にも不幸なJK2、早瀬柚稀です。

はあーあ…朝からテンション低すぎ…。

⏰:08/05/08 13:23 📱:SH905i 🆔:3XMTJPj6


#59 [みい]

こんなにまで私の心がどんよりなのは、


「おせーんだよ!!」


そう、マンションの下で壁にもたれて腕組みしながら私を睨みつける人間の姿をした悪魔、染谷蓮のせい。全ての諸悪の根源はこいつにある。


キレるくらいなら先行けっつーのっ!!


心ではそう思いつつも口では死んでも言えない。

⏰:08/05/08 13:24 📱:SH905i 🆔:3XMTJPj6


#60 [みい]

染谷蓮はそのまま歩き始めようとする私の腕を掴んで引き止める。


「その前に。『ごめんなさい』だろ…?」


たかがちょっと家出るのが遅くなったくらいで謝罪を強要するなんて、どれだけ器が小さい男なんだ。いや、そもそも悪魔に器なんて存在しないのかも。


それでも刃向かうことは許されない。

「…ごめんなさい」

⏰:08/05/08 13:25 📱:SH905i 🆔:3XMTJPj6


#61 [みい]

何てったって最大の弱みを握られてしまっているんだから。


「よろしい♪」


満足気にそう言うと、私の腕をぱっと解放して、口笛を吹きながら歩き始める。


…なんでもう道もわかるのに、私が一緒に行ってやんなきゃならないのよ!!


前を歩く背中を力いっぱい睨みながら通学路を急いだ。

⏰:08/05/08 13:26 📱:SH905i 🆔:3XMTJPj6


#62 [みい]

……………………………

登校してきた生徒で賑わう昇降口。


あっ!!あの後ろ姿は…佐々木君だあっ♪//


「さっ、佐々木君!!おはよっ//」


私は今世紀最大の勇気を振り絞って彼に声を掛けた。


「はよー早瀬……って…?」

⏰:08/05/08 13:27 📱:SH905i 🆔:3XMTJPj6


#63 [みい]

振り向いて返事をしてくれた佐々木君の視線が私の後ろに止まる。


ん?何?後ろ…?

ぎょえーーっ!!わ、忘れてた!!こいつの存在!!!

私のすぐ後ろにはにこにこ顔の悪魔が立っている。しかも何のつもりか私の肩に手なんか置いちゃって!!


「ちょっ、やめてよ!!」


私は奴の手を払うのにもう必死だ。

⏰:08/05/08 13:29 📱:SH905i 🆔:3XMTJPj6


#64 [みい]

「どーも♪俺、転校生の…」
「あ!!染谷だっけ?よろしくね♪俺同じクラスの…」


そんな私を完璧スルーしながら佐々木君に話し掛ける染谷蓮。佐々木君もこの状況見て、どうにかしてやろうとか思わないわけ〜!?;

佐々木君の言葉を遮るように、染谷蓮が信じられないことを口にした。


「知ってる、佐々木でしょ?こちらこそよろしく♪」


唖然とする私と佐々木君。

⏰:08/05/08 17:00 📱:SH905i 🆔:3XMTJPj6


#65 [みい]

唖然としたのは一緒だが、そのあとの反応は異なる。


「なんでもう俺の名前知ってんの!?」


とどことなく嬉しそうに奴に問う佐々木君。


そんな彼とは対照的に、


「お願いだから余計なこと言わないで!!」


必死に目で訴える私…。

⏰:08/05/08 17:01 📱:SH905i 🆔:3XMTJPj6


#66 [みい]

そんな私達を面白がるように笑ったあと、


「や、佐々木はいろいろと有名だからさ♪」


と意味深ともとれる発言をする染谷蓮…。


染谷蓮の言葉を聞いたあと、佐々木君は、


「なんだよそれーっ!!(笑)あ、そだそだ…」

⏰:08/05/08 17:02 📱:SH905i 🆔:3XMTJPj6


#67 [みい]

と鞄の中をごそごそとあさり始めた。

よかったあ…(涙)そんな気にしてないみたいだ。佐々木君ってのほほんとしてるもんなあ(笑)いろいろと鈍いのかも。


そんなことを考えながら安心していた私の目の前に、ぴっと2枚の紙切れが現れる。

「へ?………ぁあっ!!これっ…!!」


佐々木君が私の目の前に差し出したのは、以前から私が見たがっていた映画のチケットだった。

⏰:08/05/08 17:02 📱:SH905i 🆔:3XMTJPj6


#68 [みい]

「これ、前から早瀬見たがってたじゃん?だから、どうかなって…」


鼻の頭を掻きながら、語尾を小さくする佐々木君。


えっ?えっっ?つまりそれって……


デートのお誘い!?!?!?!?


「いっ、いいの!?」
「てゆーか、早瀬がよければ…」

⏰:08/05/08 21:50 📱:SH905i 🆔:3XMTJPj6


#69 [みい]

そんなのOKに決まってんじゃないすか!!!!//


「私でいいならぜひ//」


赤くなった顔を隠すように下を向きながら答えると、


「まじで!?よかったあ〜…。今週の土曜だから♪」


忘れないでね、と付け加えると佐々木君は友達と一緒に階段を上がっていった。

⏰:08/05/08 21:51 📱:SH905i 🆔:3XMTJPj6


#70 [みい]

佐々木君とっ……映画デート…//


「おい、早く教室行くぞ」


さっきからすっかり存在を忘れていた染谷蓮に頭を叩かれても全然腹が立たない。


けっ、つまんね〜…なんていう悪魔のぼやきもオールスルー。


土曜…早く来ないかなあ……♪//

⏰:08/05/08 21:52 📱:SH905i 🆔:3XMTJPj6


#71 [みい]

……………………………

「佐々木君と映画に!?」


お昼休み、屋上でさえちゃんとお弁当を食べながら今朝の出来事を説明した。


「うん…//」


タコさんウインナーを口に運びながら頷く、恋する乙女モード全開の私。


「そっかそっかー!!長年の片思いがやっと実るんだね!!」

⏰:08/05/08 21:53 📱:SH905i 🆔:3XMTJPj6


#72 [みい]

「そんなっ!!そうゆうわけじゃないよ!!//」


動揺して思わず箸を落としながらも否定する私を見て、さえちゃんははあーっと深く息を吐き、


「わかってないなあ…。これだから鈍感ちゃんは…」


やれやれ、とでも言いそうに首を横に振る。


「別に鈍感じゃないもん!!」

⏰:08/05/08 21:54 📱:SH905i 🆔:3XMTJPj6


#73 [みい]

反論した私の目の前に、さえちゃんがずいっと自分の顔を近付ける。


「いーい?私に言わせれば、男が女を映画に誘うだなんて、恋の匂いしかしないわよ」


こっ、恋ですとーっ!?//


「もし、何とも思ってない女を誘う男がいたら私はその面拝んでみたいね」
「そ、そうなの…?//」

⏰:08/05/08 21:55 📱:SH905i 🆔:3XMTJPj6


#74 [みい]

話に食いつき始めた私を見て、さえちゃんは気をよくしたのか、鼻でふふんと笑って更に続けた。


「そりゃそうよ。滅多にいないもの。天然記念物に認定してやりたいくらいね」


うへえー…ま、まじすか……//


「じゃ、佐々木君がその天然記念物って可能性は…」
「0に等しいわね」


ずばっと言い切るさえちゃん。

⏰:08/05/08 21:56 📱:SH905i 🆔:3XMTJPj6


#75 [みい]

「佐々木君なんてごくごく普通ーの男子じゃない!!絶対下心あるに決まってるよ!!」


下心ってあんた……;;//

「ま、よかったね♪片思い卒業、おめでとう★」
「だから!!そんなんじゃないってばー!!//」


さえちゃんをぽかぽかと叩きながら、否定したものの…

ほ、ほんとにそうなのかな…//そこまで言われると期待しちゃうじゃん//

⏰:08/05/08 21:57 📱:SH905i 🆔:3XMTJPj6


#76 [みい]

……………………………

――*蓮Side*――

今日の放課後は部活見学♪あいにく俺も柚にばっか構ってられるほど暇じゃねんだなあ〜。


さーてサッカーサッカー♪…って…


「やべ、教室にシューズ忘れた」


…Uターンで教室戻りまーす;;はあー、めんどくせっ!!

⏰:08/05/08 21:59 📱:SH905i 🆔:3XMTJPj6


#77 [みい]

てわけで戻ってきたんだけど。

「はあっ、ん……」


…ん!?ドアが閉まった教室から何やらいやらしい声…;;


えー、どうすっかなあ〜?;;お邪魔しちゃいたいとこだけど、さすがに…ねえ?

……待つか;;


………………………………

…つか長げえよっ!!どんだけヤれば気い済むわけ!?!?

⏰:08/05/08 22:01 📱:SH905i 🆔:3XMTJPj6


#78 [みい]

俺が待ち始めてからかれこれ40分くらい経っている。

あいにく盗み聞きとか趣味じゃねーから、仕方なく大音量で音楽聞いてたんだけど、そろそろアルバム一周しちまうぜ!?


あーもう!!部活終わっちゃったらどうしてくれんだよっ!!


そう思いながら両手で頭をぐしゃぐしゃってやったその時。


「まじよかったー♪またねん♪」

⏰:08/05/08 22:03 📱:SH905i 🆔:3XMTJPj6


#79 [みい]

という声と共に開くドア。


なーにが「まじよかった♪」だよ!!この尻軽女が!!


俺は女にばれないよう瞬時に身を隠した。覗きとか変な因縁つけられたらたまったもんじゃねーよ。


ふあー!!やーっと部活に行ける!!


っと、その前にシューズシューズ♪

⏰:08/05/08 22:54 📱:SH905i 🆔:3XMTJPj6


#80 [みい]

なんてうきうきしながら教室に入った俺の目に映ったのは、


「え!?お…まえ……?」


信じらんねえ、あろうことか上半身裸の……


「佐々木……?」


柚の想い人。


「…ああ、染谷か」

⏰:08/05/08 22:55 📱:SH905i 🆔:3XMTJPj6


#81 [みい]

思わず目を丸くしてたたずむ俺に、朝とは180度違う態度をとる佐々木。


「お前いつからいた?」


朝より数トーン低い声に、まさかのお前呼ばわり。

圧倒されちまって声も出ねえ。

「ま、どうでもいいや。分かったっしょ?俺の本性」


いやいや未だに理解に苦しんでますけど。

⏰:08/05/08 22:56 📱:SH905i 🆔:3XMTJPj6


#82 [みい]

「何お前、二重人格?」


やっと出たと思ったらくだらねえ質問だな、おい。


「…つーかみんなが俺を勘違いしてるだけ。天然系でおっとりした男子ってね」


くくっと可笑しそうに笑いながらシャツを羽織る佐々木。


「早瀬柚稀もそのうちの一人だろうね。本当の俺はこんなだっつーのに」

⏰:08/05/08 22:57 📱:SH905i 🆔:3XMTJPj6


#83 [みい]

「お前、柚のこと…」
「柚?随分親しげだな」


佐々木は再び渇いた声で笑う。


「何とも思ってねーよ、あんなガキ。」


奴が続けて放った一言に、俺は思わず絶句した。


「なんか俺のこと好きみたいだけどさ、はっきり言って迷惑なんだよね」

⏰:08/05/08 22:58 📱:SH905i 🆔:3XMTJPj6


#84 [みい]

朝とは打って変わって、人を馬鹿にするような笑みを浮かべる佐々木は更に続ける。


「ヤるにしてもガキ相手じゃねえ?つまんなそうだし」


ここで俺の頭に1つの疑問が生まれる。


「じゃあなんで朝あいつを…」


誘った?とまで言い切る前に、奴は質問に端的に答えて下さった。

⏰:08/05/08 23:00 📱:SH905i 🆔:3XMTJPj6


#85 [みい]

「からかうためだよ、暇つぶしの遊び」
「遊び?」

反射的に眉をひそめる。


「そ♪大好きな片思いの男にずたずたにフラれちゃうかわいそうな女の子。見てみたいんだよね〜…」


そんなことを呟き、舌なめずりしながらニヤつく佐々木を見て俺は全身に鳥肌が立ったのを感じた。


…なんだこいつ、ただの変態じゃねーか…気持ちわり…。

⏰:08/05/08 23:03 📱:SH905i 🆔:3XMTJPj6


#86 [みい]

「染谷も見てみたくない?」
「いや、別に」


佐々木は短く答えた俺の顔をじーっと見たあと、鼻で笑って、


「あ、そ」


と鞄を持って立ち上がった。


「あんた早瀬のこと好きなの?」


…んなわけねーじゃん。無礼も大概にしやがれ。

⏰:08/05/08 23:04 📱:SH905i 🆔:3XMTJPj6


#87 [みい]

「まさか」

俺が先程の佐々木と同様に鼻で笑うと、佐々木は、


「ふーん……。まあどっちでもいいけど…邪魔しないでね?」


と俺に近付きながら言う。


「つーか俺関係ねーから。勝手にやってろ」


こいつらがどうなろうと俺が知ったこっちゃねえ。

⏰:08/05/08 23:04 📱:SH905i 🆔:3XMTJPj6


#88 [みい]

「ならいいんだけど。じゃ」


最後にまた嫌な笑い声を上げると、奴は教室から出ていった。


取り残された俺。


なんだあいつ…てっきり柚のこと好きなのかと思ってた。
他校の女連れ込んで放課後学校でヤるなんて、たいしたタラシじゃねえか。


つーか…恐ろしい二重人格っぷり。

⏰:08/05/08 23:06 📱:SH905i 🆔:3XMTJPj6


#89 [みい]

ま、俺も人のこと言えねーけど。


佐々木は柚の前ではぶってて、放課後はタラシ。

俺は柚の前では性悪で、他の奴等相手には100匹くらい猫をかぶる。


…どっちもどっちだな(笑)


「…って、あー!!部活……!!;」


急いでグラウンドまで走ったけど、結局部活は終わっちまってた。

⏰:08/05/08 23:07 📱:SH905i 🆔:3XMTJPj6


#90 [みい]

………………………………

――*柚稀Side*――

いつもの帰り道。だけど今日は!!今日ばかりは!!!!なにもかもが…輝いて見える……♪


そう、時は流れて今日は金曜日。明日は…ずっと憧れだった佐々木君との……で、デートですっ//


「何うきうきしてんだよ;」


口角が緩みっぱなしの私の後ろから低い声が呟く。

⏰:08/05/08 23:08 📱:SH905i 🆔:3XMTJPj6


#91 [みい]

相変わらずなぜか一緒に登下校させられてる悪魔こと染谷蓮に呆れられても気にしない。てゆうか気にもならない。


「ああ、明日か。佐々木の」


思い出したように口を開く悪魔に、ふと我に返った。


「お願いっ!!明日だけは邪魔しないで!!」


奴のシャツの胸元を掴みながら必死に懇願する。

⏰:08/05/08 23:09 📱:SH905i 🆔:3XMTJPj6


#92 [みい]

「ずっと…ずっと好きだったの。明日は一世一代のチャンスなの!!だから…」

そう。私は明日、彼に告白するつもりでいるんです//こんな機会二度とないかもしれないし…!!!//

それを…それまでもをこんな奴に妨害されてたまるか!!


言葉に詰まって俯いた私の頭上から鼻で笑う音が聞こえたかと思うと、染谷蓮は自分の胸元を捕えている私の腕を少々乱暴に引きはがした。

⏰:08/05/08 23:12 📱:SH905i 🆔:3XMTJPj6


#93 [みい]

「知るかよ。勝手にやっとけ」


…これは良い意味に解釈するべきだろうか?

ややこしいんだよっ!!


今すぐに殴りかかりたいくらいだが、もちろんそんなの無理無謀。


「つーかさあ」


続けて奴が話し始める。

⏰:08/05/08 23:13 📱:SH905i 🆔:3XMTJPj6


#94 [みい]

「俺の邪魔がどーのこーのより、自分の心配したほうがいんじゃねえの?」
「は!?」


言ってる意味がさっぱりわかんない。私に悪魔語は通じません。


「お前にデートなんか務まんねえっつってんだよ。ガキはお家でままごとでもしてろ」

悪魔はそう囁き、冷ややかな目で私を見下す。


「…っ!!ガキじゃないもん!!」

⏰:08/05/08 23:14 📱:SH905i 🆔:3XMTJPj6


#95 [みい]

やっとの思いでそれだけ言い返すと、私は悪魔を残して家まで走った。


ムカつくムカつくムカつく…っ!!あたしがガキならあんたは赤ちゃんだよっ!!(怒)


――*蓮Side*――

あーあ…せっかく人が忠告してやったのに。

遠回しに「行くな」っつったつもりだけど…あの調子だと、明日あの男にまんまと騙されるはめになるな。

⏰:08/05/08 23:15 📱:SH905i 🆔:3XMTJPj6


#96 [みい]

「馬鹿じゃねーの」


やっぱ馬鹿はいつまで経っても馬鹿のままだな。いい男と悪い男の区別もつかねーなんて。



泣いてる柚が目に浮かぶ。佐々木に裏切られて、傷つく姿が。


「…馬鹿すぎんだよ」


なんか知んねえけど、めちゃくちゃ腹が立って足元の小石を思い切り蹴り上げた。

⏰:08/05/08 23:16 📱:SH905i 🆔:3XMTJPj6


#97 [みい]

・・・・・・・・・・・・・・・・・・
更新stopします

読者様がもしいら
っしゃいましたら、
>>1の感想板へ感想等
もらえるととても嬉
しいです(>Д<)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・

⏰:08/05/08 23:22 📱:SH905i 🆔:3XMTJPj6


#98 [みい]

……………………………

――*柚稀Side*――

「変じゃないかなあ…;;」

ショーウインドウに映る自分を見て、軽くため息をついた。

さえちゃんに相談して、今日はワンピースにした。薄めの黄色で、春らしいかわいいワンピース。


……似合ってるかな?かわいいって思ってくれるかな?

さっきからそんな不安が頭にこびりついて離れない。

⏰:08/05/10 00:34 📱:SH905i 🆔:/P10HVKk


#99 [みい]

佐々木君とデートだなんて、未だに信じられなくて…なんだかかなり緊張。


「ごめん、待った?」

ふう、と息をついた瞬間、後ろから声がして勢いよく振り返る。

さっ、佐々木君だっ!!//

「あっ!!いや、全然!!」


声が上擦るのを必死に抑えて返事をすると、

「………」

⏰:08/05/10 00:35 📱:SH905i 🆔:/P10HVKk


#100 [みい]

なぜか無言の佐々木君。


「へ?あ、あの…」


不安になって彼の顔をちらっと見ると、佐々木君は、


「…あっ、ごめん…。私服着てる早瀬、初めて見たから…」


と語尾を濁す。


「あ、変…だった…?ごめんね?」

⏰:08/05/10 00:36 📱:SH905i 🆔:/P10HVKk


#101 [みい]

やっぱ似合わなかったかな…(泣)

脳内に【orz】の3文字がでかでかと現れる。


「いや!!そうゆうわけじゃなくて、その…かわいい……//」


……へ!?かっ…かわいい!?!?//


思わずばっと彼の顔を見上げると、彼は少し赤くなった顔で口元を手で隠していた。


「いっ、行こっか!!」

⏰:08/05/10 00:39 📱:SH905i 🆔:/P10HVKk


#102 [みい]

つられて赤面した私の手をとって佐々木君が歩きだす。


えっ!!//手がっ!!手がーっ!!//


触れ合う手に胸がドキドキして、気を失いそうになりながらも映画館まで足をひたすら動かした。


………………………………

「あー、楽しかったね♪」


映画も見終わってただいまお洒落なカフェでお茶中です!!//

⏰:08/05/10 13:30 📱:SH905i 🆔:/P10HVKk


#103 [みい]

「うん!!//最後泣けたよね〜…」

映画のラストを思い出して涙ぐむ私を見て、佐々木君はぷっと吹き出した。


「ちょっ…なんで笑うの!?//」
「ごめんごめん……」


もうっ、と笑いを堪える佐々木君を軽く睨んでから、私も笑ってしまった。


あ〜…やばい、幸せすぎる…//あの佐々木君とこんなに自然に話せるなんて…!!

⏰:08/05/10 13:31 📱:SH905i 🆔:/P10HVKk


#104 [みい]

ひとしきり二人で笑い合ったあと、会話が途切れる。


何となく沈黙……


佐々木君をちらっと見ると、頬杖をついて窓の外を眺めている。


うっわ!!めっちゃかっこいい…//何しても画になるなこの人…。


なんて思いながらぽーっと彼を見つめていると、不意に目が合ってしまった。

⏰:08/05/10 13:32 📱:SH905i 🆔:/P10HVKk


#105 [みい]

「そんな見てきて…何?」


くすって笑いながら聞いてくる佐々木君。


あ、やばい今の笑顔…瞬殺。ノックアウトです。どっかの悪魔のニヤつき顔とは大違い。


「あっいや…あのっ……//」


もしかして…もしかしなくても、今って告るチャンス!?//い、今言っちゃう!?!?!?//

⏰:08/05/10 13:33 📱:SH905i 🆔:/P10HVKk


#106 [みい]

「あのっ…えっと……//」
「…?」

顔を赤くしながらどもる私に、佐々木君は不思議そうな顔で首を傾げる。


だめだ……っ!!やっぱり…好きだなんて、言えないよ…。


「…トイレ行ってくるね;;」


そう言って席を立つ私を見て、そんなに恥ずかしがんなくていいのに、と佐々木君はまたおかしそうに笑った;;

⏰:08/05/10 13:35 📱:SH905i 🆔:/P10HVKk


#107 [みい]

告白もできない上に、トイレ我慢してたと勘違いされて大笑いされる私って……;;


トイレの個室に入って、大きいため息をつく。


…こんなんじゃいけない。佐々木君と恋人同士になりたいんでしょ、柚!?だったら頑張りなさい!!!!


「…うしっ!!」


心の中で自分で自分を励まし勇気づけて、気合いを入れる。

⏰:08/05/10 13:36 📱:SH905i 🆔:/P10HVKk


#108 [みい]

次こそは言う!!言うぞ…っ!!//


そう決心しながら席までの道を歩く。


「あ…れ…?」


1m手前くらいでようやく気づいた。さっきまで私が座っていた席に、見知らぬ女の子の姿がある。


「急に呼び出すからさあ〜急いで来ちゃったじゃん!!」
「わりいな!!」

⏰:08/05/10 13:38 📱:SH905i 🆔:/P10HVKk


#109 [みい]

佐々木君と親しげに話しているみたい…。


私は一歩ずつ近付いていく。


「ま、ちょうど近くにいたからいいけどお♪で、どしたの?」


女の子は長くて明るい茶色の髪の毛先を自分の人差し指に巻き付けながら佐々木君に問う。


「暇だから今からどっか行かね?」

……え…?

⏰:08/05/10 13:39 📱:SH905i 🆔:/P10HVKk


#110 [みい]

私がちょうど女の子の真後ろに来た時、佐々木君の口から信じ難い言葉が飛び出した。


佐々木君のものとは思えない軽い口調。

そして何より、彼の目が私を捕えていることに戸惑いを隠せなかった。まるで嘲るような目つき…。


「てゆーかこの子誰〜?悠の知り合い?」


女の子が私の存在に気づいて佐々木君に尋ねる。

⏰:08/05/10 13:40 📱:SH905i 🆔:/P10HVKk


#111 [みい]

佐々木君は薄く笑って口を開いた。


「知らねーよそんなガキ」





頭を金づちかなんかで思い切り打たれたみたいな心地がした。

「目障りなんだよ」


無心で突っ立っている私に向けて、さらに付け加えられた暴言。

⏰:08/05/10 13:47 📱:SH905i 🆔:/P10HVKk


#112 [みい]

………………………………

あれからどうやってここまで帰って来たか覚えてない。


頭にこびりついた佐々木君の心ない言葉。



……馬鹿みたい、私。騙されて、遊ばれて。


地面を見つめながらひたすら歩く。

「おい」

⏰:08/05/10 13:49 📱:SH905i 🆔:/P10HVKk


#113 [みい]

マンションの下まで来たとき、聞き慣れた声に顔を上げた。


「思ったより早かったな」


そこには…壁にもたれて腕時計を覗き込みながら呟く悪魔の姿。


ただでさえ会いたくないのに、こんな気分の時に会うのは本当に嫌だ。


私は無視して階段を上ろうとした。

⏰:08/05/10 13:51 📱:SH905i 🆔:/P10HVKk


#114 [みい]

が、残念なことに奴に腕を掴まれてしまった。


「楽しかったか?」


誰もいない小さなロビーの中、無感情な低い声が響く。


なんだよその質問。やっぱ悪魔だ。今1番嫌なところをピンポイントでえぐってくる。


「楽しかったかって聞いてんだよ」

私が答えないでいると、一層低い声で聞いてくる。

⏰:08/05/10 13:53 📱:SH905i 🆔:/P10HVKk


#115 [みい]

なんでそんなに追究してくる?まるで私が今日どんな目にあったか知ってて、わざと楽しんでるみたいだ。


…ああそっか。悪魔だもん。全部お見通しなのかも。雲の上から見てるんだ…ってそれは天使か…。



くだらない空想が頭をいっぱいにしたそのとき、

「答えろ!!!!」


奴の大声が耳をつんざく。

⏰:08/05/10 13:55 📱:SH905i 🆔:/P10HVKk


#116 [みい]

「楽しかったよっ!!!!」


こうなりゃ意地だ。負けじと声を張る。


染谷蓮を睨みつける私の目から一筋の涙が頬を伝って床に落ちた。


そんな私を、奴は驚きもしないでじっと見つめてきたかと思うと、


「…あ、そ」

そう言って私の腕から手を離し、階段を上っていった。

⏰:08/05/10 13:57 📱:SH905i 🆔:/P10HVKk


#117 [みい]

ロビーに一人取り残された私は、我慢しきれずに流れてしまった涙を手で拭く。


「ひっ……くっ…」


悔しい。佐々木君みたいな最低な人の為に泣きたくなんかない。



そんな強い思いとは裏腹に、止まない涙の雨。


家に帰ってからも自分の部屋で泣き明かした。

⏰:08/05/10 13:57 📱:SH905i 🆔:/P10HVKk


#118 [みい]

………………………………

――*蓮Side*――

「俺、今日部活あるから先帰れ」


休み明けの月曜日の放課後、俺は柚にそう告げて屋上に出た。


今朝会ったら柚は元通りに戻っていて、俺のイジメにもいつものように嫌そうな顔を見せた。


ただ、若干目が腫れていた。


「…もうそろそろ…かな」

⏰:08/05/10 13:59 📱:SH905i 🆔:/P10HVKk


#119 [みい]

俺は呟き、屋上を後にする。




「あ、悠っ…んっ」

ヤってるヤってる。お楽しみ中のとこ悪いけど、ちょっとだけ邪魔させてもらうよ?


俺は勢いよくドアを開けた。

「きゃあっ!!」

既に下着姿になって佐々木に跨がっていた女は、入ってきた俺を見るなり教室の端に逃げた。

⏰:08/05/10 14:02 📱:SH905i 🆔:/P10HVKk


#120 [みい]

「…染谷…」


一瞬驚いたような顔をする佐々木は、次の瞬間には笑みを浮かべてこう言う。


「こないだの早瀬、最高だったよ。目に涙いっぱい溜めて俺のこと睨んでさあ……」

くくくっと笑う佐々木。


「そりゃよかったな」


俺もそんな佐々木に微笑みかける。

⏰:08/05/10 14:13 📱:SH905i 🆔:/P10HVKk


#121 [みい]

俺の小さな舌打ちに気づきもせずに佐々木は笑い続ける。


「でもな、佐々木…」

俺は薄い笑みを浮かべたまま佐々木に近づいた。



…お前には知っといてもらわなきゃなんねーことがあんだよ。


「な、なんだよ」

明らかにうろたえた様子の佐々木を壁まで一気に追い詰める。

⏰:08/05/10 14:15 📱:SH905i 🆔:/P10HVKk


#122 [みい]

そして思いっ切り佐々木の腹にパンチを食らわした。

「ぐえっ!!」


情けねえ声を上げる奴の胸倉を掴んで顔を近付けて、


「あいつを泣かせていいのは俺だけなンだよ」


と凄むと、奴は怯えた目を俺に向けた。


…んだよ、まじで情けねえな。

⏰:08/05/10 14:17 📱:SH905i 🆔:/P10HVKk


#123 [みい]

「…雑魚が。二度とあいつに近付くな」


俺はそう吐き捨てて、奴の足に軽く蹴りを入れる。


情けねえ雑魚は蹴られた衝撃に堪えかねて、思い切り床に倒れた。


俺はそんな佐々木を横目に、鞄を持つとさっさと教室を出た。


はあーあ。くっだらね(笑)なんで俺がわざわざばかゆずをかばわなきゃいけねんだよ。

⏰:08/05/10 14:20 📱:SH905i 🆔:/P10HVKk


#124 [みい]

ま、別に頼まれたわけでもねえけどさ。


理由なんかねえけど、なんか胸糞わりいんだよ。他の奴のことで泣いてるあいつ見んの。



「よっしゃ!!今日こそ部活〜♪」


まあまあ、何はともあれすっきりしたことだし!!


やっと部活見学できる〜♪てわけでめでたしめでたし!!

⏰:08/05/10 14:22 📱:SH905i 🆔:/P10HVKk


#125 [みい]

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
更新stopします

読んで下さっている方
いますかね、、?
もしいらっしゃったら
>>1の感想板にぜひぜひ
感想等下さると嬉しい
です
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

⏰:08/05/10 14:26 📱:SH905i 🆔:/P10HVKk


#126 [るる]
やばーい^^
とても面白いです
染谷君、何気
いい奴ですね
完結楽しみです(^o^)

⏰:08/05/11 20:06 📱:SH704i 🆔:5choCXVM


#127 [あいか]
あげ-(´・ω・`)

⏰:08/05/13 19:07 📱:W54T 🆔:keXRnVWY


#128 [愛]


あげ

⏰:08/05/15 19:05 📱:D905i 🆔:yqJ/YVdA


#129 [みい]








・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
Story3〜悪魔の本音?
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

⏰:08/05/16 23:23 📱:SH905i 🆔:YAOnc/cw


#130 [みい]

なんで…なんで私まで早退しなきゃなんないのよおーっ!!!!!!


「いいじゃん授業の一つや二つ」


まだ2限始まったばっかだったっつーのっ!!!!


現在私と悪魔こと染谷蓮は、平日の真昼間に学校からの帰り道を歩いています…。


なぜかってゆうと…話は30分ほど前に遡る。

⏰:08/05/16 23:24 📱:SH905i 🆔:YAOnc/cw


#131 [みい]

………………………………

「先生、保健室行っていいすか?」

染谷蓮が手を挙げたのは2限が始まって5分くらいしてからだった。

「おう、どうした?具合悪いのか?」
「ちょっと頭痛が…」


頭痛だと?悪魔が頭痛なんて…ありえねえ〜…。嘘っぽ〜。


私はそんなひねくれた考えを頭に浮かべながら、教科書を眺めていた。

⏰:08/05/16 23:24 📱:SH905i 🆔:YAOnc/cw


#132 [みい]

しかし、この次の瞬間。私は信じられない最悪な一言を先生から告げられることになる…。


「じゃあ誰か…保健委員、付き添ってやれ」


ああかわいそうな保健委員……



……保健委員って私じゃん!!!!


「えっ!!一人で行けるんじゃ…」
「ごめんね〜…ちょっと一人じゃ…コホッ」

⏰:08/05/16 23:25 📱:SH905i 🆔:YAOnc/cw


#133 [みい]

私の必死の抵抗を、わざとらしい演技で遮る染谷蓮…。

咳なんかしやがって…嘘つきっ!!お前本当はめっちゃ元気なんだろ!!私は騙されないんだから!!


「早瀬〜頼んだぞ?」
「……はい」

…騙されたわけじゃないんだから!!私は先生に頼まれて、保健委員としての仕事をするだけだもん!!


みんなにはバレないように染谷蓮を一睨みすると、私は奴の腕を引っ張って教室を出た。

⏰:08/05/16 23:27 📱:SH905i 🆔:YAOnc/cw


#134 [みい]

「どうせ嘘でしょ?あんたのサボりに私まで付き合わせないでよね!!」

最低男である佐々木の件も終わったので、弱みを握られているわけではない私は最近こいつに反抗することを覚えた。


「そんなつもりじゃなかったんだけど。わりいな!!」


へらへら笑う染谷蓮に腹が立つ。いや、腹が立つなんてもんじゃ足りない。逆立ちでもしてしまいそうな勢いだ。

⏰:08/05/16 23:29 📱:SH905i 🆔:YAOnc/cw


#135 [みい]

しかし次の染谷蓮の言葉は何かひっかかった。


「今日暑いからたりーんだよ」


……今日涼しいんだよ?天気予報で言ってたもん。


「…ちょっと失礼しまーす」


私は精一杯手を伸ばして私より15p以上は身長が高いであろう染谷蓮のおでこに触れた。

⏰:08/05/16 23:30 📱:SH905i 🆔:YAOnc/cw


#136 [みい]

「うわっ!!」


思わず手を引っ込める。
あまりにも奴のおでこが熱かったからだ。


「本当に熱あるよ!?」


私がそう言うと、染谷蓮は嘘?と呟きながら自分もおでこに触れ、


「あー…あるかもね」


とそのまま前髪をかき上げ、苦笑した。

⏰:08/05/16 23:31 📱:SH905i 🆔:YAOnc/cw


#137 [みい]

あるかもね、じゃないでしょ!!;


「早く保健室!!」


保健委員の血が騒いで、焦ってぐいぐいと腕をひく私に奴は、


「んな大袈裟な」


と頭を掻きながら面倒臭そうな顔を見せる。


そんな態度にも腹が立つけど、さすがに病人は放っておけない。

⏰:08/05/16 23:32 📱:SH905i 🆔:YAOnc/cw


#138 [みい]

私はなんてお人よしなんだろ…。


うざがる染谷蓮を引っ張って保健室まで連れていった。


………………………………

「うーん、ちょっと最近疲れてるみたいね。風邪だわ」


保健室の速水先生が体温計を見ながら言った。


「今日はお家に戻ったほうがいいわね。お家の人いる?」

⏰:08/05/16 23:34 📱:SH905i 🆔:YAOnc/cw


#139 [みい]

「いないっす。お隣りさんならいるけど」


はあ!?うちもあんたんちと同じく共働きだっつーの!!


私は怪訝そうに奴を見た。


「お隣りさんにお迎え頼むわけにもいかないわよね〜…」


そう言って苦笑する速水先生に、染谷蓮は、


「つーか、こいつ」

⏰:08/05/16 23:34 📱:SH905i 🆔:YAOnc/cw


#140 [みい]

と私を指差した。


え?何?まさか…まさか私が…


「あら!!お隣りさん同士なのー!?ちょうどよかった!!早瀬さん、担任の先生には私から言っておくから、染谷君送ってってくれない!?」
「はあっ!?!?!?」


私がこいつを送ってくのー!?!?


「そんなの嫌ですよお!!だって…」
「お前保健委員だろ?」

⏰:08/05/16 23:36 📱:SH905i 🆔:YAOnc/cw


#141 [みい]

思わず立ち上がって抗議しかけた私に、染谷蓮が邪魔をする。


なーに偉そうに踏ん反り返ってんだよ!!大体誰のせいで…


キッと睨んでやったが、奴のガンのほうが数億倍恐くて、逆に尻込みしてしまった。


「ごめんねー、早瀬さん。お願い!」

それに加えて速水先生の懇願。


…なんだか悪いのは自分のような錯覚に陥る。

⏰:08/05/16 23:37 📱:SH905i 🆔:YAOnc/cw


#142 [みい]

……………………………

で、話は冒頭に戻るわけ。


ろくに会話もないまま染谷蓮んちの玄関に着いた。


「じゃ、お大事に!!」


吐き捨てるように言ってくるっと回れ右をし、学校に引き返そうとした私の肩を染谷蓮が掴む。


「へ!?な、何!?!?」
「何?じゃねーよ、看病」

⏰:08/05/16 23:38 📱:SH905i 🆔:YAOnc/cw


#143 [みい]

かっ…看病だと〜!?!?!?調子こくでねーよお前さん!!!!


「は!?無理っ……」

染谷蓮はそう言いかけた私の口を手で塞いで、


「うるせえ、頭に響く。つーかお前最近生意気すぎ…」


と低い声で呟きながら、鋭く目を光らせて私を攻撃する。


ひぃいっ…!!!!やばい、眼光で殺(ヤ)られる…;;

⏰:08/05/16 23:40 📱:SH905i 🆔:YAOnc/cw


#144 [みい]

……そして結局私は、今すぐにでもヽ(#`Д´)ノ←こんな状態になって怒り狂いたい気持ちを抑え、奴の家にお邪魔することになってしまった…。


「お邪魔しまーす…」


一応人様のお家だから、遠慮気味に挨拶をして上がる。


「こっち」


奴に手招きされて連れて行かれた先は…

⏰:08/05/16 23:41 📱:SH905i 🆔:YAOnc/cw


#145 [みい]

「ここ、あんたの部屋?」
「ああ」


染谷蓮は私の質問に答えながら乱暴に鞄を下ろす。


ほえ〜…案外綺麗に片付いてんじゃん。


そんなことを思っていたら…
なんと染谷蓮がYシャツを脱ぎ始めるではないか!!!!;;


「へ!?え!?ちょっ…//」

⏰:08/05/16 23:42 📱:SH905i 🆔:YAOnc/cw


#146 [みい]

焦る私を尻目に奴は上半身裸になって、私に近づいてくる。


えっ!!え〜っ!!!!//やめて!!私は看病しにきただけなの〜!!//


「柚」


ぎゅっと固くつぶった目を恐る恐る開くと、頭上に不機嫌そうな染谷蓮。


「邪魔なんだけど」


……へ?邪魔…?

