・・悪魔なキミ・・
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#200 [みい]

私の答えを聞くと、お母さんは安心したようだ。


「よかったわ〜。お母さん、蓮君ちに電話しちゃったのよ、柚知らないかって。そしたら捜しに行くって言ってくれて…」


…まさかとは思ったけど、やっぱり捜してくれてたんだ…。


何となくわかってはいたものの、驚いてしまった。


「ちゃんと蓮君にお礼言っとかなきゃ」

⏰:08/05/24 23:36 📱:SH905i 🆔:iuHZ6YLo


#201 [みい]

そう言って受話器を取ったお母さんに、私は慌てて制止をかける。


「あっ!たぶんまだ帰ってないと思う!!なんかあのあと出掛けたみたいだから…」


あらそうなのー、とお母さんは残念そうに受話器を置いて、


「じゃああんたちゃんとお礼しといてね!!」


と私に頼んできた。

⏰:08/05/24 23:37 📱:SH905i 🆔:iuHZ6YLo


#202 [みい]

「あ、はい…」

私は一応了解すると、部屋に戻って考え込む。


無意識に溜息が出てしまった。


あの時息切らしてたのも、体が熱かったのも…必死に捜してくれてたからかな…。


…だから何だって言うのさ!!あーもう!!まじで意味不明!!悪魔のくせになんで優しくするのよ!!


いろいろ考えてたら、いつの間にか眠りについていた。

⏰:08/05/24 23:39 📱:SH905i 🆔:iuHZ6YLo


#203 [みい]

――*蓮Side*――

戸惑うような柚の声が聞こえた時、はっと我に返った。



今、俺は何て言った?

そして……何をした?



やや乱暴に柚から離れると、俺はコンビニに向かった。


久々にタバコを買うと、一本取り出して口にくわえる。

⏰:08/05/24 23:40 📱:SH905i 🆔:iuHZ6YLo


#204 [みい]

柚がへらへら笑うのを見て、腹が立った。


それと同時に、ついさっきまでの心配が一気に消え失せて…柚が無事だと理解した時、思わずあいつの肩に腕を伸ばした。


俺の体にすっぽり収まる柚の存在を実感してから「無事でよかった」なんて、らしくない台詞。


「……ん?」


そもそも俺は心配してたのか?あのばかゆずなんかを?

⏰:08/05/24 23:41 📱:SH905i 🆔:iuHZ6YLo


#205 [みい]

あいつの帰りがちょっと遅くなったくらいどってことねえじゃねえか。少なくとも俺には無関係だ。


…でも、今冷静に考えるとそう思えるが、あの時はいっぱいいっぱいだった気がする。


《柚を心配していた》。この事実は否めない。


『蓮がそないな女にふり回されとるとは…』


弘樹の言葉を思い出す。

⏰:08/05/24 23:42 📱:SH905i 🆔:iuHZ6YLo


#206 [みい]

・・・・・・・・・・・・・・・・・・
更新Stopします

感想等もらえると嬉
しいです、、(>Д<)

>>1みい感想板
・・・・・・・・・・・・・・・・・・

⏰:08/05/24 23:44 📱:SH905i 🆔:iuHZ6YLo


#207 [みい]

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
感想板の方にお詫びを
コメントしました

目を通してもらえると
幸いです、、つД`)

>>1みい感想板
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

⏰:08/05/25 11:07 📱:SH905i 🆔:lJvXSaOU


#208 [みい]
「あ゙ー…くっそ…」


意味わかんねえ。なんかとりあえずめちゃくちゃイライラする。


俺は吸っていたタバコを地面に落とすと、ぐじゃぐじゃと足で強く踏みつけた。



家に帰る気分じゃなくて、一睡もしないまま近所の公園で一人で夜を明かした。

⏰:08/05/29 22:56 📱:SH905i 🆔:OpId9lm6


#209 [みい]







・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
Story5〜冷戦の末に
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

⏰:08/05/29 23:02 📱:SH905i 🆔:OpId9lm6


#210 [みい]

あの一件以来、私達の間にはなんだか気まずい空気が漂っていた。


以前と同じように、一緒に登下校はしているものの、お互いに終始無言…;


悪魔こと染谷蓮は、私に意地悪をしなくなった。でも、毎朝下で私を待ち受けているし、帰りだって有無を言わせず強制連行。


はあ〜…まじでこの男…意味不明だよお……;

⏰:08/05/29 23:03 📱:SH905i 🆔:OpId9lm6


#211 [みい]

今も静かに下校中です。ええ、もうそれはそれは不気味なほど「静かに」ね…;;


「あっ…あの!!!」


重苦しい空気を一瞬にして引き裂いてくれるような、大きい声が私達の後ろから響いてきた。


二人してほぼ同時に振り返ると、微かに頬を紅潮させた男の子が立っている。

⏰:08/05/29 23:04 📱:SH905i 🆔:OpId9lm6


#212 [みい]

校彰の色からして、1年生かな…?


