・・悪魔なキミ・・
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#601 [みい]

と感謝の言葉と同時にまさかの邪魔物扱い。


「蓮!なんてこと…」
「いやいやいいんすよ、柚さん」


蓮への非難の言葉を、苦笑した銀次さんが遮る。


じゃ、お大事にと笑顔で再び頭を下げ、銀次さんは病室を後にした。


「なんでそんなひどいこと言うの!?」

⏰:08/08/10 01:07 📱:SH905i 🆔:stLV/.GY


#602 [みい]

銀次さんがいなくなった病室で、私は蓮に抗議する。


「すごくお世話になったのに…!失礼じゃない!」


が、当の本人は知らん顔して髪の毛を邪魔くさそうにかきあげるだけ。


これにはいくら病人といえど、さすがに私の堪忍袋の緒も切れる。


「蓮っ!聞いてるの!?」

⏰:08/08/10 01:08 📱:SH905i 🆔:stLV/.GY


#603 [みい]

私が椅子から身を乗り出した瞬間だった。


ぐ、と腕を強く捕まれる。


「…邪魔なんだよ」
「……へ?」


何が?何の話よ?


頭の上に?のマークを浮かべる私を見て、蓮は長いため息を一つついた。


「あいつがいたらキス出来ねえだろ」

⏰:08/08/10 01:09 📱:SH905i 🆔:stLV/.GY


#604 [みい]

……きす、ですか?


ああ!キスね!なるほどなるほど、それは確かに…って、


「ぇえ!?なっ!きっ、キス!?//」
「だから…傷口に響く…」


顔を歪める蓮を見て、私は咄嗟に口を覆った。


「…それとも何?あいつに見せ付けたほうが燃えた?」


意地悪く笑う蓮に、茹でだこみたいに顔が赤くなる。

⏰:08/08/10 01:11 📱:SH905i 🆔:stLV/.GY


#605 [みい]

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
更新Stopします
想等もらえるととても嬉
しいので、感想板のほう
へ是非お願いします

>>1みい感想板
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

⏰:08/08/10 01:14 📱:SH905i 🆔:stLV/.GY


#606 [みい]

「そっ、そんなわけっ…!」
「ねえだろ?だから出てってもらった、それだけ」


っしょ、とゆっくり上半身を起こす蓮。パジャマの胸元から、胸からお腹にかけて包帯が巻かれているのが見えた。


「蓮…怪我、だいじょ…わっ!?」


いきなり、掴まれていた腕がぐっ、と引き寄せられ、私達の顔の距離は30センチくらい。

⏰:08/08/12 22:42 📱:SH905i 🆔:F8dJwfHI


#607 [みい]

「大丈夫じゃねえ。お前のせいで」


真正面で無表情のままそう言われ、私は俯くしかない。



――『お前のせいで』



蓮の一言が心に重くのしかかる。

ね、銀次さん。やっぱり私のせいなんだよ…。蓮だって、私を責めてる。


「ごめっ、なさい…」

⏰:08/08/12 22:44 📱:SH905i 🆔:F8dJwfHI


#608 [みい]

蓮の顔が見れない。私をどんな目で見ているのか、知るのが恐くて。


「ご、ごめっ……」


せめてちゃんと謝らなければ、と頑張ってみても、溢れる涙のせいで思うように言葉が出てこない。


「柚、泣くな」


この頃よく蓮に「泣くな」って怒られる気がする。

⏰:08/08/12 22:46 📱:SH905i 🆔:F8dJwfHI


#609 [みい]

「…っとに、お前は冗談通じねえ奴だな」


蓮が頭をぐしゃぐしゃとしながら、溜息混じりに呟く。


「じょー、だん?」
「そ、冗談。お前のせいなんかじゃねえから気にすんな」


蓮はそう言って、私の頬の涙を乱暴に手の平で拭ってくれた。


「…悪かったな、恐い思いさせて。怪我とかしてなかったか?」

⏰:08/08/12 22:47 📱:SH905i 🆔:F8dJwfHI


#610 [みい]

私はぶんぶんと首を横に振る。

昨日は恐かったけど、蓮がいなくなっちゃうかもしれないことの方が、想像しただけでも何億倍も恐かった。


蓮は私が無傷だと知って、安心したように長く息を吐く。


それでも尚泣きつづける私に、痺れを切らしたようだった。


「泣くなっつーの。…俺、お前が泣くの、なんか苦手ってゆうか…調子狂う」

⏰:08/08/12 22:49 📱:SH905i 🆔:F8dJwfHI


#611 [みい]