⏰:08/05/16 23:43 📱:SH905i 🆔:YAOnc/cw


#147 [みい]

「は、はあ…?」

私が少し動くと、染谷蓮は私の後ろにあったクローゼットからスエットを取り出している。


「勘違いすんな。誰がガキ相手にその気になるかよ」


…!!//着替えるだけだったのか…やば、死ぬほど恥ずかしい…//


「し、してないもん!!//」


染谷蓮は私のわかりやすい嘘に対して、どーだか、と呟きながらスエットを着た。

⏰:08/05/16 23:46 📱:SH905i 🆔:YAOnc/cw


#148 [みい]

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
更新Stopします

よかったら感想いただ
けると嬉しいです
あげ感謝のコメは感想
板に書き込みました

>>1みい感想板
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

⏰:08/05/16 23:49 📱:SH905i 🆔:YAOnc/cw


#149 [みい]

そして奴はそのまま腰のベルトに手をかける。


「ちょ、ストップ!!!!//」


私は思わず叫んでしまった。悪魔には今流行りの羞恥心というものはないのか!!


「私一旦部屋出るから!!」


そう言ってドアに手をかけた私に、

「あ、なら何か食い物作って」

⏰:08/05/17 23:06 📱:SH905i 🆔:8P2NvsDQ


#150 [みい]

とさも当たり前かのように注文する染谷蓮。


…私はあんたの家政婦かっつーの!!


言い返したいけど、奴は最近生意気な私にご立腹らしいので、下手に気を悪くしちゃ何されるかわかんない。


「ったく…なんで私が…」


ぶつぶつ言いながらも台所をお借りして、おかゆを作ってやった。

⏰:08/05/17 23:07 📱:SH905i 🆔:8P2NvsDQ


#151 [みい]

おかゆを乗せたお盆を片手に、奴の部屋のドアを叩く。


…が、返事無し。


「…?…入りますよー…?」


私は仕方なく自分でドアを開けて、部屋に入った。


「ねえ、おかゆ作ったんだけ…ど…」


そう言いながらお盆を机に置いた時、ようやく気付く。

⏰:08/05/17 23:07 📱:SH905i 🆔:8P2NvsDQ


#152 [みい]

こいつっ…!!寝てやがるっ!!!!


ふとベッドを見ると、そこにはすーすーと寝息を立てる染谷蓮。


人に食い物作れとか言っといて寝てんなよ!!!!


私はすぐにでも目の前で眠る染谷蓮をたたき起こしたい衝動に駆られたが、さすがに病人には手は上げられない。

というよりそれ以前に、この悪魔にそんなことしたら私は一たまりもないだろう……;;

⏰:08/05/17 23:09 📱:SH905i 🆔:8P2NvsDQ


#153 [みい]

「もうっ……」


怒りを含ませた声で呟き、ベッドの傍に脱力して座る。

そしてベッドの中の染谷蓮にちらりと目をやった。


……やっぱ熱あるなあ…。顔、赤い…。


どこまでもお人よしな私は、一旦部屋を出て、濡れタオルを作り持ってきた。


「…にしても、」

⏰:08/05/17 23:10 📱:SH905i 🆔:8P2NvsDQ


#154 [みい]

染谷蓮の寝顔を見ながら私は呟く。


…悪魔も寝顔はかわいいんだあ…


熱のせいで少し紅潮した頬に、まだあどけなさを感じさせる。


私はくすっと笑ってから、濡れタオルを置くために染谷蓮のおでこに手を延ばした。


しかし、その手が少し触れた瞬間…

⏰:08/05/17 23:11 📱:SH905i 🆔:8P2NvsDQ


#155 [みい]

「ひぃっ!!!!」


目を閉じたままの染谷蓮に手首をがしっと掴まれる。


なっ…!!起きてるの!?


そう思って奴の顔の前で空いている右手をぶんぶんと振ってみるが…反応無し;


もうっ!なんなのよお〜!!!!;;


困った私がそのままでいると、染谷蓮の口が微かに開く。

⏰:08/05/17 23:13 📱:SH905i 🆔:8P2NvsDQ


#156 [みい]

「…ゆず……」


苦しそうに奴が発した言葉は、意外や意外、私の名前だった。


…へ?私?


何?と言いかけたとき…


「す…き…」


す?き?…………


………すっ、『好き』〜〜!?!?//

⏰:08/05/17 23:14 📱:SH905i 🆔:8P2NvsDQ


#157 [みい]

え!?何、ちょっとタンマ!!好きって…好きって!!ぇえっ!?!?//どっ、どーゆう意味!?!?//


パニックに陥った私は、掴まれたままだった手を勢いよく引き離し、さらには濡れタオルを奴の顔面めがけて投げ付けてしまった。


「ぶへっ!?!?」
「あた…あたし!帰る!!//」


やっとの思いでそれだけ吐き捨てると、奴の返事も聞かないで染谷宅を出た。

⏰:08/05/17 23:16 📱:SH905i 🆔:8P2NvsDQ


#158 [みい]

・・・・・・・・・・・・・・・・・・
更新Stopします

えと、、感想等もしよ
かったらもらえると
嬉しいです、、(Д)

>>1みい感想板
・・・・・・・・・・・・・・・・・・

⏰:08/05/17 23:19 📱:SH905i 🆔:8P2NvsDQ


#159 [みい]

自分の部屋に入ると、力が抜けてそのまま床にへたり込んでしまった。


さっきのはただの寝言。そんなのわかってる。


でもっ…でも!!


胸のドキドキが収まらない…。


「うぎゃあ〜〜!!」


私は頭を抱え込むと、床でごろごろとのたうちまわった……。

⏰:08/05/18 18:29 📱:SH905i 🆔:W.jJFIP6


#160 [みい]

……………………………

悪魔の寝言ごときのせいでろくに眠れないまま、夜は明けてしまった…;


「ふあ〜あ…」


階段を下りながら、盛大にあくびをする。


そして最後の角を曲がった瞬間、

「遅い」
「ひゃあっ!!!」

⏰:08/05/18 18:30 📱:SH905i 🆔:W.jJFIP6


#161 [みい]

なんと目の前に染谷蓮が立っていた。


「な、なんで…?風邪は…?」


奴は今日は休むだろうと勝手に思い込んでいた私は、口をぱくぱくさせながら奴に問う。


「治った。」


な、治ったってあんた…;

てゆうか…やっぱりちょっと意識しちゃうんですけど〜〜!!;//

⏰:08/05/18 18:31 📱:SH905i 🆔:W.jJFIP6


#162 [みい]

「そっ、そう!!よかったね!!」


できるだけ顔を合わせないようにしながら私は奴の隣をすり抜け、歩き出した。


「おかげさまで」


後ろから奴の声が届く。


「…と言いたいとこだけど」


そこまで聞こえると、声が止んだ。

⏰:08/05/18 18:32 📱:SH905i 🆔:W.jJFIP6


#163 [みい]

私が不思議に思って、振り向こうとしたその時、


「お前は誰に向かって物投げ付けてんだよ…」


と明らかに不機嫌そうな声が聞こえた。


……やばっ!!そういや私昨日、動揺のあまり奴の顔に…濡れタオルを……;


「…ごめんなさい;」

⏰:08/05/18 18:33 📱:SH905i 🆔:W.jJFIP6


#164 [みい]

染谷蓮は、前を向いたまま謝った私の態度が気に入らないらしく、


「それ、謝ってんの?」


と更に声を低くして耳元で囁いてきた。


咄嗟に昨日の出来事を思い出してしまう。

寝言と言えど、あんなこと言われたら誰でも意識しちゃうでしょ!?


「ごめんなさいってば!//」

⏰:08/05/18 20:11 📱:SH905i 🆔:W.jJFIP6


#165 [みい]

これ以上一緒にいると自分が変になってしまいそうで、とりあえず謝罪の言葉を叫んでから、私はこの場から逃げ出そうとした。


が、次の瞬間…


「柚っ!!」


私の名前を呼ぶ悪魔の声。


強く掴まれる腕。


ぐるりと回る視界。

⏰:08/05/18 20:12 📱:SH905i 🆔:W.jJFIP6


#166 [みい]

「危ねーんだよ姉ちゃんっ!!」


私達の真横を、そんな大声と共に車が通り過ぎた。


全てがスローモーションのように感じられ、頭上から大きな溜息と、


「何してんだよ…」


呆れたような呟き。


そこでふと我に返る。

⏰:08/05/18 20:14 📱:SH905i 🆔:W.jJFIP6


#167 [みい]

「ぎゃああっ!!//」


私は力いっぱい目の前にある奴の胸板を押しやった。


「ぐえっ!?」
「おおおお先にっ!!//」


上擦る声でようやく叫ぶと、さっき落としてしまった鞄を素早く拾って、走り出した。


「おまっ…マジでざけんなよっ!!」

ふざけてなんかないっつーの!!//

⏰:08/05/18 20:15 📱:SH905i 🆔:W.jJFIP6


#168 [みい]

もう…嫌!!なんでこんなに…。


車に轢(ヒ)かれそうになった私を庇ってくれただけじゃん!!



『柚っ!!』

いつも余裕こいてる悪魔の、初めて聞く焦りの混じった声。

その直後、勢いよく引き寄せられた男らしくて厚い胸板。


……だあーっ!!//もう思い出すの止めっ!!忘れろ私!!

⏰:08/05/18 20:17 📱:SH905i 🆔:W.jJFIP6


#169 [みい]

・・・・・・・・・・・・・・・・・・
更新Stopします

読んでくれている方
がいたら、よければ
感想等もらえると嬉
しいです、、(>Д<)

>>1みい感想板
・・・・・・・・・・・・・・・・・・

⏰:08/05/18 20:21 📱:SH905i 🆔:W.jJFIP6


#170 [みい]








・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
Story4〜らしくない。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

⏰:08/05/19 23:15 📱:SH905i 🆔:pvtxA1Kg


#171 [みい]

――*蓮Side*――

あの日以来、なんか柚がおかしい。

『あの日』とは、俺が風邪で寝込んだ日のことだ。


「おい蓮、見ろよあれ!!」


ぼーっと考え事をしてた俺に話し掛けてきたのは、矢野聡(ヤノ サトシ)。こっちでは唯一本性を見せることができるダチだ。


「んあ?」

⏰:08/05/19 23:16 📱:SH905i 🆔:pvtxA1Kg


#172 [みい]

俺は矢野の指差す先に視線だけ移す。その先には…

最近俺を苛立たせる態度ばかりとる、柚の姿。


「今日も柚ちゃん最高!!」
「…どこが」


初めて聞いた時、心底驚いた。

矢野は柚が『お気に入り』なのだ。

「矢野ってほんと悪趣味な」
「悪趣味なんかじゃねえよ!柚ちゃんはマジかわいい!!」

⏰:08/05/19 23:17 📱:SH905i 🆔:pvtxA1Kg


#173 [みい]

あんなくそばか女のどこがいいんだか…。


「なあ!!お前本っ当に柚ちゃんと付き合ってねーの!?」


突然矢野に思い切り強く肩を掴まれた。


「だから。何回も言ってやってんだろ。俺はあんな奴、御免だ。」


毎度お馴染みの質問に、俺は深い溜息をつく。

⏰:08/05/19 23:18 📱:SH905i 🆔:pvtxA1Kg


#174 [みい]

大体初めて話し掛けてきた時も、


『お前…柚ちゃんと付き合ってんの?』


だったもんな。俺はあん時思わず飲み物吹き出しちまったっつーの。くだらなすぎてね。


「ならいいんだけどさ…。なんでいつも一緒に登下校してんだよ!?」

恨めしそうに俺を見る矢野。


「暇つぶし」

⏰:08/05/19 23:19 📱:SH905i 🆔:pvtxA1Kg


#175 [みい]

そう一言で返すと、矢野はぶーぶーと文句をたれる。


「ずりーよ…。俺も柚ちゃんと一緒に歩きてえよ……」


こいつマジで変わった奴だな。柚と歩くことなんて特に羨ましがられることでもなんでもない。


「しかも家隣とかさあ…はっ!!お前まさか!!柚ちゃんと%*★§※£なこととかしてんじゃねえだろうな!?」
「あほかっ!!んなわけねえだろ!!」

⏰:08/05/19 23:22 📱:SH905i 🆔:pvtxA1Kg


#176 [みい]

掴まれたままの肩をものすごい力で揺さ振られ、俺はぐらんぐらんになりながらも否定した。


俺が柚と?矢野、頼むから冗談は顔だけにしてくれ。

……………………………

「おい、柚」
「私、さえちゃんと帰るから!!」


…またかよ。最近柚は意地でも俺と帰ろうとしない。


…まあ別にいいんだけど。

⏰:08/05/19 23:23 📱:SH905i 🆔:pvtxA1Kg


#177 [みい]

俺は家に帰ってから、ベッドに突っ伏した。

うあー…暇だ……。

……あ。あいつがいたじゃん!


俺はおもむろに携帯を開くと、通話ボタンを押した。


……早く出ろよ…。


『なんやねん蓮!!』


…おいおい、久々の友からの電話にそれはないだろ。

⏰:08/05/19 23:24 📱:SH905i 🆔:pvtxA1Kg


#178 [みい]

「久々だっつーのに…お前も随分と薄情になったな、弘樹」


俺が柚の代わりに暇つぶしに選んだのは、石川弘樹(イシカワ ヒロキ)。大阪の高校にいたころのツレだ。


『や!!ちゃうねんて、すまんすまん!!今忙しねん!!』
「お前が忙しいだなんて珍しいな」


いっつもぼーっと加賀美あきのことばっか見てたくせに…。

『それがやな…明日!!あきと遊園地デートすんねん♪』

⏰:08/05/19 23:25 📱:SH905i 🆔:pvtxA1Kg


#179 [みい]

せやからいろいろせなあかんことあんねん〜、って…

…は?


「お前加賀美あきと付き合ってんの?いつの間に?」
『…まだ付き合ってへん…』


……はあ??

よくよく話を聞いてやると、明日は翔と吉田も来るらしい。


「…デートじゃねえだろ、それ」
『失礼やな!!れっきとしたデートやっちゅーねん!!』

⏰:08/05/19 23:27 📱:SH905i 🆔:pvtxA1Kg


#180 [みい]

…変わってねえなあ。


俺は思わず口元を緩めた。


『で、なんやねん?』
「へ?」
『なんか言いたいことあったから電話してきたんとちゃうん?』


ん〜…この状況だとまさか暇つぶしなんて言えねえしな。柚のことでも聞いてもらうか。


「…ムカつく女がいるんだよ」

⏰:08/05/19 23:29 📱:SH905i 🆔:pvtxA1Kg


#181 [みい]

・・・・・・・・・・・・・・・・・・
更新Stopします

もしよかったら感想
もらえると、励みに
なるのでぜひぜひお
願いします(>Д<)

>>1みい感想板
・・・・・・・・・・・・・・・・・・

⏰:08/05/19 23:32 📱:SH905i 🆔:pvtxA1Kg


#182 [我輩は匿名である]
>>1-200
>>201-400
>>401-600
>>601-800

⏰:08/05/23 20:27 📱:N905i 🆔:3DAbMTRM


#183 [みい]

昔からの柚との関係、再会、そして最近の態度の変化を弘樹に説明する。


俺が話し終えると、受話器の向こうから笑い声が聞こえた。


「…何がおかしい」
『いやあ〜、珍しなあ思て♪あの蓮がそないな女にふり回されとるとは…」


そう言って、弘樹はまた笑った。


…俺が振り回されてる?冗談じゃねーよ。

⏰:08/05/24 23:15 📱:SH905i 🆔:iuHZ6YLo


#184 [みい]

『女に不自由しやんかったお前がなあ〜…』


弘樹はまだ笑みを残した声で言う。


確かに俺はあっちにいた頃は女関係は激しかった。今あんま遊んでねーのは、柚をからかうほうがおもしろいから。そんだけ。


「言っとくけど。俺はあいつに振り回された覚えは全くない」
『ほーん…ま、蓮がそない言うんやったらええけど』

⏰:08/05/24 23:16 📱:SH905i 🆔:iuHZ6YLo


#185 [みい]

こいつの言うこと全部腹立つ…。


「なんかイライラすっから今日は加賀美あきオカズにしよ」
『な…っ!!あかんあかんっ!!!!あほかお前は!!!!』


嘘だよ、仕返しだばーか。あんな何も知らなそーな純粋ちゃんでできっかよ。


………………………………

電話切る直前にも「あきで妄想したらほんまにしばくで!!」とか言ってたし…。

⏰:08/05/24 23:17 📱:SH905i 🆔:iuHZ6YLo


#186 [みい]

あいつ絶対顔真っ赤にして怒ってたんだろうな〜…まじウケる。


…にしても予想外だった。俺が柚に振り回されてるなんて思ってもなかったし、思いたくもねえ。


事実、俺は振り回してる側の人間だ。柚にとって俺は今までも、これからも「厄介な男」であって、それ以外の何者でもない。



…弘樹のせいでとんだ暇つぶしになっちまった。

⏰:08/05/24 23:18 📱:SH905i 🆔:iuHZ6YLo


#187 [みい]

ま、ヘタレの弘樹、明日の健闘でも祈ってやるか。どーせあいつには無理だろうけど。


俺が心ん中で弘樹を散々けなし終わったとき、家の電話が鳴った。


誰だよこんな時間に…はいシカト決定。


部屋のベッドに横になったまま携帯をいじる俺。


が、そんな俺に挑戦するかのように鳴りつづける呼び出し音。

⏰:08/05/24 23:19 📱:SH905i 🆔:iuHZ6YLo


#188 [みい]

負けたのは俺だった。舌打ちをしてから受話器をとる。


「はい?」
『あ、蓮君!?』


…柚んとこのおばちゃんか。


「そうですけど…母親ならまだ帰ってないっすよ?」


俺の母さんと柚んとこのおばちゃんは仲が良い。


『違うのよ、ねえ柚知らない!?』

⏰:08/05/24 23:20 📱:SH905i 🆔:iuHZ6YLo


#189 [みい]

柚…?

「さあ…確か今日は……」


記憶を辿ると、

『私、さえちゃんと帰るから!!』

柚の生意気な言葉を思い出した。


「室田と帰るって言ってた気が…」
『さえちゃんはもう家に戻ってるらしいのよ…でも……』


そこでおばちゃんの声が途切れる。

⏰:08/05/24 23:22 📱:SH905i 🆔:iuHZ6YLo


#190 [みい]

「もしもし?」


俺が先を促すと、


『柚…まだ帰ってこなくて…。こんなに遅くなること初めてで、携帯も繋がらないし……』


俺は腕時計を見る。長針は10の数字のすぐ手前を指していた。


…あんの馬鹿…っ!


「俺、捜してきます」

⏰:08/05/24 23:24 📱:SH905i 🆔:iuHZ6YLo


#191 [みい]

俺はそれだけ言うと、おばちゃんの返事も聞かずに受話器を置いた。

そのまま飛び出すように玄関を出る。


…………………………………

ゲーセン、本屋、薬局…あいつが行きそうな場所をあたってみたが、どこにもいない。


くそっ…どこにいんだよ…!


時は10時半を過ぎて、俺はかなり焦っていた。

⏰:08/05/24 23:25 📱:SH905i 🆔:iuHZ6YLo


#192 [みい]

胸がやけにざわつく。

嫌な考えが頭に浮かぶ。


「……っ!!冗談じゃねえぞ、まじで……」


縁起でもない思いつきを振り切るように、また走り出そうとした時だった。


「あ、あの…」


後ろから声がして、振り返ると…柚がキョトンと立っていた。

⏰:08/05/24 23:27 📱:SH905i 🆔:iuHZ6YLo


#193 [みい]

――*柚稀Side*――

角を曲がると、息を切らした悪魔の後ろ姿。


こんな時間にこんな場所で会うなんて思いもしなかったから、私はびっくりして迂闊(ウカツ)にも声を掛けてしまった。


私の声に反応して、染谷蓮は勢いよく振り返り、目を丸くする。


「あ…えっと…、な、何してるの?」

⏰:08/05/24 23:28 📱:SH905i 🆔:iuHZ6YLo


#194 [みい]

何となく気まずい空気だったから、とりあえず作り笑いをする。


「……お前こそ何してた。こんな時間まで…」


そんな私に悪魔は眉間にシワを寄せて尋ねてきた。


お、お兄さん…顔が恐いよ…;;


「え、あの…さえちゃんと別れてから、中学の時の友達に会って…晩御飯を一緒に…」

⏰:08/05/24 23:29 📱:SH905i 🆔:iuHZ6YLo


#195 [みい]

たじたじになりながらも答えている間に、じりじりと詰め寄ってくる悪魔。私は逃げ場を失った。



相変わらず顔はかなり恐い。泣く子も一発で黙りますね…これは;


「え?えへ…へ…?」


怒ってる?なんで?私のせい?


様々な疑問が渦巻いて、変な笑みが漏れる。

⏰:08/05/24 23:30 📱:SH905i 🆔:iuHZ6YLo


#196 [みい]

その瞬間、悪魔の右手が勢いよく上げられる。


ひぃいっ!!殴られる…っ!?!?



恐怖を感じとって、強く目をつぶった。


けど、次に奴がとった行動は、私の想像とは掛け離れてたものだった。


「無事で、よかった…」

⏰:08/05/24 23:32 📱:SH905i 🆔:iuHZ6YLo


#197 [みい]

……え?


一瞬何が起きたのかわかんなかった。

でも、抱き寄せられた腕と、少し熱くなってる体は、紛れも無くさっきまで目の前にいた染谷蓮のものだった。


あの日、私を庇ってくれた時と同じように耳元で溜息が聞こえる。


私、悪魔に抱きしめられてる…?!

「え?あ、あの…?」

⏰:08/05/24 23:33 📱:SH905i 🆔:iuHZ6YLo


#198 [みい]

私が声を出すと、染谷蓮はぱっと私から離れて、


「早く帰れ。おばちゃん心配してんぞ」


と吐き捨てるように言って、家とは反対方向にすたすたと歩いていってしまった。


な、何今の!!//優しく抱きしめて「無事でよかった」っ!?
キャラ間違えてるよ!?!?//


でも…すぐにいつもの感じに戻ってたし…まじ意味わかんない!!

⏰:08/05/24 23:34 📱:SH905i 🆔:iuHZ6YLo


#199 [みい]

家に帰ると、早速お母さんに叱られた。


「なんで電話に出ないの!!」
「充電切れちゃってて…」


ごめんなさい、と謝ると、お母さんが深く息をついてから、


「あ!蓮君に会った!?」


なんて聞いてくるもんだから何となくドキッとしてしまった。


「あ、会ったけど…?」

⏰:08/05/24 23:35 📱:SH905i 🆔:iuHZ6YLo


#200 [みい]

私の答えを聞くと、お母さんは安心したようだ。


「よかったわ〜。お母さん、蓮君ちに電話しちゃったのよ、柚知らないかって。そしたら捜しに行くって言ってくれて…」


…まさかとは思ったけど、やっぱり捜してくれてたんだ…。


何となくわかってはいたものの、驚いてしまった。


「ちゃんと蓮君にお礼言っとかなきゃ」

⏰:08/05/24 23:36 📱:SH905i 🆔:iuHZ6YLo


#201 [みい]

そう言って受話器を取ったお母さんに、私は慌てて制止をかける。


「あっ!たぶんまだ帰ってないと思う!!なんかあのあと出掛けたみたいだから…」


あらそうなのー、とお母さんは残念そうに受話器を置いて、


「じゃああんたちゃんとお礼しといてね!!」


と私に頼んできた。

⏰:08/05/24 23:37 📱:SH905i 🆔:iuHZ6YLo


#202 [みい]

「あ、はい…」

私は一応了解すると、部屋に戻って考え込む。


無意識に溜息が出てしまった。


あの時息切らしてたのも、体が熱かったのも…必死に捜してくれてたからかな…。


…だから何だって言うのさ!!あーもう!!まじで意味不明!!悪魔のくせになんで優しくするのよ!!


いろいろ考えてたら、いつの間にか眠りについていた。

⏰:08/05/24 23:39 📱:SH905i 🆔:iuHZ6YLo


#203 [みい]

――*蓮Side*――

戸惑うような柚の声が聞こえた時、はっと我に返った。



今、俺は何て言った?

そして……何をした?



やや乱暴に柚から離れると、俺はコンビニに向かった。


久々にタバコを買うと、一本取り出して口にくわえる。

⏰:08/05/24 23:40 📱:SH905i 🆔:iuHZ6YLo


#204 [みい]

柚がへらへら笑うのを見て、腹が立った。


それと同時に、ついさっきまでの心配が一気に消え失せて…柚が無事だと理解した時、思わずあいつの肩に腕を伸ばした。


俺の体にすっぽり収まる柚の存在を実感してから「無事でよかった」なんて、らしくない台詞。


「……ん?」


そもそも俺は心配してたのか?あのばかゆずなんかを?

⏰:08/05/24 23:41 📱:SH905i 🆔:iuHZ6YLo


#205 [みい]

あいつの帰りがちょっと遅くなったくらいどってことねえじゃねえか。少なくとも俺には無関係だ。


…でも、今冷静に考えるとそう思えるが、あの時はいっぱいいっぱいだった気がする。


《柚を心配していた》。この事実は否めない。


『蓮がそないな女にふり回されとるとは…』


弘樹の言葉を思い出す。

⏰:08/05/24 23:42 📱:SH905i 🆔:iuHZ6YLo


#206 [みい]

・・・・・・・・・・・・・・・・・・
更新Stopします

感想等もらえると嬉
しいです、、(>Д<)

>>1みい感想板
・・・・・・・・・・・・・・・・・・

⏰:08/05/24 23:44 📱:SH905i 🆔:iuHZ6YLo


#207 [みい]

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
感想板の方にお詫びを
コメントしました

目を通してもらえると
幸いです、、つД`)

>>1みい感想板
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

⏰:08/05/25 11:07 📱:SH905i 🆔:lJvXSaOU


#208 [みい]
「あ゙ー…くっそ…」


意味わかんねえ。なんかとりあえずめちゃくちゃイライラする。


俺は吸っていたタバコを地面に落とすと、ぐじゃぐじゃと足で強く踏みつけた。



家に帰る気分じゃなくて、一睡もしないまま近所の公園で一人で夜を明かした。

⏰:08/05/29 22:56 📱:SH905i 🆔:OpId9lm6


#209 [みい]







・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
Story5〜冷戦の末に
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

⏰:08/05/29 23:02 📱:SH905i 🆔:OpId9lm6


#210 [みい]

あの一件以来、私達の間にはなんだか気まずい空気が漂っていた。


以前と同じように、一緒に登下校はしているものの、お互いに終始無言…;


悪魔こと染谷蓮は、私に意地悪をしなくなった。でも、毎朝下で私を待ち受けているし、帰りだって有無を言わせず強制連行。


はあ〜…まじでこの男…意味不明だよお……;

⏰:08/05/29 23:03 📱:SH905i 🆔:OpId9lm6


#211 [みい]

今も静かに下校中です。ええ、もうそれはそれは不気味なほど「静かに」ね…;;


「あっ…あの!!!」


重苦しい空気を一瞬にして引き裂いてくれるような、大きい声が私達の後ろから響いてきた。


二人してほぼ同時に振り返ると、微かに頬を紅潮させた男の子が立っている。

⏰:08/05/29 23:04 📱:SH905i 🆔:OpId9lm6


#212 [みい]

校彰の色からして、1年生かな…?


知り合い?という目を悪魔に向けると、


「あのっ…早瀬先輩っ!!」


とその男の子がいきなり叫んだ。


へっ!?わ、私ですか!?!?


「あ、は、はい…何でしょうか…?」

⏰:08/05/29 23:06 📱:SH905i 🆔:OpId9lm6


#213 [みい]

少しビビり気味に返事をすると、男の子はすうーっと長く息を吸い込んでから、


「好きなんです!!俺と付き合って下さいっっ!!!!」


と一気に吐き出した。


…へ?好き?誰を?


ぽかんと口を開けて染谷蓮のほうを見ると、


「いや、お前だろ」

⏰:08/05/29 23:07 📱:SH905i 🆔:OpId9lm6


#214 [みい]

と親指で私を指してきた。


ああなるほど!!この男の子が私を好きってことね〜!!!


って……


「ぇえええ〜っ!?!?」


この男の子が好き!?私を!?!?


あまりの驚きで口が聞けなくなってしまった私にはおかまいなしに、男の子は続ける。

⏰:08/05/29 23:09 📱:SH905i 🆔:OpId9lm6


#215 [みい]

「あの、俺前から先輩のこと好きで…手紙書いてきたんで、読んで下さい!!」


男の子はそう言って、依然として呆気にとられている私の手に封筒を握らせると、


「失礼しました!!」


と礼儀正しくお辞儀をして元来た道を走っていった。


「おい」

⏰:08/05/29 23:10 📱:SH905i 🆔:OpId9lm6


#216 [みい]

染谷蓮に頭をがしっと掴まれて、ようやく現実世界に帰ってきた。


「世の中物好きもいるもんだな」
「ね、本当に…」


…って、物好きとは何だよ!!失礼な!!なかなか好青年だったし!!


無表情で毒づいてきた染谷蓮に心の中で毒づき返す。


それにしても…信じられない。今あったことは夢なんじゃないか。

⏰:08/05/29 23:12 📱:SH905i 🆔:OpId9lm6


#217 [みい]

でも、私の手に残った手紙の入った封筒が、それが真実であるということを物語っていた。

………………………………

どうすればいいんだろう…。


部屋で彼からの手紙を読み終えた私は、すっかり途方に暮れていた。

自慢じゃないけど生まれてこのかた、一度も異性から告白されたことがなかったのだ。

⏰:08/05/29 23:14 📱:SH905i 🆔:OpId9lm6


#218 [みい]

「よければメール下さい、かあ…」


これって…やっぱり一応はするべきなのかなあ…。


『早瀬柚稀です、よろしくね』


とりあえず、可愛いげも何もないシンプルなメールを送ってみた。


携帯を閉じた瞬間に着信音が鳴る。

⏰:08/05/29 23:15 📱:SH905i 🆔:OpId9lm6


#219 [みい]

《メール1件:会田奏(アイダ ソウ)》


えっ!!返信早っっ!!!

『メールありがとうございます!!さっきはいきなりすいませんでした


絵文字混じりの女の子みたいなメール。


会田君はすらっとした感じの染谷蓮とは対照的に、少しがっしりとした体格だった。そんな見た目とこのメールにギャップがあるもんで、なんだか笑ってしまった。

⏰:08/06/01 22:28 📱:SH905i 🆔:cxlp0rTo


#220 [みい]

……………………………

なんだかんだでもう3日間メールが続いている。


会田奏君。一年生で、部活はバスケ。好きな食べ物はオムライスで、嫌いな食べ物は特になし。


告白の返事はしていない。なんかお互いにその話題を避けてるっていうか…

そもそもあちらが聞いてこないので、こちらとしてもどのタイミングで切り出せばいいのかわからないのだ。

⏰:08/06/01 22:28 📱:SH905i 🆔:cxlp0rTo


#221 [みい]

しかも返事、決まってないし…。

悪い人ではないと思うけど、なにせついこないだまで赤の他人だったんだよ?

そんな人をいきなり彼氏にだなんて…アリですか!?アリなんですかね!?!?


一人で悶々と悩んでいると、携帯が鳴った。きっと会田君だろう。


『明日会えますか?』


開いてみると、会田君らしくないシンプルなメール。

⏰:08/06/01 22:29 📱:SH905i 🆔:cxlp0rTo


#222 [みい]

うー…特に断る理由もないしなあ……。


まあ会うだけだし…いっか!


私は会田君のお誘いを深い意味で受け取らずにOKしてしまった。


………………………………

ってわけで、今日は会田君と帰ることになったんだけど…厄介な奴が約1名…;;


「柚、帰んぞ」

⏰:08/06/01 22:30 📱:SH905i 🆔:cxlp0rTo


#223 [みい]

やっぱしきたー!!!!悪魔のお出ましですよ…;;

どうすんのよ私!?


「あ、えっと…ちょっと今日は…」


私がしどろもどろになりながら口ごもっていると、


「今日は柚、会田君と帰るんですよー♪」


と後ろからさえちゃんのでっかい声。

⏰:08/06/01 22:31 📱:SH905i 🆔:cxlp0rTo


#224 [みい]

うぎゃ〜!!余計なこと言わなくていいっつーの〜!!!!;


私は慌ててさえちゃんの口を塞ぐが、もはや後の祭だ。


「会田…?ああ、あいつか…」


悪魔は表情を崩さずそう呟くと、

「じゃあ気をつけて帰れよ。室田も気いつけて♪」


とにこっと笑ってから軽く手を挙げ、教室を出ていった。

⏰:08/06/01 22:32 📱:SH905i 🆔:cxlp0rTo


#225 [みい]

なっ…なんだあのスマイル(偽)は!!


あっ、さえちゃんがいるからか。いい人バージョンの染谷蓮だったってわけね。


…くっそ〜なんか腹立つ!!猫かぶりやがって!!!!


「柚、早く会田君とこ行かなきゃいけないんじゃないの!?」


さえちゃんの言葉にはっと我に返ると、もう約束の時間10分前だった。

⏰:08/06/01 22:33 📱:SH905i 🆔:cxlp0rTo


#226 [みい]

「ひぇえっ!!私行かなきゃ!!バイバイさえちゃんっ!!」


私はさえちゃんに手を振りながら、慌ただしく教室を後にする。


………………………………

――*蓮Side*――

帰り道を一人で歩いてたら、後ろから甲高い声。

「染谷君っ♪」


…俺こいつ嫌いなんだけど。

⏰:08/06/01 22:33 📱:SH905i 🆔:cxlp0rTo


#227 [みい]

俺を呼んだ声の主は、室田さえ。柚と仲がいいらしい。


なんか好かねえんだよな〜、この女…。


そうは思いつつも、一応笑顔を作ってから振り向く。


「どうしたの?」


言葉遣いも柔らかく。さすが二重人格、自分でも感心しちまうほどに。

⏰:08/06/01 22:34 📱:SH905i 🆔:cxlp0rTo


#228 [みい]

そんな俺を見て、ぷっと吹き出し笑いをする室田。


…何がおかしい?


少し腹が立ったが、プロの猫かぶり師である俺は、それでも余裕があった。

笑みを貼付けたまま、ん?と首を傾げる。すると室田は、


「別に作んなくていいよ、本性知ってるし」


と言いにやりと笑う。

⏰:08/06/01 22:35 📱:SH905i 🆔:cxlp0rTo


#229 [みい]

ああ、なるほどね。柚に聞いたか…。


「あっそ。で?何の用?」
「切り替え早っっ!!」


いきなり態度を変えた俺に、室田は驚いた様に目を見開く。

知ってる奴にいい人を演じても無駄にエネルギーを消費するだけだ。当たり前のことだろ。


「何なんだよ」


依然としてまじまじと俺を見る室田に、俺は苛立ちの声を上げた。

⏰:08/06/01 22:36 📱:SH905i 🆔:cxlp0rTo


#230 [みい]

室田はそれに反応して、またにやっと笑うと、


「取られちゃうよ?柚のこと」


と言ってくる。


…何言ってんだこいつ。

室田が言わんとしていることはわかる。会田だろ?でも、俺には関係ない。


「取られるも何も、あんな女いらねえし」

⏰:08/06/01 22:37 📱:SH905i 🆔:cxlp0rTo


#231 [みい]

つーか『取られる』って…そもそも俺のもんでもないし。

百歩譲って俺のもんだとしても、喜んで会田にくれてやる。


「ふーん…ま、ならいいけど♪」

じゃ、と手を挙げて室田は去っていった。


…やっぱ室田って奴、嫌いだわ。無駄なお節介野郎って一番うぜえ人種。


俺は舌打ちをしてからまた歩き出した。

⏰:08/06/01 22:38 📱:SH905i 🆔:cxlp0rTo


#232 [みい]

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
更新Stopします

感想等もらえると励み
になるので、ぜひお願
いします(。・ω・。)

>>1みい感想板
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

⏰:08/06/01 22:40 📱:SH905i 🆔:cxlp0rTo


#233 [みい]

――*柚稀Side*――

「へっっ!?」
「いや、だから…そろそろ返事を…//」


昨日の雨はすごかったねー、とか、当たり障りのない会話をしながら帰り道を歩いていると、突然会田君が例の件について切り出した。


「あ、いや、えーっと…//」


やばい…結論なんてまだ出てないよ〜!!

⏰:08/06/04 22:41 📱:SH905i 🆔:7Fk4E26Q


#234 [みい]

まさか今日返事を求められるとは夢にも思っていなかった私は、目を泳がせて口ごもる。


どうしよう…やっぱ断るべきかな……。


そんなことを考えていたら、


「俺、早瀬先輩のこと本気で好きです」


という会田君の声。

⏰:08/06/04 22:42 📱:SH905i 🆔:7Fk4E26Q


#235 [みい]

顔をあげると、いつの間にか私の真正面に立った会田君は、少し赤面しながらも目では私をしっかり捕らえていた。


「まじで幸せにします。だから…俺と付き合って下さい」


会田君はそう言うと、頭を下げながら手を差し出す。


会田君……。


私なんかのことを、こんなにまで想ってくれる人は、この先現れるのだろうか。

⏰:08/06/04 22:43 📱:SH905i 🆔:7Fk4E26Q


#236 [みい]

……決めた。


私は会田君の手をとった。


「早瀬先輩、…ってことは…?」


会田君が上目遣いで不安げに聞いてくる。


「よろしくお願いします//」


私の返事を聞くと、会田君は「よっしゃー!!」と大きな声で叫び、ガッツポーズをした。

⏰:08/06/04 22:44 📱:SH905i 🆔:7Fk4E26Q


#237 [みい]

「恥ずかしいからやめてよ〜//」


私が笑いながらそう言うと、会田君は、


「だって超嬉しいんだもん!!」


と満面の笑みで答える。


なんか…かわいい!!やばい、私の方こそすごい嬉しいかも!!


