・・悪魔なキミ・・
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#330 [みい]

誰が?なんで?いつ?



聞きたいことがたくさんあるのに、…いや、ありすぎるからか、言葉が喉から出てこない。


「それで、出発が明日の夕方だって言うからびっくりしちゃったわよー!本当急よね〜。帰ってきたばっかりだったのに…って柚?」


お母さんの話は続いていたみたいだけど、私は席を立って、部屋に戻った。

⏰:08/07/10 22:18 📱:SH905i 🆔:0De4jBQ2


#331 [みい]

嘘…。何それ、私そんなこと一言も聞いてない…。


まあ、あれ以来登下校も別々だったから、会話自体交わしていないんだけど。


明日の夕方?明日って…、明日は…会田君とデートだ…。


ってことは、染谷蓮とはもう会えなくなるの?


なんか…心が、ぐちゃぐちゃだよ…。

⏰:08/07/10 22:19 📱:SH905i 🆔:0De4jBQ2


#332 [みい]

……………………………

今日は土曜日、私は会田君と遊園地デート中。


「…早瀬先輩?」


はっ!やば、私ったらまたぼーっとして…。


「たっ、楽しいね!そうだ、次あれ乗ろうよ!」


自分でも分かってる。無理してはしゃいでる、私。

⏰:08/07/10 22:20 📱:SH905i 🆔:0De4jBQ2


#333 [みい]

「いや、次はあれに乗りましょう」


と、私の提案であるコーヒーカップを却下して、会田君が指差したのは観覧車。


「カップルっぽくていいね!でもあれって、普通最後に乗るんじゃない?夜景がロマンチックでさあ…」


やけにテンションの高い私の言葉を遮ったのは会田君だ。


「いや、今乗っちゃいましょう」

⏰:08/07/10 22:20 📱:SH905i 🆔:0De4jBQ2


#334 [みい]

微笑む会田君の言葉は、何か逆らえないものがあって、私はただ頷くことしかできなかった。





「足元にお気をつけ下さい」


係員さんの言葉に従って、ゴンドラに乗り込む。


「うっわー!見て見て会田君!!人がアリみたいに見えるよ!」

⏰:08/07/10 22:21 📱:SH905i 🆔:0De4jBQ2


#335 [みい]

窓にへばり付くようにして外を見下ろす私に、会田君からの返事はない。


「会田君?」


窓の外から会田君に視線を移すと、会田君はどこか悲しそうに微笑んでいた。

そして、


「早瀬先輩、別れましょう」


衝撃的な一言。

⏰:08/07/10 22:22 📱:SH905i 🆔:0De4jBQ2


#336 [みい]

「え……?」


私は掠れた声を漏らす。


「早瀬先輩は今、誰のことを考えてるんですか?」


会田君は表情を崩さない。悲しい笑顔のまま。


「…俺じゃない男の人でしょ?」
「っ……」


…なんで?どうして……?

⏰:08/07/10 22:23 📱:SH905i 🆔:0De4jBQ2


#337 [みい]

「分かりますよ、早瀬先輩って正直だから。見てたらすぐ分かる」


ふっと笑う会田君の姿が涙で滲む。


ああ、駄目だ。泣いちゃ駄目。泣きたいのは、きっと会田君の方だもの…。


「あー!泣かないで下さいよ!!なんか俺が泣かしたみたいじゃないすか!」


会田君は私の涙を自分の服の袖で拭ってくれた。

⏰:08/07/10 22:23 📱:SH905i 🆔:0De4jBQ2


#338 [みい]

「ね、早瀬先輩?ちゃんとあいつに、素直な思いぶつけて下さい」


私の濡れた頬を拭きながら、会田君は急に真面目な顔つきになる。


「それで、絶対幸せになって下さい。あとで俺んとこ来ても、もう遅いですよ?」


最後の言葉を、会田君が笑いながら言うと、ようやく私も笑うことができた。


ごめんね…ありがとう、会田君…。

⏰:08/07/10 22:24 📱:SH905i 🆔:0De4jBQ2


#339 [みい]

やっと、やっと決心のついた私は、悪魔のもとへと走り出す。


各駅の電車がもどかしかった。自分の足の遅さに苛立った。二回転んだ。



家に着く頃には、六時を回っていた。


染谷蓮の家に、明かりは…ない。

⏰:08/07/10 22:33 📱:SH905i 🆔:0De4jBQ2


#340 [みい]

「はあっ、はあ…」


息を切らしながら、明かりが消えた染谷連の家を見上げる。


「ふぇっ…くっ……」


遅かった。間に合わなかった…。


私がもたもたしてるから。真っ正面からぶつかってきてくれたのに、私はそれから逃げていた。


自業自得……。

⏰:08/07/10 22:34 📱:SH905i 🆔:0De4jBQ2


#341 [みい]

「ひっく…ひっ…」


もう…駄目なのかな。好きなんだ、って、やっと気付いたのに。遅すぎたよね。自分勝手だよね…。



マンションの前の道路でひたすら泣き続けていたら、


「…何、泣いてんの」




……なんで、ここにいるの?