「…よく泣かしてたくせに」


私が少し嫌味ったらしく言うと、


「昔の話だろ。いっちょ前に揚げ足取ってんじゃねえよ」


と私のおでこを小突く蓮。


自分でも涙を拭きながらへへ、と笑うと、蓮も無言で微かに口角を上げる。


「…ってわけで……」

⏰:08/08/12 22:51 📱:SH905i 🆔:F8dJwfHI


#612 [みい]

…ん?んんん?


途端に穏やかな空気が一変したのが感じられた。


さっきまでより更に強く掴まれた私の右腕。

熱を帯びた色に染まる蓮の瞳。


「れ、蓮…?あの…っ」


これはっ…、この雰囲気はっ…!

⏰:08/08/12 22:52 📱:SH905i 🆔:F8dJwfHI


#613 [みい]

「そ、そろそろ私、行くねっ…」


明らかに動揺した私が席を立った瞬間、思い切り腕を引っ張られ、再びお互いの顔が近づいた。


「まだ、帰さねえ」


真剣な表情でそんなことを言われると、一気に恥ずかしくなってしまう。


静かな中、自分の心臓の音だけがバクバクとうるさく、蓮にも聞こえてしまうかも、なんて変な心配まで生まれる始末だ。

⏰:08/08/12 22:53 📱:SH905i 🆔:F8dJwfHI


#614 [みい]

「柚…」


こんなに近くで自分の名前を甘く囁かれると、余計に胸が高鳴る。


息をすることすらままならない。それほど私は緊張していた。

なにせこうゆう雰囲気にはどうも慣れないもので…。


「…再会を祝して」


蓮が薄く笑い、近付いてきたのがわかった。

⏰:08/08/12 22:54 📱:SH905i 🆔:F8dJwfHI


#615 [みい]

私は強く目を閉じ、覚悟を決めた…が。


「……はれ?」


蓮の唇が触れたのは、意外や意外、私の唇…ではなく。


「涙、残ってたから」


まだ涙の跡が消えずにいる、私の頬だった。

⏰:08/08/12 22:55 📱:SH905i 🆔:F8dJwfHI


#616 [みい]

唇を舐め、しょっぺえ、と顔をしかめる蓮を見て、私はいてもたってもいられないくらいの恥ずかしさに襲われる。


当然のように、唇にされるものだと思い込んでいた自分が、ひどく自惚れているように思えたのだ。


真っ赤になってしまった顔が蓮に気付かれないよう俯くが…


「なに顔赤くしてんの?」


…ばーれーてーるー……。

⏰:08/08/12 22:57 📱:SH905i 🆔:F8dJwfHI


#617 [みい]

「や、べ、別っ、に!?」


自分でもどんだけだよ、とツッコミたくなるほどのきょどりようだ。


「…こっち向いてみ」


何となく、勘だけど、蓮の声色がおもしろがっているようなものに思える。


…絶っっ対嫌だ!!こんな林檎みたいな顔、笑われるに決まってる!

⏰:08/08/12 22:59 📱:SH905i 🆔:F8dJwfHI


#618 [みい]

断固拒否、とでも言うように、私は蓮から素早く顔を背ける。


「柚、こっち向けって」


嫌だってば!あんたはそんなに私を笑い者にしたいのか!


無視を決め込む私に、蓮もいい加減苛立ったようだった。


無言で腕を引っ張られる。


「きゃっ…」

⏰:08/08/12 23:01 📱:SH905i 🆔:F8dJwfHI


#619 [みい]

咄嗟の出来事に、とろい私はもちろんされるがままで。


思い切り蓮の胸に飛び込む形になってしまった。


本能的につぶった目を恐る恐る開くと、目の前に映るは包帯が巻かれた蓮の胸板。


「…いってえ……」


勢いよくぶつかってしまったせいか、蓮が微かに声を漏らした。

⏰:08/08/12 23:02 📱:SH905i 🆔:F8dJwfHI


#620 [みい]

私はそれに反応し、慌てて顔を上げる。


「ご、ごめん!大丈夫!?」







……やられた。




真正面に蓮の意地悪な笑み。

⏰:08/08/12 23:05 📱:SH905i 🆔:F8dJwfHI


#621 [みい]

こっ、この男…!騙しやがったな…!