その後も二人でじゃれあい?ながら、家路を歩いた。

⏰:08/06/04 22:44 📱:SH905i 🆔:7Fk4E26Q


#238 [みい]

………………………………
――*会田Side*――


5日前、憧れだった早瀬先輩と、なんと付き合えることになってしまった♪


もう〜、嬉しすぎ!!!!

だって先輩まじ可愛すぎだし!!二人でいる時間は幸せなんです♪


でも…その幸せな時間はかなり限られている。それは昼休みだけなのだ。

⏰:08/06/04 22:46 📱:SH905i 🆔:7Fk4E26Q


#239 [みい]

原因は、染谷…先輩、って人。


早瀬先輩はどうも染谷先輩には逆らえないらしい。登下校を一緒に「させられている」のだ。


一緒に登下校したがるなんて…そんなの絶対早瀬先輩のこと好きだからじゃん!!


こないだそう言ったら、


「違う違う!!ただ私が困るの見て楽しんでるだけなの!!」

⏰:08/06/04 22:48 📱:SH905i 🆔:7Fk4E26Q


#240 [みい]

って早瀬先輩は笑ってたけど…


納得いかねえし!!!!

こうなったら直談判しかねえ!!


………………………………

放課後、俺は二人をこそこそと尾行した。


特に会話はないみたいだな…。
つーか俺、なんでこんなことやってんだろ…。

⏰:08/06/04 22:49 📱:SH905i 🆔:7Fk4E26Q


#241 [みい]

無性にみじめになったが、これも早瀬先輩の為!と気を取り直す。


そうこうしてる間に、家に到着した。


あー…聞いてはいたけど、まじで隣同士なんだ…。


結構…いや、かなり嫌だわ。


二人が互いに家へ入っていったのを確認してから、俺は階段を上る。

向かうは…染谷先輩の家。

⏰:08/06/04 22:51 📱:SH905i 🆔:7Fk4E26Q


#242 [みい]

多少の緊張を押し殺し、インターホンを鳴らす。


………出ない。


帰ってねーのか?…いやいやさっき家入ってったじゃん。


俺はもう一回ボタンを押す。


『…はい?』


もともと冷たい声が、機械を通してさらに無機質に響く。

⏰:08/06/04 22:51 📱:SH905i 🆔:7Fk4E26Q


#243 [みい]

「あ、あの…ちょっと話があるんですけど…」


うわー!!なんで弱腰になっちゃってんだよ俺!しっかりしろ!!


『…誰?』
「1年の会田です」


答えると、少し間があいたあと、染谷先輩がドアから顔だけ出して、


「柚ん家は隣だけど」

⏰:08/06/04 22:52 📱:SH905i 🆔:7Fk4E26Q


#244 [みい]

と不機嫌そうに言ってくる。


「いや、染谷先輩に話があって来ました」


内心ビビってるけど、毅然とした態度で振る舞った…つもりだ。


染谷先輩は少し目を見開いた後、


「あ、そ。どーぞ」


と言ってドアを大きく開ける。

⏰:08/06/04 22:53 📱:SH905i 🆔:7Fk4E26Q


#245 [みい]

「失礼します」


いざ出陣!!頑張れ俺!!


………………………………

「話って何?柚のこと?」


染谷先輩の部屋に通してもらい、俺は床に正座をし、染谷先輩はベッドに寝転がっている。


つーか…さっきも思ったけど、「柚」って呼んでるんだ…。

⏰:08/06/04 22:55 📱:SH905i 🆔:7Fk4E26Q


#246 [みい]

彼氏の俺でさえ「柚」なんて呼んだことねーのに!!


まあそこはぐっとこらえて、本題に入る。


「早瀬先輩のこと、ってゆうか…あなたのことです」
「…俺?悪いけど、俺にはそっちの趣味はねーぜ?お前とは付き合えねーよ?」


こっちは真剣なのに、染谷先輩は余裕たっぷりで、笑いながら俺を小馬鹿にしてくる。

⏰:08/06/04 22:56 📱:SH905i 🆔:7Fk4E26Q


#247 [みい]

「そうじゃなくて!!」


俺は思わず声を張り上げる。


「染谷先輩は…早瀬先輩のこと、どう思ってるんですか!?」


染谷先輩は、眉間に皺を寄せ、俺を見る。


「どう思ってようがお前には関係ねーだろ」
「関係あります。俺は早瀬先輩の彼氏ですから」

⏰:08/06/04 22:58 📱:SH905i 🆔:7Fk4E26Q


#248 [みい]

俺の最後の一言に、染谷先輩は目を吊り上げる。


「…彼氏?」
「はい、そうですけど?」


俺は彼氏なんだよ〜だ!!と自慢せんとばかりに胸を張る。


が、そんな俺を見て、染谷先輩は鼻で笑うと、携帯をいじりだした。

…なんだよ!!内心焦ってんだろ!!本当は早瀬先輩のこと好きなくせに!!!!

⏰:08/06/04 22:59 📱:SH905i 🆔:7Fk4E26Q


#249 [みい]

「単刀直入に聞きます」


俺は前置きをしてから、胸の中で限界まで膨れ上がった疑惑をぶつける。

「染谷先輩は、早瀬先輩のこと…好きですよね?」


染谷先輩の、携帯をいじる右手が止まる。
目だけが俺を捕らえる。


「さっきも同じようなこと言ったと思うけど、だったら何なの?俺が柚のこと好きだったら、お前に何の関係があるわけ?」

⏰:08/06/04 23:01 📱:SH905i 🆔:7Fk4E26Q


#250 [みい]

「さっきも言いましたけど、俺は彼氏ですから。知っておきたいだけです」


負けじと強気に出てみる。


染谷先輩は携帯を閉じ、顔をこちらに向けて言葉を放った。



「ああ、好きだよ」



…やっぱり好きなんじゃねーかよ。

⏰:08/06/04 23:02 📱:SH905i 🆔:7Fk4E26Q


#251 [みい]

「でも、やっぱお前には関係ねえな」


予想していたとは言え、やはり衝撃的な一言に俺がショックを受けていると、染谷先輩は続けて言う。


「…なんでですか?」


関係大アリでしょ?俺、あんたの好きな子の彼氏だよ?


「彼氏とか関係ねえんだよ。あいつは俺のだから」

⏰:08/06/04 23:03 📱:SH905i 🆔:7Fk4E26Q


#252 [みい]

…は!?!?何その所有物宣言!!


「早瀬先輩は俺の彼女なんです!!あなたのものじゃありません!!」


思わず身を乗り出して抗議する俺を、染谷先輩はうっとうしそうに横目で見遣る。


「あーはいはい、わかったから。もう目的は済んだっしょ?早く出てけ」


…なんて奴なんだ。なぜ言い返さない?好きなんだろ?

⏰:08/06/04 23:04 📱:SH905i 🆔:7Fk4E26Q


#253 [みい]

――*蓮Side*――

俺が邪険に帰宅を促すと、奴は何も言わずに、唇を噛み締めながら俺を見下ろした後、部屋を出ていった。


玄関のドアが閉まる音と同時に、俺は盛大に息を吐く。



『ああ、好きだよ』


柚の彼氏とやらにしつこく問い詰められ、気がつけば肯定の一言が口からこぼれていた。

⏰:08/06/04 23:06 📱:SH905i 🆔:7Fk4E26Q


#254 [みい]

弘樹に、室田に言われても、否定するのは容易なことだった。


だけど何だ。あいつが彼氏だと知った瞬間、体が急に熱くなった。


何となく気づいてはいたが、それが確信へと変わると同時に、無性に腹が立った。


それで、とうとう認めてしまったってわけか。無意識に奥へ奥へと隠し続けてきた、自分の本心を。


「まじかよ…」

⏰:08/06/04 23:08 📱:SH905i 🆔:7Fk4E26Q


#255 [みい]

思わず呟く。


会田の前では最後までペースを崩さなかったつもりだ。

いきなり帰れと催促したのは、これ以上あいつに何かを言われると、『俺』を保っていられなくなるかもしれないと判断したから。


…でも、

負ける気がしねえな。


そもそも、俺は勝ち試合にしか参加しねえ主義だ。

⏰:08/06/04 23:11 📱:SH905i 🆔:7Fk4E26Q


#256 [みい]

会田には悪いけど、やっぱあいつは俺のもんなんだよ。


だから、今は貸してやってるけど、そのうちすぐに返してもらうぜ?そのつもりでいろよ、会田。


………………………………
――*柚稀Side*――

今は楽しく会田君と屋上でランチ中♪のはずなんだけど…

なんだか会田君の様子がおかしい。話し掛けてもうん、とかああ、とかしか言わない

⏰:08/06/04 23:16 📱:SH905i 🆔:7Fk4E26Q


#257 [みい]

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
更新Stopします

読者様いらっしゃった
ら、ぜひ感想等よろし
くお願いします

>>1みい感想板
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

⏰:08/06/04 23:18 📱:SH905i 🆔:7Fk4E26Q


#258 [ゆぅな]
>>185->>257

⏰:08/06/05 06:29 📱:SH905i 🆔:☆☆☆


#259 [みい]

「なんか…具合悪い?」


私が遠慮がちにそう聞くと、会田君ははっと目を見開いてから、

「そんなことないですよ」

と笑う。

でも、その笑顔も一瞬で消えた。


「早瀬先輩って、染谷先輩のこと…」


俯いて言いかけた会田君の声もそこで途絶えた。

⏰:08/06/14 00:52 📱:SH905i 🆔:HOY0M1Ns


#260 [みい]

「え?」


染谷蓮がどうしたの?

私が先を促すように首を傾げて会田君を見ると、会田君はこちらをちらっと見てから、


「いや、何でもないっす」


と、明らかに作り笑顔と思われる表情をした。


…どうしたの?なんでそんな顔するの?

⏰:08/06/14 00:53 📱:SH905i 🆔:HOY0M1Ns


#261 [みい]

様々な疑問が頭の中を渦巻いたが、なぜだか問いただすことができなかった。


………………………………

また悪夢のような下校時間ですよ〜…。

ああ、今日も家路が長く感じられる…。なんてブルーになっていたら、


「柚」


久々に奴が話し掛けてきたもんだから、びっくりしてしまった。

⏰:08/06/14 00:54 📱:SH905i 🆔:HOY0M1Ns


#262 [みい]

「え、な、何でしょうか?」


これ以上ないってくらいきょどっちゃったよ;


しかし染谷蓮はそんな私にはお構いなしに話し始める。


「会田に何か聞いた?」


…聞いてないけど、なんで?


「なんで会田君のこと、知ってるの?」

⏰:08/06/14 00:54 📱:SH905i 🆔:HOY0M1Ns


#263 [みい]

「なんでもくそも、お前が告られたとき俺もいたじゃねえかよ」


…まあそうだけどさ;でも、


「何かあったの?何も聞いてないよ、私」


なぜ今日はお互いの口からお互いの名が出るの?


「あいつ、俺ん家来たんだよ」
「……ぇえっ!?!?」


なっ、なんで!?

⏰:08/06/14 00:57 📱:SH905i 🆔:HOY0M1Ns


#264 [みい]

なんで会田君が悪魔の館に!?!?

さっきから私の頭は疑問でいっぱいだ。

「そっか。何も聞いてねえんだ」


悪魔は顎に手を添え、無表情で私を見る。


…会田君の様子がおかしかったのは、もしかしたら染谷蓮のせいかもしれない。


「何か会田君に変なことしたの!?」
「変なことはしてない。はっきり言ってやっただけ」

⏰:08/06/14 00:59 📱:SH905i 🆔:HOY0M1Ns


#265 [みい]

はっきり言ってやった?

「な、何を…?」


いつの間にかじりじりと追い詰められ、私の背中は塀にとすん、と触れた。

染谷蓮が私の顔の横に手をつく。


「柚は俺のだからっていう忠告」


……はぁぁあああっ!?


「ちょっ、何それ!?どうゆう意味!?」

⏰:08/06/14 01:00 📱:SH905i 🆔:HOY0M1Ns


#266 [みい]

「意味?」


私の疑問に、染谷蓮はふっと薄く笑ったあと、私の耳元に顔を近づけようとする。

「いやっ…!!」


染谷蓮の胸を力の限り押して抵抗するが、その手は奴の片手により組み敷かれてしまった。

そのまま悪魔はぐいっと顔を近づけ、耳元でこう囁いた。


「お前が好きだ」

⏰:08/06/14 01:01 📱:SH905i 🆔:HOY0M1Ns


#267 [みい]

え、何…?



『オマエガスキダ』



染谷蓮の囁いた一言が、音として頭の中でこだまする。


頭の中で延々と響いているのに、その言葉はなぜだか意味をなさない。


いや、意味が掴めないだけなのかも。

⏰:08/06/14 01:02 📱:SH905i 🆔:HOY0M1Ns


#268 [みい]

まるで頭の働きが止まってしまったみたい。ただただ、今の悪魔の囁きが体中に響き渡る。


抵抗することも忘れ、微動だにしない私に気づき、染谷蓮は私から離れた。


そして、今度は私の目を見て言う。


「好きなんだよ、お前のことが」


好きって?染谷蓮が私を…?

⏰:08/06/14 01:04 📱:SH905i 🆔:HOY0M1Ns


#269 [みい]

ようやくその言葉の意味を理解でき始めた時、一気に体が熱くなるのがわかった。


「あ、あの…」


ほてった顔で口をぱくぱくさせながら、やっとのことで声を発すると、悪魔は、


「真っ直ぐ帰れよ」


と言って私を解放し、こないだと同じように家とは反対方向に歩いていってしまった。

⏰:08/06/14 01:05 📱:SH905i 🆔:HOY0M1Ns


#270 [みい]

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
更新Stopします
読んで下さっている方
、もしいらっしゃれば
是非感想等よろしくお
願い致します、、

>>1みい感想板
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

⏰:08/06/14 01:08 📱:SH905i 🆔:HOY0M1Ns


#271 [みい]

な、ななななっ…//


『お前が好きだ』

『好きなんだよ、お前のことが』


悪魔の声が、まだ耳に残っている。

私を見る熱い眼差しを、耳元を掠めた低い声を、思い出すだけで体全体が熱を帯び、どこぞの少女漫画のヒロインみたいに頬が真っ赤に染まる。


本当に…私のことを…?

⏰:08/06/15 00:04 📱:SH905i 🆔:qoh7EttI


#272 [みい]

…だからどうしたって言うのよ!!私には会田君が…


いやいや!!ってゆうか、冗談に決まってる!!また私のことからかって馬鹿にして、楽しんでるに違いない!!

明日になれば「嘘だよ。馬鹿じゃねえの」って私を鼻で笑うんだ。

こんなふざけたイジメにいちいち反応するな柚稀!!動揺したら、余計笑い者にされちゃう…!!



染谷蓮のお遊びに付き合ってる暇はないんだから!!

⏰:08/06/15 00:05 📱:SH905i 🆔:qoh7EttI


#273 [みい]







・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
Story6〜ホントノキモチ
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

⏰:08/06/15 00:08 📱:SH905i 🆔:qoh7EttI


#274 [みい]

「行ってきまーす」


なんか…また寝不足。あの悪魔には一体何度寝不足にさせられたことか…。


てゆうか…どんな顔で会えばいいんだろ。

やっぱ緊張とか動揺を顔に表したら負けだよね!ここは平常心を保つべし!!


よしっ!と一発気合いを入れ、最後の階段を下りた。

⏰:08/06/15 00:09 📱:SH905i 🆔:qoh7EttI


#275 [みい]

そしてゆっくりと角を曲がる。


「……あれ?」


そこに悪魔の姿はなかった。

なーんだ、拍子抜けしちゃった。


先程までの緊張から体を解き放つように、大きく息を吐いた時だった。


「そんなとこで突っ立って何してんの。もしかして俺んこと待ってた?」

⏰:08/06/15 00:10 📱:SH905i 🆔:qoh7EttI


#276 [みい]

背後から嘲笑を含む声。


驚いて勢いよく振り返ると、染谷蓮が、


「よお」


とにやっと笑い、ネクタイを締めながら立っていた。


「んぎゃっ!!」


不意打ちを喰らった私は、思わず素っ頓狂な声を出す。

⏰:08/06/15 00:11 📱:SH905i 🆔:qoh7EttI


#277 [みい]

「なんだその声。女ならもっとかわいらしく驚けよ」


……そら悪うございましたねーだっ!!…てゆーかっ!!


「誰があんたのことなんか待つっ…」
「うるさい。朝から近所迷惑だろーが」


私の文句は染谷蓮の左手によって遮られる。


奴の手が自分の唇に触れた瞬間、不覚にもドキっとしてしまった。

⏰:08/06/15 00:11 📱:SH905i 🆔:qoh7EttI


#278 [みい]

「〜〜っ//」


私が静かになったのを確認すると、染谷蓮はそっと手を離した。


…やっぱ昨日言ってたことは嘘だ!!だってこんなの、好きな子に対する態度じゃないもん!!

真に受けないでよかった。また馬鹿にされるとこだったよ。


しかし、私のこんな考えは次の染谷蓮の一言で粉々に砕け散った。


「昨日の、本気だから」

⏰:08/06/15 00:12 📱:SH905i 🆔:qoh7EttI


#279 [みい]

「…っ!!//」
「ほら、早く行くぞ。遅れる」


私の返事も聞かないで染谷蓮はすたすたと歩き始める。


『本気だから』って…そんなこと耳元で囁くなんてズルイ。


ドキドキ…しちゃうじゃん。意識しちゃうじゃん…。


会田君の笑顔が頭をよぎる。でも目は染谷蓮の背中を見つめてる。

⏰:08/06/15 00:14 📱:SH905i 🆔:qoh7EttI


#280 [みい]

今、ありえないくらい胸が高鳴ってる。


その対象は…誰?


自分でもわからない。私は誰にときめいてるの?誰が好きなの?


………………………………

お昼休みはいつものように会田君と過ごした。


何も悪いことなんてしていないはずなのに…この罪悪感は何?

⏰:08/06/15 00:14 📱:SH905i 🆔:qoh7EttI


#281 [みい]

今日は委員会がある日だから、放課後は保健室に集合とのこと。


会議中も上の空。先生の話もほとんど聞いてなかった。


私の頭を占領するのは…悪魔。


姿が、声が、頭から離れない。


ようやく委員会が終わり、下駄箱に向かおうとした私は、お弁当箱を教室に置き忘れたことに気がついた。

⏰:08/06/15 00:16 📱:SH905i 🆔:qoh7EttI


#282 [みい]

「あーっと、危ない危ない!」


今日週末だし、土日そのまま放置してたら腐っちゃうよ;


私は急いで教室へと足を進めた。


「ふぅ…」


少し息を上がらせながら教室に着くと、ドアが半開きになっていた。


あーあ…日直の人、怒られちゃうなあ、かわいそうに…。

⏰:08/06/15 00:16 📱:SH905i 🆔:qoh7EttI


#283 [みい]

なんて同情しながら、中へ入ろうと顔を上げた時…信じられない光景が目に飛び込んできた。


…染谷蓮のキスシーン。


相手は背を向けていてわからないけど、同学年の女の子。


私のところからだと、ばっちりと染谷蓮の表情が見えた。

…目つぶって、色っぽい顔して。


…傍観してる場合じゃないや。

⏰:08/06/15 00:17 📱:SH905i 🆔:qoh7EttI


#284 [みい]

くれぐれも気付かれないようにこの場を去らなくては…。


そろり、そろりと一歩ずつ後ずさる。

が、細心の注意もむなしく、無意味なものとなってしまう。


足をつまづき、その衝撃で手に握っていた携帯を落としてしまったのだ。


カシャーンッ!!


その音は、静かな教室中に響き渡った。

⏰:08/06/15 00:20 📱:SH905i 🆔:qoh7EttI


#285 [みい]

染谷蓮の目がうっすらと開き、私を捕らえたと同時に、驚いたように見開かれる。


「あ……」


私は掠れた声を発すると、急いで携帯を拾って教室を後にし、逃げるように走り出した。


「ゆずっ!!!」


後ろから聞こえる悪魔の怒鳴り声も無視して、ただひたすら走った。

⏰:08/06/15 00:21 📱:SH905i 🆔:qoh7EttI


#286 [みい]

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
更新Stopします

読者様、もしいらっし
ゃったら感想等是非よ
ろしくお願いします
励みになるので、、

>>1みい感想板
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

⏰:08/06/15 00:24 📱:SH905i 🆔:qoh7EttI


#287 [みい]

――*蓮Side*――

やってしまった。よりによってこんな場面を見られちまうなんて、最悪だ。


ことの発端は30分前。


柚に「今日、委員会だから!」と顔も見ずに吐き捨てられた俺は、柚を待ちぶせしてやることにした。


教室の机の上に座って携帯をいじっていると、見たことない女が入って来た。

⏰:08/06/16 23:58 📱:SH905i 🆔:Al3ni/IE


#288 [みい]

「あの…染谷君?」
「ん?何?」


俺は携帯をいじる手を止め、顔を上げて女に微笑みかけた。もちろん芝居だけど。


「えっと…好きなんです!!…言うつもりはなかったんだけど、今ってチャンスかな〜…とか思っちゃって…」


派手な成りをしたその女は、そう言いながら、似合わねーよって言いたくなるくらいもじもじしてこちらを見ていた。

⏰:08/06/16 23:59 📱:SH905i 🆔:Al3ni/IE


#289 [みい]

論外。てかお前誰だし。


「ごめんね、俺好きな子いるんだ」


頭を掻き、申し訳なさそうに俯いてみた。これで諦めるだろうと思ったから。

しかし、どうやら俺の考えは甘かったらしい。


「誰!?好きな子って…誰よ!?」


女は目の色を怒りに染め、俺に突っ掛かってきたのだ。

⏰:08/06/17 00:00 📱:SH905i 🆔:3rK/8YuM


#290 [みい]

うーわ、発狂パターンかよ。マジめんどくせっ!


そう思いつつもあくまで優しくなだめようと試みた。


「ごめんね、でもそれは君には関係ないから」


しかし、俺の穏やかな口調が逆に彼女を刺激したようだ。


「もしかして柚稀って子!?…いつも一緒に登下校してるし…ねえ!あの子なの!?」

⏰:08/06/17 00:01 📱:SH905i 🆔:3rK/8YuM


#291 [みい]

認めたくないけど図星だ。が、それをお前に教える義理はない。


「だから、それは言えない。本当に悪いけど」
「なんであんな子…あんなのよりあたしの方が…!!」


…このくそアマ、そろそろ俺もキレんぞ?


「許せない…!!痛い目見せてやる…!!」


…はい、残念だけどそれはこの俺が許しませんよ?

⏰:08/06/17 00:03 📱:SH905i 🆔:3rK/8YuM


#292 [みい]

「おいお前、今のもういっぺん言ってみな」


仮面を剥ぎ取り、素の俺を見せると女は少し動揺を見せたが、すぐに、


「早瀬柚稀を痛い目にあわせてやんのよ!!大してかわいくもねーのに付け上がりやがって…!」


と忌ま忌ましそうに舌打ちをする。

不愉快極まりねえ女だな、こいつ。

⏰:08/06/17 00:04 📱:SH905i 🆔:3rK/8YuM


#293 [みい]

「許されると思ってんの?んなことさせねえよ?」
「許されなくても関係ない。目障りな奴は廃除しとかないと…」


俺は眉間に皺を寄せる。なんて言い方をするんだこいつは。


「…でも、キスしてくれるならいいよ」


…は?


「今ここでキスしてくれるなら、早瀬柚稀には手を出さない」

⏰:08/06/17 00:05 📱:SH905i 🆔:3rK/8YuM


#294 [みい]

なんだ、んな事でいいのかよ。

そうとなったら答えなんか決まってる。

今俺がこいつにキスしてやったら、柚が何されるわけでもなくなる。ローリスクハイリターンってわけだ。


「目え閉じな」



…そうして俺は、ためらいもなくその女の唇に触れたんだ。

まさか柚に見られるなんて、思いもしなかったから。

⏰:08/06/17 00:07 📱:SH905i 🆔:3rK/8YuM


#295 [みい]

「ゆずっ!!」


柚と目が合ったあと、女を引きはがし、急いで柚の後を追ったが、一歩遅かった。撒かれてしまったようで、姿が見当たらない。


あー…くっそ…!!タイミング悪すぎんだよばかゆずが!!


俺は廊下の真ん中で、舌打ちをしながら頭をぐしゃぐしゃと抱え、しゃがみ込んだ。

マジありえねえくらい焦ってる自分を客観的に見たらツボって笑えた。

⏰:08/06/17 00:08 📱:SH905i 🆔:3rK/8YuM


#296 [みい]

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
更新Stopします
感想等もらえると嬉し
いので、よろしければ
是非お願いします

>>1みい感想板
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

⏰:08/06/17 00:11 📱:SH905i 🆔:3rK/8YuM


#297 [あい]
>>1-100
>>101-200
>>201-300
>>301-400

⏰:08/06/17 00:48 📱:SO903i 🆔:q3useQC.


#298 [みい]

………………………………
――*柚稀Side*――

今朝、私はいつもよりかなり早い時間に家を出た。

理由なんかただ一つ。染谷蓮に会いたくないだけ。


2限後の休み時間、さえちゃんとおしゃべりしていたら、


「おー、蓮!どったの?寝坊?」


クラス一明るい、矢野君の声が教室中に響く。

⏰:08/06/19 22:12 📱:SH905i 🆔:h.7epjTs


#299 [みい]

思わず肩がぴくっと反応してしまった。笑みが強張る。


「うっせ、黙れ」


普段より数倍低く、不機嫌そうな染谷蓮の返事が耳に届いた。


さえちゃんは黙ってしまった私と、数メートル先にいる染谷蓮を交互に見て、


「ねえ、もしかして染谷君と何かあった?」

⏰:08/06/19 22:13 📱:SH905i 🆔:h.7epjTs


#300 [みい]

とどことなく嬉しそうに聞いてくる。


「いやいや、別に何もないし!」


あったっちゃああったけどさ…。

『冗談で告られたのを真に受けて、彼氏がいるにも関わらず多少舞い上がってました』だなんて、いくらさえちゃん相手でも言えない。


言ってもむなしいだけだし、さえちゃんだって反応に困るだろうし…ね。

⏰:08/06/19 22:15 📱:SH905i 🆔:h.7epjTs


#301 [みい]

「ふーん、そっかあ…」


何故か肩を落とすさえちゃんに、私は当たり前じゃん〜!と笑いながら、染谷蓮の方をちらっと盗み見した。


「……っ!!//」


同時に固まってしまう。なんでかって、染谷蓮もこっちを見ていたからだ。


何故だか目を逸らすことができない。

⏰:08/06/19 22:15 📱:SH905i 🆔:h.7epjTs


#302 [みい]

顔が、身体中が熱くなって、火が噴き出しそうなほど。


「…ず!柚っ!!」


隣でさえちゃんが私を呼ぶ声に、私ははっと意識を戻した。


と同時に、染谷蓮がふいっと視線を逸らす。


「あ…はは、ごめん。ぼーっとしちゃった」

もー、と軽く睨んでくるさえちゃんに、へへっと笑い謝った。

⏰:08/06/19 22:16 📱:SH905i 🆔:h.7epjTs


#303 [みい]

なんか今…見つめ合ってるみたいで、すごいドキドキした…。


…違う違う!!ドキドキなんかしてないもん!!あんなっ…あんな、私のことを騙しておもしろがる、極悪非道な奴なんかっ…!!!!


………………………………

私は帰りのホームルームが終わると、すぐさま教室を飛び出した。染谷蓮に声を掛けられる前に、さっさと帰ってしまいたかったのだ。

「はあ…」

⏰:08/06/19 22:17 📱:SH905i 🆔:h.7epjTs


#304 [みい]

思わず嘆息をもらす。

なんでこんなことしてるんだろ。たった一日、奴を避け続けただけなのに、なんだかどっと疲れが押し寄せてきた。


「いつまで…続けなきゃいけないのかな」


呟いてみたものの、答えなんか出てこない。だって、私が勝手にやっていることなんだから。


マンションについて、ロビーに入りポストを覗く。

⏰:08/06/19 22:18 📱:SH905i 🆔:h.7epjTs


#305 [みい]

まだ夕刊来てないや。また6時頃になったら取りに来よう…。


ぼーっとそんな事を考えながらポストを閉めた時、


「……柚」


背後から響く低い声に、私の手が止まる。


「柚、こっち向け」


命令に従うことが出来ない。怖くて、後ろを振り向けない。

⏰:08/06/19 22:19 📱:SH905i 🆔:h.7epjTs


#306 [みい]

暫く沈黙が続いたあと、肩をぐっと掴まれ、体ごとぐるっと回転させられた。


目の前には、今日ずっと避け続けた悪魔の姿。


「今朝、なんで先行った?」


私の肩を強く掴んだまま、そう聞いてくる染谷蓮に、


「よ、用事があったから…」


と目を逸らしながら答える。

⏰:08/06/19 22:20 📱:SH905i 🆔:h.7epjTs


#307 [みい]

私の返事を聞いたあと染谷蓮は暫く黙っていたが、そのあと私の顔を見ると、はあーっと深く溜息をつき、


「昨日…見たっしょ?」


と質問を重ねる。


私はその態度が何ともめんどくさがっているように見えて、頭にかっと血が上ったのがわかった。


「見たっしょ?って…何よその言い方!!見たよ!!見ましたよ!!邪魔してすいませんでしたっ!!!」

⏰:08/06/19 22:21 📱:SH905i 🆔:h.7epjTs


#308 [みい]

私は肩にかかっている染谷蓮の腕を思い切り振り払うと、階段まで走り出そうとした。


でも、やはり染谷蓮の方が一枚上手だった。今度は私を壁に押し付ける格好になってしまう。


「んな事言いたいんじゃねーよ。俺さ、」
「ご丁寧に説明してくれなくても分かってるから!私なんかで十分楽しんで頂けたかしら!?」


染谷蓮の言葉を遮るようにまくし立てると、奴は眉間に皺を寄せた。

⏰:08/06/19 22:22 📱:SH905i 🆔:h.7epjTs


#309 [みい]

「はあ?何のこと…」
「私のことっ…からかってたんでしょ!?好きって言ったのも、冗談なんでしょ!?」


やばい、なんで?なんで泣きそうなのよ私は。


「日を跨いでまで続けるなんて、随分手の込んだいたずらだね…。でもね、私はそんな遊びに付き合ってる暇なんかないのっ…!!」


下を見ながら一気に全部吐き出した。

⏰:08/06/19 22:23 📱:SH905i 🆔:h.7epjTs


#310 [みい]

「もう…離して…」


震える声で解放を請い、私の肩の上の壁についた染谷蓮の腕にそっと触れる。


しかし、その瞬間に私は染谷蓮の体に包まれた。


「ちょっ…!止めっ…」
「なんでわかんねーんだよっ!!」


染谷蓮は私を痛いくらい強く抱きしめたまま、耳元で声を荒らげる。

⏰:08/06/19 22:25 📱:SH905i 🆔:h.7epjTs


#311 [みい]

「俺がいつ冗談だって言った!?俺がいつ、嘘だよってお前のこと笑ったんだよ!?」


耳元で響く奴の声が、頭の中でこだまする。


「…冗談なんかで言ったんじゃない。いたずらでもねえよ…」


そう呟くと、染谷蓮は私を抱きしめていた腕の力を緩め、私と向き合う形になる。

⏰:08/06/19 22:28 📱:SH905i 🆔:h.7epjTs


#312 [みい]

「俺が好きなのは、お前だ」


ドクンッ…と胸が高鳴ったのが自分でもわかった。顔が真っ赤になった気もする。


それでも、染谷蓮の真剣な瞳に縛られて、絡み合った視線を逸らすことが出来ない。


声を発することも出来ずにただ見つめ合っていると、遠くの方から誰かの足音が近づいてきた。

それに気づいて染谷蓮は私からそっと離れる。

⏰:08/06/19 22:29 📱:SH905i 🆔:h.7epjTs


#313 [みい]

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
更新Stopします

よかったら感想等もら
えると嬉しいです

>>1みい感想板
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

⏰:08/06/19 22:40 📱:SH905i 🆔:h.7epjTs


#314 [ハル]
頑張って下さい!

⏰:08/06/21 11:09 📱:911T 🆔:uSKqjtxA


#315 [我輩は匿名である]
>>200-350

⏰:08/06/21 22:19 📱:D705i 🆔:2xMI5GL2


#316 [まぁこ]
続き楽しみ

⏰:08/07/02 02:03 📱:F905i 🆔:ACGSg5mw


#317 [我輩は匿名である]
続き気になります
楽しみに待ってます

⏰:08/07/04 14:46 📱:SH903i 🆔:wllSYeBU


#318 [ハル]
書かないの?

⏰:08/07/04 18:29 📱:911T 🆔:JTclBPIo


#319 [みい]

>>312
「あら、二人ともお帰りなさい」


ロビーに入ってきたのは、スーパーの袋を両手に提げたうちのお母さんだった。


「…ども」


染谷蓮は一瞬間をあけた後、無表情でうちのお母さんに頭を下げ、ロビーを出ていってしまった。


対して私はと言うと、まだ頭がぽーっとして、口を開けて突っ立ったままだ。

⏰:08/07/10 22:07 📱:SH905i 🆔:0De4jBQ2


#320 [みい]

「ちょっと、柚稀?」


お母さんの声にはっと我に返った私は、急いで笑顔を作った。


「あっ、はいはい?」
「蓮君と何かあったの?いつもと違う感じがしたけど…」


す、鋭い…;


「な、何もないよ!早く家入ろ?」

⏰:08/07/10 22:08 📱:SH905i 🆔:0De4jBQ2


#321 [みい]

まだ不思議そうな顔をしたままのお母さんと家に入った。


「ふぁあ〜……」


部屋に入るなりベッドにダイブして、先程のことを思い出す。



『なんでわかんねえんだよ!!』

『俺が好きなのは、お前だ』


「〜〜〜っ!//」

⏰:08/07/10 22:09 📱:SH905i 🆔:0De4jBQ2


#322 [みい]

本当だったんだ…。あの染谷蓮が、本当に私のことっ……//


私は枕をぎゅっと抱いた。


でもっ…私は会田君と付き合ってるんだもん!染谷蓮に告白されたところで…別に関係ないっ…!

それにあんな、誰とでもキスしちゃうような奴なんかっ…!


考えれば考えるほど、なぜか胸の奥が苦しく、ぎりぎりと締め付けられるような痛みが走る。

⏰:08/07/10 22:09 📱:SH905i 🆔:0De4jBQ2


#323 [みい]

「関係ないもんっ…!」


言い聞かせるように呟いた。


………………………………

「早瀬先輩、なんか元気ないっすね」


会田君がお箸を持つ手を止めて、心配そうに私の顔を覗き込む。


「えっ?そ、んなことないよ?」


図星だった。あれこれ考え過ぎて、食欲があまり湧いてないのだ。

⏰:08/07/10 22:10 📱:SH905i 🆔:0De4jBQ2


#324 [みい]

「ならいいんすけど……」


うーん、と会田君は唸って、何か考えているようだ。


「あ、本当に大丈夫だか…」
「先輩、明日土曜日だし、デートしませんか?」


私の言葉を遮るように会田君が口を開く。


「ああ、うん、デートね、デート…って、ぇええっ〜!?!?」

⏰:08/07/10 22:11 📱:SH905i 🆔:0De4jBQ2


#325 [みい]

「…駄目すか?」


必要以上にオーバーリアクションしてしまった私を見て、会田君はシュンとうなだれる。


「あ、いやいや!そういう意味じゃなくて!!ちょっとびっくりしちゃっただけ!」


私は焦って否定した。


「じゃあ、オッケーですか?」


……付き合ってるんだもん!!オッケーしないわけないよ、ね…。

⏰:08/07/10 22:12 📱:SH905i 🆔:0De4jBQ2


#326 [みい]

「うんっ!明日だよね!!楽しみだなあっ!!」


うわっ、今の大声、わざとらしかったかもっ…!!;

人はごまかすときほど声が大きくなるって聞いたことがある。なら、私は今……。


私のもやもやした心とは裏腹に、会田君は微笑みながら、


「決まりですね。またメールしますから」

⏰:08/07/10 22:14 📱:SH905i 🆔:0De4jBQ2


#327 [みい]

と言ってくれた。

会田君につられて、私も笑う。


そうだよ、私は会田君の彼女なんだ。それが一番幸せだ。


染谷蓮なんて…関係ない…。


………………………………

明日、デートかあ…。思えばちゃんとしたデートなんて、初めてだよなあ。


晩御飯を食べながら、明日のことに思いを馳せる。

⏰:08/07/10 22:16 📱:SH905i 🆔:0De4jBQ2


#328 [みい]

なんか…ちょっと楽しみかも。


はっ!!「ちょっと」じゃない!「すっごく」楽しみっ!!!!


「そうそう、柚?…ってあんた、何やってるの?」


一人で首をぶんぶん振っていた私に、お母さんが呆れ顔で話し掛けてきた。


「あ、いや、何でも…。どうしたの?」

⏰:08/07/10 22:16 📱:SH905i 🆔:0De4jBQ2


#329 [みい]

あははと軽く苦笑いして、お母さんに聞き返すと、予想もしなかった言葉が返ってきた。


「染谷さんのとこ、また大阪に戻るんですって」




え……?



オオサカニ、モドル…?



⏰:08/07/10 22:17 📱:SH905i 🆔:0De4jBQ2


#330 [みい]

誰が?なんで?いつ?



聞きたいことがたくさんあるのに、…いや、ありすぎるからか、言葉が喉から出てこない。


「それで、出発が明日の夕方だって言うからびっくりしちゃったわよー!本当急よね〜。帰ってきたばっかりだったのに…って柚?」


お母さんの話は続いていたみたいだけど、私は席を立って、部屋に戻った。

⏰:08/07/10 22:18 📱:SH905i 🆔:0De4jBQ2


#331 [みい]

嘘…。何それ、私そんなこと一言も聞いてない…。


まあ、あれ以来登下校も別々だったから、会話自体交わしていないんだけど。


明日の夕方?明日って…、明日は…会田君とデートだ…。


ってことは、染谷蓮とはもう会えなくなるの?