知り合い?という目を悪魔に向けると、


「あのっ…早瀬先輩っ!!」


とその男の子がいきなり叫んだ。


へっ!?わ、私ですか!?!?


「あ、は、はい…何でしょうか…?」

⏰:08/05/29 23:06 📱:SH905i 🆔:OpId9lm6


#213 [みい]

少しビビり気味に返事をすると、男の子はすうーっと長く息を吸い込んでから、


「好きなんです!!俺と付き合って下さいっっ!!!!」


と一気に吐き出した。


…へ?好き?誰を?


ぽかんと口を開けて染谷蓮のほうを見ると、


「いや、お前だろ」

⏰:08/05/29 23:07 📱:SH905i 🆔:OpId9lm6


#214 [みい]

と親指で私を指してきた。


ああなるほど!!この男の子が私を好きってことね〜!!!


って……


「ぇえええ〜っ!?!?」


この男の子が好き!?私を!?!?


あまりの驚きで口が聞けなくなってしまった私にはおかまいなしに、男の子は続ける。

⏰:08/05/29 23:09 📱:SH905i 🆔:OpId9lm6


#215 [みい]

「あの、俺前から先輩のこと好きで…手紙書いてきたんで、読んで下さい!!」


男の子はそう言って、依然として呆気にとられている私の手に封筒を握らせると、


「失礼しました!!」


と礼儀正しくお辞儀をして元来た道を走っていった。


「おい」

⏰:08/05/29 23:10 📱:SH905i 🆔:OpId9lm6


#216 [みい]

染谷蓮に頭をがしっと掴まれて、ようやく現実世界に帰ってきた。


「世の中物好きもいるもんだな」
「ね、本当に…」


…って、物好きとは何だよ!!失礼な!!なかなか好青年だったし!!


無表情で毒づいてきた染谷蓮に心の中で毒づき返す。


それにしても…信じられない。今あったことは夢なんじゃないか。

⏰:08/05/29 23:12 📱:SH905i 🆔:OpId9lm6


#217 [みい]

でも、私の手に残った手紙の入った封筒が、それが真実であるということを物語っていた。

………………………………

どうすればいいんだろう…。


部屋で彼からの手紙を読み終えた私は、すっかり途方に暮れていた。

自慢じゃないけど生まれてこのかた、一度も異性から告白されたことがなかったのだ。

⏰:08/05/29 23:14 📱:SH905i 🆔:OpId9lm6


#218 [みい]

「よければメール下さい、かあ…」


これって…やっぱり一応はするべきなのかなあ…。


『早瀬柚稀です、よろしくね』


とりあえず、可愛いげも何もないシンプルなメールを送ってみた。


携帯を閉じた瞬間に着信音が鳴る。

⏰:08/05/29 23:15 📱:SH905i 🆔:OpId9lm6


#219 [みい]

《メール1件:会田奏(アイダ ソウ)》


えっ!!返信早っっ!!!

『メールありがとうございます!!さっきはいきなりすいませんでした


絵文字混じりの女の子みたいなメール。


会田君はすらっとした感じの染谷蓮とは対照的に、少しがっしりとした体格だった。そんな見た目とこのメールにギャップがあるもんで、なんだか笑ってしまった。

⏰:08/06/01 22:28 📱:SH905i 🆔:cxlp0rTo


#220 [みい]

……………………………

なんだかんだでもう3日間メールが続いている。


会田奏君。一年生で、部活はバスケ。好きな食べ物はオムライスで、嫌いな食べ物は特になし。


告白の返事はしていない。なんかお互いにその話題を避けてるっていうか…

そもそもあちらが聞いてこないので、こちらとしてもどのタイミングで切り出せばいいのかわからないのだ。

⏰:08/06/01 22:28 📱:SH905i 🆔:cxlp0rTo


#221 [みい]

しかも返事、決まってないし…。

悪い人ではないと思うけど、なにせついこないだまで赤の他人だったんだよ?

そんな人をいきなり彼氏にだなんて…アリですか!?アリなんですかね!?!?


一人で悶々と悩んでいると、携帯が鳴った。きっと会田君だろう。


『明日会えますか?』


開いてみると、会田君らしくないシンプルなメール。

⏰:08/06/01 22:29 📱:SH905i 🆔:cxlp0rTo


#222 [みい]

うー…特に断る理由もないしなあ……。


まあ会うだけだし…いっか!