「俺は平気だけど、お前は大丈夫か?」
「は!?」


蓮の言っている意味がわからなくて、少々強気に聞き返すと、


「…顔、真っ赤」


という声と同時に、私の頬が両手で包み込まれた。


…完敗、です…。

⏰:08/08/12 23:08 📱:SH905i 🆔:F8dJwfHI


#622 [みい]

「何かあった?なんでそんな赤いわけ?」


明らかに面白がっている蓮の質問。


くそー…。答えるまい!てゆーか答えられません!


両頬を蓮の手に支配され、顔を動かすことができないので、かろうじて視線だけでも下に落とす。



「…さっきの、さ」

⏰:08/08/12 23:09 📱:SH905i 🆔:F8dJwfHI


#623 [みい]

蓮はそこまで言うと、右手を私の頬から離す。


不思議に思ったが、視線を動かさないでいると、不意に唇に何かが触れて、思わずビクッとしてしまった。


「こっちの方がよかった?」


低く囁くような声と共に、蓮の指先が私の唇をなぞる。


「…っ!」

⏰:08/08/12 23:12 📱:SH905i 🆔:F8dJwfHI


#624 [みい]

驚きに思わず顔を上げると、お馴染みの、あの嫌ーな微笑みを浮かべる悪魔。


「そ、んなこと、ない…」


強気に振り払いたかったが、正直言うと少々図星だった私は、再び俯き弱々しい否定をする。


「あ、そ。俺はこっちのがよかったんだけどな」


そんなことを言いながら私の唇をなぞり続ける蓮。

⏰:08/08/12 23:14 📱:SH905i 🆔:F8dJwfHI


#625 [みい]

私の顔は沸点に達したやかんのように、湯気までたってしまいそうな勢いだ。


「……っ!」


俯いた私の両頬が蓮の手の平によって再び包まれ、反射的に少しだけ顔を上げた瞬間だった。


間近に蓮の顔が見えた直後、軽く触れ合う自分達の唇。


間もなく入ってくる蓮の舌。

⏰:08/08/12 23:15 📱:SH905i 🆔:F8dJwfHI


#626 [みい]

まるで命を持っているように、自在に私の咥内を侵していく。


「ふ……あっ……」


思わず声が漏れる。何かに頼らなければ瞬時に倒れ込んでしまいそうな私は、蓮のパジャマの襟元を掴むのに精一杯だ。


…それなのに。私はこんなにもいっぱいいっぱいなのに、も関わらず。


「……っ!?」

⏰:08/08/12 23:17 📱:SH905i 🆔:F8dJwfHI


#627 [みい]

敵はまだまだ余裕なのか、私の後頭部に手を回し、更に深く舌を侵入させてきたのだ。



…死ぬかも。



苦しみにもがきながらもぼんやりと冷静にそう思った時、


「蓮っ!…ぅわぁあああっ!!」


ガラッと音を立て、勢いよく病室に飛び込んで来た不運な人は…、矢野君です…。

⏰:08/08/12 23:19 📱:SH905i 🆔:F8dJwfHI


#628 [みい]

私は蓮が矢野君の登場により少しだけひるんだ隙に、蓮から即座に離れた。


…かなり恥ずかしいけど、グッドタイミングだよ、矢野君…。あなたは正真正銘、私の命の恩人です…。


「…ノックくらいしろよ」


思い切り不機嫌丸だしの蓮が、矢野君を睨み据えながら言う。


「おまっ、お前なあっ!病院のベッドはそういうことに使うものではっ……」

⏰:08/08/12 23:20 📱:SH905i 🆔:F8dJwfHI


#629 [みい]

対して矢野くんは、私と同じくらい顔を赤くして、蓮を指差しながら大声を出す。あわあわ、という擬態語がぴったりだ。


「うるせえな、まだ使ってねえだろうが」


心底面倒そうな顔をする蓮。


まだって!言っておきますけども、今後も使うつもりなんてないからね、私は!!