なんか…心が、ぐちゃぐちゃだよ…。

⏰:08/07/10 22:19 📱:SH905i 🆔:0De4jBQ2


#332 [みい]

……………………………

今日は土曜日、私は会田君と遊園地デート中。


「…早瀬先輩?」


はっ!やば、私ったらまたぼーっとして…。


「たっ、楽しいね!そうだ、次あれ乗ろうよ!」


自分でも分かってる。無理してはしゃいでる、私。

⏰:08/07/10 22:20 📱:SH905i 🆔:0De4jBQ2


#333 [みい]

「いや、次はあれに乗りましょう」


と、私の提案であるコーヒーカップを却下して、会田君が指差したのは観覧車。


「カップルっぽくていいね!でもあれって、普通最後に乗るんじゃない?夜景がロマンチックでさあ…」


やけにテンションの高い私の言葉を遮ったのは会田君だ。


「いや、今乗っちゃいましょう」

⏰:08/07/10 22:20 📱:SH905i 🆔:0De4jBQ2


#334 [みい]

微笑む会田君の言葉は、何か逆らえないものがあって、私はただ頷くことしかできなかった。





「足元にお気をつけ下さい」


係員さんの言葉に従って、ゴンドラに乗り込む。


「うっわー!見て見て会田君!!人がアリみたいに見えるよ!」

⏰:08/07/10 22:21 📱:SH905i 🆔:0De4jBQ2


#335 [みい]

窓にへばり付くようにして外を見下ろす私に、会田君からの返事はない。


「会田君?」


窓の外から会田君に視線を移すと、会田君はどこか悲しそうに微笑んでいた。

そして、


「早瀬先輩、別れましょう」


衝撃的な一言。

⏰:08/07/10 22:22 📱:SH905i 🆔:0De4jBQ2


#336 [みい]

「え……?」


私は掠れた声を漏らす。


「早瀬先輩は今、誰のことを考えてるんですか?」


会田君は表情を崩さない。悲しい笑顔のまま。


「…俺じゃない男の人でしょ?」
「っ……」


…なんで?どうして……?

⏰:08/07/10 22:23 📱:SH905i 🆔:0De4jBQ2


#337 [みい]

「分かりますよ、早瀬先輩って正直だから。見てたらすぐ分かる」


ふっと笑う会田君の姿が涙で滲む。


ああ、駄目だ。泣いちゃ駄目。泣きたいのは、きっと会田君の方だもの…。


「あー!泣かないで下さいよ!!なんか俺が泣かしたみたいじゃないすか!」


会田君は私の涙を自分の服の袖で拭ってくれた。

⏰:08/07/10 22:23 📱:SH905i 🆔:0De4jBQ2


#338 [みい]

「ね、早瀬先輩?ちゃんとあいつに、素直な思いぶつけて下さい」


私の濡れた頬を拭きながら、会田君は急に真面目な顔つきになる。


「それで、絶対幸せになって下さい。あとで俺んとこ来ても、もう遅いですよ?」


最後の言葉を、会田君が笑いながら言うと、ようやく私も笑うことができた。


ごめんね…ありがとう、会田君…。

⏰:08/07/10 22:24 📱:SH905i 🆔:0De4jBQ2


#339 [みい]

やっと、やっと決心のついた私は、悪魔のもとへと走り出す。


各駅の電車がもどかしかった。自分の足の遅さに苛立った。二回転んだ。



家に着く頃には、六時を回っていた。


染谷蓮の家に、明かりは…ない。

⏰:08/07/10 22:33 📱:SH905i 🆔:0De4jBQ2


#340 [みい]

「はあっ、はあ…」


息を切らしながら、明かりが消えた染谷連の家を見上げる。


「ふぇっ…くっ……」


遅かった。間に合わなかった…。


私がもたもたしてるから。真っ正面からぶつかってきてくれたのに、私はそれから逃げていた。


自業自得……。

⏰:08/07/10 22:34 📱:SH905i 🆔:0De4jBQ2


#341 [みい]

「ひっく…ひっ…」


もう…駄目なのかな。好きなんだ、って、やっと気付いたのに。遅すぎたよね。自分勝手だよね…。



マンションの前の道路でひたすら泣き続けていたら、


「…何、泣いてんの」




……なんで、ここにいるの?

⏰:08/07/11 02:45 📱:SH905i 🆔:XC9l/Qeo


#342 [みい]

特徴のある、低く落ち着いた声に振り向くと、そこには…


「んなとこで何泣いてんだよ、ばかゆず」


いつもどおり仏頂面の…私が、好きな人が立っていた。


また、ぶわっと涙が溢れ出す。「泣き止め」って言う声が耳に入るけど、そんなの逆効果。余計に涙腺が緩む。


堪らず勢いよく染谷蓮の胸に飛びこんだ。

⏰:08/07/11 02:46 📱:SH905i 🆔:XC9l/Qeo


#343 [みい]

「おい、どうしたんだよ」


頭のすぐ上で響く、やっぱり不機嫌そうな声。でも、今日は恐くなんかない。


私が何も言わないままだから、染谷蓮は観念したのか、一つ息をつくと私の頭に手を置き、微かだけどぽんぽんって撫でてくれる。


何台か車が私達の横を通り過ぎていったけれど、それさえ気にならなかった。

⏰:08/07/11 02:47 📱:SH905i 🆔:XC9l/Qeo


#344 [みい]

「行かないで…」


しばらくしてから、私はようやく言葉を発した。染谷蓮の胸の中で、下を向いたままだけど。


「は?どこに?」
「大阪…」

「…………」


ちょっとの沈黙のあと、私はまた泣きそうになりながら付け加えた。

「どこにも行かないで。ここに…、そばに、いて…下さ…」

⏰:08/07/11 02:48 📱:SH905i 🆔:XC9l/Qeo


#345 [みい]

最後のほうはもう、声が震えて言葉にならなかった。


「…俺、行かねえよ?どこにも」


………へ?

拍子抜けして顔を上げると、笑いを堪えるような顔をした染谷蓮がいた。


「お前、勘違い。大阪に戻るの親父だけだから」


……………ぇぇえええ〜〜っ!?!?

⏰:08/07/11 02:48 📱:SH905i 🆔:XC9l/Qeo


#346 [みい]

「えっ、だって…」


お母さんが…


『染谷さんのとこ(のお父さん)、また大阪に戻るんですって』


……そーゆーことぉお!?!?


えっ、私のはやとちりってことですか!?


「まじ馬鹿。お前いつまでたっても頭弱いのな」

⏰:08/07/11 02:49 📱:SH905i 🆔:XC9l/Qeo


#347 [みい]

くすくすと、頭上で馬鹿にするような厭味な笑い声がする。


「〜〜っ!!!!///」


ものすごく恥ずかしくなって、悪魔から無理矢理離れようとしたら、逆にさらに引き寄せられてしまった。


「ちょっ…//」
「そばにいろっつったのはお前だろ?」


耳元で楽しそうな声が低く響いて、思わずぞくっとしてしまった。

⏰:08/07/11 02:50 📱:SH905i 🆔:XC9l/Qeo


#348 [みい]

「そうゆう意味じゃないもん!//」「ふーん、どーだか」



…ああ、私は何だってこんな男が好きなんだろうか…。


「ところで」


私を抱きしめたまま、染谷蓮は話を切り出す。


「この俺に許可なく抱き着いてくるなんて、いい度胸してんじゃねえか」

⏰:08/07/11 02:51 📱:SH905i 🆔:XC9l/Qeo


#349 [みい]

体中の血の気がすーっと引いていくのがわかった。


「いや、あの、それはつい勢いで…ごめんなさ…」


急いで離れようとしても、腰に回された染谷蓮の腕が、それを阻止する。


「ばかゆずの分際で、ちょーっと生意気なんじゃねえの?」


だから謝ってるじゃないのよーっ!!!

⏰:08/07/11 02:52 📱:SH905i 🆔:XC9l/Qeo


#350 [みい]

「それなりの覚悟はできてんだろうな?」


口角を上げ、にやりと笑った染谷蓮は、細長い綺麗な指で、私の顎をそっと掴み、少し上を向かせる。


「か…くご、って…」


声が上擦る。そんなこと言ってるうちに、目の前には染谷蓮のどアップ。


「……お前は目開けたままキスすんのか」

⏰:08/07/11 02:52 📱:SH905i 🆔:XC9l/Qeo


#351 [みい]

目を見開いている私を、呆れたように見る悪魔。


「そ、そんなわけないでしょ!?」


失礼なっ!!私だってかわいく目を閉じることくらい出来ますー!!


「じゃあ目、閉じろ」
「はいはい…ってうぇぇえ!?」
「…なんだよその声」


だって…だってだって!!それってつまり…キスするってこと…!?//

⏰:08/07/11 02:53 📱:SH905i 🆔:XC9l/Qeo


#352 [みい]

「むっ、無理!!」
「…は?」


無理だよそんなの!!今でさえ心臓破裂しそうなのに、キスなんて無理無謀!!//


「『無理』じゃねんだよ。お前に拒否権なんかねえ」


そっ、そんなあーっ!!!!


そうこう言ってるうちに、再び染谷蓮の顔が近づいてくる。

⏰:08/07/11 02:54 📱:SH905i 🆔:XC9l/Qeo


#353 [みい]

も…無理……!!//


限界まで目を開いていた私も、視野いっぱいが染谷蓮だけになったとき、とうとう耐え切れずに固く目を閉じた。



触れるだけの、でもほんの少し長めのキス。


「…ごっそーさんでした」


耳元で笑みを含み、囁くように言う染谷蓮に、ぼっと赤面してしまった。

⏰:08/07/11 02:55 📱:SH905i 🆔:XC9l/Qeo


#354 [めろん]

見てて凄い
ドキドキしました♪
主さん上手すぎ
ですっ〜(・∀・)

続きが早く
読みたいです★
これからも
頑張って下さいね
(^ω^)にぱ

⏰:08/07/11 02:59 📱:W42K 🆔:☆☆☆


#355 [みい]

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
更新Stopします
なんか内容ぐちゃぐち
ゃ、、すみません

感想もらえたら嬉しい
ですぜひ感想板の方
にお願いします

>>1みい感想板
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

⏰:08/07/11 03:00 📱:SH905i 🆔:XC9l/Qeo


#356 [x]
あげます!!

⏰:08/07/11 19:38 📱:W54T 🆔:P0m.OkEg


#357 [みい]

「でさ、お前は言ってくんねえの?」


未だに息が上がっている私から、やっと離れた染谷蓮が言う。


「…え?何を?」
「俺のこと、どう思ってんのか」


ただでさえ赤かった顔が、ぼぼぼっと一気に茹でダコのように染まる。


「いっ、言わなくても分かるでしょっ!!」

⏰:08/07/13 18:25 📱:SH905i 🆔:t2xWSDTg


#358 [みい]

「分かるかよ、エスパーでもあるまいし」


染谷蓮は手をひらひらとさせ、にやにやと笑っている。


「〜〜っ!!//」


いっ、言えない!なんか今更恥ずかしい…っていうか…、なんか言えない!!//


泣きそうになりながらお口にチャック状態になってしまった私に、

⏰:08/07/13 18:25 📱:SH905i 🆔:t2xWSDTg


#359 [みい]

「ほら…言ってみ?『好き』ってさ…」


と囁きながら耳をそっと撫でてくるもんだから、思いっきし肩がびくん!って跳ねてしまった。


「…まあ、言えないなら今はいーや。そのかわり近いうちに絶対言わせてやるか「すっ、好きっ!」」


はあ、と一つため息をつき、諦めかけた染谷蓮の言葉に被せるように私は言った。

⏰:08/07/13 18:27 📱:SH905i 🆔:t2xWSDTg


#360 [みい]

染谷蓮だって言ってくれたんだもん!まあ、こいつが私みたいに緊張してたかどうかは謎だけど…。


「…もいっかい」
「いやっ!//」


まさかのアンコールに、ぷいっと顔を背けて反抗すると、不意に大きな手の平が私の頭に乗っかる。


そして、


「…よくできました」

⏰:08/07/13 18:28 📱:SH905i 🆔:t2xWSDTg


#361 [みい]

目の前に…まさかのまさかの、染谷蓮の…、笑った顔……。


意地悪っぽさとかなくって、なんか…少年っぽいっていうか…。

この人、こーゆー風に笑うんだあ…//


なーんてぽーっと見とれていると、

「何ぼけっとしてんだよ、帰んぞ」


と冷たい一言…。いつもどおりです、はい。慣れましたよ、はいはい。

⏰:08/07/13 18:29 📱:SH905i 🆔:t2xWSDTg


#362 [みい]

乱暴ながらも繋がれた手の温もりが心地よくって。


嬉しくてふふって笑ったら、「きもっ」って呟かれて(ひどい…)。


まあ、それでもとりあえずは幸せですっ!


…なーんか、前途多難な感じがする…、気もするけど!!


今がよければ全てよし!ってことで★

⏰:08/07/13 18:31 📱:SH905i 🆔:t2xWSDTg


#363 [みい]








・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
Story7〜恋愛大作戦!
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

⏰:08/07/13 23:23 📱:SH905i 🆔:t2xWSDTg


#364 [みい]

「柚、あたしさ、超〜興味あるんだけどね、」


お昼休みに、身を乗り出し、瞳を爛々と輝かせながら迫ってくるさえちゃん;


…なんかすごいこと聞かれそうな気が…。いや、ただの勘だけど。


「な、なに?」
「染谷君とはさ、どこまでいったわけ!?」

や、やっぱり!;

⏰:08/07/13 23:25 📱:SH905i 🆔:t2xWSDTg


#365 [みい]

「はっ、はあ〜!?!?//」


思わずものすごい大きな声を出してしまった。クラス中の視線が痛い…。す、すみません…;


「あの人、すっごく手早そうじゃん!?だからもしかして…キャーVvって思って♪」
「そっ、そんなことないし!まだ何も…」


…実はそれ、悩んじゃったりしちゃってるんです…。

⏰:08/07/13 23:26 📱:SH905i 🆔:t2xWSDTg


#366 [かなたん]
>>1-100
>>100-200
>>200-300
>>300-400

⏰:08/07/13 23:27 📱:SH903i 🆔:liRyn1eQ


#367 [みい]

別に、えっちしたい〜!とか、そこまで思ってるわけじゃないよ!?//そんな盛ってるわけじゃないんですけど…


でも、付き合い始めて3週間。これまで家デートとかしたっちゃあしたけど…



一っっ切!手出してこないんだよね……。

付き合い始めた日以来、キスなんてもちのろん、指一本さえ私に触れてこない。

⏰:08/07/13 23:28 📱:SH905i 🆔:t2xWSDTg


#368 [みい]

まあ、狼みたいな男よりはマシっちゃあマシだけどさ…。


ここまでくるとやっぱり、私のほうに非があるのかなあ…なんて思ったり。


「ガキっぽくて無理」とか?「お前じゃそんな気分にならねえ」とか…?


…駄目だ、リアルにあいつの声でそのセリフが頭を回り始めたよ;


「そうかそうか、悩んでるのね〜…」

⏰:08/07/13 23:29 📱:SH905i 🆔:t2xWSDTg


#369 [みい]

「へっ!?//なんで…」
「いやいや、今の全部声に出てたから。それより!そんなことじゃ駄目よ、柚!!」


がしっと私の肩を掴むさえちゃん。


「柚、次のデートが勝負よ!」
「へ?え?し、勝負?」


な、何のこっちゃ!?さえちゃんの目はきらきらと輝き、どこか楽しんでいるようにも見える。

⏰:08/07/13 23:30 📱:SH905i 🆔:t2xWSDTg


#370 [みい]

「そう、勝負!あたしが勝つための作戦を伝授してあげるから!」



…こうして、私は次のデートで、悪魔さんと戦うはめになったってわけです…。


………………………………

「れ、蓮!帰ろっ」


そして、今日は待ちに待った(?)放課後デートの日。

⏰:08/07/13 23:31 📱:SH905i 🆔:t2xWSDTg


#371 [みい]

それにしても、「蓮」って呼ぶのには未だ慣れない…。


「ちょっと!なんで!?なんで呼び捨て!?!?」


…へ?


私の声に対して返ってきたのは、蓮じゃなく、その隣にいた矢野君の大声。


「…ああ、柚、ちょい先行ってて」

蓮はそう言って、騒ぐ矢野君を引きずるようにどこかへ行ってしまった。

⏰:08/07/13 23:32 📱:SH905i 🆔:t2xWSDTg


#372 [みい]

――*蓮Side*――

「ぇ゙え゙え゙え゙〜〜っ!!」
「矢野…うっさい」


んっとにこいつは…なんでこうも女みたいにうるさいかな。


「だって…だってお前!!柚ちゃんには興味ないって…」
「気が変わった」


そういやこいつに言ってなかったんだよな…。まじ厄介。

⏰:08/07/13 23:33 📱:SH905i 🆔:t2xWSDTg


#373 [みい]

「そんな…。ひでえよ…、お前…俺がいつから柚ちゃんのこと好きだと…」
「はいはい、わりいな」


つーかお前より俺のほうが前から柚んこと好きだから。多分。


「ああ…蓮の下で喘ぐ柚ちゃんなんか想像したくねえ!」
「つーかすんな。変態、悪趣味」


こいつ…いっぺん殺っといたほうがいっかな?まじで。

⏰:08/07/13 23:34 📱:SH905i 🆔:t2xWSDTg


#374 [みい]

――*柚稀Side*――

あれからしばらくして蓮が戻ってきて。


「矢野君と仲良いんだね」


矢野君なんか、うちのクラスで1番うるさいって感じの人なのに。蓮が仲良いなんて、なんか意外。



「いや…そうでもねえよ」


嫌そうな顔で答える蓮を見て、矢野君が少し気の毒に思えた;

⏰:08/07/13 23:35 📱:SH905i 🆔:t2xWSDTg


#375 [みい]

「お邪魔しまーす…」


つっ、ついに勝負のときが…キターッ!!!!


…ってわけで、ただいま蓮の部屋に到着でございます、はい。


「昨日DVD借りてきたんだけど、見る?」
「う、うん!」


作戦実行しなきゃいけないから、DVD鑑賞どころじゃないと思うけどね…;

⏰:08/07/13 23:36 📱:SH905i 🆔:t2xWSDTg


#376 [みい]

【作戦1】
『目で訴えるのよ。ひたすら見つめるべし!!』


がってんです、さえちゃん!


隣でテレビの画面を見つめる蓮の横顔を、じーっと見つめてみる。


気付け気付け気付け〜…


「…何?」


きっ、気付いた!!!!

⏰:08/07/13 23:37 📱:SH905i 🆔:t2xWSDTg


#377 [みい]

『相手が気付いたら少しだけ見つめあって、そのあと無言で目を逸らすこと!』


さえちゃんの言ったとおりにしてみる。


すると…


「なあ……」


と蓮が私の顔を覗きこんできた。

⏰:08/07/13 23:38 📱:SH905i 🆔:t2xWSDTg


#378 [みい]

えっ、ま、まじで!?成功ですか!?こんな簡単に!?


逆にうろたえる私をよそに、蓮はずいっと近付いてきた。


くっ…来るぅっ…!!!//


そう思い、目をつぶろうとしたその瞬間。


「…にきび」


……はい?

⏰:08/07/13 23:39 📱:SH905i 🆔:t2xWSDTg


#379 [みい]

予想外の言葉に、思わず口をぽかーんと開ける。


「にきび出来てる」
「ぇえっ!!嘘っ!?…ほんとだ…」


鏡で確認すると、なるほど、私の右頬に小さくできものが…。


「早く治せよ」
「…はい…」


作戦1、失敗です……。

⏰:08/07/13 23:40 📱:SH905i 🆔:t2xWSDTg


#380 [みい]

【作戦2】
『あっちがこないならこっちからよ!』


作戦1、あえなく失敗に終わった(むしろ恥かいた…)ので、作戦2に移らせていただきます…。


『さりげなく手に触れてみなさい!』


いえっさー、さえちゃん!


もはやDVDに夢中になって、私の存在なんか忘れられている気すらしますが…頑張ります!

⏰:08/07/13 23:41 📱:SH905i 🆔:t2xWSDTg


#381 [みい]

ちらっと横を見ると、テレビを見つめる蓮の姿。


後ろに手をついてて…もちろんノーマークですね、はい。隙がありありです。


静かに、静かに自分の手を接近させていく。


やば…なんかドキドキして、息苦しいかも…//


あとちょっと…もう数センチ…!

⏰:08/07/13 23:42 📱:SH905i 🆔:t2xWSDTg


#382 [みい]

…ってところだったのに。


「飲み物とってくるわ、お前何がいい?」


おもむろに立ち上がって私に聞いてくる蓮。


「え?あ、何でも…」


私が答えると、蓮は何も言わずに部屋を出ていってしまった。


…なぜこうもタイミングが悪い、染谷蓮。

⏰:08/07/13 23:43 📱:SH905i 🆔:t2xWSDTg


#383 [みい]

ってわけで作戦2も失敗…


ではなく!再チャレンジさせていただきます!!


『大切なのは諦めないこと!』


あいあいさー!さえちゃん!


早瀬柚稀、めげません!!


蓮が持ってきてくれたレモンティーを飲みながら、決意を固くする私。

⏰:08/07/13 23:44 📱:SH905i 🆔:t2xWSDTg


#384 [みい]

さっきと同じように、そっと、そーっと蓮のほうに手を伸ばす。


蓮は気付いていない様子。やっぱDVDに夢中です…。


よしっ、今だっ……!




…とうとう、ついに、やっと、蓮の手に触れることに成功しました…!


が、達成感に浸ったのもつかの間。

⏰:08/07/13 23:45 📱:SH905i 🆔:t2xWSDTg


#385 [みい]

「……何?」


『何?って聞かれたら「何となく♪」って答えなさい!』


なっ、なんか、語尾に「♪」なんか付けれるような空気じゃない気もするけど…らじゃーです、さえちゃん!


「な、何となく?♪」


「「………」」


え、まさかの沈黙ですけども…。

⏰:08/07/13 23:46 📱:SH905i 🆔:t2xWSDTg


#386 [みい]

え、この雰囲気どうなる?いい感じ…なのか!?


蓮の手の上に自分の手を重ねたまま、次の蓮の言葉を待つ。


でも、蓮の口から出た言葉は、私が期待してたようなものじゃなかった。


「…あ、そ」


…え?たったの2文字?記号入れても4文字しかないよ!?

⏰:08/07/13 23:48 📱:SH905i 🆔:t2xWSDTg


#387 [みい]

しかもそう言ったあと、逆の手で私の手を掴んで、自分の手から離させた。


そして何事もなかったかのように、また画面に目を向ける。


「……帰る」


私はやっとの思いでそれだけ言うと、立ち上がった。


「…なんでもう帰んの?」
「なんでも」

⏰:08/07/13 23:49 📱:SH905i 🆔:t2xWSDTg


#388 [みい]

「何怒ってんだよ」


あ、蓮、イライラしてる。そうゆう時、首に手をやるの癖だもんね。


「怒ってるのは蓮のほうでしょ」
「は?お前じゃん」


なんでそんなに冷静なわけ?逆に恐いじゃんか。


「…んなに…」
「え?」

⏰:08/07/13 23:52 📱:SH905i 🆔:t2xWSDTg


#389 [みい]

「そんなにDVD見たいなら一人で見ればいいじゃない!!」


振り絞るように叫んだ瞬間、涙がこぼれた。


「全然私にかまってくれないしっ…!」


それどころか、かまってアピールを邪険に扱われる始末。


蓮の顔が見れない。どんな顔してるか、知るのが恐くて。

⏰:08/07/13 23:53 📱:SH905i 🆔:t2xWSDTg


#390 [みい]

「もう…帰るから…」


泣き顔を隠すように下を向いたまま、ドアを開けようとした時、ドアノブにかかった私の手に蓮の手が重なる。


「…泣くな」


そんな声とともに、私の体は後ろから蓮によって包み込まれた。


「離して…。もう帰る…」

⏰:08/07/13 23:56 📱:SH905i 🆔:t2xWSDTg


#391 [みい]

蓮の腕の中で暴れれば暴れるほど、強く抱きしめられる。


「…かまってやるから。帰るなよ」


…蓮はいつだってずるい。耳元でそんな声で言われると、逆らえなくなるじゃない。


「お前がいいなら、俺はお前のことかまいまくりたいけど?」
「…嘘だ」


それならあんな態度とるはずないもん…。

⏰:08/07/13 23:58 📱:SH905i 🆔:t2xWSDTg


#392 [みい]

「嘘じゃねえよ。でも、お前こないだちょーっとキスしただけで、過呼吸みたいになってたからさ」


くすくすと蓮の笑う声が聞こえる。


こないだとは、付き合い始めた当日のこと。


「そっ、そんなことないもん!//」


まるでお子ちゃまってからかわれてるみたいで…むかつく!//

⏰:08/07/13 23:59 📱:SH905i 🆔:t2xWSDTg


#393 [みい]

「だから柚のペースに合わせようと思ってたんだけど…柚、俺にかまってほしいんだ?」
「そっ、そんなわけっ…」


急いで否定しようとした私の言葉を、蓮が遮る。


「ないとは言わせねーよ?今日、あんだけ誘っといてさ…」
「なっ……//」


き、気付いてたんですか…!?//

⏰:08/07/14 00:01 📱:SH905i 🆔:XkgL1vs2


#394 [みい]

「無理してるなーって思ってシカトこいてたんだけど…かまって!って泣かれたら仕方ねえな」


後ろから抱きしめられてるから、蓮の表情は分からないけど…絶対、楽しんでる…。


「別にかまってほしくて泣いたんじゃないもん!蓮にかまってほしくなんかない!!」


こうなったら断固否定!


……あれ?

⏰:08/07/14 00:04 📱:SH905i 🆔:XkgL1vs2


#395 [みい]

なぜか蓮の腕の力が、急にふっと抜けた。


不思議に思った私が、蓮のほうを振り向…


いた瞬間。


「生意気言うなよ?」


…ドアに押し付けられました。


「お前ずいぶん口が達者になったなあ?」

⏰:08/07/14 00:05 📱:SH905i 🆔:XkgL1vs2


#396 [みい]

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
更新Stopします

腕が疲れた、、
感想等もらえると励み
になります!ぜひぜひ
お願いします(>Д<)

あと、こちらに下さっ
たコメントへの返事や
アンカー感謝の言葉は
全て感想板でさせても
らっていますので

>>1みい感想板
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

⏰:08/07/14 00:11 📱:SH905i 🆔:XkgL1vs2


#397 [あろま]
250>>400

⏰:08/07/14 10:31 📱:SH903i 🆔:YCVFzx86


#398 [ハル]
続ききになる

⏰:08/07/14 13:17 📱:911T 🆔:l/jZ13B.


#399 [アカリ]
失礼しますm(__)m
>>1-100
>>101-200
>>201-300
>>301-400

頑張って下さいね

⏰:08/07/14 16:48 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#400 [みき]
楽しみに待ってます
頑張って最後まで
書いて下さいφ(.. )

⏰:08/07/14 17:02 📱:SH903i 🆔:Z08uRlAI


#401 [我輩は匿名である]
頑張って((q∀p))

⏰:08/07/16 10:45 📱:W61SH 🆔:WTpJFYps


#402 [x]
あげ

⏰:08/07/16 19:28 📱:W54T 🆔:vjd4plS6


#403 [我輩は匿名である]
ぬを

⏰:08/07/16 23:58 📱:W61SH 🆔:WTpJFYps


#404 [エみ]
楽しみにしてます

主さんのペースで頑張ってください

⏰:08/07/17 00:26 📱:SH902iS 🆔:L0Kcg.N6


#405 [みい]

>>395
ひっ、ひぃぃいいっ!!


なんだかんだでこいつが悪魔なんだってこと、忘れてました…。


「そうゆう悪いこと言う口は…塞いどかねえと」


そう言うと、一気に押し付けられる唇。


角度を変え、何度も啄むように重ねてくる。

⏰:08/07/17 01:41 📱:SH905i 🆔:1/FXXkyI


#406 [みい]

一気に熱をもった私の頬に、蓮の左手が。


右手は、砕けそうになった私の腰に。


そんな状況なもんだから、どうあがいても体が密着してしまう。


「〜〜っ!//んっ…//」


蓮の唇がわずかに離れる瞬間を見計らって空気を取り込まなければ、酸欠であの世行きだ…。

⏰:08/07/17 01:42 📱:SH905i 🆔:1/FXXkyI


#407 [みい]

しばらくの間唇を重ね続け、私の息が上がってきた頃になってようやく蓮は私から離れた。


「…ハアッ…ハッ…」


涙目で必死に息を整える私を、蓮は上から見下ろし、ふっと一瞬笑ったあと、


「これで終わりだと思うなよ?」


と耳元で囁く。

⏰:08/07/17 01:43 📱:SH905i 🆔:1/FXXkyI


#408 [みい]

まっ、まだ続くわけっ!?//


「もう、むっ…」


無理、と反論しようとした私の口に、それこそ栓をするように蓮の舌が入り込む。


ちょっとっ…!ディープなんて初めてだってば〜っ!//


唇にでかでかと初心者マークでも貼り付けとけばよかった…;

⏰:08/07/17 01:44 📱:SH905i 🆔:1/FXXkyI


#409 [みい]

蓮にされるがままになりながら、無意識にうっすらと目を開く。


するとそこには…蓮のどアップ//

いや、キス真っ只中だから当たり前なんだけど…


どんだけ色っぽい顔してんのよーっ!//


至近距離で見る蓮の顔に、一人で勝手にどぎまぎしていると、それまで固く閉じられていた蓮の目も開く。

⏰:08/07/17 01:45 📱:SH905i 🆔:1/FXXkyI


#410 [みい]

うわ……//


あろうことか、蓮と視線がばっちり絡み合う。


ちょっと…これってすっごい恥ずかしいシチュエーションじゃ…//


そう感づいた瞬間、蓮が目だけで、あの意地悪そうな笑みを浮かべてきた。


〜やばいっ!//顔から出火!!//

⏰:08/07/17 01:46 📱:SH905i 🆔:1/FXXkyI


#411 [みい]

私はそんな悪魔から逃げるように、再び目をぎゅっとつぶった。


蓮の舌が、私の咥内を支配する。


それに伴い、頭も、心も、体も…全てが蓮で埋め尽くされる。


今、蓮のことだけ感じている。蓮のことしか考えられない。



微かに音をたて、蓮がゆっくりと唇を離した。

⏰:08/07/17 01:47 📱:SH905i 🆔:1/FXXkyI


#412 [みい]

体中の力が抜けて、倒れ込みそうになってしまった私を蓮が抱き留める。


「…っと。お仕置き終了」


意地悪そうに口角を上げる蓮。
私は足元がふらつきながらも、自分の体を支えるように、蓮の肩にしがみつく。


「にしても、お前変態。人のキス顔盗み見するなんて」
「なっ…違うもん!//蓮だって見たじゃん!」

⏰:08/07/17 01:48 📱:SH905i 🆔:1/FXXkyI


#413 [みい]

「かわいい柚を一目拝んでおこうと思ってさ」


『かわいい柚』という言葉に、からかわれてるとわかりながらも顔が熱くなる。


そんな私を見て、蓮はくすくすと笑った。


「あ、言っとくけど、こんなん序の口だから」
「えっ、ぇえっ!?」


このくそ長いキスが序の口!?//

⏰:08/07/17 01:49 📱:SH905i 🆔:1/FXXkyI


#414 [みい]

「だからさ。生意気に俺のこと煽るの、まじで止めときな。お前多分死ぬぞ」


笑いながら言うけど、蓮だから冗談に聞こえないって言うか…まあとりあえず私は笑えません;



作戦を仕掛けたのは私なのに…いつのまにか形成逆転しちゃって…

さえちゃん…、早瀬柚稀、完敗です…。


………まあ、幸せだったけどね//

⏰:08/07/17 01:51 📱:SH905i 🆔:1/FXXkyI


#415 [みい]

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
更新Stopします
感想等いただけたらう
れしいです(>Д<)
ぜひお願いします、、
こちらに下さったコメ
ントへのお返事は、感
想板のほうでさせてい
ただきました(^ω^)

>>1みい感想板
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

⏰:08/07/17 01:55 📱:SH905i 🆔:1/FXXkyI


#416 [ゆぅ]
>>250-300

⏰:08/07/17 02:30 📱:P903i 🆔:7D2SgQPI


#417 [ゆぅ]
>>300-400

⏰:08/07/17 02:36 📱:P903i 🆔:7D2SgQPI


#418 []
頑張ってください

>>1-100
>>101-200
>>201-300
>>301-400
>>401-500
>>501-600

⏰:08/07/17 07:22 📱:SH903i 🆔:MctcO7Sk


#419 [我輩は匿名である]
あげる!!!!w

⏰:08/07/20 16:39 📱:W61SH 🆔:2J7dq4lA


#420 [みい]







・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
Story8〜悪魔のやさしさ
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

⏰:08/07/22 01:04 📱:SH905i 🆔:rH5bUJqA


#421 [みい]

『何かあったときはお隣りに蓮君もいるし、安心だわ♪』




…そんな呑気なことを言い残し、我が家の両親は箱根旅行へ行ってしまった…。


「安心って…どう考えてもあいつが1番危険でしょ!」


あたしだって一応年頃の女の子なんだから、「男は狼なのよ、気をつけなさい!」くらい言えないもんかしら、お母さんったら。

⏰:08/07/22 01:04 📱:SH905i 🆔:rH5bUJqA


#422 [みい]

…ま、蓮には言ってないんだ。人生、ドラマじゃないんだから『もしものこと』なんて起こらないって。


「晩御飯どうしよっかな〜♪…って、嘘っ!?」


なんじゃこの空っぽな冷蔵庫は!

もー!買い物行かなきゃいけないじゃんかあ…。しかもなんか雲行きが怪しいし…。


雨降るのかな…?仕方ない、急いで行っちゃうとするか。

⏰:08/07/22 01:06 📱:SH905i 🆔:rH5bUJqA


#423 [みい]

………………………………

「ふあーっ!とりあえず降られなくてよかったあ!」


晩御飯の材料の調達を終え、雨が降らないうちにどうにか帰宅できました♪


…にしてもこの黒々しい空…なーんか嫌な予感…。


私の大っっ嫌いな…アレが近付いてる気配がする……;


「きっ、気のせい気のせい!」

⏰:08/07/22 01:07 📱:SH905i 🆔:rH5bUJqA


#424 [みい]

………………………………

晩御飯も食べ終え、お風呂も入ったし…


夜更かしタイムだーっ♪


…って意気込んだはいいものの。


「なんか…眠いかも…」


買い物行ったり自分で洗い物したりと、何かと労力使ったもんだから…まだ23時なのに瞼が閉じそうだ。

⏰:08/07/22 01:08 📱:SH905i 🆔:rH5bUJqA


#425 [みい]

くそう…夜はまだまだこれからなのに…。


たまにしかできない夜更かしに未練たらたらなまま、眠りにつきかけたその瞬間。


ガラガラガラーっ!


「ひぃいっ!!!!」


私の大っ嫌いなアレ…つまりアレですよアレ。ピカッて光って、おへそに落ちるやつ!

⏰:08/07/22 01:10 📱:SH905i 🆔:rH5bUJqA


#426 [みい]

その、私が名を口にするのも怖がるアレが…


ゴロゴロ…!


「いやあーーっ!!!!」


派手に光を放ちながら、鳴りはじめたってわけです…。


嫌だ、ど、どうしよう…!こんな、こんなの、とてもじゃないけど一人じゃいられない!心臓持たない!!

⏰:08/07/22 01:11 📱:SH905i 🆔:rH5bUJqA


#427 [みい]

そうだ、さえちゃんだ!さえちゃんに泊まりにきてもらおう!


「さ、さえちゃんに電話…」


ボタンを押す指すらやたらと震える。ああ、私ってなんて小心者なんだろう…。

「あっ!さえちゃ…」
『おかけになった番号は、只今電波の届かない場所か、…』


…なぜこんな大事な時に繋がらなーいっ!

⏰:08/07/22 01:13 📱:SH905i 🆔:rH5bUJqA


#428 [みい]

〜っ…仕方ないっ!蓮なら隣だし、すぐ来れるだろうし…!


RRRR……


携帯の呼び出し音が、やけに長く感じられる。


もうっ…早く出てよおっ…!


『はい』


や、やっと出たっ…!にしてもなんて無愛想なんだ。でもこの際そんなの関係ねえ!

⏰:08/07/22 01:14 📱:SH905i 🆔:rH5bUJqA


#429 [みい]

「れっ、蓮?」
『…何、どうした?』


電話をかけたはいいものの…よくよく冷静になって考えてみると、こんな夜に蓮を自分の家に誘うなんてこと、できない…;しかも家族がいないときに。
だってそんな大胆なこと…、やっぱ無理だあっ!//


「い、いや、何でもない…」


蓮じゃなくて他をあたろう、と思った瞬間…

⏰:08/07/22 01:17 📱:SH905i 🆔:rH5bUJqA


#430 [みい]

ゴロゴロ…ピシャーンッ!


「いやあああっ!!」
『柚!?』


や、やっぱもう無理ーっ!!!!


「今すぐうちに来て!お願い!」
『…待ってろ』


ピッ、という電子音が聞こえたあと、私は携帯を机に放り投げ、ベッドの上で布団にくるまった。


早く…、早く、来て…っ!