私は会田君のお誘いを深い意味で受け取らずにOKしてしまった。


………………………………

ってわけで、今日は会田君と帰ることになったんだけど…厄介な奴が約1名…;;


「柚、帰んぞ」

⏰:08/06/01 22:30 📱:SH905i 🆔:cxlp0rTo


#223 [みい]

やっぱしきたー!!!!悪魔のお出ましですよ…;;

どうすんのよ私!?


「あ、えっと…ちょっと今日は…」


私がしどろもどろになりながら口ごもっていると、


「今日は柚、会田君と帰るんですよー♪」


と後ろからさえちゃんのでっかい声。

⏰:08/06/01 22:31 📱:SH905i 🆔:cxlp0rTo


#224 [みい]

うぎゃ〜!!余計なこと言わなくていいっつーの〜!!!!;


私は慌ててさえちゃんの口を塞ぐが、もはや後の祭だ。


「会田…?ああ、あいつか…」


悪魔は表情を崩さずそう呟くと、

「じゃあ気をつけて帰れよ。室田も気いつけて♪」


とにこっと笑ってから軽く手を挙げ、教室を出ていった。

⏰:08/06/01 22:32 📱:SH905i 🆔:cxlp0rTo


#225 [みい]

なっ…なんだあのスマイル(偽)は!!


あっ、さえちゃんがいるからか。いい人バージョンの染谷蓮だったってわけね。


…くっそ〜なんか腹立つ!!猫かぶりやがって!!!!


「柚、早く会田君とこ行かなきゃいけないんじゃないの!?」


さえちゃんの言葉にはっと我に返ると、もう約束の時間10分前だった。

⏰:08/06/01 22:33 📱:SH905i 🆔:cxlp0rTo


#226 [みい]

「ひぇえっ!!私行かなきゃ!!バイバイさえちゃんっ!!」


私はさえちゃんに手を振りながら、慌ただしく教室を後にする。


………………………………

――*蓮Side*――

帰り道を一人で歩いてたら、後ろから甲高い声。

「染谷君っ♪」


…俺こいつ嫌いなんだけど。

⏰:08/06/01 22:33 📱:SH905i 🆔:cxlp0rTo


#227 [みい]

俺を呼んだ声の主は、室田さえ。柚と仲がいいらしい。


なんか好かねえんだよな〜、この女…。


そうは思いつつも、一応笑顔を作ってから振り向く。


「どうしたの?」


言葉遣いも柔らかく。さすが二重人格、自分でも感心しちまうほどに。

⏰:08/06/01 22:34 📱:SH905i 🆔:cxlp0rTo


#228 [みい]

そんな俺を見て、ぷっと吹き出し笑いをする室田。


…何がおかしい?


少し腹が立ったが、プロの猫かぶり師である俺は、それでも余裕があった。

笑みを貼付けたまま、ん?と首を傾げる。すると室田は、


「別に作んなくていいよ、本性知ってるし」


と言いにやりと笑う。

⏰:08/06/01 22:35 📱:SH905i 🆔:cxlp0rTo


#229 [みい]

ああ、なるほどね。柚に聞いたか…。


「あっそ。で?何の用?」
「切り替え早っっ!!」


いきなり態度を変えた俺に、室田は驚いた様に目を見開く。

知ってる奴にいい人を演じても無駄にエネルギーを消費するだけだ。当たり前のことだろ。


「何なんだよ」


依然としてまじまじと俺を見る室田に、俺は苛立ちの声を上げた。

⏰:08/06/01 22:36 📱:SH905i 🆔:cxlp0rTo


#230 [みい]

室田はそれに反応して、またにやっと笑うと、


「取られちゃうよ?柚のこと」


と言ってくる。


…何言ってんだこいつ。

室田が言わんとしていることはわかる。会田だろ?でも、俺には関係ない。


「取られるも何も、あんな女いらねえし」

⏰:08/06/01 22:37 📱:SH905i 🆔:cxlp0rTo


#231 [みい]

つーか『取られる』って…そもそも俺のもんでもないし。

百歩譲って俺のもんだとしても、喜んで会田にくれてやる。


「ふーん…ま、ならいいけど♪」

じゃ、と手を挙げて室田は去っていった。


…やっぱ室田って奴、嫌いだわ。無駄なお節介野郎って一番うぜえ人種。


俺は舌打ちをしてからまた歩き出した。

⏰:08/06/01 22:38 📱:SH905i 🆔:cxlp0rTo


#232 [みい]

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
更新Stopします

感想等もらえると励み
になるので、ぜひお願
いします(。・ω・。)

>>1みい感想板
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

⏰:08/06/01 22:40 📱:SH905i 🆔:cxlp0rTo


#233 [みい]

――*柚稀Side*――

「へっっ!?」
「いや、だから…そろそろ返事を…//」


昨日の雨はすごかったねー、とか、当たり障りのない会話をしながら帰り道を歩いていると、突然会田君が例の件について切り出した。


「あ、いや、えーっと…//」


やばい…結論なんてまだ出てないよ〜!!