うう、と悔しそうに唸ったあと、矢野君は急に思い出したように神妙な顔つきになる。

⏰:08/08/12 23:21 📱:SH905i 🆔:F8dJwfHI


#630 [みい]

「ちょっと待ってて」

そう言って一度病室を出て、再び入って来た矢野君が連れてきたのは…


「……淕…」


雨宮淕、だった。


「どうしてやろうか悩んだんだけどさ、俺じゃ決めかねたから蓮に引き渡そうと思って」


矢野君はそう言い、淕を蓮のほうへ少し荒っぽく押し出す。

⏰:08/08/12 23:23 📱:SH905i 🆔:F8dJwfHI


#631 [みい]

淕はポケットに手を突っ込んだまま、ばつが悪そうに俯いている。頬には、大きな傷が出来ていた。


「…あんだろ?二人で話すことの一つや二つ」


矢野君は諭すようにそう言ったあと、私の手をとり病室を出ようとした。


「…矢野」


後ろで蓮の声が聞こえ、私達は立ち止まり、振り返る。

⏰:08/08/12 23:24 📱:SH905i 🆔:F8dJwfHI


#632 [みい]

「…さんきゅ」


矢野君は大きく目を見開いた後、照れ臭そうに笑ってまたドアに向かう。


「…おい、矢野」


そこでなぜか二回目の待ったがかかった。


私と矢野君が二人して今度は何か、と不思議に思いながら先程と同じように振り向くと、

⏰:08/08/12 23:26 📱:SH905i 🆔:F8dJwfHI


#633 [みい]

「柚に触んな」


蓮が指差すは、さっき矢野君に手をとられ、そのまま自然に繋がれた私達の手。


矢野君ははいはい、と苦笑すると私の手を放し、おどけるように両手を頭上に置いて病室を出た。



「蓮達…ふたりきりにしちゃって大丈夫かな?」


病室を出たあと、私は矢野君に小声で聞く。

⏰:08/08/12 23:28 📱:SH905i 🆔:F8dJwfHI


#634 [みい]

「大丈夫だよ。あんなんでも血の繋がった兄弟なんだから」


矢野君が笑ったその時、私は矢野君の頬に出来た、淕のものと同じくらい大きな傷に初めて気が付いた。


「矢野君っ…ほっぺた、怪我してる…!」
「え?…ああ、ほんとだ」


矢野君は自分の頬に手をやり、指先についた血をぺろっと舐めながら苦笑する。

⏰:08/08/12 23:29 📱:SH905i 🆔:F8dJwfHI


#635 [みい]

「早く手当してもらわなきゃ!ここ、病院だし…」
「だいじょーーぶ!こんくらい平気平気!俺の自然治癒力、まじ半端ないから!」


オロオロする私を茶化すようにウインクをする矢野君。でも、結構派手な傷だ。そんなわけにはいかない。


「駄目だよ、もしばい菌でも入ったりしたら…」


尚も診察を勧める私を、矢野君は目を細めるようにして見つめる。

⏰:08/08/12 23:30 📱:SH905i 🆔:F8dJwfHI


#636 [みい]

「…柚ちゃんは、優しいね」


てんで期待していなかった褒め言葉に、思わずきょとんとしてしまう。


「久々だな、こんなに人に心配してもらえるの」


どこか悲しみをたたえた笑みと独り言のような小さい呟きに、私の胸は締め付けられる思いがした。


「…俺のこと、恐くないの?」

⏰:08/08/12 23:31 📱:SH905i 🆔:F8dJwfHI


#637 [みい]

遠慮がちにそんな質問をするのはきっと、矢野君が持つもう一つの"顔"を私が知ってしまったからだろう。


「恐くなんかないよ。だって、矢野君は矢野君だもん」


最初はびっくりした。それは否めないが、本当の姿は、今私の目の前にいる彼なんだとわかるから。恐怖なんて感じない。


私の返事を聞いて矢野君は少し驚いたようだった。

⏰:08/08/12 23:32 📱:SH905i 🆔:F8dJwfHI


#638 [みい]

でも、またすぐに微笑み、


「そっか」


と私の顔を見る。


矢野君の過去や、どんな心の傷を負っているのかなんてこと、私は知らない。

でも、この優しい笑みの持ち主に、どうか誰かが幸せをもたらしてくれますように。


「柚ちゃんが手当してくれない?俺、医者って嫌いなんだ」

⏰:08/08/12 23:37 📱:SH905i 🆔:F8dJwfHI


#639 [みい]