⏰:08/07/22 01:18 📱:SH905i 🆔:rH5bUJqA


#431 [みい]

隣だからすぐ来てくれるだろうと思ったのに…30分経った今も、玄関のインターホンは鳴らない。


「ふえっ…れん〜っ…」


名前を呼んでみても、返事はない。



その代わりに待ちに待った、ピンポーン、という、この場面にそぐわない間抜けな音。


私は急いで玄関のドアを開ける。

⏰:08/07/22 01:19 📱:SH905i 🆔:rH5bUJqA


#432 [みい]

その先には雨に濡れ、走ってきてくれたのか、息が上がっている蓮が立っていた。


私は蓮を見るなり抱きつく。


「…遅い…」
「わりい、矢野んち行ってた」


矢野君ってどこ住んでたっけ?隣町?そのまた隣だっけか…?


「つーか何?何があった?」

⏰:08/07/22 01:20 📱:SH905i 🆔:rH5bUJqA


#433 [みい]

蓮は私を自分から引き離し、小刻みに震える私の目を見る。


「か、かかか…かみな、り…」
「は?」


「だからっ!雷!嫌いなの!」


ああ、1日に2回もこの単語を口にするなんて…今日は厄日だ…。


「…雷ごときで、この俺をあのくそ強い雨ん中、走らせたってわけ?」

⏰:08/07/22 01:21 📱:SH905i 🆔:rH5bUJqA


#434 [みい]

見ると蓮の口元がヒクヒクしている。


「そ、そうだけど…?」


少し怯えながらも、肯定すると…


「…焦って損した」


はあ、と溜息をつきながらこめかみに手をやる蓮。


その態度にカッチーンときたのは、私。

⏰:08/07/22 01:22 📱:SH905i 🆔:rH5bUJqA


#435 [みい]

「なによっ!いいじゃん別に!怖かったんだもんっ…!」
「別に悪いなんて言ってねえだろ、俺はただ、」
「言いたそうだった!」
「だからそうじゃなくて。俺は、」
「もういいよ!めんどくさいなら帰ればいいじゃん!蓮じゃない他の人に来てもらうから!」


最後の私の言葉に、それまで冷静だった蓮の表情が一変した。


「それ、まじで言ってんの?」


蓮が醸し出す黒い雰囲気にたじろぎながらも、負けまいと反論する。

⏰:08/07/22 01:23 📱:SH905i 🆔:rH5bUJqA


#436 [みい]

「そうだけど!?別に蓮じゃなくてもいいもん!てゆうかさえちゃんが出なかったから仕方なく蓮に電話しただけだし!」


言い切った瞬間、ものすごい力で手首を掴まれる。


「ちょっ…痛い…!」
「…なにそれ。くそ腹立つ」


なにそれってこっちの台詞だっつーの!腹立ててるのは私のほうだもん、謝ってなんかやるもんか!

⏰:08/07/22 01:25 📱:SH905i 🆔:rH5bUJqA


#437 [みい]

キッと蓮を睨みつけると、


「その顔。最悪に不細工だから止めろ」


となじってくる。


「ちげえんだって。俺は、お前の身に何かあったんじゃねえかってすっげえ焦ってたから、雷って聞いて拍子抜けしただけ」
「…拍子抜けしたんでしょ、帰っていいよ」


はあ…、どこまでもかわいくないな、私って。

⏰:08/07/22 01:26 📱:SH905i 🆔:rH5bUJqA


#438 [みい]

「こんな状態のお前残して帰れるほど、俺も冷血じゃない。手の震え、止まんねえし」


蓮が下に目を遣ったから、私も目線を落とす。


そこには蓮の左手に強く掴まれながらも、今だ震え続けている私の右手があった。


「あ……」
「…一旦着替えに帰ってすぐ来るから。待ってろ」

⏰:08/07/22 01:29 📱:SH905i 🆔:rH5bUJqA


#439 [みい]

ポン、と一回私の頭を軽く叩くと、蓮は玄関のドアノブに手をかける。


「ま、待って!」


私は思わず蓮を引き止めてしまった。蓮は私の方に振り返る。


「…行かないで。ひ、一人に、しないで…」


だって…なにせ怖いんだもん…。

⏰:08/07/22 01:30 📱:SH905i 🆔:rH5bUJqA


#440 [我輩は匿名である]
<<200-300
<<301-400
<<401-500

⏰:08/07/22 01:30 📱:D905i 🆔:PjkXNtps


#441 [みい]

「…すぐ戻ってくっから。な?」


それでも首をぶんぶんと横に振る私。蓮にとっての"すぐ"と、私にとっての"すぐ"は、かなり差がある…気がしたから。


少しの間のあと、「柚、」と呼ばれて顔を上げた。


「バスタオルと、親父さんの服。貸して」


蓮はそう言いながら、靴を脱ぎ始める。

⏰:08/07/22 01:31 📱:SH905i 🆔:rH5bUJqA


#442 [みい]

私は急いでバスタオルを取りにお風呂場へ向かった。


………………………………

「入んぞ」


うちのお父さんのTシャツと短パンに着替え、髪を乾かした蓮が部屋に入ってくる。


や、やばい…。この空間に二人きりって、なんか思ってたより遥かに緊張する…。

⏰:08/07/22 01:32 📱:SH905i 🆔:rH5bUJqA


#443 [みい]

がしかし、そんな私を尻目に蓮は、


「じゃ、おやすみ」


と言って私のベッドに寝転がる。


「ええっ!?ってちょっと!乙女のベッドにずかずかと上がらないでよ!」


あ、ありえない…!無神経にもほどがある!


てゆうか私の緊張って一体…;

⏰:08/07/22 01:34 📱:SH905i 🆔:rH5bUJqA


#444 [みい]

「駅から走ってきて疲れてんだよ。お前のせいだろうが」


蓮は目を閉じたまま答える。


「だっ、だからってねえっ…!」


反論しかけたら、蓮は起き上がり、ずいっと私に顔を近付けた。そして私の顎を掴む。


「まあ…その疲れをお前が癒してくれるっつーなら、話は別だけど?」

⏰:08/07/22 01:38 📱:SH905i 🆔:rH5bUJqA


#445 [みい]

そう言いながら私の唇に指を這わせる蓮に、私はお決まりの赤面。


「嘘だよ、ガキが相手だとやらしい気分にもならねえ」


蓮はくくっと笑うけど、私は…そういうこと言われると、やっぱちょっとショックだったりする。


同じようなこと、付き合う前にも言われたことあるし…それって私が女として魅力ないってことですよね…。

⏰:08/07/22 01:40 📱:SH905i 🆔:rH5bUJqA


#446 [みい]

そんなことを考えてへこんでいる私を知ってか知らずか、


「まあ、そんなガキ相手にたまに欲情してる俺もかなりやべえけどな」


なんて、衝撃的なことをさらっと言う蓮。


「よっ、よくじょうって…!//」
「なに、意味知らねえの?教えてやろうか、欲情ってのは…」


わーかーるーかーらーーっ!//ストップ説明!!

⏰:08/07/22 01:43 📱:SH905i 🆔:rH5bUJqA


#447 [みい]

「ふあ〜あ…まじ眠い。電気消せよ」
「ちょっ…本当にそこで寝る気!?」


ベッドの上で大きなあくびをする蓮に批難の目を向ける。


「ああ。俺はここに"いてやってる"身だからな。当たり前」


こんの変態俺様男〜〜っ!
…仕方ない、私はリビングのソファだな…。床でなんか固くて寝れたもんじゃない。

⏰:08/07/22 01:44 📱:SH905i 🆔:rH5bUJqA


#448 [みい]

部屋の電気を消し、掛け布団を頭から羽織って部屋を出ていこうとすると、


「…どこ行くんだよ」


真っ暗な部屋に響く、降りしきる雨の音と蓮の声。


「どこって、リビング…」
「それじゃ俺が来た意味ねえじゃん。ここに来い」


蓮は自分が寝ている隣を、乱暴に手で叩いた。

⏰:08/07/22 01:46 📱:SH905i 🆔:rH5bUJqA


#449 [みい]

おっ、同じベッドにですかっ!?//


「いっ、む、無理!//」
「なんで」


なんでってそんな…そんな、1つのベッドに男女2人でなんて…//


「別に俺はどっちでもいいけど。お前があっちで一人で寝て、雷様にへそ取られても関係ねえし」
「ひぃぃいいいっ!!!!」


そ、それだけはまじ勘弁っ!!!!

⏰:08/07/22 01:47 📱:SH905i 🆔:rH5bUJqA


#450 [みい]

というわけで覚悟をきめた私は、無言のままベッドに近付く。


暗闇の中、蓮の顔が見える。蓮は、予想と反して真面目な表情をしていた。


「…よ、欲情しないでね」
「ごくごくたまにしかしねえから。心配すんな」


あ、さようでございますか…。
そんなに『ごくごく』を強調しなくてもいいじゃんかよ…;


ギシ、と軋む音をたて、私はベッドに上がり込む。

⏰:08/07/22 01:50 📱:SH905i 🆔:rH5bUJqA


#451 [みい]

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
更新Stopします
よかったら感想等下さ
るとかなり嬉しいです
感想板までぜひお
願いします(>Д<)

>>1みい感想板
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

⏰:08/07/22 01:55 📱:SH905i 🆔:rH5bUJqA


#452 [アカリ]
>>400-500

失礼しました

⏰:08/07/22 06:18 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#453 [アリス]
>>1-50
>>51-100
>>101-150
>>151-200
>>201-250
>>251-300
>>301-350
>>351-400
>>401-450
>>451-500

⏰:08/07/22 08:48 📱:W51T 🆔:☆☆☆


#454 [みい]

「…ほら」


蓮は自分が掛けていた布団を、私の上に掛けてくれた。


「…ありがとう」


距離が近すぎて、顔が熱くなる。私は耐え切れなくなって、蓮に背中を向けた。


「こっ、これ以上近づかないでよね!」
「お前は人のこと呼び出しといて何様だ、おい」

⏰:08/07/23 00:36 📱:SH905i 🆔:g.4Qk.lY


#455 [みい]

何様のつもりでもないけど、無理なんだもん!//


「「…………」」



あ、沈黙。蓮、寝たのかな…。


静かになった部屋の中で、私の神経は外の天気へと集中してしまう。さっきまでは、蓮との言い合いで気にならなかったけど…雨足は強くなる一方だ。


はあ…早く止まないかな…。

⏰:08/07/23 00:37 📱:SH905i 🆔:g.4Qk.lY


#456 [みい]

なんて溜息をついた瞬間、ゴロゴロ…という不気味な音と共に、一瞬部屋中が白く光る。


「ぎぇえっ!!!!」


私は思わず縮こまって叫んでしまった。


「…なんで怖いかな、こんな綺麗なのに」


背後から、おもしろがるような蓮の呟きが聞こえる。

⏰:08/07/23 00:38 📱:SH905i 🆔:g.4Qk.lY


#457 [みい]

「きっ、綺麗なんかじゃないっ!」「俺は結構好きだけど」


こんなものが好きだなんて、どーいう神経しとんじゃお前は!しかも起きてたのかよ!


「ひぇえっ!!」


そんな言い合いをしてるうちにも、容赦なく地に向かって光を伸ばす稲妻。


我慢の限界に達した私は、恐る恐る蓮の方に体を向き直す。

⏰:08/07/23 00:39 📱:SH905i 🆔:g.4Qk.lY


#458 [みい]

と同時に再び部屋が光に包まれ、私は反射的に蓮の着ているTシャツの裾をぎゅっと掴む。


「…これ以上近づくなっつったのはどの口だ、こら」
「…すいません…」


はい、ごめんなさい、この口です…;だって…怖いもんは怖いんだもん〜っ!!!!


でもあんなことを言ってしまった手前、もうこれ以上はほんとに近付けない…;

⏰:08/07/23 00:40 📱:SH905i 🆔:g.4Qk.lY


#459 [みい]

変なプライドみたいなものが私をがんじがらめにするのだ。

蓮の胸に飛び込めたら。
ぎゅっ、って強く抱きしめてもらったら。


この恐怖なんて、きっと一瞬で吹っ飛んでいってしまうのに。


不協和音のような雷の鳴き声が響く度に、蓮のTシャツを掴んだ手に力を込める。


何度目かの私のそんな行動のあと、蓮は長い溜息をついた。

⏰:08/07/23 00:41 📱:SH905i 🆔:g.4Qk.lY


#460 [みい]

「もっとこっち来い」
「…いい、大丈夫」


…またかわいくないことを…。なんでいっつもこんななんだろう、私って。


「来いっつってんだろうが」


不意に勢いよく蓮に引き寄せられ、一瞬にして私は蓮の胸の中にすっぽりと収まってしまった。


「変なとこで意地張ってんじゃねえよ、ばかゆずが」

⏰:08/07/23 00:42 📱:SH905i 🆔:g.4Qk.lY


#461 [みい]

「ば、ばかじゃないもん!!」
「泣いてまで我慢するなんてよっぽどの馬鹿だろ」
「泣いてなんかっ…」


言いかけたとき、蓮の指が私の頬を撫でる。

その時ようやく気付いた。自分がいつの間にか、恐怖のせいで涙まで流していたことに。


「素直になれよ、いい加減」


蓮の体温を感じ、一気に安心した私は子供のように泣きじゃくってしまった。

⏰:08/07/23 00:43 📱:SH905i 🆔:g.4Qk.lY


#462 [みい]

そんな私の背中を、とんとんって優しくさすってくれた蓮。

雷の音が鳴り始めるとすぐ、「聞くな」って言って手の平で私の耳を押さえてくれた。








「…落ち着いたか?」
「うん、大分ましになった…」


ありがとう、って言わなきゃ…。

⏰:08/07/23 00:45 📱:SH905i 🆔:g.4Qk.lY


#463 [みい]

「あのっ、蓮!?」


蓮は私の背中に手を回したまま、少し離れて私の顔を見る。


うぎゃ〜!!ち、近いっ!//でも、せめてお礼くらい言わないと…!


「あっ、ありがとっ!//」


…はれれ?

勇気を振り絞って言ってみたはいいものの、蓮は目を丸くしてからそっぽを向いてしまった。

⏰:08/07/23 00:46 📱:SH905i 🆔:g.4Qk.lY


#464 [みい]

「え、あの…、蓮…?」


なんですかそのリアクションは;なんか…不安になっちゃうじゃん…。


蓮は未だ私を見ず、なぜか溜息をつく。


えーっ!?なんでそんなイマイチの反応なわけ!?一応私なりに、素直に感謝の気持ちを伝えたつもりだったのに…。


しばらくの沈黙のあと、やっと、

⏰:08/07/23 00:47 📱:SH905i 🆔:g.4Qk.lY


#465 [みい]

「お前、今の反則」


とか言ったかと思って顔を上げると、間髪入れずに蓮の唇が私の唇に重なった。


「ふっ……!?」


咄嗟の出来事だったため、十分に息も出来ない私は苦しくて蓮の胸を押すけど、そんなの全く意味をなさない。

むしろ背中に回った蓮の腕に力が入って、二人の距離はほとんどゼロに近い。

⏰:08/07/23 00:48 📱:SH905i 🆔:g.4Qk.lY


#466 [みい]

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
更新Stopします
よかったら感想等貰え
るとすごく嬉しいです
感想板のほうに是
非お願いします

>>1みい感想板
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

⏰:08/07/23 00:51 📱:SH905i 🆔:g.4Qk.lY


#467 [我輩は匿名である]
失礼します;

>>389-400
>>400-440

とても面白いので
これからも
頑張ってくださいね★

⏰:08/07/23 01:29 📱:W53T 🆔:fykHeQpA


#468 [我輩は匿名である]
この話すきーっx
頑張って下さい

⏰:08/07/23 03:19 📱:W61PT 🆔:ZPu3vec6


#469 [我輩は匿名である]
あげ!w

⏰:08/07/23 23:11 📱:W61SH 🆔:4XVRhwAE


#470 [凛]
>>1-100
>>101-200
>>201-300
>>301-400
>>401-500
失礼

⏰:08/07/24 00:51 📱:P702i 🆔:ON0slSqM


#471 [我輩は匿名である]
あげ

⏰:08/07/24 07:15 📱:W61SH 🆔:noXE50Wc


#472 [我輩は匿名である]
あげちゃうし

⏰:08/07/24 18:55 📱:W61SH 🆔:noXE50Wc


#473 [夜蝶]
頑張れ
この小説
どえら好きやあテ

⏰:08/07/24 22:52 📱:911T 🆔:OzQlKX6E


#474 [か-な]
↑感想ここに書くなし!

⏰:08/07/24 23:28 📱:F902iS 🆔:7t/e1/sM


#475 [我輩は匿名である]
あげ

⏰:08/07/25 20:59 📱:W61SH 🆔:Xx3X4cZ2


#476 [みい]

>>465

蓮の舌が私の咥内へ、背中にあった手が私のTシャツの中へ侵入してくる。


ちょっ…う、嘘でしょーっ!?//

あまりにヤバめな事態に、私の頭はすっかりパニック状態だ。


私の腰あたりを撫で回していた蓮の右手が、徐々に上のほうに伸びていく。


待ってー!//ちょ、タンマ!タンマタンマ!//まじで駄目だって!

⏰:08/07/26 15:50 📱:SH905i 🆔:0ZFDBPTw


#477 [みい]

ひえ〜!無理ムリむりっ!//


お母さん…っ、このままじゃあ柚稀、『お隣りの蓮君』に喰われてしまいますっ…!



〜♪〜♪〜…


でっ、電話!さえちゃんかも!


机の上に置きっぱなしにしていた私の携帯がおもむろに鳴りだしたとき、蓮の動きが一瞬止まった。

⏰:08/07/26 15:51 📱:SH905i 🆔:0ZFDBPTw


#478 [みい]

い、今だあっ!!


その隙に私は力いっぱい蓮の肩を掴み、思い切り押し退けた。


ゴンッ、という音と共に、蓮が小さく呻(ウメ)き、頭を押さえる。


「さっ、さえちゃんっ!?」
『柚?ごめん、さっきバイト中でさ〜。何かあった?』


さえちゃん…ナイスタイミングだよー!まじ感謝ですっ!!

⏰:08/07/26 15:52 📱:SH905i 🆔:0ZFDBPTw


#479 [みい]

「ううんっ、大丈夫大丈夫!ごめんねわざわざ!ありがと♪」
『ならいいんだけどさ!あっ、てゆうか聞いてー!またあのクソ店長がさあ…』


お、なんか長くなりそうだな…。恐る恐る蓮に目を遣ると、かなーり眼球を光らせ、不機嫌オーラ漂わせてます…;


そんなことなどつゆ知らず、さえちゃんの弾丸トークは止まらない。

『まじありえなくない!?もう本当無理!きもすぎて我慢できない!』

⏰:08/07/26 15:53 📱:SH905i 🆔:0ZFDBPTw


#480 [みい]

それは確かにきもいね〜、って相槌を打とうとした瞬間、素早く携帯が取り上げられた。


「ちょ、返してよっ!」


あたふたと携帯を取り戻そうとする私の手を難無く押さえ込む蓮。


『柚〜?聞いてんのー?』


並じゃない大きさを誇るさえちゃんの声が携帯から漏れる。

⏰:08/07/26 15:54 📱:SH905i 🆔:0ZFDBPTw


#481 [みい]

そんな携帯をつまむように持ちながら、蓮は不愉快そうに片目を閉じると、


「邪魔すんなよ」


と一言だけ言い放ち、携帯の電源ボタンを押してしまった。


「な、何てことするのよおっ!」
「こんな深夜に電話してくる奴が悪い」


親切にかけ直してくれただけじゃんか!

⏰:08/07/26 15:57 📱:SH905i 🆔:0ZFDBPTw


#482 [みい]

でも、それより何より問題なのは…「こんな深夜に二人っきり」なのが、さえちゃんにばれちゃったこと!

ああ…どう言い訳しよう…;さえちゃんのことだから、きっと根掘り葉掘り聞いてくるに違いない;


あーでもない、こーでもないと言い訳を考えていると、


「柚、」


と蓮の私を呼ぶ声。

⏰:08/07/26 15:57 📱:SH905i 🆔:0ZFDBPTw


#483 [みい]

…はっ!そういえばこいつ、狼なんだった!危ない私!//


そろーりとベッドから抜け出そうとした私の腕を、蓮が掴む。


「ぎょえっ!」
「…何その反応」


だってあんた、私のこと犯そうとしたじゃん!こんくらいの反応なんて当たり前でしょうが!


「よ、欲情しないって言ったのに…//」

⏰:08/07/26 17:39 📱:SH905i 🆔:0ZFDBPTw


#484 [みい]

「たまにするっつったはずだけど?てゆうか…」


そこまで言うと蓮は小さく溜息をつく。


「涙目で上目遣いされて、その気が起きない男なんていねーだろ」


…知らねーよそんな男心なんて!


「あんたに理性ってもんはないわけ!?」

⏰:08/07/26 17:40 📱:SH905i 🆔:0ZFDBPTw


#485 [みい]

「あるけど吹っ飛んだ」


けろっと言う蓮。
てゆうかそれ、偉そうに言うことじゃないから!


「…っこの変態!//どスケベ!」
「何とでも言え」


手をひらひらさせる蓮に、罵声を浴びせても効果ナシ…;


「つーかいい加減寝ようぜ。あのうるせえ女のせいでヤる気も失せたし」

⏰:08/07/26 17:42 📱:SH905i 🆔:0ZFDBPTw


#486 [みい]

「ヤる気」とか普通に言うなっつーのー!//


「私の半径1メートル以内に入らないでよっ!?」
「この狭いベッドじゃ普通に無理」


くっ…そぉお〜!!あー言えばこー言う男め…!


私は勢いづけて蓮に背を向け、目一杯離れたところで目を閉じた。


あんなに怖かった雷も、いつのまにか鳴り止んでたしね;

⏰:08/07/26 17:44 📱:SH905i 🆔:0ZFDBPTw


#487 [みい]

………………………………

チュンチュン…チチ……


ん……朝…?


雀の鳴き声に目を擦ると、朝日に透けるカーテンの色が映った。


と同時に、隣で寝ている蓮の存在に気づく。


…そうだ、結局一緒に寝たんだっけ…。

⏰:08/07/26 17:45 📱:SH905i 🆔:0ZFDBPTw


#488 [みい]

…にしても。


私から突き放したものの、この、ロマンチックとはほど遠いシチュエーションは何!?


普通、漫画とかならさ、朝起きたら彼氏がぎゅってしてくれてたりするもんでしょ!?


…なのにこの男ときたら…。バッチリ私に背中向けやがって!


さっきも言った通り、突き放したのは私です!それは重々承知です!

⏰:08/07/26 17:46 📱:SH905i 🆔:0ZFDBPTw


#489 [みい]

そうなんだけどね!?
…そうなんだけどさ…。


はあ、と溜息をついた瞬間、ごろんと蓮が寝返ってこちらを向く。


うわわっ…;

咄嗟の出来事に、私はついたぬき寝入りをしてしまった。


「ん……?」


蓮が呟いたのが聞こえる。どうやら目が覚めたらしい。

⏰:08/07/26 17:48 📱:SH905i 🆔:0ZFDBPTw


#490 [みい]

「…柚……?」


名前を呼ばれても、寝た振りをしている私はもちろん無反応を決め込む。


「…………」


しばし無言。

また寝たのかな…と思って、目を開けようとしたとき、私のおでこにかかっている前髪に、蓮の指先が触れた。

⏰:08/07/26 17:49 📱:SH905i 🆔:0ZFDBPTw


#491 [みい]

ひっ…なっ、何!?!?


ビビりながらも、今更目を開けることが出来ない私は、蓮にされるがままだ。


蓮の指が、私の前髪をそっと丁寧に掻き分けていき、

おでこにスースーとした感覚が生まれる。


と同時に…

⏰:08/07/26 17:51 📱:SH905i 🆔:0ZFDBPTw


#492 [みい]

ちゅ…


……えっ!?//


小さく音をたて、微かに私のおでこに触れたのは…多分、いや99.9%、蓮の唇。


放心状態の私をさらに抱き寄せるように、蓮は腕を私の後頭部に回した。


しばらくすると、すー、すーと規則正しく聞こえてくる蓮の寝息。

⏰:08/07/26 17:54 📱:SH905i 🆔:0ZFDBPTw


#493 [みい]

…引き寄せられた蓮の胸の中で私が思ったこと。




1.人生って案外ドラマチックな 展開もありえる


2.悪魔ってたまに、たまあーに! 優しかったりする



蓮の体温を感じて、恥ずかしさに赤面しながらも、さえちゃんへの言い訳を必死で考える私であった…。

⏰:08/07/26 17:55 📱:SH905i 🆔:0ZFDBPTw


#494 [みい]

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
更新Stopします

恐れ多くも、感想板に蓮
のイメージ画をUpさせ
て頂きました目に毒
かもしれませんが、勇気
のある方だけどうぞ
小説と合わせて感想等頂
けると嬉しいです

>>1みい感想板

⏰:08/07/26 18:10 📱:SH905i 🆔:0ZFDBPTw


#495 [絢香]
あげとく

⏰:08/08/01 00:51 📱:W61SH 🆔:g.F2k8zU


#496 [みい]








・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
Story9〜第2の悪魔、降臨
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

⏰:08/08/02 00:29 📱:SH905i 🆔:T7ettLIc


#497 [みい]

「お嬢ちゃん、誰待ってんの?」


学校が終わってから映画でも見に行こうか、ってことになって蓮と二人で歩いていて、蓮が飲み物を買いに行った時、私はものすごい巨体の男に声を掛けられた。


赤シャツにグレーのスーツを羽織り、金のネックレスをじゃらじゃらさせているあたりを見ると、どう考えてもシャバの人ではないと思う。


「え、あの…」

⏰:08/08/02 00:30 📱:SH905i 🆔:T7ettLIc


#498 [みい]

その人のあまりのデカさ…まあはっきし言っちゃうと、デブさ、に圧倒され口ごもっていると、


「もしや彼氏とか?」


と聞いてきたので、私はうんうん、と強く2回頷いた。


するとその人はちっと舌打ちをしてから私に笑みを向ける。


「ねえねえ〜そんなのより俺と遊んだほうが楽しいって♪ね?」

⏰:08/08/02 00:31 📱:SH905i 🆔:T7ettLIc


#499 [みい]

うわあ…ナンパって奴だ…!初めてされるよ私!


「いや、あの…」
「彼女1人にしとく男なんかやめてさ、俺にしなよ〜」


テレビや漫画でよく聞くようなお決まりの文句を並べながら、デブは私の腕を掴んだ。


「ひいっ!!!ちょっ、やめてっ…!」「ちょーっとだけだからさ、ね、お願い!」


やめんかこのくそデブー!

⏰:08/08/02 00:32 📱:SH905i 🆔:T7ettLIc


#500 [みい]

ぐいぐいと力任せに腕を引っ張られる。


ナンパってこんなもんなのか!?
かっこいいお兄さんがもっと甘ーい言葉並べて、肩とか抱いて優しくリードするもんなんじゃないの!?


想像とは掛け離れたナンパというものに、私は戸惑いを隠せない。


「ほんとに無理だってばあー!」


そう私が叫んだ瞬間だった。

⏰:08/08/02 00:32 📱:SH905i 🆔:T7ettLIc


#501 [みい]

腕を掴まれていた痛さが消える。


不思議に思って恐る恐る顔を上げると、目の前に蓮が立っていた。


よく見ると、蓮がさっきまで私の腕を掴んでいたデブの腕をねじり上げている。


「すいません、こいつ俺の女なんすよ」


蓮の声はこういう時でさえ至って冷静だ。全く抑揚がない、いつもどおりの落ち着いた声。

⏰:08/08/02 00:33 📱:SH905i 🆔:T7ettLIc


#502 [みい]

「いっ…!何すんだおま…え…」


デブの目が、蓮を捕えた瞬間驚いたように大きく見開かれた。


「んだよ?」


蓮が不審そうに言うと、そのデブははっとしてからまたにやりと笑い、


「彼女いいじゃん、ちょっとだけ貸してよ」


なんて言ってくる。

⏰:08/08/02 00:34 📱:SH905i 🆔:T7ettLIc


#503 [みい]

「…いい加減にしろよ」


蓮は今度は、私も聞いたことのないくらい低い声で凄むと、掴んでいたデブの腕をぐっと引っ張る。


よろけた巨体の耳元に顔を近付ける蓮。どうやら何か言っているようだ。相手の顔が怯えたように歪む。


それから蓮は相手を突き放し、


「わかったなら失せろ、デブが」

⏰:08/08/02 00:35 📱:SH905i 🆔:T7ettLIc


#504 [みい]

と吐き捨て、私の腕を引っ張ってデブの横を通り過ぎていく。


すれ違いざまに相手の顔を見ると…さっきの表情を余韻に残しながらも、不気味ににやけていたような気がした。



「蓮っ!さっきの人、知り合い!?」


ずんずんと歩いていく蓮に必死についていきながら私は聞く。


「は?知らねえよあんなデブ」

⏰:08/08/02 00:36 📱:SH905i 🆔:T7ettLIc


#505 [みい]

あっちは蓮のこと、知っていそうな雰囲気だったけど…まあ気のせいか。


それにしても。

「も、もうちょっと言い方ってもんがあるでしょ…」


そりゃ私だって思ったし、心の中では散々デブ呼ばわりしたけど、まだ口には出してないもん!


「デブにデブって言って何が悪い。つーかお前さ、ぼーっとしてんなよ。あーゆうの面倒くせえ」

⏰:08/08/02 00:37 📱:SH905i 🆔:T7ettLIc


#506 [みい]

「ご、ごめんなさい…」


面倒くせえって…。彼女がナンパされてたのよ!?下手したらあのまま変なとこ連れてかれちゃうかもしれなかったのよ!?

もっとさ、もっと…「無事でよかった」とか、そうゆう優しい言葉とかないわけ?


…まあ、所詮悪魔だし。そんなの要求しても無理って話だよね…。

…こないだのおでこにキスは優しさを感じたけどさ…//

⏰:08/08/02 00:38 📱:SH905i 🆔:T7ettLIc


#507 [みい]

「何顔赤くしてんだよ」

蓮がいかにも気味悪そうに私の顔を横目で見る。


「いっ、いやいや!//」


あの朝のことを思い出してたなんて言えない!//だって蓮はあの時私が寝てたと思ってるわけでしょ!?

私が起きてたって知ったら蓮、どうするんだろう…?焦るかな?焦る蓮…うわ、見てみたい〜!!


…まあ、これはとっておきの楽しみとして大事にとっておくか…♪

⏰:08/08/02 00:39 📱:SH905i 🆔:T7ettLIc


#508 [みい]

心の中でむふふと笑った後、私は気になっていた質問を蓮にぶつけた。

「さっきなんて言ったの?ほら、耳元で」


あの強気勘違いデブ(あ、私も言いすぎか?)を一瞬でだまらせる文句とは一体…?と。


「…『てめえの汚ねえど頭(ドタマ)かちわってそっから手え突っ込んで奥歯ガタガタ言わせたろかごらあ』」
「ひいっ!!」


淡々と言う蓮が逆に怖い…;

⏰:08/08/02 00:40 📱:SH905i 🆔:T7ettLIc


#509 [みい]

「そ、そんなのどこで…」


覚えたの?と言い終わる前に、蓮が答える。


「向こうの高校の連れの口癖」


…ははあ、すごい人とつるんでたんだなあ…;


「えっと、一応聞くけどその人って…」
「族とかじゃねえよ。最近念願の女と付き合えて浮かれてるただのあほだ」

⏰:08/08/02 00:41 📱:SH905i 🆔:T7ettLIc


#510 [みい]

「あ、意外とかわいらしいお方で…」


好きだった女の子と付き合えて浮かれる男の子の口癖があんなだなんて、あまり想像できないけど…;


「最近彼女といると理性吹っ飛んじまってやばいっつってたぜ?それでもかわいらしいか?」


にやりと笑う蓮。


…男ってやつはどいつもこいつも〜!//

⏰:08/08/02 00:42 📱:SH905i 🆔:T7ettLIc


#511 [みい]

「かわいくないっ!//」

蓮はそいつに言っといてやるよ、と笑いながら答える。



この時、私達はまだ気付いていなかった。


忍び寄る第2の悪魔の影に…。






「誰がデブだ…!にしても…へへっ、おもしろいもん見つけちまったな…」

⏰:08/08/02 00:43 📱:SH905i 🆔:T7ettLIc


#512 [みい]

………………………………

――*蓮Side*――

最近、とゆうか柚と映画を見に行ったあの日以来、誰かにつけられている気がしてならない。


登下校中、気配を感じる。何者かに盗み見されているような気分なのだ。

「まじかよ、おい、大丈夫なのか?」


そう漏らすと、珍しく矢野が真剣な顔をして聞いてくる。

⏰:08/08/02 00:45 📱:SH905i 🆔:T7ettLIc


#513 [みい]

「お前に心配されるほど柔じゃねえよ」


いつもどおり毒づくが、矢野は眉間に皺を寄せたまま。


「蓮は男だから大丈夫だろうけど、柚ちゃんは…」
「わかってる。できるだけ1人で行動させねえようにしとく」


そう、問題は柚だ。

どこのどいつだかも、目的が何なのかも知らないが、柚に何かあったらもちろんただじゃおかねえ。

⏰:08/08/02 00:46 📱:SH905i 🆔:T7ettLIc


#514 [みい]

「蓮…」


矢野の震える声が聞こえ顔を上げると、いつかのように勢いよく肩を掴まれる。


「なんだよ?」
「俺が柚ちゃん守りたかったあ〜!なんでお前なんだよ!さっきのかっこいい台詞、俺に譲れ!」


この期に及んでこの男は…。まじどうしようもねえ奴。


泣き叫ぶ矢野を尻目に、俺はまだ見ぬ敵に思いを馳せていた。

⏰:08/08/02 00:47 📱:SH905i 🆔:T7ettLIc


#515 [みい]

………………………………

「知らねえ奴来ても絶対玄関開けんなよ」
「うん」

「宅配便だったら俺んちに預かってもらうように言え」
「うん」


「変な電話かかってきたらすぐ切れ」
「はいはい」

「一人でふらふら出歩くな」
「はーい」


「…ちゃんと聞いてんのか」

⏰:08/08/02 00:48 📱:SH905i 🆔:T7ettLIc


#516 [みい]

「聞いてるってば!てゆうかもう暗記しちゃったし…。最近、蓮そればっか言うんだもん」


柚が不服そうに口を尖らせる。
俺はそんな柚の文句を無視し、さらに念を押した。


「外歩いてるとき、怪しい奴にはついてくなよ」
「幼稚園児じゃないんだからそれくらいわかってる!バイバイ!」


もう、と頬を小さく膨らませながら柚は家に入っていった。

⏰:08/08/02 00:48 📱:SH905i 🆔:T7ettLIc


#517 [みい]

…まあ、家にいれば何されることもないだろうし安心なんだけど。万が一何かあったらすぐ連絡するように言ってあるし。


RRR……


ポケットの携帯が震え、少しドキっとした自分が情けなくなる。


画面を見ると、『石川弘樹』の文字。


…ちょうどよかった。こないだこいつの口癖が役立ったことに礼でも言っておくか。

⏰:08/08/02 00:49 📱:SH905i 🆔:T7ettLIc


#518 [みい]

俺は通話ボタンを押した。


…………………………………

――*柚稀Side*――

私は夕刊を取りに階段を降りていく途中、最近の蓮について考えていた。


蓮ったら、最近何を思ってあんな口うるさく言ってくるんだろ。


「なんで?」って聞いても「なんでも」って言って取り合ってくれないし…。

⏰:08/08/02 00:50 📱:SH905i 🆔:T7ettLIc


#519 [みい]

「もーう、蓮ったら…」


私だって子供じゃないんだから、何を今更…とぶつぶつ言いながらポストに手を突っ込んでいると、


「俺がなんだって?」


…背後に悪魔さんの気配…;


恐る恐る振り向くと…やっぱりいました。腕組みして立っておられます。何度見てもなかなか迫力ある出で立ちでございます、はい。

⏰:08/08/02 00:51 📱:SH905i 🆔:T7ettLIc


#520 [みい]

「あ、いや、あの…」


どぎまぎと口ごもる私を見て、蓮は、


「まあ何でもいいや。ちょっと付き合え」


と言って私の腕を掴み歩き出す。


「ちょっ、こんな時間からどこ行くの!?」


時計塔の長針はとっくに夕方6時を回っているのだ。

⏰:08/08/02 00:52 📱:SH905i 🆔:T7ettLIc


#521 [みい]

「んー、ちょっとな」


そう答える蓮の横顔が、少しいつもと違うように見えたのはやはり見間違いではなかったと、私は後に悔やむことになるのだ…。



………………………………

「蓮?ここって…」

蓮に連れて来られたのは、近所の工事現場の倉庫。


蓮は無言で掴んでいた私の腕を放し、私の肩を思い切り押す。

⏰:08/08/02 00:53 📱:SH905i 🆔:T7ettLIc


#522 [みい]

「痛っ…!」


蓮に押された衝撃に、そのまま倒れ込み、足をくじいてしまった。


「れ、蓮…?どうしたの…?」


足の痛みのせいで立ち上がれない私を、冷たく見下ろす蓮。背筋がぞくっとする。


無表情なのはいつもと同じこと。でも、何かがいつもの蓮と違う。

何?一体何が起こったの…?

⏰:08/08/02 00:54 📱:SH905i 🆔:T7ettLIc


#523 [みい]

見上げると、冷たく無表情だった蓮の口元がふっと緩み、


「俺は蓮じゃねえよ、柚稀ちゃん」


という言葉と、鼻で笑う音が耳に響いた。







……レンジャ、ナイ…?



⏰:08/08/02 00:57 📱:SH905i 🆔:T7ettLIc


#524 [みい]

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
更新Stopします
また弘樹出しちゃいまし
た、、知らない方、すみ
ません・・恋愛模様・・
を見てもらえるとわかり
ます(軽く宣伝←)

感想等よかったらもらえ
ると嬉しいかぎりです
お待ちしております
>>1みい感想板
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

⏰:08/08/02 01:01 📱:SH905i 🆔:T7ettLIc


#525 [みい]

何…どうゆうこと…?