⏰:08/06/04 22:41 📱:SH905i 🆔:7Fk4E26Q


#234 [みい]

まさか今日返事を求められるとは夢にも思っていなかった私は、目を泳がせて口ごもる。


どうしよう…やっぱ断るべきかな……。


そんなことを考えていたら、


「俺、早瀬先輩のこと本気で好きです」


という会田君の声。

⏰:08/06/04 22:42 📱:SH905i 🆔:7Fk4E26Q


#235 [みい]

顔をあげると、いつの間にか私の真正面に立った会田君は、少し赤面しながらも目では私をしっかり捕らえていた。


「まじで幸せにします。だから…俺と付き合って下さい」


会田君はそう言うと、頭を下げながら手を差し出す。


会田君……。


私なんかのことを、こんなにまで想ってくれる人は、この先現れるのだろうか。

⏰:08/06/04 22:43 📱:SH905i 🆔:7Fk4E26Q


#236 [みい]

……決めた。


私は会田君の手をとった。


「早瀬先輩、…ってことは…?」


会田君が上目遣いで不安げに聞いてくる。


「よろしくお願いします//」


私の返事を聞くと、会田君は「よっしゃー!!」と大きな声で叫び、ガッツポーズをした。

⏰:08/06/04 22:44 📱:SH905i 🆔:7Fk4E26Q


#237 [みい]

「恥ずかしいからやめてよ〜//」


私が笑いながらそう言うと、会田君は、


「だって超嬉しいんだもん!!」


と満面の笑みで答える。


なんか…かわいい!!やばい、私の方こそすごい嬉しいかも!!


その後も二人でじゃれあい?ながら、家路を歩いた。

⏰:08/06/04 22:44 📱:SH905i 🆔:7Fk4E26Q


#238 [みい]

………………………………
――*会田Side*――


5日前、憧れだった早瀬先輩と、なんと付き合えることになってしまった♪


もう〜、嬉しすぎ!!!!

だって先輩まじ可愛すぎだし!!二人でいる時間は幸せなんです♪


でも…その幸せな時間はかなり限られている。それは昼休みだけなのだ。

⏰:08/06/04 22:46 📱:SH905i 🆔:7Fk4E26Q


#239 [みい]

原因は、染谷…先輩、って人。


早瀬先輩はどうも染谷先輩には逆らえないらしい。登下校を一緒に「させられている」のだ。


一緒に登下校したがるなんて…そんなの絶対早瀬先輩のこと好きだからじゃん!!


こないだそう言ったら、


「違う違う!!ただ私が困るの見て楽しんでるだけなの!!」

⏰:08/06/04 22:48 📱:SH905i 🆔:7Fk4E26Q


#240 [みい]

って早瀬先輩は笑ってたけど…


納得いかねえし!!!!

こうなったら直談判しかねえ!!


………………………………

放課後、俺は二人をこそこそと尾行した。


特に会話はないみたいだな…。
つーか俺、なんでこんなことやってんだろ…。

⏰:08/06/04 22:49 📱:SH905i 🆔:7Fk4E26Q


#241 [みい]

無性にみじめになったが、これも早瀬先輩の為!と気を取り直す。


そうこうしてる間に、家に到着した。


あー…聞いてはいたけど、まじで隣同士なんだ…。


結構…いや、かなり嫌だわ。


二人が互いに家へ入っていったのを確認してから、俺は階段を上る。

向かうは…染谷先輩の家。

⏰:08/06/04 22:51 📱:SH905i 🆔:7Fk4E26Q


#242 [みい]

多少の緊張を押し殺し、インターホンを鳴らす。


………出ない。


帰ってねーのか?…いやいやさっき家入ってったじゃん。


俺はもう一回ボタンを押す。


『…はい?』


もともと冷たい声が、機械を通してさらに無機質に響く。

⏰:08/06/04 22:51 📱:SH905i 🆔:7Fk4E26Q


#243 [みい]

「あ、あの…ちょっと話があるんですけど…」


うわー!!なんで弱腰になっちゃってんだよ俺!しっかりしろ!!