⏰:08/07/11 02:45 📱:SH905i 🆔:XC9l/Qeo


#342 [みい]

特徴のある、低く落ち着いた声に振り向くと、そこには…


「んなとこで何泣いてんだよ、ばかゆず」


いつもどおり仏頂面の…私が、好きな人が立っていた。


また、ぶわっと涙が溢れ出す。「泣き止め」って言う声が耳に入るけど、そんなの逆効果。余計に涙腺が緩む。


堪らず勢いよく染谷蓮の胸に飛びこんだ。

⏰:08/07/11 02:46 📱:SH905i 🆔:XC9l/Qeo


#343 [みい]

「おい、どうしたんだよ」


頭のすぐ上で響く、やっぱり不機嫌そうな声。でも、今日は恐くなんかない。


私が何も言わないままだから、染谷蓮は観念したのか、一つ息をつくと私の頭に手を置き、微かだけどぽんぽんって撫でてくれる。


何台か車が私達の横を通り過ぎていったけれど、それさえ気にならなかった。

⏰:08/07/11 02:47 📱:SH905i 🆔:XC9l/Qeo


#344 [みい]

「行かないで…」


しばらくしてから、私はようやく言葉を発した。染谷蓮の胸の中で、下を向いたままだけど。


「は?どこに?」
「大阪…」

「…………」


ちょっとの沈黙のあと、私はまた泣きそうになりながら付け加えた。

「どこにも行かないで。ここに…、そばに、いて…下さ…」

⏰:08/07/11 02:48 📱:SH905i 🆔:XC9l/Qeo


#345 [みい]

最後のほうはもう、声が震えて言葉にならなかった。


「…俺、行かねえよ?どこにも」


………へ?

拍子抜けして顔を上げると、笑いを堪えるような顔をした染谷蓮がいた。


「お前、勘違い。大阪に戻るの親父だけだから」


……………ぇぇえええ〜〜っ!?!?

⏰:08/07/11 02:48 📱:SH905i 🆔:XC9l/Qeo


#346 [みい]

「えっ、だって…」


お母さんが…


『染谷さんのとこ(のお父さん)、また大阪に戻るんですって』


……そーゆーことぉお!?!?


えっ、私のはやとちりってことですか!?


「まじ馬鹿。お前いつまでたっても頭弱いのな」

⏰:08/07/11 02:49 📱:SH905i 🆔:XC9l/Qeo


#347 [みい]

くすくすと、頭上で馬鹿にするような厭味な笑い声がする。


「〜〜っ!!!!///」


ものすごく恥ずかしくなって、悪魔から無理矢理離れようとしたら、逆にさらに引き寄せられてしまった。


「ちょっ…//」
「そばにいろっつったのはお前だろ?」


耳元で楽しそうな声が低く響いて、思わずぞくっとしてしまった。

⏰:08/07/11 02:50 📱:SH905i 🆔:XC9l/Qeo


#348 [みい]

「そうゆう意味じゃないもん!//」「ふーん、どーだか」



…ああ、私は何だってこんな男が好きなんだろうか…。


「ところで」


私を抱きしめたまま、染谷蓮は話を切り出す。


「この俺に許可なく抱き着いてくるなんて、いい度胸してんじゃねえか」

⏰:08/07/11 02:51 📱:SH905i 🆔:XC9l/Qeo


#349 [みい]

体中の血の気がすーっと引いていくのがわかった。


「いや、あの、それはつい勢いで…ごめんなさ…」


急いで離れようとしても、腰に回された染谷蓮の腕が、それを阻止する。


「ばかゆずの分際で、ちょーっと生意気なんじゃねえの?」


だから謝ってるじゃないのよーっ!!!

⏰:08/07/11 02:52 📱:SH905i 🆔:XC9l/Qeo


#350 [みい]

「それなりの覚悟はできてんだろうな?」


口角を上げ、にやりと笑った染谷蓮は、細長い綺麗な指で、私の顎をそっと掴み、少し上を向かせる。


「か…くご、って…」


声が上擦る。そんなこと言ってるうちに、目の前には染谷蓮のどアップ。


「……お前は目開けたままキスすんのか」

⏰:08/07/11 02:52 📱:SH905i 🆔:XC9l/Qeo


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