だって、顔が…顔が、蓮にそっくり…。


いや、そっくりなんてもんじゃない。



「全く一緒」だ。



目の前の蓮が、「俺は蓮じゃない」って言っている。でも…どう見たって……。

⏰:08/08/04 21:57 📱:SH905i 🆔:obrxLMmQ


#526 [みい]

「俺は、蓮の双子の片割れ」



混乱した頭に、衝撃的な事実がエコーをかけて響く。


双子…?蓮、双子だった…の?
嘘よ、だって私は蓮が小2の時に引っ越してきた頃から知っている。
…それ以前のことは、知らないけど…。


「初耳だ、って顔してんな。やっぱ聞いてなかったんだ。…ま、そりゃそうか」

⏰:08/08/04 21:59 📱:SH905i 🆔:obrxLMmQ


#527 [みい]

彼はくくっと渇いた声で笑ったあとしゃがんで、驚きで声も発せない私に目線を合わせる。


「俺はなあ、親父に捨てられたんだよ」


頭を金づちか何かで強く打たれた気分だった。


親父って…蓮のお父さん?小さいとき、何回か会ったことがある。蓮とは違って優しそうで、ほんわかしてて…


そんなあのおじさんが、捨てた?この人を?

⏰:08/08/04 22:01 📱:SH905i 🆔:obrxLMmQ


#528 [みい]

「まだ俺が5歳のとき、あのくそじじい…蓮と2人で消えたんだ。そのあとの俺は、アル中の母さんとふたりきり」


自嘲気味に笑う彼を見て、私ははっと思わず息を飲む。
そんな…そんなことがあったなんて…。


「で、ここに双子のうち出来の悪い方、雨宮淕(アマミヤ リク)の誕生ーってわけ」


ふんっ、と鼻で笑うと、淕…は立ち上がって私を見下ろす。

⏰:08/08/04 22:05 📱:SH905i 🆔:obrxLMmQ


#529 [みい]

「…柚稀ちゃん。俺はね、許せないんだよ。俺を見捨ててのこのこ生きてる親父が。…染谷蓮が、ね」


憎しみがこもった言葉とは裏腹に、淕の声には抑揚がない。


「こっちに戻ってきてるって小耳に挟んでさ。この上ない復讐のチャンスだと思った」


にやりと口角を上げる淕に、胸がざわつく。蓮が…蓮の身が、危ないかもしれない。

足の痛みを我慢し、弾みをつけて立ち上がる。

⏰:08/08/04 22:07 📱:SH905i 🆔:obrxLMmQ


#530 [みい]

でも、またすぐに強く押され、倒れ込んでしまう。

「悪いけど、柚稀ちゃんにはちょーっとばかし手伝ってもらうよ」


淕はそう言い、


「おい、そろそろいいぞ、出てこい」


と誰にともなく招集をかけ始めた。

すると、ごちゃごちゃした物の影から一人、また一人と男が出てくる。

⏰:08/08/04 22:11 📱:SH905i 🆔:obrxLMmQ


#531 [みい]

その中には、1週間ほど前、私に話し掛けてきた巨体男の姿があった。


「久しぶりだね、お嬢ちゃん」


この人だ…この人が淕に、言ったんだ…。蓮に会ったことを。


「い、や!来ないで!」


どうにか立ち上がり、必死で逃げるものの、引きずる足が邪魔をして上手く走れない。

⏰:08/08/04 23:12 📱:SH905i 🆔:obrxLMmQ


#532 [みい]

ポケットから携帯が落ちる。でも、それを拾う余裕もない。


「なんで逃げるの〜?俺らと楽しいことしようよ、ね?」


ケラケラ笑いながら追い詰めてくる連中。私はもう、恐怖に頭がおかしくなりそうだった。


………………………………

――*蓮Side*――

あんなに注意したのにっ…!

⏰:08/08/04 23:12 📱:SH905i 🆔:obrxLMmQ


#533 [みい]

30分前、柚の母さんから電話があって俺は家を飛び出した。


夕刊取りに行ったついでにコンビニにでも行っただけだと思いたいが…


前回と同じように、柚が行きそうな場所を当たってみるが、あいつの姿はない。


道に突っ立って周りを見渡していたとき、携帯が鳴った。

⏰:08/08/04 23:14 📱:SH905i 🆔:obrxLMmQ


#534 [みい]

発信元を見ると、「早瀬柚稀」になっている。俺は直ぐさま通話ボタンを押した。


「柚かっ!?おい、今どこに…っ」
『残念!柚稀ちゃんではありませーん』


しかし俺の声に応えたのは柚ではなく、嘲笑を含んだ男の声。


「…誰だお前」
「…マジでわかんねーの?」


最初の声は高くてわからなかったが、二言目で気付いた。

⏰:08/08/04 23:16 📱:SH905i 🆔:obrxLMmQ


#535 [みい]

こいつ…俺と同じ声してやがる…!


思い当たるふしが出てきた。でもまさか、そんな…。なぜ今更?


「…柚稀をどこにやった」


とりあえず今は相手が誰かなんてどうでもいい。柚が第一だ。


『ああ…柚稀ちゃん?柚稀ちゃんならうちの奴らがかわいがってくれてるよ…』

⏰:08/08/04 23:17 📱:SH905i 🆔:obrxLMmQ


#536 [みい]

何だと…っ!?


耳に神経を集中させると、後ろに聞こえる騒がしい声。


「柚っ!?おい柚稀!」
『聞こえるわけねーじゃん』


ククッと笑う相手。俺は怒りに携帯を握りつぶしてしまいそうだった。


くそっ…どこにいんだよ…!

⏰:08/08/04 23:18 📱:SH905i 🆔:obrxLMmQ


#537 [みい]

震える拳を握りしめ、精神を落ち着かせて耳をすます。


やけに響く声と、鉄骨が倒れるような音…


…!あそこかっ…!


『ま、あの女が大事なら、急いだほうがいいぜ。じゃーな』


甲高い笑い声と共に電話が切れると同時に、俺は一目散に駆け出した。

⏰:08/08/04 23:18 📱:SH905i 🆔:obrxLMmQ


#538 [みい]

どうかっ…、どうか、間に合ってくれ…!


柚…っ!


………………………………

――*柚稀Side*――


私は薄暗く、だだっ広い倉庫の中でひたすら逃げ回っていた。


「やめてよっ!来ないでったら…!」

⏰:08/08/04 23:20 📱:SH905i 🆔:obrxLMmQ


#539 [みい]

「お嬢ちゃーん、そろそろ鬼ごっこは終わりにしねえ〜?」


巨体率いる7、8人の集団が、壁で行き止まりになってしまった私ににじり寄ってきた。


「来ないでったら!」


息を切らしながらそこら辺に転がっているものを手当たり次第に投げ付けるが、そんなの何の効果もない。


淕が遠くの壁にもたれたまま、こっちを見て笑っているのが目に入った。

⏰:08/08/04 23:21 📱:SH905i 🆔:obrxLMmQ


#540 [みい]

…悪魔だ。あの人こそ、正真正銘の悪魔…。


そんなことを考えながら、最後の鉄屑を投げた時だった。


ガシャーン!!


派手な音と共に、倉庫の扉が開く。逆光で顔は見えないけど、あの人影は……


「柚稀はどこだ」


蓮だ…。蓮が、来てくれた…。

⏰:08/08/04 23:36 📱:SH905i 🆔:obrxLMmQ


#541 [みい]

蓮はつかつかと倉庫の中に足を踏み入れてゆく。


淕が蓮の前に立ちはだかった。


「久々だね、兄さん」
「…ああ」


双子の兄弟の…十数年ぶりの、再会。同じ顔でも全く異なる表情。淕はにやにやと笑い、かたや蓮は無表情。


感動も糞もない。私はよくわからないけど、何故かすごく悲しくなった。

⏰:08/08/04 23:43 📱:SH905i 🆔:obrxLMmQ


#542 [みい]

「…柚っ!!」


静まった空間に、途端に蓮の声が響いた。
どうやら、奥にいた私の存在に気付いたらしい。叫びすぎて声が掠れてしまった私は、口パクで大丈夫、と繰り返した。


「ってめえ…!」


逃げ回ったせいで散々乱れた私の着衣や、転んでできた擦り傷を見遣ると、蓮は淕の胸倉につかみ掛かる。

⏰:08/08/04 23:44 📱:SH905i 🆔:obrxLMmQ


#543 [みい]

淕がその弾みでよろけると、


「おい、うちの淕に何してくれてんだよ」


さっきまで私を追いかけ回していた連中が、そう言いながらいつのまにか蓮達の横に立っていた。


「つーか何!?マジ超そっくり〜!ウケんだけど!」
「淕〜、こいつが例のお兄様かよ〜?」
「兄弟でいがみ合うなんて、皮肉だねえ〜♪」

⏰:08/08/04 23:45 📱:SH905i 🆔:obrxLMmQ


#544 [みい]

「だろ!?俺もこないだ会った時さ、一瞬淕が制服コスプレしてんのかと思ったし!」


様々な冷やかしの声が上がる中、淕が、


「…黙れ」


と一言命令すると、一気にその場が静まり返った。


「兄さん、元気だった?」


胸倉を掴まれたまま、淕が口を開く。

⏰:08/08/04 23:48 📱:SH905i 🆔:obrxLMmQ


#545 [みい]

「……」


蓮は答えず、淕を睨みつけるだけだ。


「…俺は元気だったよ、お蔭さまでね」


淕は皮肉混じりにそう言うと、力が緩んだ蓮の腕を振り払う。


「小学校では母子家庭で、しかもその母親がアル中ってことでいじめられて、中学入った頃から荒れ始めて…」

⏰:08/08/04 23:49 📱:SH905i 🆔:obrxLMmQ


#546 [みい]

「高校にも行かずにふらふらしてる俺に比べて、兄さんなんて今は高校生してるんだもんね。偉いねえ〜」


わざとらしく溜息をつき、蓮を見る淕。


「…何が目的だ」


蓮は淕のことは見ず、私のほうを見ながら淕に問う。
淕も同じ様にこちらをちらっと見遣ったあと、


「…まあ、とりあえず…」

⏰:08/08/04 23:50 📱:SH905i 🆔:obrxLMmQ


#547 [みい]

口元に笑みを浮かべ、顎に手をやったまま考え込む淕。


次の瞬間、淕はまるで名案とでも言うように、手を叩きながら「目的」を蓮に告げた。


「土下座してよ、ここで」



蓮の眉がぴくりと動くのが、遠くからでもわかった。


「聞いてんの?どーげーざ!」

⏰:08/08/04 23:51 📱:SH905i 🆔:obrxLMmQ


#548 [みい]

淕は楽しそうにケラケラと笑う。他の連中も笑っている。


蓮が私に再び目を向ける。私は、何度も強く首を横に振った。


そんなこと、する必要なんかない…!私なら自力で逃げれるから、気にしないで…!


「早くしないと、柚稀ちゃんがどうなるかわかんないよ?」


淕の言葉を合図に、巨体男がこちらへ近付いてきた。

⏰:08/08/04 23:53 📱:SH905i 🆔:obrxLMmQ


#549 [みい]

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
更新Stopします
あまり面白くない展開か
もしれませんが感想
もらえるととても嬉しい
ので、どうかよろしくお
願いいたします、、

>>1みい感想板
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

⏰:08/08/04 23:56 📱:SH905i 🆔:obrxLMmQ


#550 [´゚ω゚`]
おもしろいです
>>257-400
>>401-500

⏰:08/08/05 00:29 📱:SO702i 🆔:IDGAKT62


#551 [我輩は匿名である]
>>500-550
>>550-600

⏰:08/08/05 01:10 📱:SH903i 🆔:uAwVNVbE


#552 [くぴ]
あげ

⏰:08/08/06 17:08 📱:P705i 🆔:N7qaU0MY


#553 [ayaka]
あげちゃうぜw

⏰:08/08/06 17:33 📱:PC 🆔:nWS/TAzU


#554 [そら]
あげます
いつもみてます
頑張って下さい

⏰:08/08/06 21:42 📱:P903i 🆔:☆☆☆


#555 [我輩は匿名である]
>>250-300
>>300-350
>>350-400
>>400-450
>>450-500
>>500-550

⏰:08/08/07 20:31 📱:W51P 🆔:.3Sb9.RY


#556 [夜蝶]
あげる

⏰:08/08/07 23:40 📱:911T 🆔:uIqAaxmo


#557 [みい]

>>548
私は、あんたなんか恐くもなんともないんだからっ!という目でデブのことを睨みつける。


デブが冷やかすように「お〜怖っ!」と笑いながら私に歩み寄ってきていた時…



「わかった」



突然蓮の声が響いた。


「へ……?」

⏰:08/08/08 11:58 📱:SH905i 🆔:V2IHnmoY


#558 [みい]

さっきまで出なかった声が、掠れて自分の喉元を通り自分の口から零れたのがわかった。


なに…?蓮、何が「わかった」の?何に同意したの…?


「だから、そいつには近付くな」


そう言い、デブに睨みをきかす蓮。デブは鼻で笑ったあと、再び蓮のいる方へ歩き出した。


「…柚、目え閉じろ」

⏰:08/08/08 12:00 📱:SH905i 🆔:V2IHnmoY


#559 [みい]

蓮が私を見ないまま命令する。


何?私が目を閉じたら、あなたは何をするの?…淕に、土下座…する、の?

そんなの嫌だ。蓮がそんなことしなくたっていいじゃない。どうしてそんなことする必要があるの?


蓮は視界の隅に映った、いやいや、と首を横に振る私に気付き、


「早く閉じろっつってんだよ!」


と声を荒らげる。

⏰:08/08/08 12:01 📱:SH905i 🆔:V2IHnmoY


#560 [みい]

私はその声にびっくりして、思わず目をぎゅっとつぶった。



しーんとした真っ暗闇の中、


「悪かった」


と蓮の声が響く。



ああ…。今、あのプライドの高い悪魔が、屈辱に耐えながらも実の弟に…ひざまづいているんだ…。

⏰:08/08/08 12:02 📱:SH905i 🆔:V2IHnmoY


#561 [みい]

蓮のそんな姿なんか見たくない。想像だってしたくない。


私は閉じた瞳にさらに力を入れ、唇を噛み締めた。


「…いー眺め」


馬鹿にしたような口調…。同じ声だけど、これは淕のものだろう。


コツコツと、足音が近付いてくる。その音は、私の前で止んだ。


「ねえ柚稀ちゃん。見なよ、あいつの無様な姿」

⏰:08/08/08 12:03 📱:SH905i 🆔:V2IHnmoY


#562 [みい]

…淕だ。


私は強く頭を横に振った。だって蓮はそんな姿、私に見せたくないに決まってる。だから命令したのだ。


すると、舌打ちが聞こえ、


「見ろっつってんだろーがよ!ぁあ!?」」


と脅すような口調で肩をがしっと掴まれ、そのまま強く揺さ振られる。

「そいつには触んな!」

⏰:08/08/08 12:06 📱:SH905i 🆔:V2IHnmoY


#563 [みい]

蓮の怒鳴り声に、薄く目を開けると、既に立ち上がっている蓮が向こうに見えた。


「…兄さん、ちょっとそいつらと遊んでてよ」


淕が言い終わらないうちに、デブを始めとする連中が後ろから蓮に飛び掛かったのがわかった。


「蓮っ!」


私は蓮の元へ駆け寄ろうとしたが、淕に押さえ込まれてしまう。

⏰:08/08/08 12:07 📱:SH905i 🆔:V2IHnmoY


#564 [みい]

「…っ何すんのよ!放してっ!」


もがいてもあがいても、男の力になんか到底敵いっこない。


「柚稀ちゃんはその間俺と遊んでよーよ。どうせ同じ顔じゃん」

「あんたなんかっ…あんたなんか、蓮の足元にも及ばない!このカス!クズ!」


思い切り睨みながらそう吐き捨てると、淕は目を丸くし、そのあと笑い出した。

⏰:08/08/08 12:08 📱:SH905i 🆔:V2IHnmoY


#565 [みい]

「兄さんってこんな女が趣味なんだ…。俺、こんな気の強い女はパスだわ」


こっちだってあんたみたいな最低男なんか願い下げだ。


でも…と淕は私の顎に手をかけ、


「染谷蓮のものは、全て奪う」


と私の耳に口づける。


私は、あまりの気持ち悪さに全身が震え、吐き気まで催した。

⏰:08/08/08 12:09 📱:SH905i 🆔:V2IHnmoY


#566 [みい]

「兄さんとはどこまでいったの?もうヤっちゃった?」
「そんなのっ…あんたに関係ないっ!」


吐きそうなのを我慢してどうにか答えると淕は、


「ふーん…その様子だと…まだ、だね」


とニヤついた。


図星で、不覚にも顔が熱くなる。

⏰:08/08/08 12:10 📱:SH905i 🆔:V2IHnmoY


#567 [みい]

「じゃあ兄さんには悪いけど…俺がお先に柚稀ちゃんをいただこうかな」


淕は私に顔を近付けてきた。


嫌だ…嫌だよ。蓮とじゃなきゃ。蓮以外の人となんか…。


「…イタダキマス」


面白がるような淕の声が間近で聞こえ、私は強く目を閉じる。


その時だった。

⏰:08/08/08 18:28 📱:SH905i 🆔:V2IHnmoY


#568 [みい]

バキイッ!


物凄い音が聞こえ、私を押さえ付ける力が急になくなったのだ。


驚いて目を開けると、淕の姿もない。


そして、淕の代わりに私の視界に入ってきたのは…


「無事かっ…?」


紛れも無い、蓮だった…。

⏰:08/08/08 18:29 📱:SH905i 🆔:V2IHnmoY


#569 [みい]

「れ、蓮…っ」


あまりの安堵感に、我慢しきれず涙をこぼす私を、蓮は優しく抱きしめてくれた。


「今のうちに、お前は早く逃げろ」


よく見ると、蓮は傷だらけだ。あれだけの人数を相手にしたのだ、まだマシなほうだろう。


「なんで?蓮も一緒に…」

⏰:08/08/08 18:30 📱:SH905i 🆔:V2IHnmoY


#570 [みい]

行こうよ、と言いかけた私を、蓮の言葉が遮った。


「俺は…まだ、こいつに伝えなきゃなんねえことがあるから」


そう言い、うずくまる淕を見る蓮。


「そんなのいいよ!こんな人に何言ったって無理だもん!」


こんな人、相手にするだけ時間の無駄だよっ…。

⏰:08/08/08 18:32 📱:SH905i 🆔:V2IHnmoY


#571 [みい]

私の必死の説得にも、蓮は首を縦に振ろうとしない。


「何をっ…」


何をそんなに伝えたいの?そう言いかけた時だった。


「よくも…やってくれたね、兄さん」


淕が立ち上がり、他の連中もボロボロになりながらも、いつの間にか私達を囲むように立っていたのだ。

⏰:08/08/08 18:33 📱:SH905i 🆔:V2IHnmoY


#572 [みい]

「柚っ!逃げろ!」


蓮の言葉に急いで逃げようとしたが、間に合わなかった。


「おーっと、逃がさないよ。まだまだお楽しみはこれからだからね」


淕に捕まえられてしまったのだ。


「兄さん。柚稀ちゃんを無事に家に帰したいならさ…」


淕がそこまで言うと、二人の男が蓮を取り押さえた。

⏰:08/08/08 18:34 📱:SH905i 🆔:V2IHnmoY


#573 [みい]

蓮はそのまま淕を見据えている。


「…抵抗しちゃダメだよ。一切…ね」


淕が言い切った瞬間、デブが蓮のお腹にパンチを食らわせた。


顔を歪めた蓮の口の端から、血が流れる。


「蓮っ!!」
「ショーはこれからだよ、柚稀ちゃん」


何人もの男が、一斉に蓮に飛び付いた。

⏰:08/08/08 18:36 📱:SH905i 🆔:V2IHnmoY


#574 [みい]

いや…蓮が、蓮が…。


時折見える蓮の姿は、もう血まみれだった。


「かっこいいね〜。そんなに柚稀ちゃんのこと、大切なんだ」


無関心そうに言う淕に、私は必死に訴えた。


「お願い、もうやめて…!このままだとっ…蓮、死んじゃう…!」


口に出すのすら恐ろしい。蓮が死んでしまう、なんて…。

⏰:08/08/08 19:00 📱:SH905i 🆔:V2IHnmoY


#575 [みい]

しかし、私の懇願への返事はあまりに残酷なものだった。


「死ぬ…?ああ、それもいいかもしれないね。どうせなら殺しちゃおっか」


楽しそうに笑う淕。


…この人、狂ってる…。


あまりに非情な言葉に、目眩がした瞬間だった。


凄まじい音と共に、何台ものバイクが入ってくる。

⏰:08/08/08 19:01 📱:SH905i 🆔:V2IHnmoY


#576 [みい]
<Font Size="-1">
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
更新Stopします
よかったら感想等もら
えると本当励みになる
ので、是非感想板のほ
うへお願いします

>>1みい感想板
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
/Font>

⏰:08/08/08 19:03 📱:SH905i 🆔:V2IHnmoY


#577 [†未来†]
とっても続きが気になります
無理をなさらず頑張って下さい

⏰:08/08/08 21:44 📱:SH904i 🆔:B0dN6uZM


#578 [我輩は匿名である]
>>577
感想板へ

⏰:08/08/08 21:50 📱:W53T 🆔:☆☆☆


#579 [みい]

沢山のバイクが私達の目の前で止まり、ぞろぞろと人が降りて近付いてくる。


「どこのどいつだおめえら。今から集会なんだよ、退け」


頭(カシラ)のような人が私達に向かって言い放つ。


淕は怪訝そうに舌打ちをした。


先程まで蓮を袋だたきにしていた連中は指示を待つように淕の顔色を窺っている。

⏰:08/08/10 00:44 📱:SH905i 🆔:stLV/.GY


#580 [みい]

「…なんだ、フクロか。狡い手使いやがって。おい、大丈夫か兄ちゃんよ」


頭が蓮を仰向けにした瞬間、


「いやあっ!」
「…!」


私は蓮のあまりにひどい姿に思わず悲鳴を上げた。


その時、なぜか頭も同じ様に息を飲んだのがわかった。


「矢野さん、どーしたんすか?」

⏰:08/08/10 00:45 📱:SH905i 🆔:stLV/.GY


#581 [みい]

…矢野?矢野って、まさか…。


「…俺のダチだ。おい、早くこいつ病院に連れてけ」


手下らしき人ははいっ!と返事をすると、もう力のない蓮をバイクの後部座席に座らせ、走っていった。


「…おい。てめえらをしきってんのはどいつだ」
「…俺だけど?」


頭の質問に淕が私を放し、声を上げる。

⏰:08/08/10 00:46 📱:SH905i 🆔:stLV/.GY


#582 [みい]

頭に近付いていく淕。


私は、目を凝らして頭の姿を見た。


いつもはゴムで縛ってある前髪が、今は下ろしてある。

教室での人懐こそうな笑顔なんて全く感じさせない、険しい表情。

そして、私のよく知る調子のよさそうな声の代わりに、低く相手を威嚇するような声色。



全てが普段と真逆だけど…あなたはもしかして…矢野君?

⏰:08/08/10 00:48 📱:SH905i 🆔:stLV/.GY


#583 [みい]

「…は?お前…」


淕の姿を目の当たりにした頭は、眉を寄せる。


「あんたのお友達の片割れだけど?」


淕は少し戸惑った様子の頭を見て、楽しそうに笑った。


「ふーん…そっか、そりゃ初耳だな」


頭がそう言い、辺りを見回した瞬間、私と目が合う。

⏰:08/08/10 00:49 📱:SH905i 🆔:stLV/.GY


#584 [みい]

「柚ちゃんっ!?」


私の姿を見て、声を上げる頭。


ああ、やっぱしあの矢野君だったんだ。あの、うちのクラスのお調子者の矢野君…。


「なんで、こんなところに…?」
「こっちの台詞だから!銀次、柚ちゃんも病院に…!早く!」


銀次と呼ばれた男の人が、淕から力ずくで私を取り上げた。


「大丈夫すか?」

⏰:08/08/10 00:50 📱:SH905i 🆔:stLV/.GY


#585 [みい]

銀次さんの問い掛けに、私は小さく首を縦に振った。


「すぐ着くんで、しっかり捕まってて下さい」


銀次さんは私を蓮のときと同じように後部座席に座らせる。


「矢野君…」


私が矢野君のほうを振り向くと、


「後は任せて。柚ちゃんは蓮の傍にいてあげな。ね?」

⏰:08/08/10 00:50 📱:SH905i 🆔:stLV/.GY


#586 [みい]

矢野君はそう言ってウインクをした。


「…うん…!」


私が返事をすると同時に、バイクが走り出す。


蓮…、蓮…!

どうか、どうか無事でいて…

あなたに何かあったら、私は…


私は……

⏰:08/08/10 00:51 📱:SH905i 🆔:stLV/.GY


#587 [みい]

…………………………

「…大丈夫っすよ」
「……」


私と銀次さんが病院に着いた時、蓮は既に手術室の中だった。


病院特有の暗い廊下に備わった、長いベンチに二人で腰掛ける。

「こんなに自分のこと思ってくれてる人がいるんすもん、そう簡単には逝けるはずないっす」


銀次さんは私に気を遣ってくれているのか、ひたすら私を励まそうとしてくれている。

⏰:08/08/10 00:52 📱:SH905i 🆔:stLV/.GY


#588 [みい]

「私がとろいから…逃げられなくてっ…、それで蓮が…っ」


そう。元はといえば私が逃げ損ねたせいで、蓮は無抵抗を余儀なくされ、殴り続けられたのだ。


「私のっ、私のせいでっ…」
「自分を責めちゃ駄目っす。蓮さんだってそんなこと思ってないすよ」


涙でぐちゃぐちゃになった顔を両手で覆うと、背中に温かい手の平の感触が生まれた。

⏰:08/08/10 00:53 📱:SH905i 🆔:stLV/.GY


#589 [みい]

それはきっと、金色の髪の毛を立たせ、頬に古傷をこさえた銀次さんのものだろう。


「柚さん、疲れてるんすよ。自分起きてるんで、柚さんは寝てて下さい」


何かあったらすぐ起こしますから、と背中を摩られる。


蓮の大事な時だ、寝るものか、と意地になって目に力を入れたが、夕方からの出来事で思った以上に体力を消耗していた私は、いつの間にか眠りに落ちてしまった。

⏰:08/08/10 00:55 📱:SH905i 🆔:stLV/.GY


#590 [みい]

……………………………

「…ずさん、ゆずさん」


…誰…?誰かに呼ばれている。私を呼んでいるのは…誰?


「柚さん」


うっすらと目を開けると、見慣れない金色の頭が映る。


「…ぎ、んじさん…?」


ああ、そうだ。昨日、私…。

⏰:08/08/10 00:55 📱:SH905i 🆔:stLV/.GY


#591 [みい]

そこまで思い出した途端、はっと頭が冴え渡る。


「蓮!蓮はっ…!?」
「手術自体は夜中に終わったんす。で、さっき麻酔が覚めて…」


縋り付く私に、銀次さんは落ち着いた口調で説明してくれた。


「蓮さん、無事っすよ」


その一言を聞いた瞬間、足の力が一気に抜け、その場にへたりこんでしまう。

⏰:08/08/10 00:57 📱:SH905i 🆔:stLV/.GY


#592 [みい]

蓮…無事だった…。


そう心の中で繰り返すだけで、自然と涙がこぼれる。


「柚さん、早く病室行ってあげましょう?」


にこっと笑う銀次さんに涙を拭いて頷くと、私達は蓮の病室へ向かった。


………………………………


「柚稀ちゃん!?」

⏰:08/08/10 00:58 📱:SH905i 🆔:stLV/.GY


#593 [みい]

病室までの廊下を急いでいると、向こうから歩いてきた夫婦に声を掛けられる。


「おばさん…、おじ、さん……」


それは蓮の両親だった。


「柚稀ちゃん…恐かったわね、もう大丈夫よ」


おばさんが涙ぐみながら私の頭を撫でる。


「私の…私のせいで、すみません…っ」

⏰:08/08/10 00:59 📱:SH905i 🆔:stLV/.GY


#594 [みい]

「いやだ、柚稀ちゃんのせいなんかじゃないわよ!」
「近頃は変な連中が多いからな」


おばさんに続いておじさんが発した言葉に、私は胸が痛んだ。


おじさん…、あなたの、息子なんだよ…?蓮を襲ったのは…。


「もうぴんぴんしちゃって、すっかり元気なのよ」


顔出しに行ってあげて、とおばさんに促され、私達は再び足を動かす速度を速めた。

⏰:08/08/10 01:00 📱:SH905i 🆔:stLV/.GY


#595 [みい]

………………………………

「…ここっす」


601号室。看護婦さんの字で「染谷蓮」と書かれたプレートがはめられている。


「じゃあ俺はここで」
「ま、待って…」


踵を返した銀次さんを呼び止めた。なんだか、二人では会いづらい…。


「俺、邪魔じゃないすかね?」

⏰:08/08/10 01:01 📱:SH905i 🆔:stLV/.GY


#596 [みい]

困ったように聞く彼に、私は少し罪悪感を覚えた。


「邪魔なんかじゃ…。面倒臭いこと頼んでごめんなさい」


私が謝ると、銀次さんは焦ったようにいやいや、と首を振る。


「…じゃ、入りますよ?」


ドアに手をかける銀次さんの後ろに隠れるようにして、病室に入った。

⏰:08/08/10 01:02 📱:SH905i 🆔:stLV/.GY


#597 [みい]

「失礼します」
「…誰?」

個室のベッドの上に…蓮がいる。外を見つめているようで、私達のほうを見ないままだ。


「……れ、ん?」


上擦る声を振り絞って呼びかけると、蓮はゆっくりとこちらを向いた。


「…よお、ばかゆず」


そう言ってニヤつく蓮の姿が、涙でよく見えない。

⏰:08/08/10 01:03 📱:SH905i 🆔:stLV/.GY


#598 [みい]

「ふえっ…蓮…?ほんとに蓮…?」「俺以外に誰だっつんだよ」


意地悪な笑顔も、憎まれ口も、ほんのちょっとだけ優しい目も…蓮だ。蓮が、ここにいる。


「…っ、蓮〜っ!」


私は全力で蓮のベッドまで駆け寄ると、思い切り蓮に抱き着いた。


「大声出すな、傷口に響く」


キツイ文句とは裏腹に、蓮は私の頭を優しく撫でてくれる。

⏰:08/08/10 01:04 📱:SH905i 🆔:stLV/.GY


#599 [みい]

蓮が、生きてる。生きて、こうして私を抱き留めてくれている。


それを実感するだけで次から次へと涙は溢れ、私の頬を濡らした。



「ところで、そいつ誰?」


蓮にそう聞かれるまで、失礼なことに私はすっかり銀次さんの存在を忘れていた。


銀次さんの前で蓮に抱き着いたことがとても恥ずかしく感じられ、私は咄嗟に蓮から離れる。

⏰:08/08/10 01:04 📱:SH905i 🆔:stLV/.GY


#600 [みい]

「銀次さん。私をここまで連れてきてくれて、ずっと一緒にいてくれたの」


銀次さんには感謝の一言に尽きる。彼がいなかったら、きっと私は取り乱して、収拾がつかない状態になっていただろう。


私に紹介されぺこりと頭を下げた銀次さんを、蓮は興味なさそうにふーん、と見遣り、


「こいつが世話になったな。…悪いけど出てけ」

⏰:08/08/10 01:06 📱:SH905i 🆔:stLV/.GY


#601 [みい]

と感謝の言葉と同時にまさかの邪魔物扱い。


「蓮!なんてこと…」
「いやいやいいんすよ、柚さん」


蓮への非難の言葉を、苦笑した銀次さんが遮る。


じゃ、お大事にと笑顔で再び頭を下げ、銀次さんは病室を後にした。


「なんでそんなひどいこと言うの!?」

⏰:08/08/10 01:07 📱:SH905i 🆔:stLV/.GY


#602 [みい]

銀次さんがいなくなった病室で、私は蓮に抗議する。


「すごくお世話になったのに…!失礼じゃない!」


が、当の本人は知らん顔して髪の毛を邪魔くさそうにかきあげるだけ。


これにはいくら病人といえど、さすがに私の堪忍袋の緒も切れる。


「蓮っ!聞いてるの!?」

⏰:08/08/10 01:08 📱:SH905i 🆔:stLV/.GY


#603 [みい]

私が椅子から身を乗り出した瞬間だった。


ぐ、と腕を強く捕まれる。


「…邪魔なんだよ」
「……へ?」


何が?何の話よ?


頭の上に?のマークを浮かべる私を見て、蓮は長いため息を一つついた。


「あいつがいたらキス出来ねえだろ」

⏰:08/08/10 01:09 📱:SH905i 🆔:stLV/.GY


#604 [みい]

……きす、ですか?


ああ!キスね!なるほどなるほど、それは確かに…って、


「ぇえ!?なっ!きっ、キス!?//」
「だから…傷口に響く…」


顔を歪める蓮を見て、私は咄嗟に口を覆った。


「…それとも何?あいつに見せ付けたほうが燃えた?」


意地悪く笑う蓮に、茹でだこみたいに顔が赤くなる。

⏰:08/08/10 01:11 📱:SH905i 🆔:stLV/.GY


#605 [みい]

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
更新Stopします
想等もらえるととても嬉
しいので、感想板のほう
へ是非お願いします

>>1みい感想板
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

⏰:08/08/10 01:14 📱:SH905i 🆔:stLV/.GY


#606 [みい]

「そっ、そんなわけっ…!」
「ねえだろ?だから出てってもらった、それだけ」


っしょ、とゆっくり上半身を起こす蓮。パジャマの胸元から、胸からお腹にかけて包帯が巻かれているのが見えた。


「蓮…怪我、だいじょ…わっ!?」


いきなり、掴まれていた腕がぐっ、と引き寄せられ、私達の顔の距離は30センチくらい。

⏰:08/08/12 22:42 📱:SH905i 🆔:F8dJwfHI


#607 [みい]

「大丈夫じゃねえ。お前のせいで」


真正面で無表情のままそう言われ、私は俯くしかない。



――『お前のせいで』



蓮の一言が心に重くのしかかる。

ね、銀次さん。やっぱり私のせいなんだよ…。蓮だって、私を責めてる。


「ごめっ、なさい…」

⏰:08/08/12 22:44 📱:SH905i 🆔:F8dJwfHI


#608 [みい]

蓮の顔が見れない。私をどんな目で見ているのか、知るのが恐くて。


「ご、ごめっ……」


せめてちゃんと謝らなければ、と頑張ってみても、溢れる涙のせいで思うように言葉が出てこない。


「柚、泣くな」


この頃よく蓮に「泣くな」って怒られる気がする。

⏰:08/08/12 22:46 📱:SH905i 🆔:F8dJwfHI


#609 [みい]

「…っとに、お前は冗談通じねえ奴だな」


蓮が頭をぐしゃぐしゃとしながら、溜息混じりに呟く。


「じょー、だん?」
「そ、冗談。お前のせいなんかじゃねえから気にすんな」


蓮はそう言って、私の頬の涙を乱暴に手の平で拭ってくれた。


「…悪かったな、恐い思いさせて。怪我とかしてなかったか?」

⏰:08/08/12 22:47 📱:SH905i 🆔:F8dJwfHI


#610 [みい]

私はぶんぶんと首を横に振る。

昨日は恐かったけど、蓮がいなくなっちゃうかもしれないことの方が、想像しただけでも何億倍も恐かった。


蓮は私が無傷だと知って、安心したように長く息を吐く。


それでも尚泣きつづける私に、痺れを切らしたようだった。


「泣くなっつーの。…俺、お前が泣くの、なんか苦手ってゆうか…調子狂う」

⏰:08/08/12 22:49 📱:SH905i 🆔:F8dJwfHI


#611 [みい]

「…よく泣かしてたくせに」


私が少し嫌味ったらしく言うと、


「昔の話だろ。いっちょ前に揚げ足取ってんじゃねえよ」


と私のおでこを小突く蓮。


自分でも涙を拭きながらへへ、と笑うと、蓮も無言で微かに口角を上げる。


「…ってわけで……」

⏰:08/08/12 22:51 📱:SH905i 🆔:F8dJwfHI


#612 [みい]

…ん?んんん?


途端に穏やかな空気が一変したのが感じられた。


さっきまでより更に強く掴まれた私の右腕。

熱を帯びた色に染まる蓮の瞳。


「れ、蓮…?あの…っ」


これはっ…、この雰囲気はっ…!

⏰:08/08/12 22:52 📱:SH905i 🆔:F8dJwfHI


#613 [みい]

「そ、そろそろ私、行くねっ…」


明らかに動揺した私が席を立った瞬間、思い切り腕を引っ張られ、再びお互いの顔が近づいた。


「まだ、帰さねえ」


真剣な表情でそんなことを言われると、一気に恥ずかしくなってしまう。


静かな中、自分の心臓の音だけがバクバクとうるさく、蓮にも聞こえてしまうかも、なんて変な心配まで生まれる始末だ。

⏰:08/08/12 22:53 📱:SH905i 🆔:F8dJwfHI


#614 [みい]

「柚…」


こんなに近くで自分の名前を甘く囁かれると、余計に胸が高鳴る。


息をすることすらままならない。それほど私は緊張していた。

なにせこうゆう雰囲気にはどうも慣れないもので…。


「…再会を祝して」


蓮が薄く笑い、近付いてきたのがわかった。

⏰:08/08/12 22:54 📱:SH905i 🆔:F8dJwfHI


#615 [みい]

私は強く目を閉じ、覚悟を決めた…が。


「……はれ?」


蓮の唇が触れたのは、意外や意外、私の唇…ではなく。


「涙、残ってたから」


まだ涙の跡が消えずにいる、私の頬だった。

⏰:08/08/12 22:55 📱:SH905i 🆔:F8dJwfHI


#616 [みい]

唇を舐め、しょっぺえ、と顔をしかめる蓮を見て、私はいてもたってもいられないくらいの恥ずかしさに襲われる。


当然のように、唇にされるものだと思い込んでいた自分が、ひどく自惚れているように思えたのだ。


真っ赤になってしまった顔が蓮に気付かれないよう俯くが…


「なに顔赤くしてんの?」


…ばーれーてーるー……。

⏰:08/08/12 22:57 📱:SH905i 🆔:F8dJwfHI


#617 [みい]

「や、べ、別っ、に!?」


自分でもどんだけだよ、とツッコミたくなるほどのきょどりようだ。


「…こっち向いてみ」


何となく、勘だけど、蓮の声色がおもしろがっているようなものに思える。


…絶っっ対嫌だ!!こんな林檎みたいな顔、笑われるに決まってる!