『…誰?』
「1年の会田です」


答えると、少し間があいたあと、染谷先輩がドアから顔だけ出して、


「柚ん家は隣だけど」

⏰:08/06/04 22:52 📱:SH905i 🆔:7Fk4E26Q


#244 [みい]

と不機嫌そうに言ってくる。


「いや、染谷先輩に話があって来ました」


内心ビビってるけど、毅然とした態度で振る舞った…つもりだ。


染谷先輩は少し目を見開いた後、


「あ、そ。どーぞ」


と言ってドアを大きく開ける。

⏰:08/06/04 22:53 📱:SH905i 🆔:7Fk4E26Q


#245 [みい]

「失礼します」


いざ出陣!!頑張れ俺!!


………………………………

「話って何?柚のこと?」


染谷先輩の部屋に通してもらい、俺は床に正座をし、染谷先輩はベッドに寝転がっている。


つーか…さっきも思ったけど、「柚」って呼んでるんだ…。

⏰:08/06/04 22:55 📱:SH905i 🆔:7Fk4E26Q


#246 [みい]

彼氏の俺でさえ「柚」なんて呼んだことねーのに!!


まあそこはぐっとこらえて、本題に入る。


「早瀬先輩のこと、ってゆうか…あなたのことです」
「…俺?悪いけど、俺にはそっちの趣味はねーぜ?お前とは付き合えねーよ?」


こっちは真剣なのに、染谷先輩は余裕たっぷりで、笑いながら俺を小馬鹿にしてくる。

⏰:08/06/04 22:56 📱:SH905i 🆔:7Fk4E26Q


#247 [みい]

「そうじゃなくて!!」


俺は思わず声を張り上げる。


「染谷先輩は…早瀬先輩のこと、どう思ってるんですか!?」


染谷先輩は、眉間に皺を寄せ、俺を見る。


「どう思ってようがお前には関係ねーだろ」
「関係あります。俺は早瀬先輩の彼氏ですから」

⏰:08/06/04 22:58 📱:SH905i 🆔:7Fk4E26Q


#248 [みい]

俺の最後の一言に、染谷先輩は目を吊り上げる。


「…彼氏?」
「はい、そうですけど?」


俺は彼氏なんだよ〜だ!!と自慢せんとばかりに胸を張る。


が、そんな俺を見て、染谷先輩は鼻で笑うと、携帯をいじりだした。

…なんだよ!!内心焦ってんだろ!!本当は早瀬先輩のこと好きなくせに!!!!

⏰:08/06/04 22:59 📱:SH905i 🆔:7Fk4E26Q


#249 [みい]

「単刀直入に聞きます」


俺は前置きをしてから、胸の中で限界まで膨れ上がった疑惑をぶつける。

「染谷先輩は、早瀬先輩のこと…好きですよね?」


染谷先輩の、携帯をいじる右手が止まる。
目だけが俺を捕らえる。


「さっきも同じようなこと言ったと思うけど、だったら何なの?俺が柚のこと好きだったら、お前に何の関係があるわけ?」

⏰:08/06/04 23:01 📱:SH905i 🆔:7Fk4E26Q


#250 [みい]

「さっきも言いましたけど、俺は彼氏ですから。知っておきたいだけです」


負けじと強気に出てみる。


染谷先輩は携帯を閉じ、顔をこちらに向けて言葉を放った。



「ああ、好きだよ」



…やっぱり好きなんじゃねーかよ。

⏰:08/06/04 23:02 📱:SH905i 🆔:7Fk4E26Q


#251 [みい]

「でも、やっぱお前には関係ねえな」


予想していたとは言え、やはり衝撃的な一言に俺がショックを受けていると、染谷先輩は続けて言う。


「…なんでですか?」


関係大アリでしょ?俺、あんたの好きな子の彼氏だよ?


「彼氏とか関係ねえんだよ。あいつは俺のだから」

⏰:08/06/04 23:03 📱:SH905i 🆔:7Fk4E26Q


#252 [みい]

…は!?!?何その所有物宣言!!


「早瀬先輩は俺の彼女なんです!!あなたのものじゃありません!!」


思わず身を乗り出して抗議する俺を、染谷先輩はうっとうしそうに横目で見遣る。


「あーはいはい、わかったから。もう目的は済んだっしょ?早く出てけ」


…なんて奴なんだ。なぜ言い返さない?好きなんだろ?