長椅子に座り、私を上目に見て笑いながら問う矢野君に、私はこくんと頷いた。


………………………………

「いっ…たあー!痛い痛い!」


病院内のコンビニで買ってきたマキロンをティッシュに含ませ頬の傷口に押し当てると、廊下に響くぐらいの大声で矢野君が叫ぶ。


ちょっと…みんな見てるじゃん!恥ずかしいったらありゃしない…。

⏰:08/08/12 23:38 📱:SH905i 🆔:F8dJwfHI


#640 [みい]

「も、無理!柚ちゃんもういいよ!」


泣きそうに、というか半分泣きながら矢野君は私の手を拒絶する。


「まだ駄目だよ!ちゃんとやっておかなきゃ…」


私だってSなわけでもないから、そんな矢野君を見るのは心苦しい。でも、これも彼の為なのだ。


矢野君の悲痛な叫び声は、このあともしばらく響き続けた…。

⏰:08/08/12 23:39 📱:SH905i 🆔:F8dJwfHI


#641 [みい]

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
更新すとっぷします
大量更新、、だったかな?
とりあえず疲れちゃい
ました感想等もらえる
と疲れも吹っ飛ぶので、
ぜひ感想板のほうにエー
ルをお願いします

>>1みい感想板
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

⏰:08/08/12 23:43 📱:SH905i 🆔:F8dJwfHI


#642 [我輩は匿名である]
>>250-350
>>350-450
>>450-550
>>550-650



失礼しました(´・ω・`)

⏰:08/08/14 12:37 📱:SO705i 🆔:MzuZVnhc


#643 [くぴ]
あげ

⏰:08/08/18 03:51 📱:P705i 🆔:Ijucxmh6


#644 [アカリ]
あげます

⏰:08/08/20 17:48 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#645 [我輩は匿名である]
あげ(・´ω`・)

⏰:08/08/21 01:54 📱:W61SH 🆔:4fEeMT9.


#646 [みい]

――*蓮Side*――

「座れよ」


俺がベッドの隣にある椅子を顎で指すと、淕はそれを拒否するように俺を睨み付ける。


「…ま、立ちっぱでもいいけど。お前には聞いてもらわなきゃなんねえことがあるんだ」


…10年以上も前のこと。俺達が、まだガキだった頃の、こと。

⏰:08/08/26 00:31 📱:SH905i 🆔:fijO4rPk


#647 [みい]

「例のことだけど、」


俺が話し始めた途端、


「てめえみたいな奴の話なんか聞きたくねえよ!」


淕が叫びながら俺につかみ掛かってくる。


「てめえみたいな…裏切り者の話なんか…!」


俺を見る淕の目には、確かに憎しみが宿っていた。

⏰:08/08/26 00:31 📱:SH905i 🆔:fijO4rPk


#648 [みい]

だが、ここで引き下がるわけにもいかない。


いくら憎まれていようと、こいつにあの日の真実を伝えることが、俺の役目なんだと思うから。


「…何とでも言え。俺を嫌うのも構わない。…ただ、これだけは聞いてほしい」


俺の言葉に、淕は迷うように少し瞳を揺らした後、俺の襟元を放し、力無く椅子に腰を下ろした。

⏰:08/08/26 00:32 📱:SH905i 🆔:fijO4rPk


#649 [みい]

すーっ、と息を大きく吸い込みゆっくりと口を開き、一気に言う。



「親父はお前を捨てたわけじゃない」



これがあの日、俺達双子が離れ離れになった日の、真実。


俯いた淕の肩が、びくんと動く。


淕の様子を確認したあと、俺は話を続けた。

⏰:08/08/26 00:33 📱:SH905i 🆔:fijO4rPk


#650 [みい]

「あの日の夜、親父は俺に言った。『もうお母さんとは一緒に住めないんだ』。俺はガキながらにあのババアが狂ってたのは分かってたし、親父の苦労もなんとなく感じてた」


あの時の親父の悲しそうな顔や、泣きそうな声は、今でも鮮明に思い出せる。


「親父は俺達を連れて出ていくつもりだった。でも、淕。お前はあの時、寝ていたんだ」


淕が訝しげな顔を俺に向けた。

⏰:08/08/26 00:33 📱:SH905i 🆔:fijO4rPk


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