⏰:08/08/12 22:59 📱:SH905i 🆔:F8dJwfHI


#618 [みい]

断固拒否、とでも言うように、私は蓮から素早く顔を背ける。


「柚、こっち向けって」


嫌だってば!あんたはそんなに私を笑い者にしたいのか!


無視を決め込む私に、蓮もいい加減苛立ったようだった。


無言で腕を引っ張られる。


「きゃっ…」

⏰:08/08/12 23:01 📱:SH905i 🆔:F8dJwfHI


#619 [みい]

咄嗟の出来事に、とろい私はもちろんされるがままで。


思い切り蓮の胸に飛び込む形になってしまった。


本能的につぶった目を恐る恐る開くと、目の前に映るは包帯が巻かれた蓮の胸板。


「…いってえ……」


勢いよくぶつかってしまったせいか、蓮が微かに声を漏らした。

⏰:08/08/12 23:02 📱:SH905i 🆔:F8dJwfHI


#620 [みい]

私はそれに反応し、慌てて顔を上げる。


「ご、ごめん!大丈夫!?」







……やられた。




真正面に蓮の意地悪な笑み。

⏰:08/08/12 23:05 📱:SH905i 🆔:F8dJwfHI


#621 [みい]

こっ、この男…!騙しやがったな…!


「俺は平気だけど、お前は大丈夫か?」
「は!?」


蓮の言っている意味がわからなくて、少々強気に聞き返すと、


「…顔、真っ赤」


という声と同時に、私の頬が両手で包み込まれた。


…完敗、です…。

⏰:08/08/12 23:08 📱:SH905i 🆔:F8dJwfHI


#622 [みい]

「何かあった?なんでそんな赤いわけ?」


明らかに面白がっている蓮の質問。


くそー…。答えるまい!てゆーか答えられません!


両頬を蓮の手に支配され、顔を動かすことができないので、かろうじて視線だけでも下に落とす。



「…さっきの、さ」

⏰:08/08/12 23:09 📱:SH905i 🆔:F8dJwfHI


#623 [みい]

蓮はそこまで言うと、右手を私の頬から離す。


不思議に思ったが、視線を動かさないでいると、不意に唇に何かが触れて、思わずビクッとしてしまった。


「こっちの方がよかった?」


低く囁くような声と共に、蓮の指先が私の唇をなぞる。


「…っ!」

⏰:08/08/12 23:12 📱:SH905i 🆔:F8dJwfHI


#624 [みい]

驚きに思わず顔を上げると、お馴染みの、あの嫌ーな微笑みを浮かべる悪魔。


「そ、んなこと、ない…」


強気に振り払いたかったが、正直言うと少々図星だった私は、再び俯き弱々しい否定をする。


「あ、そ。俺はこっちのがよかったんだけどな」


そんなことを言いながら私の唇をなぞり続ける蓮。

⏰:08/08/12 23:14 📱:SH905i 🆔:F8dJwfHI


#625 [みい]

私の顔は沸点に達したやかんのように、湯気までたってしまいそうな勢いだ。


「……っ!」


俯いた私の両頬が蓮の手の平によって再び包まれ、反射的に少しだけ顔を上げた瞬間だった。


間近に蓮の顔が見えた直後、軽く触れ合う自分達の唇。


間もなく入ってくる蓮の舌。

⏰:08/08/12 23:15 📱:SH905i 🆔:F8dJwfHI


#626 [みい]

まるで命を持っているように、自在に私の咥内を侵していく。


「ふ……あっ……」


思わず声が漏れる。何かに頼らなければ瞬時に倒れ込んでしまいそうな私は、蓮のパジャマの襟元を掴むのに精一杯だ。


…それなのに。私はこんなにもいっぱいいっぱいなのに、も関わらず。


「……っ!?」

⏰:08/08/12 23:17 📱:SH905i 🆔:F8dJwfHI


#627 [みい]

敵はまだまだ余裕なのか、私の後頭部に手を回し、更に深く舌を侵入させてきたのだ。



…死ぬかも。



苦しみにもがきながらもぼんやりと冷静にそう思った時、


「蓮っ!…ぅわぁあああっ!!」


ガラッと音を立て、勢いよく病室に飛び込んで来た不運な人は…、矢野君です…。

⏰:08/08/12 23:19 📱:SH905i 🆔:F8dJwfHI


#628 [みい]

私は蓮が矢野君の登場により少しだけひるんだ隙に、蓮から即座に離れた。


…かなり恥ずかしいけど、グッドタイミングだよ、矢野君…。あなたは正真正銘、私の命の恩人です…。


「…ノックくらいしろよ」


思い切り不機嫌丸だしの蓮が、矢野君を睨み据えながら言う。


「おまっ、お前なあっ!病院のベッドはそういうことに使うものではっ……」

⏰:08/08/12 23:20 📱:SH905i 🆔:F8dJwfHI


#629 [みい]

対して矢野くんは、私と同じくらい顔を赤くして、蓮を指差しながら大声を出す。あわあわ、という擬態語がぴったりだ。


「うるせえな、まだ使ってねえだろうが」


心底面倒そうな顔をする蓮。


まだって!言っておきますけども、今後も使うつもりなんてないからね、私は!!


うう、と悔しそうに唸ったあと、矢野君は急に思い出したように神妙な顔つきになる。

⏰:08/08/12 23:21 📱:SH905i 🆔:F8dJwfHI


#630 [みい]

「ちょっと待ってて」

そう言って一度病室を出て、再び入って来た矢野君が連れてきたのは…


「……淕…」


雨宮淕、だった。


「どうしてやろうか悩んだんだけどさ、俺じゃ決めかねたから蓮に引き渡そうと思って」


矢野君はそう言い、淕を蓮のほうへ少し荒っぽく押し出す。

⏰:08/08/12 23:23 📱:SH905i 🆔:F8dJwfHI


#631 [みい]

淕はポケットに手を突っ込んだまま、ばつが悪そうに俯いている。頬には、大きな傷が出来ていた。


「…あんだろ?二人で話すことの一つや二つ」


矢野君は諭すようにそう言ったあと、私の手をとり病室を出ようとした。


「…矢野」


後ろで蓮の声が聞こえ、私達は立ち止まり、振り返る。

⏰:08/08/12 23:24 📱:SH905i 🆔:F8dJwfHI


#632 [みい]

「…さんきゅ」


矢野君は大きく目を見開いた後、照れ臭そうに笑ってまたドアに向かう。


「…おい、矢野」


そこでなぜか二回目の待ったがかかった。


私と矢野君が二人して今度は何か、と不思議に思いながら先程と同じように振り向くと、

⏰:08/08/12 23:26 📱:SH905i 🆔:F8dJwfHI


#633 [みい]

「柚に触んな」


蓮が指差すは、さっき矢野君に手をとられ、そのまま自然に繋がれた私達の手。


矢野君ははいはい、と苦笑すると私の手を放し、おどけるように両手を頭上に置いて病室を出た。



「蓮達…ふたりきりにしちゃって大丈夫かな?」


病室を出たあと、私は矢野君に小声で聞く。

⏰:08/08/12 23:28 📱:SH905i 🆔:F8dJwfHI


#634 [みい]

「大丈夫だよ。あんなんでも血の繋がった兄弟なんだから」


矢野君が笑ったその時、私は矢野君の頬に出来た、淕のものと同じくらい大きな傷に初めて気が付いた。


「矢野君っ…ほっぺた、怪我してる…!」
「え?…ああ、ほんとだ」


矢野君は自分の頬に手をやり、指先についた血をぺろっと舐めながら苦笑する。

⏰:08/08/12 23:29 📱:SH905i 🆔:F8dJwfHI


#635 [みい]

「早く手当してもらわなきゃ!ここ、病院だし…」
「だいじょーーぶ!こんくらい平気平気!俺の自然治癒力、まじ半端ないから!」


オロオロする私を茶化すようにウインクをする矢野君。でも、結構派手な傷だ。そんなわけにはいかない。


「駄目だよ、もしばい菌でも入ったりしたら…」


尚も診察を勧める私を、矢野君は目を細めるようにして見つめる。

⏰:08/08/12 23:30 📱:SH905i 🆔:F8dJwfHI


#636 [みい]

「…柚ちゃんは、優しいね」


てんで期待していなかった褒め言葉に、思わずきょとんとしてしまう。


「久々だな、こんなに人に心配してもらえるの」


どこか悲しみをたたえた笑みと独り言のような小さい呟きに、私の胸は締め付けられる思いがした。


「…俺のこと、恐くないの?」

⏰:08/08/12 23:31 📱:SH905i 🆔:F8dJwfHI


#637 [みい]

遠慮がちにそんな質問をするのはきっと、矢野君が持つもう一つの"顔"を私が知ってしまったからだろう。


「恐くなんかないよ。だって、矢野君は矢野君だもん」


最初はびっくりした。それは否めないが、本当の姿は、今私の目の前にいる彼なんだとわかるから。恐怖なんて感じない。


私の返事を聞いて矢野君は少し驚いたようだった。

⏰:08/08/12 23:32 📱:SH905i 🆔:F8dJwfHI


#638 [みい]

でも、またすぐに微笑み、


「そっか」


と私の顔を見る。


矢野君の過去や、どんな心の傷を負っているのかなんてこと、私は知らない。

でも、この優しい笑みの持ち主に、どうか誰かが幸せをもたらしてくれますように。


「柚ちゃんが手当してくれない?俺、医者って嫌いなんだ」

⏰:08/08/12 23:37 📱:SH905i 🆔:F8dJwfHI


#639 [みい]

長椅子に座り、私を上目に見て笑いながら問う矢野君に、私はこくんと頷いた。


………………………………

「いっ…たあー!痛い痛い!」


病院内のコンビニで買ってきたマキロンをティッシュに含ませ頬の傷口に押し当てると、廊下に響くぐらいの大声で矢野君が叫ぶ。


ちょっと…みんな見てるじゃん!恥ずかしいったらありゃしない…。

⏰:08/08/12 23:38 📱:SH905i 🆔:F8dJwfHI


#640 [みい]

「も、無理!柚ちゃんもういいよ!」


泣きそうに、というか半分泣きながら矢野君は私の手を拒絶する。


「まだ駄目だよ!ちゃんとやっておかなきゃ…」


私だってSなわけでもないから、そんな矢野君を見るのは心苦しい。でも、これも彼の為なのだ。


矢野君の悲痛な叫び声は、このあともしばらく響き続けた…。

⏰:08/08/12 23:39 📱:SH905i 🆔:F8dJwfHI


#641 [みい]

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
更新すとっぷします
大量更新、、だったかな?
とりあえず疲れちゃい
ました感想等もらえる
と疲れも吹っ飛ぶので、
ぜひ感想板のほうにエー
ルをお願いします

>>1みい感想板
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

⏰:08/08/12 23:43 📱:SH905i 🆔:F8dJwfHI


#642 [我輩は匿名である]
>>250-350
>>350-450
>>450-550
>>550-650



失礼しました(´・ω・`)

⏰:08/08/14 12:37 📱:SO705i 🆔:MzuZVnhc


#643 [くぴ]
あげ

⏰:08/08/18 03:51 📱:P705i 🆔:Ijucxmh6


#644 [アカリ]
あげます

⏰:08/08/20 17:48 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#645 [我輩は匿名である]
あげ(・´ω`・)

⏰:08/08/21 01:54 📱:W61SH 🆔:4fEeMT9.


#646 [みい]

――*蓮Side*――

「座れよ」


俺がベッドの隣にある椅子を顎で指すと、淕はそれを拒否するように俺を睨み付ける。


「…ま、立ちっぱでもいいけど。お前には聞いてもらわなきゃなんねえことがあるんだ」


…10年以上も前のこと。俺達が、まだガキだった頃の、こと。

⏰:08/08/26 00:31 📱:SH905i 🆔:fijO4rPk


#647 [みい]

「例のことだけど、」


俺が話し始めた途端、


「てめえみたいな奴の話なんか聞きたくねえよ!」


淕が叫びながら俺につかみ掛かってくる。


「てめえみたいな…裏切り者の話なんか…!」


俺を見る淕の目には、確かに憎しみが宿っていた。

⏰:08/08/26 00:31 📱:SH905i 🆔:fijO4rPk


#648 [みい]

だが、ここで引き下がるわけにもいかない。


いくら憎まれていようと、こいつにあの日の真実を伝えることが、俺の役目なんだと思うから。


「…何とでも言え。俺を嫌うのも構わない。…ただ、これだけは聞いてほしい」


俺の言葉に、淕は迷うように少し瞳を揺らした後、俺の襟元を放し、力無く椅子に腰を下ろした。

⏰:08/08/26 00:32 📱:SH905i 🆔:fijO4rPk


#649 [みい]

すーっ、と息を大きく吸い込みゆっくりと口を開き、一気に言う。



「親父はお前を捨てたわけじゃない」



これがあの日、俺達双子が離れ離れになった日の、真実。


俯いた淕の肩が、びくんと動く。


淕の様子を確認したあと、俺は話を続けた。

⏰:08/08/26 00:33 📱:SH905i 🆔:fijO4rPk


#650 [みい]

「あの日の夜、親父は俺に言った。『もうお母さんとは一緒に住めないんだ』。俺はガキながらにあのババアが狂ってたのは分かってたし、親父の苦労もなんとなく感じてた」


あの時の親父の悲しそうな顔や、泣きそうな声は、今でも鮮明に思い出せる。


「親父は俺達を連れて出ていくつもりだった。でも、淕。お前はあの時、寝ていたんだ」


淕が訝しげな顔を俺に向けた。

⏰:08/08/26 00:33 📱:SH905i 🆔:fijO4rPk


#651 [みい]

寝ていたから何なんだ、とでも言いたげだ。


「あのババアは、寝ているお前を離さなかった。気違いみたいに物を破壊し、俺や親父に投げ付けてさ」


あの女も、本能的に悟ったのだろう。俺達が自分から離れていく、自分が一人にされてしまう、ということを。


だから、せめて淕だけでも自分の傍に置いておきたい。そう思ったのだろう。

⏰:08/08/26 00:34 📱:SH905i 🆔:fijO4rPk


#652 [みい]

しかし、そこに親としての愛情があったかというと、甚だ疑わしいが。


「身の危険を感じた親父は、一旦俺を新しい家まで連れていき、自分は急いで家に戻ったんだ。お前を迎えにな」


『お前はここで待ってろ、すぐに淕と戻ってくるから。』親父は俺の肩を掴んで、確かにそう言った。


「でも…親父は一人で俺のとこに戻ってきた」

⏰:08/08/26 00:35 📱:SH905i 🆔:fijO4rPk


#653 [みい]

「親父と俺が家を離れたわずかな隙に、あの女はお前を連れて行方をくらませたんだ」


あの時親父は涙を流しながら、俺にそう説明した。


「俺達は、お前の居場所を捜し続けた。でも、親父の転勤が決まって…」


淕は、俯いたまま静かに俺の話を聞いている。涙をこらえているのか、はたまた怒りに震えているのかはわからないが、小刻みに肩が揺れている。

⏰:08/08/26 00:36 📱:SH905i 🆔:fijO4rPk


#654 [みい]

「悪かった。俺達は結局、お前のことを諦めた」


淕がいきなり立ち上がり、再び俺の胸倉を掴む。目は赤く充血していた。


「…殴れよ。気が済むまで、俺を殴れ」


俺は淕の顔を見据えた。俺と、全く同じ顔を。


「……そんなんで、済むかよ」

⏰:08/08/26 00:37 📱:SH905i 🆔:fijO4rPk


#655 [みい]

淕の震える小さな声が、病室中に響く。


「…淕?」


俺が淕の肩に触れると、淕の目から、ぽろっと涙が一粒落ちた。


「俺はっ…!兄さんが嫌いだ!」
「…ああ」


淕が俺から離れ、泣きながら怒鳴る。顔を真っ赤にして。

⏰:08/08/26 00:37 📱:SH905i 🆔:fijO4rPk


#656 [みい]

「昔から何でも出来て、いつも落ち着き払ってすかしたような顔しやがって…」
「……」


淕の握りしめた拳が震え、しばしの沈黙のあと。


「……羨ましかった」


拳と同様に震えた淕の声が、ぽつりと宙をさ迷った。


「俺の欲しいもの全部、兄さんが持ってた。父さんの愛情も、親戚からの称賛も…全部」

⏰:08/08/26 00:38 📱:SH905i 🆔:fijO4rPk


#657 [みい]

「兄さんを見てると、俺は駄目なんだ。双子のうち、出来の悪いほうなんだ、っていつも思い知らされて…」


そこまで言うと、淕は嗚咽して言葉を詰まらせる。


「…淕、それは違う。俺だってお前を羨んでいた」


俺の言葉に、淕がえ、と掠れた声を漏らす。

⏰:08/08/26 00:39 📱:SH905i 🆔:fijO4rPk


#658 [みい]

「俺は感情を表に出すのが下手だ。淕みたいに泣いたり笑ったりするの、苦手なんだよ」


俺は、かわいくない子供だった。どこか冷めてるというか、子供らしくない、大人ぶった子供。


比べて淕は、それこそかわいらしい奴だった。無邪気で、悪戯とかが大好きで、俺とは正反対で。


親父の愛情は、間違いなく淕のほうへより多く注がれていた。

⏰:08/08/26 00:40 📱:SH905i 🆔:fijO4rPk


#659 [みい]

淕がいなくなって落ち込む親父のために、淕みたいに悪戯っ子になろうとして、柚をいじめたこともあった。


でも、何か違う。どこか無理してる自分がいた。


「どんなに頑張っても、俺はお前の代わりにはなれなかった」


どんなに子供ぶっても、どんなにガキくさく柚をいじめても。


俺は、『淕』にはなれなかった。

⏰:08/08/26 00:41 📱:SH905i 🆔:fijO4rPk


#660 [みい]

「…ばっっかみてえ!」
「は?」


いきなりの淕の大声に、俺は驚き目を丸くし、瞬きを繰り返した。


「お互いを羨む双子とか、気持ちわりーっつーの!」
「…ああ」


どちらも大して優れた人間なわけでもないし、な。


淕は顔を背けているから、表情はわからない。

⏰:08/08/26 00:42 📱:SH905i 🆔:fijO4rPk


#661 [みい]

「…父さん、元気?」
「ああ。大阪に単身赴任してるけど、今はこっちに戻ってきてる。…会うか?」


淕はちょっと考えたあと、


「…いいや。今更会っても、照れ臭いだけだし」


と苦笑を含めた声で親父との再会を断った。


「母親は、どうしてる?」

⏰:08/08/26 00:43 📱:SH905i 🆔:fijO4rPk


#662 [みい]

こんな言い方をしたが、俺が気になっているのは淕のことだ。淕は、今でもあの狂った実母と一緒に暮らしているのだろうか。


「そんなの、とっくにどっかの施設にぶち込んでやったよ」
「…そうか」


ほっとしたのもつかの間、今度は淕は一人で大丈夫だろうかという不安に襲われる。


俺が口を開きかけた瞬間だった。

⏰:08/08/26 00:43 📱:SH905i 🆔:fijO4rPk


#663 [みい]

「言っとくけど、別に寂しくなんかないから」


淕の言葉が俺の口をつぐませる。


「一人も、なかなか気軽でいいもんだよ。働いてるから金だってどうにかなるし」


いつの間にこいつはこんなに大人になっていたんだろう。
俺達双子は、昔とは立場が逆転してしまったたらしい。


「…そうか」

⏰:08/08/26 00:44 📱:SH905i 🆔:fijO4rPk


#664 [みい]

「…うん。じゃ、俺そろそろ行くわ」
「…淕!」



俺を見ないまま病室を出て行こうとする淕を引き止める。


本能のままにそうしたのだが、次の言葉が出てこない。なぜだか、口が勝手に動いたのだ。


淕は、言葉を選びながら沈黙してしまった俺を振り返る。

⏰:08/08/26 00:45 📱:SH905i 🆔:fijO4rPk


#665 [みい]

「…兄さん」


口下手な俺より先に、淕が口を開いた。
俺が呼び止めたのに。気まずいながらも淕に顔を向ける。


「…また、来てもいいかな?」


何を言われるか予想していたわけでもないが、それでもやはりその言葉は想定外で、思わず目を見開く。


「……ああ」

⏰:08/08/26 00:46 📱:SH905i 🆔:fijO4rPk


#666 [みい]

なんとかそれだけ言うと、淕はにかっと笑い、病室を出ていった。


…眩しい笑顔。



「…馬鹿が」


淕はまたここへ来てくれるのだろうか。


そう思うとやけに嬉しくて、柄にもなく一人でにやけてしまった表情を隠すように、片手で顔を覆った。

⏰:08/08/26 00:47 📱:SH905i 🆔:fijO4rPk


#667 [みい]







・・・・・・・・・・・・・・・
Story10〜弱気。
・・・・・・・・・・・・・・・

⏰:08/08/26 00:50 📱:SH905i 🆔:fijO4rPk


#668 [みい]

淕はあれ以来、よく俺の病室にやって来る。


「でさ、そん時浩二が…」


内容はたわいもないこと。仲間の話だったり、バイトの話だったり。

それでも動けなくて退屈な俺には、有り難いことこの上ない。


「失礼しまーす…」
「おっ、柚ちゃんだーあ!」

⏰:08/08/26 00:51 📱:SH905i 🆔:fijO4rPk


#669 [みい]

柚は学校が終わると、必ずと言っていいほど見舞いに来てくれる。


「淕も来てたんだあ!」
「おうよ!」


そして、この二人もいつの間にか打ち解け、三人で喋ることが出来るようになった。


三人でいると、柚が学校での出来事を話し、淕がそれに対して相槌を打ち、俺は静かに聞いている、という役回り。

⏰:08/08/26 00:51 📱:SH905i 🆔:fijO4rPk


#670 [みい]

そんなことをしているうちに外は暗くなる。


「…あ、もうこんな時間!そろそろ帰らないと…」


…俺が一番嫌な瞬間。


「送ってったげるよ!」
「毎回ごめんね、淕」


柚は女だし、一人で帰すより淕が送ったほうが安全に決まってる。

⏰:08/08/26 00:52 📱:SH905i 🆔:fijO4rPk


#671 [みい]

…でも。


「蓮、また明日ね!」
「また来るから〜!」


仲良さ気に病室を後にするあいつらの背中を見ながら、俺はどうしようもない気持ちに駆られる。


無意識に嘆息を漏らしたとき、


「れーんっ♪」


楽しげな声とともに矢野がドアから顔を出した。

⏰:08/08/26 00:54 📱:SH905i 🆔:fijO4rPk


#672 [みい]

「廊下で会ったぞー、柚ちゃんと弟君。仲良く手なんか繋いじゃってさ〜…」
「は!?」


手を繋いでいた、だと?柚と淕が?

矢野の垂れ込みに、思わず身を乗り出し大声を出す。


そんな俺を見て、矢野は豪快に笑い出した。


「嘘だよ!冗談冗談〜!」

⏰:08/08/26 00:55 📱:SH905i 🆔:fijO4rPk


#673 [みい]

そうと分かると、矢野の悪戯にまんまとはまってしまった自分が恥ずかしくなる。


「…矢野、お前マジで殺すぞ」
「悪い悪い、んな怒んなよ!それにしてもあれだな、お前がそんな焦るとこ、初めて見たよ」


矢野は悪びれることもなく、さぞかしおかしいと言わんばかりに笑いこけた。


「…るせーよ」

⏰:08/08/26 00:56 📱:SH905i 🆔:fijO4rPk


#674 [みい]

「しかしさあ、蓮も希少な男だよなあ。淕と柚ちゃん二人にさせて、危機感とかないの?」


柚が、俺以外の男とふたりきり。俺が何も思わないわけないじゃねえか。


「…柚は、俺のもんだから」


言い聞かせるように声に出しても、やはり不安なところはある。
淕と楽しそうに話す柚を見ると、胸がもやもやする。

⏰:08/08/26 00:57 📱:SH905i 🆔:fijO4rPk


#675 [みい]

俺と二人でいるときに、あんな笑顔を見せてくれたことがあっただろうか?

俺といるより淕といるほうが、柚は…。



病室で一人、ベッドに寝ていると良からぬ考えばかり浮かぶ。


「…くだらないこと考えんのはよせよ」


まるで俺の頭の中を覗いたかのタイミングで、矢野が忠告する。

⏰:08/08/26 00:58 📱:SH905i 🆔:fijO4rPk


#676 [みい]

「ああ」
「ま、淕に取られないようにせいぜい気いつけるんだな」
「…分かってる」


分かってんだよ、んなこと。お前に言われなくたって。


「学校では俺が守ってやってるからさ、心配すんな!」
「むしろお前が近付くな」


女みたいに頬を膨らます矢野に苛立ちを覚えながら、俺は柚と淕の後ろ姿を思い出していた。

⏰:08/08/26 00:59 📱:SH905i 🆔:fijO4rPk


#677 [みい]

……………………………

「失礼しまーす…」


今日も学校帰りに制服のまま、病室に訪れる柚。


「柚、おかえり」


俺がそう言うと、いつもは「ただいま!」ってベッドまで駆け寄って来てくれる。


…いつもは。

⏰:08/08/26 01:00 📱:SH905i 🆔:fijO4rPk


#678 [みい]

なのに今日はこちらに近づこうとしない。


「柚?」


呼び掛けても、困ったような表情を浮かべ、俺をちらっと見たあと目を泳がせる。



…ああ、わかった。このせいか。


「柚、こっちにおいで」

⏰:08/08/26 01:01 📱:SH905i 🆔:fijO4rPk


#679 [みい]

「で、でも…」


柚は目線を俺に向けると、すぐに俯く。


「いいから。早く」


こう言われるともう抗えないのか、柚は覚悟を決めたかのようにゆっくりと俺がいるベッドに歩を進める。


上半身に何も纏っていない俺、に。

⏰:08/08/26 01:01 📱:SH905i 🆔:fijO4rPk


#680 [みい]

怪我のせいで風呂に入れない俺は、ベッドの上で自分で身体を拭いていたのだ。


で、幸か不幸か、ちょうどその最中に柚が来たってわけ。


「柚、拭いて」


自分で持っていた濡れタオルを柚に手渡す。


「えっ?」

⏰:08/08/26 01:02 📱:SH905i 🆔:fijO4rPk


#681 [みい]

柚は動揺を隠せないらしい。それを裏付けるように、みるみるうちに顔が紅く色づく。


「早く」


低い声で促せば、柚はぎゅっと目をつぶり、震える手で俺の胸板へタオルを押し付ける。


そのままゆっくりとタオルを滑らせる柚。


それでも欲張りな俺は、柚が目を閉じたままなのが気にくわない。

⏰:08/08/26 01:03 📱:SH905i 🆔:fijO4rPk


#682 [みい]

「柚、そこもう拭いた」
「あっ…」


不意にぶつけられた不満に驚き一瞬目を開けるが、またすぐに逸らされる視線。


「ちゃんと見ろよ」


手で柚の顎を捉え、自分のほうに向かせる。


…今にも泣きそうな顔。

⏰:08/08/26 01:04 📱:SH905i 🆔:fijO4rPk


#683 [みい]

違う。俺はこいつにこんな顔をさせたいわけじゃない…。


「…悪い、もういいよ」


俺は柚からタオルを取り返すと、手早く身体を拭き、パジャマを着た。


その間中、柚はずっと俯いていた。


着替え終わると、物音もなくなって苦しい沈黙。

⏰:08/08/26 01:05 📱:SH905i 🆔:fijO4rPk


#684 [みい]

「…り、淕、今日は遅いねっ?」


静まった病室に響く、柚の明るい声。


「あ、でも昨日来たもんね!今日は…来ないかな…」


俺は…


「そうそう、聞いて!淕ったら昨日の帰り…」
「俺は、『淕』じゃない」

⏰:08/08/26 01:06 📱:SH905i 🆔:fijO4rPk


#685 [みい]

「…え?」


柚の無理に作った笑顔が強張る。


「淕のほうがよかったか?」


あの時親父がこっちに連れてきたのも、

ガキの頃、お前に出会ったのも、

今、お前の目の前にいるのも。


全部、『淕』のほうが?

⏰:08/08/26 01:07 📱:SH905i 🆔:fijO4rPk


#686 [みい]

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
更新すとっぷします

遅くなってしまって本当
すみませんでした..

こんなふがいない主です
が、読者様の感想がパワ
ーの源ですので、是非一
言お願いします..

>>1みい感想板
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

⏰:08/08/26 01:13 📱:SH905i 🆔:fijO4rPk


#687 [アカリ]

安価です

>>1-50
>>51-100
>>101-150
>>151-200
>>201-250
>>251-300
>>301-350
>>351-400
>>401-450
>>451-500
>>501-550
>>551-600
>>601-650
>>651-700
>>701-750
>>751-800
>>801-850
>>851-900
>>901-950
>>951-1000

失礼しましたm(__)m

⏰:08/08/26 08:07 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#688 [我輩は匿名である]
気になるぅ!あげヘy

⏰:08/08/26 21:36 📱:W51SA 🆔:NFVJSe3s


#689 [我輩は匿名である]
気になる〇2テあげ

⏰:08/08/27 01:54 📱:W61SH 🆔:yTgEusu6


#690 [我輩は匿名である]
あげる

⏰:08/08/29 12:51 📱:W61SH 🆔:WGOQlDg.


#691 [トモ]
あげぇ(*・∀・*)

⏰:08/08/30 00:49 📱:SH906i 🆔:6Z7l2hw.


#692 [ま]
あげ

⏰:08/08/31 12:50 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#693 [みい]

「蓮?何言って…」
「淕のほうがいいだろ?」


こんな妬いてるのが見え見えな台詞、みっともない。


「淕といたほうがお前は楽しそうだもんな」


違う。こんなことを言いたいんじゃない。俺は…。


柚はまた泣きそうな顔をしている。

⏰:08/09/02 01:35 📱:SH905i 🆔:FXcze9Wc


#694 [みい]

淕はお前を笑わせることができるのに。
俺はお前をそんな表情にしかしてやれない。


「…淕んとこに行け」


俺の言葉を聞き、柚はとうとう涙を流し始めた。


泣かせるつもりなんかなかった。なのにまた俺は…。


「…っ、嫌になった…っ?」

⏰:08/09/02 01:36 📱:SH905i 🆔:FXcze9Wc


#695 [みい]

途切れ途切れに、柚が声を発する。


「…は?」
「あた、しの事…っ、嫌いになっちゃった…っ?」


嫌いになった、だと?


んなわけねえだろ。嫌いになんか、ならない。なれるわけがない。


「……」


でも、何も言えない。

⏰:08/09/02 01:37 📱:SH905i 🆔:FXcze9Wc


#696 [みい]

こんな状況の今でさえ、お前が好きで、愛しくて。抱きしめてやりたくて堪らない。


「あたしはっ…あたし、は…」


でも、もう止める。柚を幸せにしてやれるのは、俺じゃない。


「あたしはっ…!蓮が好き、だもんっ…」


柚が駄々っ子のように泣きじゃくる。

⏰:08/09/02 01:38 📱:SH905i 🆔:FXcze9Wc


#697 [みい]

「蓮だもん…!意地悪だし、全然笑ってくれないし、冷たいけど…私が好きなのは蓮なの!」


どうしてこいつはこうも俺を困らせるんだ。


たった今ついたばかりの決心が、すぐに揺らぎ始める。


気持ちを落ち着かせるように、大きく息をついた。


「…俺といると、お前多分泣かされてばっかだぞ?」

⏰:08/09/02 01:38 📱:SH905i 🆔:FXcze9Wc


#698 [みい]

「泣かないもん」


今だって泣いてるくせに。大体お前は泣き虫すぎるんだ。


「やだ…お願いだから…別れるなんて、言わないで。…嫌いに、ならないで…」


柚が俺の腕を弱く握る。


…俺は、とことんこいつの涙に弱いらしい。

⏰:08/09/02 01:39 📱:SH905i 🆔:FXcze9Wc


#699 [みい]

俺の腕を握る柚の手に、ぎこちなく自分の手を重ねる。


「…ん、悪かった。嫌いになんかなってねえから」


前言、すべて撤回。


所詮俺には、こいつを手放すことなんて出来ないんだ。


「…ほ、んとに?」

⏰:08/09/02 01:40 📱:SH905i 🆔:FXcze9Wc


#700 [みい]

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
700

更新すとっぷします
少なくて申し訳ない
パワーの源となる、皆様
の感想お待ちしています
感想板に矢野の絵
をうpしたので、よかっ
たらご覧下さいませ
そちらの方も感想頂ける
とうれしいです(>Д<)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

⏰:08/09/02 01:45 📱:SH905i 🆔:FXcze9Wc


#701 [みい]

・・・・・・・・・・・・・・・
>>1みい感想板
・・・・・・・・・・・・・・・

⏰:08/09/02 01:46 📱:SH905i 🆔:FXcze9Wc


#702 [我輩は匿名である]
>>140-150
>>180-200
>>230-250
>>280-300
>>330-350
>>380-400
>>430-500

⏰:08/09/03 22:53 📱:W51SA 🆔:mTYn/hNc


#703 [我輩は匿名である]
>>580-600
>>630-650
>>680-700

⏰:08/09/05 00:26 📱:W51SA 🆔:eWu/GfFc


#704 [我輩は匿名である]
>>480-500
>>530-550
>>580-600
>>630-650
>>680-700

⏰:08/09/05 01:06 📱:W51SA 🆔:eWu/GfFc


#705 [みい]

――*柚稀Side*――

「嘘ついてどうすんだよ、んな事」


さっきまでとは打って変わり、いつもと同じ調子に戻った蓮に、ほっと胸を撫で下ろす。


…にしても、なんでいきなりそんなこと言い出したのだろう。


淕がどうとかって言ってたよね…?


…まさか……。

⏰:08/09/09 01:50 📱:SH905i 🆔:TKUnuITc


#706 [みい]

「もしかして…蓮、淕にヤキモチ妬いてたの?」


何気なく聞いた私の言葉に、蓮は溜息をつき、片手で顔を覆う。


「…そーゆーコトは、わかっても口に出すもんじゃねーの」


…ってことはやっぱり…、「そーゆーコト」だったってこと…!?


…やばい、嬉しい…。
なんか…なんか蓮がかわいい…!

⏰:08/09/09 01:51 📱:SH905i 🆔:TKUnuITc


#707 [みい]

「…見てんじゃねーよ」


私の視線に気付き、顔を上げた蓮のおでこにキスを落とした。


蓮は驚いたように目を見開いて私を見る。


「…前のお返し」
「はあ?」


怪訝そうに眉を潜め、おでこに手を当てる蓮に、詳しく説明してあげた。

⏰:08/09/09 01:52 📱:SH905i 🆔:TKUnuITc


#708 [みい]

前に蓮がおでこにキスしてくれたとき、実は起きていたのだということを。


私が説明するなり、蓮の顔がかあっと赤くなる。


「だから、そのお返し」


私がそう言うやいなや、蓮は私を勢いづけて自分の腕の中に収めた。


「…悪趣味だ、タヌキ寝入りなんて」

⏰:08/09/09 01:53 📱:SH905i 🆔:TKUnuITc


#709 [みい]

「蓮、照れてるの?」


あの蓮が、あんなに赤面するなんて思いもよらなかったから。


「…黙れ」


私の質問に答えないまま、蓮は腕に力を込めた。


「れ、蓮、苦しっ…!」


呼吸もできない程に強く抱きしめられる。

⏰:08/09/09 01:54 📱:SH905i 🆔:TKUnuITc


#710 [みい]

「俺を小馬鹿にした罰だ」


耳の後ろから聞こえる蓮の声。


馬鹿になんかしてないよ。ちょっとからかっただけ。


こんなこと声に出したら、何されるか分かったもんじゃないから死んでも言わないけどね。


私が好きなのは、あなただけよ。


蓮……。

⏰:08/09/09 01:55 📱:SH905i 🆔:TKUnuITc


#711 [みい]










・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
LastStory〜君のすべてを
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

⏰:08/09/09 01:56 📱:SH905i 🆔:TKUnuITc


#712 [みい]

「ね!蓮は何の種目に出るの?」


蓮が退院してから1ヶ月以上経ち、季節もすっかり秋めいたこの頃。


私達の学校では、一年に一度の大イベントである「球技祭」が今週の土曜日に迫っているのです!


大のイベント好きの私としては、それはそれは楽しみで…楽しみな の に!


「ハア?球技祭なんてたりーの、俺が参加するわけねえじゃん」

⏰:08/09/09 01:57 📱:SH905i 🆔:TKUnuITc


#713 [みい]

「ぇえっ!?参加しないの!?クラス対抗なんだよ!?」
「だから何だよ」


何って…一人でも減ったらうちのクラスが不利じゃん!