⏰:08/06/04 23:04 📱:SH905i 🆔:7Fk4E26Q


#253 [みい]

――*蓮Side*――

俺が邪険に帰宅を促すと、奴は何も言わずに、唇を噛み締めながら俺を見下ろした後、部屋を出ていった。


玄関のドアが閉まる音と同時に、俺は盛大に息を吐く。



『ああ、好きだよ』


柚の彼氏とやらにしつこく問い詰められ、気がつけば肯定の一言が口からこぼれていた。

⏰:08/06/04 23:06 📱:SH905i 🆔:7Fk4E26Q


#254 [みい]

弘樹に、室田に言われても、否定するのは容易なことだった。


だけど何だ。あいつが彼氏だと知った瞬間、体が急に熱くなった。


何となく気づいてはいたが、それが確信へと変わると同時に、無性に腹が立った。


それで、とうとう認めてしまったってわけか。無意識に奥へ奥へと隠し続けてきた、自分の本心を。


「まじかよ…」

⏰:08/06/04 23:08 📱:SH905i 🆔:7Fk4E26Q


#255 [みい]

思わず呟く。


会田の前では最後までペースを崩さなかったつもりだ。

いきなり帰れと催促したのは、これ以上あいつに何かを言われると、『俺』を保っていられなくなるかもしれないと判断したから。


…でも、

負ける気がしねえな。


そもそも、俺は勝ち試合にしか参加しねえ主義だ。

⏰:08/06/04 23:11 📱:SH905i 🆔:7Fk4E26Q


#256 [みい]

会田には悪いけど、やっぱあいつは俺のもんなんだよ。


だから、今は貸してやってるけど、そのうちすぐに返してもらうぜ?そのつもりでいろよ、会田。


………………………………
――*柚稀Side*――

今は楽しく会田君と屋上でランチ中♪のはずなんだけど…

なんだか会田君の様子がおかしい。話し掛けてもうん、とかああ、とかしか言わない

⏰:08/06/04 23:16 📱:SH905i 🆔:7Fk4E26Q


#257 [みい]

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
更新Stopします

読者様いらっしゃった
ら、ぜひ感想等よろし
くお願いします

>>1みい感想板
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

⏰:08/06/04 23:18 📱:SH905i 🆔:7Fk4E26Q


#258 [ゆぅな]
>>185->>257

⏰:08/06/05 06:29 📱:SH905i 🆔:☆☆☆


#259 [みい]

「なんか…具合悪い?」


私が遠慮がちにそう聞くと、会田君ははっと目を見開いてから、

「そんなことないですよ」

と笑う。

でも、その笑顔も一瞬で消えた。


「早瀬先輩って、染谷先輩のこと…」


俯いて言いかけた会田君の声もそこで途絶えた。

⏰:08/06/14 00:52 📱:SH905i 🆔:HOY0M1Ns


#260 [みい]

「え?」


染谷蓮がどうしたの?

私が先を促すように首を傾げて会田君を見ると、会田君はこちらをちらっと見てから、


「いや、何でもないっす」


と、明らかに作り笑顔と思われる表情をした。


…どうしたの?なんでそんな顔するの?

⏰:08/06/14 00:53 📱:SH905i 🆔:HOY0M1Ns


#261 [みい]

様々な疑問が頭の中を渦巻いたが、なぜだか問いただすことができなかった。


………………………………

また悪夢のような下校時間ですよ〜…。

ああ、今日も家路が長く感じられる…。なんてブルーになっていたら、


「柚」


久々に奴が話し掛けてきたもんだから、びっくりしてしまった。

⏰:08/06/14 00:54 📱:SH905i 🆔:HOY0M1Ns


#262 [みい]

「え、な、何でしょうか?」


これ以上ないってくらいきょどっちゃったよ;


しかし染谷蓮はそんな私にはお構いなしに話し始める。


「会田に何か聞いた?」


…聞いてないけど、なんで?


「なんで会田君のこと、知ってるの?」

⏰:08/06/14 00:54 📱:SH905i 🆔:HOY0M1Ns


#263 [みい]

「なんでもくそも、お前が告られたとき俺もいたじゃねえかよ」


…まあそうだけどさ;でも、


「何かあったの?何も聞いてないよ、私」


なぜ今日はお互いの口からお互いの名が出るの?


「あいつ、俺ん家来たんだよ」
「……ぇえっ!?!?」


なっ、なんで!?

⏰:08/06/14 00:57 📱:SH905i 🆔:HOY0M1Ns


#264 [みい]

なんで会田君が悪魔の館に!?!?

さっきから私の頭は疑問でいっぱいだ。

「そっか。何も聞いてねえんだ」


悪魔は顎に手を添え、無表情で私を見る。


…会田君の様子がおかしかったのは、もしかしたら染谷蓮のせいかもしれない。


「何か会田君に変なことしたの!?」
「変なことはしてない。はっきり言ってやっただけ」

⏰:08/06/14 00:59 📱:SH905i 🆔:HOY0M1Ns


#265 [みい]

はっきり言ってやった?

「な、何を…?」


いつの間にかじりじりと追い詰められ、私の背中は塀にとすん、と触れた。

染谷蓮が私の顔の横に手をつく。


「柚は俺のだからっていう忠告」


……はぁぁあああっ!?


「ちょっ、何それ!?どうゆう意味!?」

⏰:08/06/14 01:00 📱:SH905i 🆔:HOY0M1Ns


#266 [みい]

「意味?」


私の疑問に、染谷蓮はふっと薄く笑ったあと、私の耳元に顔を近づけようとする。

「いやっ…!!」


染谷蓮の胸を力の限り押して抵抗するが、その手は奴の片手により組み敷かれてしまった。

そのまま悪魔はぐいっと顔を近づけ、耳元でこう囁いた。


「お前が好きだ」

⏰:08/06/14 01:01 📱:SH905i 🆔:HOY0M1Ns


#267 [みい]

え、何…?



『オマエガスキダ』



染谷蓮の囁いた一言が、音として頭の中でこだまする。


頭の中で延々と響いているのに、その言葉はなぜだか意味をなさない。


いや、意味が掴めないだけなのかも。

⏰:08/06/14 01:02 📱:SH905i 🆔:HOY0M1Ns


#268 [みい]

まるで頭の働きが止まってしまったみたい。ただただ、今の悪魔の囁きが体中に響き渡る。


抵抗することも忘れ、微動だにしない私に気づき、染谷蓮は私から離れた。


そして、今度は私の目を見て言う。


「好きなんだよ、お前のことが」


好きって?染谷蓮が私を…?

⏰:08/06/14 01:04 📱:SH905i 🆔:HOY0M1Ns


#269 [みい]

ようやくその言葉の意味を理解でき始めた時、一気に体が熱くなるのがわかった。


「あ、あの…」


ほてった顔で口をぱくぱくさせながら、やっとのことで声を発すると、悪魔は、


「真っ直ぐ帰れよ」


と言って私を解放し、こないだと同じように家とは反対方向に歩いていってしまった。

⏰:08/06/14 01:05 📱:SH905i 🆔:HOY0M1Ns


#270 [みい]

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
更新Stopします
読んで下さっている方
、もしいらっしゃれば
是非感想等よろしくお
願い致します、、

>>1みい感想板
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

⏰:08/06/14 01:08 📱:SH905i 🆔:HOY0M1Ns


#271 [みい]

な、ななななっ…//


『お前が好きだ』

『好きなんだよ、お前のことが』


悪魔の声が、まだ耳に残っている。

私を見る熱い眼差しを、耳元を掠めた低い声を、思い出すだけで体全体が熱を帯び、どこぞの少女漫画のヒロインみたいに頬が真っ赤に染まる。


本当に…私のことを…?

⏰:08/06/15 00:04 📱:SH905i 🆔:qoh7EttI


#272 [みい]

…だからどうしたって言うのよ!!私には会田君が…


いやいや!!ってゆうか、冗談に決まってる!!また私のことからかって馬鹿にして、楽しんでるに違いない!!

明日になれば「嘘だよ。馬鹿じゃねえの」って私を鼻で笑うんだ。

こんなふざけたイジメにいちいち反応するな柚稀!!動揺したら、余計笑い者にされちゃう…!!



染谷蓮のお遊びに付き合ってる暇はないんだから!!

⏰:08/06/15 00:05 📱:SH905i 🆔:qoh7EttI


#273 [みい]







・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
Story6〜ホントノキモチ
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

⏰:08/06/15 00:08 📱:SH905i 🆔:qoh7EttI


#274 [みい]

「行ってきまーす」


なんか…また寝不足。あの悪魔には一体何度寝不足にさせられたことか…。


てゆうか…どんな顔で会えばいいんだろ。

やっぱ緊張とか動揺を顔に表したら負けだよね!ここは平常心を保つべし!!


よしっ!と一発気合いを入れ、最後の階段を下りた。

⏰:08/06/15 00:09 📱:SH905i 🆔:qoh7EttI


#275 [みい]

そしてゆっくりと角を曲がる。


「……あれ?」


そこに悪魔の姿はなかった。

なーんだ、拍子抜けしちゃった。


先程までの緊張から体を解き放つように、大きく息を吐いた時だった。


「そんなとこで突っ立って何してんの。もしかして俺んこと待ってた?」

⏰:08/06/15 00:10 📱:SH905i 🆔:qoh7EttI


#276 [みい]

背後から嘲笑を含む声。


驚いて勢いよく振り返ると、染谷蓮が、


「よお」


とにやっと笑い、ネクタイを締めながら立っていた。


「んぎゃっ!!」


不意打ちを喰らった私は、思わず素っ頓狂な声を出す。

⏰:08/06/15 00:11 📱:SH905i 🆔:qoh7EttI


#277 [みい]

「なんだその声。女ならもっとかわいらしく驚けよ」


……そら悪うございましたねーだっ!!…てゆーかっ!!