「…蓮〜…」
「無理」


上目遣いおねだり作戦も失敗…。


くそう…と次の手を考えていると、

⏰:08/09/09 01:59 📱:SH905i 🆔:TKUnuITc


#714 [みい]

「染谷!お願いだからさ〜、バスケに来てよ!お前が来てくれたら絶対優勝間違いなし!」


とクラスメイトの柏木君が蓮に声を掛ける。


「…あー、悪い、俺その日は用事が」
「おっけいです!染谷蓮はバスケに参加ってことで!」


断りかけた蓮の言葉に声をかぶせると、柏木君は嬉しそうに目をきらきらと輝かせた。

⏰:08/09/09 02:00 📱:SH905i 🆔:TKUnuITc


#715 [みい]

「じゃ、染谷はバスケってことで!」
「うん!よろしくね!」


柏木君の背中を見送ったあと、後ろから寒気を感じる。


「お前…何勝手なことしてくれてんだ」


学校用の仮面が今にも音を立てて崩れんとばかりに、口元をひくつかせる蓮。


「え、いやあの…柏木君も喜んでたし…」

⏰:08/09/09 02:01 📱:SH905i 🆔:TKUnuITc


#716 [みい]

「…ったく、仕方ねーな」


ふうっ、と息を吐いて、蓮が呟く。


「出てくれるの!?」


そんな蓮とは正反対に、もはや小躍りしてしまいそうなくらい喜んでる私。


柏木君だって、「蓮が出れば優勝!」みたいなこと言ってたし…本気でうちのクラス、優勝できちゃうかも!

⏰:08/09/09 02:01 📱:SH905i 🆔:TKUnuITc


#717 [みい]

「…そのかわり、欲しいモンがある」
「欲しいもの?えっと…あの、そんな高くないものならどうにかならなくも、ない…かも…」


今月ピンチだからなあ〜…って、この男はこんなことで彼女に物をせびるんかい!


「てゆうかなんで私がっ…」


この流れのおかしさに気付き、反論しかけた私の耳元で蓮が言う。


「お前」

⏰:08/09/09 02:02 📱:SH905i 🆔:TKUnuITc


#718 [みい]

「…へ?」
「柚のすべてが欲しい」





……ハィイ!?!?




「えっ、あの、すべて…というのはつまり…」
「うちのクラスが優勝したらの話にしてやる。これ決定事項」


…なっ、なんですとーっ!?

⏰:08/09/09 02:03 📱:SH905i 🆔:TKUnuITc


#719 [みい]

……………………………

というわけであって。


早瀬柚稀、悩みに悩んでいます。


だって…「すべて」って…!全部、ってことだよね…?


全部…。心も…カラダ、も?


ひょ、ひょぇえ〜!!!!無理!そんなあ…無理無理!

⏰:08/09/09 02:04 📱:SH905i 🆔:TKUnuITc


#720 [みい]

べっ、別に蓮とその…そうゆうコトするのが嫌ってわけじゃないよ?


…ないんだけど、なんか…まだ、怖いっていうか…。
だって私、何を隠そう…未体験ですし…。


そこまで考えた途端、フラッシュバックのように、蓮が入院していたときの一コマが思い出される。


蓮の身体を拭いてあげた時のことだ。

⏰:08/09/09 02:05 📱:SH905i 🆔:TKUnuITc


#721 [みい]

男の人の身体に触れたことなんか、今までに一度もなくって。


自分とは全然違う体つきに、やっぱり男の人なんだなあ、とか再認識したり。


いっつもこの身体に抱きしめられてたんだ、って思ったり。


そんなこんなで胸がいっぱいになって、息苦しくなっちゃって…


あの時、本気で死ぬかと思った。

⏰:08/09/09 02:06 📱:SH905i 🆔:TKUnuITc


#722 [みい]

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
更新すとっぷします
感想板に蓮君の絵をうp
したので、へぼですがよ
かったらご覧下さい

とうとう最終章突入!励
みになるので感想頂けた
ら嬉しいです..(>Д<)
>>1みい感想板
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

⏰:08/09/09 02:10 📱:SH905i 🆔:TKUnuITc


#723 [ぁゃ]

>>500ー600
>>601ー700
>>701ー800

⏰:08/09/13 11:18 📱:SH903i 🆔:ihtNhjQ6


#724 [ぁゃ]

>>500-600
>>601-700
>>701-800

⏰:08/09/13 11:19 📱:SH903i 🆔:ihtNhjQ6


#725 [我輩は匿名である]
あげるー

⏰:08/09/13 15:01 📱:SO706i 🆔:WLPFsJss


#726 [みい]

たったのあれだけで臨死状態だったのに…。


大丈夫なのか?自分…。


「…とにもかくにも、憂鬱だ〜…」


その日の夜、私の溜息が止むことはなかった…。


………………………………


「おっ、やってるやってる!ほら柚、染谷君いるよ!」

⏰:08/09/17 00:19 📱:SH905i 🆔:K0tbq4dg


#727 [みい]

放課後、私とさえちゃんは体育館でバスケの練習をしている蓮を偵察?しに来た。


さえちゃんが言う方へ目をやると、そこには…


「う…わあ……」


華麗にドリブルしながらゴールへと走る、蓮の姿。


前から迫る敵を見事にかわしながら、走って走って…


シュート…!

⏰:08/09/17 00:20 📱:SH905i 🆔:K0tbq4dg


#728 [みい]

パサッという乾いた音と共に、蓮が放ったボールがゴールに入る。


「ナイッシュー」
「お前、本当よくシュート入るよなー」


仲間から様々な声が上がる。


蓮ってだって…昔やってたのはサッカーのはずだよね?
なぜバスケまで出来ちゃうんだ、あの人は…。


「ゆーずーっ!」

⏰:08/09/17 00:21 📱:SH905i 🆔:K0tbq4dg


#729 [みい]

自分を呼ぶ声にふと我に返ると、目の前にニヤニヤしたさえちゃんの顔。


「なっ…何!?」
「見とれてんじゃないわよ」


見とれてなんか…と否定しようにも、しきれない。


だって事実、蓮に見惚れてしまった自分がいたことに気付いていたから。


「う、うるさい!」

⏰:08/09/17 00:21 📱:SH905i 🆔:K0tbq4dg


#730 [みい]

からかうようなさえちゃんにそう言い返すことしか出来ない私は、足早に体育館を去った。


………………………………

そして迎えた球技祭当日。


「柚ちゃーん!ドッジボールのほうはどうだったあ?!」


向こうから矢野君が大きく手を挙げて歩いてくる。


「3位だったの!まずまずって感じだよね」

⏰:08/09/17 00:22 📱:SH905i 🆔:K0tbq4dg


#731 [みい]

私達ドッジボールチームは、かなり張り切ったものの、3位という微妙な成績に終わった。


「お疲れ!3位でも立派なもんだよ!」
「サッカーはどうだった?」


矢野君は蓮とは違い、サッカーチームに属しているのだ。


「いいとこまで行ったんだけどねー…惜しくも2位」


苦笑を浮かべ、矢野君が答える。

⏰:08/09/17 00:23 📱:SH905i 🆔:K0tbq4dg


#732 [みい]

「すごいじゃん、2位なんて!お疲れ様!」


私が驚いて声を上げると、矢野君はエヘヘというように笑ったあと、


「っとやべ、柚ちゃん急がねえと!バスケの決勝、今から始まるってよ!」


と私の手をとって走り出した。


蓮達、決勝まで進んだんだ…!

⏰:08/09/17 00:24 📱:SH905i 🆔:K0tbq4dg


#733 [みい]

体育館のドアを開けると、中はものすごい人と熱気に包まれていた。


「うわ、すっげえ人…。ちょ、すんません、通して〜」


矢野君が半ば強引に人混みを掻き分け、最前列に連れて来てくれた。


「よっしゃ、蓮頑張れー!」


矢野君が大声を出すと、靴紐を結んでいた蓮がこちらを向く。

⏰:08/09/17 00:24 📱:SH905i 🆔:K0tbq4dg


#734 [みい]

そして呆れたような顔をする。


矢野君はにししと笑い、自分の隣にいる私を指差した。


私に気付いた蓮は、一瞬驚いた顔をしたあと、笑みを浮かべ拳を出し、その親指を上げる。


そして口パクで


マ カ シ ト ケ


と言葉を送ってきた。

⏰:08/09/17 00:25 📱:SH905i 🆔:K0tbq4dg


#735 [みい]

私が蓮に笑い返していると、蓮に誰かが近付いてくるのが見えた。


…佐々木君だ。


私の淡い恋心を弄んだにっくき男!


佐々木君が蓮に何やら話し掛けている。が、もちろんこちらには聞こえるはずもなく。


でも、蓮の顔が険しくなったのは私にもわかった。

⏰:08/09/17 00:26 📱:SH905i 🆔:K0tbq4dg


#736 [みい]

「…何話してんだ、あいつら」


不穏な雰囲気の二人に、矢野君も眉を潜める。



・・*蓮Side*・・


「染谷、前はよくもやってくれたな」


えーっと、こいつは確か…そうだ、佐々木だ。変態みたいな趣味持ってる奴。

⏰:08/09/17 00:27 📱:SH905i 🆔:K0tbq4dg


#737 [みい]

「は?何が?」
「何がじゃねえよ!ミキちゃんがいる前で、俺をボコボコにしやがって!」


ああ、素で忘れてた。あん時のことか。


「んな昔のことかよ。あれはお前がわりいんだろ」


お前が、柚の気持ち踏みにじったんじゃねえか。


少々呆れ気味に言葉を放つ。

⏰:08/09/17 00:28 📱:SH905i 🆔:K0tbq4dg


#738 [みい]

それでもタコみたいに真っ赤な顔をした佐々木は引き下がらない。


「あのあとミキちゃんに振られたんだ!お前のせいで…!」


あ゙ー、まじ勘弁。逆恨みもいいとこだな。そんでもって唾飛ばすな、汚ねえから。


「あーわりいわりい、あの程度でやられちまうとは思わなかったからさ」


面倒臭くなった俺は、立ち上がりその場から去ろうとした。

⏰:08/09/17 00:29 📱:SH905i 🆔:K0tbq4dg


#739 [みい]

「俺、バスケ部なんだよね〜」


佐々木から逃れようとしたのに、奴はそんなことを言いながらまだついて来る。


「…だから何?」
「お前より俺のが絶対上手い!」


自慢げに言い切る佐々木に、いい加減うんざりした。


「あっそ。じゃあ頼りにしてるよ。どうせ同じチームだろ」

⏰:08/09/17 00:30 📱:SH905i 🆔:K0tbq4dg


#740 [みい]

クラス対抗なんだから同じクラスの佐々木とは同じチームだ。


「お前なんかより俺のがかっこいいってことを、全校生徒に知らしめてやる!覚悟しとけ!」


手に負えねー…。勝手にほざいてろ、変態佐々木。


・・*柚Side*・・


蓮は私が佐々木君に騙されてたことなんか知らないだろうし…。

⏰:08/09/17 00:31 📱:SH905i 🆔:K0tbq4dg


#741 [みい]

二人の接点といえば、私が知る限りでは佐々木君が私を映画に誘った朝くらいなんだけど…。


そんな二人が、なぜ今更あんな長話を?


…作戦会議とか、そんなのだったらいいんだけど…。


何か嫌な予感がしていた。



けたたましく笛が鳴り、試合が始まる。

⏰:08/09/17 00:32 📱:SH905i 🆔:K0tbq4dg


#742 [みい]

次々に点が入り、蓮達がリードしていながらも相手チームとはどうやら互角のようだ。


「頑張れーっ!」
「行けっ!走れっ!」


体育館には声援が響く。


蓮がシュートを決めれば、黄色い声援がより一層増す。


「きゃーっ!かっこいい!」
「染谷くーんっ!」

⏰:08/09/17 00:33 📱:SH905i 🆔:K0tbq4dg


#743 [みい]

でも、そんな中私は声すら出せないでいた。


場の雰囲気に飲まれた、とでもいうのだろうか。
あまりにも眩しくて、息を飲んでしまうくらいだ。


私って、あんな人の彼女なのかあ…。




ハーフタイムに入った。選手は各々休んでいる。

⏰:08/09/17 00:34 📱:SH905i 🆔:K0tbq4dg


#744 [みい]

パイプ椅子に座る蓮は、半袖のTシャツを捲り上げ、首にかけたタオルで汗を拭いている。


でも次の瞬間、私は見てしまった。


肋骨の辺りを抑え、微かに顔を歪める蓮の姿を。


蓮…もしかして、淕の時の傷、まだ痛むの!?


そんなこと一言も言わないから、ちっとも気づかなかった。

⏰:08/09/17 00:35 📱:SH905i 🆔:K0tbq4dg


#745 [みい]

考えてみたら、いつも咳ばらいとかする時だって一瞬眉間に皺を寄せる気がする。


まだ、痛いんだ…!


どうしよう、どうすればいい?


迷う暇なんかない。これ以上続けたら、蓮が辛いだけだ。止めさせなきゃ…!


しかし、私がコートへ一歩踏み出した瞬間、再び笛が鳴り響く。

⏰:08/09/17 00:37 📱:SH905i 🆔:K0tbq4dg


#746 [みい]

蓮は何事もなかったようにコートに戻り、試合が再開された。


蓮…!無理しないで、お願い…!


しかし、この時蓮の不調に気付いたのは私だけではなかったのだ。


前半と変わらない活躍を見せる蓮に異変が起きたのは、すぐだった。

「…なんかあいつ、邪魔じゃね?」


矢野君が独り言のように呟く。
あいつとは、佐々木君のことだろう。

⏰:08/09/17 00:41 📱:SH905i 🆔:K0tbq4dg


#747 [みい]

私も、さっきから蓮の横にぴったりくっつくようにしている佐々木君に気付いていたから、矢野君の言葉がすぐ理解できた。


確かに邪魔だ。まるで敵をマークしてるかのような動き…。


そんなことを考えている私の目に飛び込んできたのは、佐々木君の肘が蓮の肋骨の辺りに当たっているところ。


それも一度や二度ではない。


わざと、だ…。佐々木君はわざとやっているんだ。

⏰:08/09/17 00:41 📱:SH905i 🆔:K0tbq4dg


#748 [みい]

そう思えば、カーッと頭に血が上るのがわかった。


やめて!やめて、やめて、ヤメテヤメテヤメテ…!!


「やめてーーっ!!」


心の中の叫びが声に変わった瞬間、蓮が倒れたのが目に飛び込んできた。


……………………………


保健室のベッドで眠っていた蓮が、目を覚ました。

⏰:08/09/17 00:42 📱:SH905i 🆔:K0tbq4dg


#749 [みい]

「蓮!わかる!?」


私は蓮に駆け寄り、顔を覗き込む。


「…試合は?」
「勝ったみたい、矢野君からメールがあったよ」


そっか、と蓮は言うと、小さく笑った。


「佐々木君に、やられたんでしょ…?」

⏰:08/09/17 00:43 📱:SH905i 🆔:K0tbq4dg


#750 [みい]

「…知らねえよ、あんな雑魚。俺が勝手にくたばっただけだ」
「…嘘だ。私、見たんだからね」


ちょっとだけ沈黙が流れた後、蓮が口を開いた。


「お前には関係ねえ。いちいち首突っ込むな」


その言葉に私の苛立ちは募る。


「心配してるだけじゃん!なんでそんなこと言うの!?」

⏰:08/09/17 00:44 📱:SH905i 🆔:K0tbq4dg


#751 [みい]

「お前の心配なんかいるかよ。逆に荷物になるだけだ」


私の方を一切見ないまま言葉を吐き捨てる蓮に、とうとう私の苛立ちは形となる。


「あーそーですか!わかりましたよ!お荷物ですいませんでしたっ!!」


負けじと言い返し、保健室を後にすると乱暴にドアを閉める。


むっ…かつくー!何よあれ!せっかく人が心配してやったのに…!

⏰:08/09/17 00:45 📱:SH905i 🆔:K0tbq4dg


#752 [みい]

もう金輪際、心配なんかしてやんないんだから!


ドスドスと廊下を歩いていると、矢野君に出会った。


「蓮、どう!?平気!?」
「さあ!?知らない!」


あんな奴知るもんかと言わんばかりの勢いで答えると、


「喧嘩でもした?」


と矢野君が困ったように笑いながら聞いてくる。

⏰:08/09/17 00:47 📱:SH905i 🆔:K0tbq4dg


#753 [みい]

「別に…」


したくてしたわけじゃない。…なんで、こうなっちゃうんだろう。


黙り込む私を見て、矢野君が話し始める。


「佐々木にさ、全部吐かせた。蓮、あいつの逆恨みにあったらしい」
「…逆恨み?」


それから矢野君の話は昔のことに遡り…

⏰:08/09/17 00:48 📱:SH905i 🆔:K0tbq4dg


#754 [みい]

「……ってわけ。それを根に持って、佐々木は今日、蓮に復讐しようとしたって」


全く知らなかった。蓮が佐々木君にそんなことをしただなんて…。


「自分の大事なものを傷つけられて、腹が立ったんだろ。よっぽど大切なんだね、柚ちゃんのこと」


ニッコリ笑いながらそんなことを言う矢野君に、思わず顔が熱くなる。

⏰:08/09/17 00:50 📱:SH905i 🆔:K0tbq4dg


#755 [みい]

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
更新すとっぷします
感想等頂けるとすっご
く嬉しいので、よけれ
ば一言でも感想板のほ
うへお願いします

>>1みい感想板
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

⏰:08/09/17 00:52 📱:SH905i 🆔:K0tbq4dg


#756 [我輩は匿名である]
あげー!

⏰:08/09/19 01:30 📱:W51SA 🆔:/TpqGlIY


#757 [みい]

「あの…私、保健室に戻ります…」「はい、いってらっしゃい」


赤面しながら呟く私に、矢野君は笑ったままそう言い、手を振る。


「あ!うちのクラス、総合1位だってー!」


走り出した私の背後で、矢野君が思い出したように叫ぶのが聞こえた。


1位…!本来だと万々歳のはずだけど、私は手放しには喜べない。

⏰:08/09/20 00:01 📱:SH905i 🆔:xTsxErYM


#758 [みい]

すべてが欲しいと囁く、蓮の声が耳元に蘇る。


うわわわ!どっ、どうしよう!?


更に熱を持つ顔を両手で抑えながら、とりあえず保健室まで急いだ。



「蓮…起きてる…?」
「文句なら聞かない」


遠慮がちに声を掛けると返事があったので、私はベッド周りのカーテンを少し開いた。

⏰:08/09/20 00:02 📱:SH905i 🆔:xTsxErYM


#759 [みい]

ベッドの上の蓮は、腕で目元を隠すようにしているから、表情がよくわからない。


「そんなんじゃないよ。…謝りにきたの」


この言葉に、蓮は少し腕をずらして私を横目で見る。


「ごめんね。私のせいで、佐々木君に…」
「何の話?」


不機嫌な蓮の声が、私の言葉を途切らせる。

⏰:08/09/20 00:03 📱:SH905i 🆔:xTsxErYM


#760 [みい]

「私が佐々木君にひどいことされたの知ってて、蓮は…」


私が言葉を詰まらせると、蓮が小さく息をもらす。


「いつの話だよ。んな昔のことなんか、忘れた」


そう言いながら、上体を起こす蓮。

本当は、覚えてるくせに…。


「…嘘ばっかり」

⏰:08/09/20 00:04 📱:SH905i 🆔:xTsxErYM


#761 [みい]

「あ?何か言ったか?」


思わず口をついた私の声に、蓮がすかさず反応する。


「んーん!何でもない!」


これ以上言ったら、どうなるかわかったもんじゃないからやめとこう…。


「んなことより、俺等のクラスは何位だったわけ?」
「えっ!?」

⏰:08/09/20 00:05 📱:SH905i 🆔:xTsxErYM


#762 [みい]

いきなりそのことを聞かれ、心臓がドクンと鳴る。


「何間抜けな声出してんだよ。おい、結果は?」
「えっと、あの…1位です…」


呆れたように片目をつむる蓮に、怖ず怖ずと順位を告げる。


すると蓮が右の口角だけを上げて、立っている私を見上げた。


「…お前、もちろん覚えてるよな?」

⏰:08/09/20 00:07 📱:SH905i 🆔:xTsxErYM


#763 [みい]

「あ、あの、一体何のことでございましょうか…?」
「とぼけんじゃねえ」


だ、だってー!あれはあんたが半ば無理矢理押し付けたんじゃないか!


「えっと、あの…」


なかったことにはならないかと粘る私に、


「今夜11時。下のロビー集合」

⏰:08/09/20 00:08 📱:SH905i 🆔:xTsxErYM


#764 [みい]

と言い付ける蓮。


「へっ!?」
「絶対遅れんなよ」


そっ、そんなあーー!!


………………………………


現在、夜の10時半…。


あー!もう、どうしよう!!


私は部屋でひたすらぐるぐると歩き回っていた。

⏰:08/09/20 00:09 📱:SH905i 🆔:xTsxErYM


#765 [みい]

大体ロビーで待ち合わせってどうゆうこと!?どっか行くの?


…ハッ!ま、まさか…ホテル、とか…!?


そこまで考えて、私は頭から湯気を出す。


いやいや、考えすぎなのよ柚は!そんなの気楽に行っちゃえばいいんだって!


自分の中の悪魔が人差し指を突き立てる。

⏰:08/09/20 00:10 📱:SH905i 🆔:xTsxErYM


#766 [みい]

でも、「欲しい」とか言っといて、夜に待ち合わせだなんて絶対怪しいよ!止めておこ!?


今度は天使が手足をばたつかせて反抗する。


そーう?てゆうか別にいいじゃん、付き合ってんだし。何がそんなに嫌かなあ?好きなんじゃないの?蓮のこと。


呆れたように溜息をつく悪魔。


「違うよ、悪魔さん」

⏰:08/09/20 00:11 📱:SH905i 🆔:xTsxErYM


#767 [みい]

嫌なんじゃないし、蓮のことだってもちろん、好き…だ。


嫌なわけじゃ、ないんだけど…。


「んー…って、え!?もうこんな時間!?早く出なきゃ!」


私はバタバタと家を出た。


階段を降りて、降りて降りて…最後の角を曲がると…


「おせえ」

⏰:08/09/20 00:11 📱:SH905i 🆔:xTsxErYM


#768 [みい]

壁にもたれかかって腕組みしながら怒る、蓮の姿。


「ごっ、ごめん!」
「いいからほら、早く行くぞ」


い、行くってどこにーー!?


蓮は私に有無も言わさぬ間に、私の手をとり歩き始めた。


「ね、ねえ蓮!どこ行くの!?」


私の質問に答えもせずに蓮はどんどん歩を進める。

⏰:08/09/20 00:12 📱:SH905i 🆔:xTsxErYM


#769 [みい]

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
更新すとっぷします
感想等、ものすごく励み
になるので、よかったら
是非お願いします

>>1みい感想板
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

⏰:08/09/20 00:15 📱:SH905i 🆔:xTsxErYM


#770 [我輩は匿名である]
>>001-200
>>201-400
>>401-600
>>601-800


アンカー失礼しますm(__)m

⏰:08/09/21 21:41 📱:SH903iTV 🆔:noZapREc


#771 [我輩は匿名である]
あげ
これ大スキ
毎日楽しみにしてるよ

⏰:08/09/23 15:36 📱:D903i 🆔:EzHC8p4Y


#772 [そら]
あげッ
頑張って下さい

⏰:08/09/26 07:35 📱:P903i 🆔:☆☆☆


#773 [AOI]
失礼しますコ

>>1-50
>>51-100
>>101-150
>>151-200
>>201-250
>>251-300
>>301-350
>>351-400
>>401-450
>>451-500
>>501-550
>>551-600
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>>651-700
>>701-750
>>751-800

⏰:08/09/26 14:23 📱:W51SA 🆔:aDjQEYNg


#774 [やほい]
悪魔で候っぽい

⏰:08/09/27 03:02 📱:F904i 🆔:J1INXK2.


#775 [みき]
ぁげ
更新楽しみに
してます

⏰:08/09/29 01:07 📱:SH903i 🆔:dXIzyf62


#776 [我輩は匿名である]
あげヘ!

⏰:08/09/30 23:49 📱:W51SA 🆔:xWGnPcr2


#777 [かな]
上げます

⏰:08/10/01 01:54 📱:D705i 🆔:n4XOR9RA


#778 [みつき]
あげ

⏰:08/10/04 14:03 📱:P703imyu 🆔:y69R1rI2


#779 [はな]
楽しみにしてますU

⏰:08/10/04 20:44 📱:W61PT 🆔:iktb.Xdg


#780 [我輩は匿名である]
あげ(^ω^)イ

⏰:08/10/05 21:34 📱:W51P 🆔:8A87xfzg


#781 [我輩は匿名である]
主さんが更新したかと
期待するだけだから
「あげ」とかやめて
がっかりする

⏰:08/10/06 00:06 📱:W53T 🆔:Kov7xCKY


#782 [匿名]
別にいいんじゃないですか?
個人的にあなたが
嫌なだけでしょ。
主さんは、嬉しいと思いますけど。

⏰:08/10/07 14:27 📱:W61T 🆔:.GtIwtzw


#783 [我輩は匿名である]
>>782
しつこく何回も
あげたら何か
意味があるんですか?
しつこく何回もあげる
必要はあるんですか?
個人的にではなく
私と同じように
感じている人もいるから
書き込んだんです
自分の一存で
わざわざ書き込みません

⏰:08/10/07 22:30 📱:W53T 🆔:0m8IurYU


#784 [匿名]
感想を貰った
主さんは嬉しいと
思いますけど

皆、この小説が
面白いから
あげてるだけです。
主さんだって
楽しんでもらえたら
感無量ですッて
言ってるじゃないですか。

皆、あなたと
同じように楽しみにしてるだけです。

⏰:08/10/07 23:58 📱:W61T 🆔:.GtIwtzw


#785 [我輩は匿名である]
あげって感想なんですか?
感想だったら
感想板があるじゃない
ですか

何回もしつこくあげるのは
主さんへの遠回しの
催促にしか見えませんが

⏰:08/10/08 13:03 📱:W53T 🆔:x1VXIAp2


#786 [かな]
頑張ってくださいx
すごく楽しみにしています

⏰:08/10/08 14:06 📱:W61PT 🆔:rGyZenKw


#787 [我輩は匿名である]
主さん書いてくださーいx

⏰:08/10/12 11:29 📱:W51SA 🆔:gX6IFrlg


#788 [あい]
こんな感じに上げられていたら、書くのイヤに
なりますよね………


応援してます

⏰:08/10/12 13:59 📱:D902iS 🆔:yDCmSylo


#789 [我輩は匿名である]
ぁげ
書いて

⏰:08/10/19 19:38 📱:SH903i 🆔:OUQx5r1E


#790 [我輩は匿名である]
頑張って下さいイ。
応援してます!

⏰:08/10/21 00:31 📱:W61SH 🆔:ZBZu63Us


#791 []
>>001-100
>>101-200
>>201-300
>>301-400
>>401-500
>>501-600
>>601-700
>>701-800
>>801-900
>>901-1000

⏰:08/10/22 18:23 📱:P906i 🆔:dA8f7eCQ


#792 [我輩は匿名である]
ぁげ↑↑

⏰:08/10/25 00:29 📱:SH903i 🆔:q9GgROaU


#793 [まりあ]
放置???

⏰:08/10/25 16:51 📱:D902iS 🆔:eE7w3qi6


#794 [我輩は匿名である]
主サンの小説楽しみにしています
また時間がある時に更新お願いします

⏰:08/10/26 04:57 📱:SH903iTV 🆔:DHAKZ6Po


#795 [にー]
あげっ

⏰:08/10/27 01:42 📱:D903i 🆔:LsMY2rSk


#796 [あ〜ちやん]
めっちやすきッ☆
はよ見たいぃ―!!

⏰:08/10/27 10:06 📱:P904i 🆔:S1NcvtRc


#797 [_]
めっちゃおもしろいイ!
主さんもう書かないんで
しょうか続き見たいですm

⏰:08/10/27 18:19 📱:W44K 🆔:wyTHeT6Y


#798 [みい]

読者の皆様、大変申し訳ありませんでした。

感想板のほうに謝罪をコメントしましたので、よろしければ目を通してみて下さい。


今からラストまで更新します!

⏰:08/11/08 17:52 📱:SH905i 🆔:vNKBvMlI


#799 [みい]

>>768

こうなったらもう、腹をくくるしかない。


私はすたすたと歩く蓮の後を、小走りで着いていった。




そして、着いた先は…


「へ?ここ…?」


私が想像していた、安っぽいお城のようなホテル、ではなく…

⏰:08/11/08 17:55 📱:SH905i 🆔:vNKBvMlI


#800 [みい]

「何ぼーっと突っ立ってんだよ。入んぞ」
「ちょっ、待ってよ!こんなとこ勝手に入っちゃ怒られ…」


咎める私に構いもせず、蓮はその建物の扉を開く。


ギィイ…と重い音をたて、扉が開くと、蓮はさっさと中へ入っていってしまった。


「蓮!怒られるってば…!」
「誰もいねーよ。ほら、早く来い」


だって、こんな神聖な場所、勝手に入ったりしたらバチが当たりそうだし…。

⏰:08/11/08 17:56 📱:SH905i 🆔:vNKBvMlI


#801 [みい]

未だ躊躇する私に、蓮は言葉を重ねる。


「柚。おいで」


手を差し延べる蓮が遠くに見えた瞬間、吸い寄せられるように足が動いた。


レッドカーペットの上を、一歩ずつ進んで行く。

その先には、蓮の姿。


そう、ここは小さな教会なのだ。

⏰:08/11/08 17:56 📱:SH905i 🆔:vNKBvMlI


#802 [みい]

ようやく蓮の元へ着くと、蓮がおもむろに口を開いた。


「いいか、俺から離れんな。命令だ」
「へ?」


あまりに唐突だったものでいまいち理解が出来ず、ぽかん顔の私を見て蓮は息をつく。


「そばにいろっつってんだよ。いかなる時でも例外は許さない」


…な、なんて俺様的な…。

⏰:08/11/08 17:57 📱:SH905i 🆔:vNKBvMlI


#803 [みい]

多少呆れ気味な私を他所に、蓮は話を続ける。


「あと、禁止事項」


ここ、と言いながら蓮は私の左手を取り、薬指を指す。


「ここに指輪つけんの禁止。そのうち俺がつけてやっから」


左手の薬指が持つ意味を思い付いた瞬間、一気に顔が熱くなった。


まるで、プロポーズじゃない…!

⏰:08/11/08 17:58 📱:SH905i 🆔:vNKBvMlI


#804 [みい]

「聞いてんの?」


恥ずかしさから俯いた私の頭上から聞こえる不機嫌そうな蓮の声に、小さく頷く。


「俺はお前の全てが欲しいんだよ。今も未来も、いつだってお前は俺のもんだ」


『柚の全てが欲しい』


何日前かの蓮の言葉が頭を過ぎる。

「…なんだ!そういう意味だったわけね!私てっきり…」

⏰:08/11/08 17:59 📱:SH905i 🆔:vNKBvMlI


#805 [みい]

蓮の言葉を勝手に誤解していたことに気付き、そこまで言いかけたと同時にはっと口をつぐむ。


蓮はきょとんとした後、私の言葉の続きを予想出来たのか、にやりと笑った。


「てっきり…何?」
「あ、や、何でも…」


墓穴を掘ってしまった私は、口をもごもごさせる。


そんな私に、蓮は距離を縮めた。

⏰:08/11/08 18:00 📱:SH905i 🆔:vNKBvMlI


#806 [みい]

「言えないようなこと?」
「そそそそんなことっ…!」


笑みを含ませた蓮の言葉が図星であることは、この尋常ではない声の震えが証明しているようなものだ。


すると突然、耳に蓮の指が触れ、思わず体がびくんと跳ねる。


「別に俺はいいけど…?お前がそんなに言うなら」
「い、言ってないもん!」

⏰:08/11/08 18:00 📱:SH905i 🆔:vNKBvMlI


#807 [みい]

必死に蓮の胸板を押して、距離をとろうとするけど全く無意味。


蓮の手が私の髪をかきあげ、首筋にほんのりと温もりが生まれる。


「ちょっ…!やめっ…」


蓮の唇が首筋を走る。


「力、抜けちゃってんじゃん」


私の首筋に顔を埋めたまま、蓮が楽しそうに囁く。

⏰:08/11/08 18:01 📱:SH905i 🆔:vNKBvMlI


#808 [みい]

蓮の言う通り、口調は強いものの手には全く力が入らず、むしろ蓮に体を預けるような格好になってしまっている。


「だめだってば!こ、こんなとこで…罰当たるよ!」
「誰かいるのか!!」


私が言い切ると同時に、大きな声と共に扉が開く。


「…お前のせいだぞ、でけえ声出すから」

⏰:08/11/08 18:02 📱:SH905i 🆔:vNKBvMlI


#809 [みい]

こめかみに手をやりながら、はー、と大きく息をつく蓮。


「そんなこと言ったって…ってぇえ!?」
「逃げんぞ」


私が文句を言い終わらない内に、蓮が手を引いて走り始めた。


「こらーっ!待ちなさい!」


懐中電灯を手にした警備員が追い掛けてくる。

⏰:08/11/08 18:03 📱:SH905i 🆔:vNKBvMlI


#810 [みい]

「蓮!も、無理…っ!」


もともと運動神経のない私にとって警備員との追い掛けっこなんて、高度すぎる!


ひーひー言ってる私を振り返った蓮は、何も言わずに私を抱き上げまた走り出す。


「うひゃあ!ちょ、蓮!?」
「荷物は黙ってろ」


…すいませんね、お荷物で…。

⏰:08/11/08 18:04 📱:SH905i 🆔:vNKBvMlI


#811 [みい]

私をお姫様だっこしながら、赤い絨毯の上を走り出す蓮。


「さっきの続き」
「え?」


走りながら呟く蓮に聞き返す。


「お前、『こんなところで』っつったよな?てことは、他の場所ならいいんだろ?」


蓮はにやりと笑って、私を見る。

⏰:08/11/08 18:05 📱:SH905i 🆔:vNKBvMlI


#812 [みい]

「な、なっ…!」
「今日俺んち親、留守なんだよ。てわけで帰って続きな」
「……ぇええっ!?」


あっ、ありえないー!!!






また、この教会に来て。

警備員さんに、「あの時のガキどもか!」って、笑われて。

「すみませんでした」って、照れ臭く頭を下げて。

⏰:08/11/08 18:07 📱:SH905i 🆔:vNKBvMlI


#813 [みい]

もちろん隣にいるのは貴方。



みんなに祝福されながら、二人で再び、この赤い幸せな道の上を歩くのは、





それほど遠い未来でもないみたい。



*end*

⏰:08/11/08 18:08 📱:SH905i 🆔:vNKBvMlI


#814 [みい]

だらだらと長引いてしまった気がしますが、とうとう完結いたしました!

こんな至らない主ですが、よろしければ感想もらえたら嬉しいです

>>1みい感想板

⏰:08/11/08 18:11 📱:SH905i 🆔:vNKBvMlI


#815 [みい]


アンカー
--------*

>>1-100
>>101-200
>>201-300
>>301-400
>>401-500
>>501-600
>>601-700
>>701-800
>>801-850

⏰:08/11/10 23:31 📱:SH905i 🆔:WX/jIpA.


#816 [あ]
>>1-50
>>51-100
>>101-150
>>151-200
>>201-250
>>251-300
>>301-350
>>351-400
>>401-450
>>451-500
>>501-550
>>551-600
>>601-650
>>651-700
>>701-750
>>751-800
>>801-850

⏰:08/11/11 21:55 📱:W51SA 🆔:ucyIkuPk


#817 [てきちゃん]
なんか無理矢理終わらせたって感じだね
がっかり。

⏰:08/11/24 14:06 📱:N902i 🆔:☆☆☆


#818 []
あげ(^o^)

⏰:09/08/19 00:28 📱:SH904i 🆔:5YWH5FEo


#819 [我輩は匿名である]
あげる

⏰:09/11/16 01:25 📱:N905i 🆔:☆☆☆


#820 [我輩は匿名である]
いい小説だったのに終わり方がっかりだな

⏰:09/11/21 02:06 📱:F906i 🆔:f755JMXI


#821 [ま]
えーでもかなり
おもしろかったですよ
続編とか地味に期待してます←

⏰:09/11/21 23:23 📱:P03A 🆔:TKGhJFt.


#822 [ナナし]
最高だったよ
続編書いてほしいです(^O^

⏰:09/11/22 17:54 📱:SH05A3 🆔:I3Zefcbc


#823 [ナナし]
あげ
最高です( ^^)Y☆Y(^^ )

⏰:09/11/23 21:59 📱:SH05A3 🆔:iRwW1YXI


#824 [やっこ]
よかったあげ〜

⏰:10/04/14 21:21 📱:SH03A 🆔:DpQ3VuoQ


#825 [我輩は匿名である]
>>1-200
>>200-400
>>400-600
>>600-800
>>800-1000

⏰:10/04/15 00:19 📱:SH06A3 🆔:D1kbbii2


#826 [我輩は匿名である]
あげ(^^)

⏰:10/11/16 01:40 📱:N905i 🆔:hOTxKbCQ


#827 [ゆず]
私も続編期待します
主さんお願いです
続編お願いです

⏰:10/11/19 22:36 📱:P03A 🆔:GG51FdYc


#828 [我輩は匿名である]
あげ

⏰:10/12/03 02:17 📱:SH06A3 🆔:SlHWgo1k


#829 [なあ(^O^)]
<Font Size="-1">
あげ

⏰:10/12/04 01:27 📱:F905i 🆔:9L0aH7yc


#830 [なあ(^O^)]
どうやって文字ちいさくしますか?

⏰:10/12/04 01:33 📱:F905i 🆔:9L0aH7yc


#831 [なあ(^O^)]


⏰:10/12/04 01:40 📱:F905i 🆔:9L0aH7yc


#832 [○○&◆.x/9qDRof2]
(´∀`∩)↑age↑

⏰:22/10/19 18:32 📱:Android 🆔:A4ZzuHng


#833 [○○&◆.x/9qDRof2]
>>1-30

⏰:22/10/19 18:37 📱:Android 🆔:A4ZzuHng


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