「誰があんたのことなんか待つっ…」
「うるさい。朝から近所迷惑だろーが」


私の文句は染谷蓮の左手によって遮られる。


奴の手が自分の唇に触れた瞬間、不覚にもドキっとしてしまった。

⏰:08/06/15 00:11 📱:SH905i 🆔:qoh7EttI


#278 [みい]

「〜〜っ//」


私が静かになったのを確認すると、染谷蓮はそっと手を離した。


…やっぱ昨日言ってたことは嘘だ!!だってこんなの、好きな子に対する態度じゃないもん!!

真に受けないでよかった。また馬鹿にされるとこだったよ。


しかし、私のこんな考えは次の染谷蓮の一言で粉々に砕け散った。


「昨日の、本気だから」

⏰:08/06/15 00:12 📱:SH905i 🆔:qoh7EttI


#279 [みい]

「…っ!!//」
「ほら、早く行くぞ。遅れる」


私の返事も聞かないで染谷蓮はすたすたと歩き始める。


『本気だから』って…そんなこと耳元で囁くなんてズルイ。


ドキドキ…しちゃうじゃん。意識しちゃうじゃん…。


会田君の笑顔が頭をよぎる。でも目は染谷蓮の背中を見つめてる。

⏰:08/06/15 00:14 📱:SH905i 🆔:qoh7EttI


#280 [みい]

今、ありえないくらい胸が高鳴ってる。


その対象は…誰?


自分でもわからない。私は誰にときめいてるの?誰が好きなの?


………………………………

お昼休みはいつものように会田君と過ごした。


何も悪いことなんてしていないはずなのに…この罪悪感は何?

⏰:08/06/15 00:14 📱:SH905i 🆔:qoh7EttI


#281 [みい]

今日は委員会がある日だから、放課後は保健室に集合とのこと。


会議中も上の空。先生の話もほとんど聞いてなかった。


私の頭を占領するのは…悪魔。


姿が、声が、頭から離れない。


ようやく委員会が終わり、下駄箱に向かおうとした私は、お弁当箱を教室に置き忘れたことに気がついた。

⏰:08/06/15 00:16 📱:SH905i 🆔:qoh7EttI


#282 [みい]

「あーっと、危ない危ない!」


今日週末だし、土日そのまま放置してたら腐っちゃうよ;


私は急いで教室へと足を進めた。


「ふぅ…」


少し息を上がらせながら教室に着くと、ドアが半開きになっていた。


あーあ…日直の人、怒られちゃうなあ、かわいそうに…。

⏰:08/06/15 00:16 📱:SH905i 🆔:qoh7EttI


#283 [みい]

なんて同情しながら、中へ入ろうと顔を上げた時…信じられない光景が目に飛び込んできた。


…染谷蓮のキスシーン。


相手は背を向けていてわからないけど、同学年の女の子。


私のところからだと、ばっちりと染谷蓮の表情が見えた。

…目つぶって、色っぽい顔して。


…傍観してる場合じゃないや。

⏰:08/06/15 00:17 📱:SH905i 🆔:qoh7EttI


#284 [みい]

くれぐれも気付かれないようにこの場を去らなくては…。


そろり、そろりと一歩ずつ後ずさる。

が、細心の注意もむなしく、無意味なものとなってしまう。


足をつまづき、その衝撃で手に握っていた携帯を落としてしまったのだ。


カシャーンッ!!


その音は、静かな教室中に響き渡った。

⏰:08/06/15 00:20 📱:SH905i 🆔:qoh7EttI


#285 [みい]

染谷蓮の目がうっすらと開き、私を捕らえたと同時に、驚いたように見開かれる。


「あ……」


私は掠れた声を発すると、急いで携帯を拾って教室を後にし、逃げるように走り出した。


「ゆずっ!!!」


後ろから聞こえる悪魔の怒鳴り声も無視して、ただひたすら走った。

⏰:08/06/15 00:21 📱:SH905i 🆔:qoh7EttI


#286 [みい]

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
更新Stopします

読者様、もしいらっし
ゃったら感想等是非よ
ろしくお願いします
励みになるので、、

>>1みい感想板
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

⏰:08/06/15 00:24 📱:SH905i 🆔:qoh7EttI


#287 [みい]

――*蓮Side*――

やってしまった。よりによってこんな場面を見られちまうなんて、最悪だ。


ことの発端は30分前。


柚に「今日、委員会だから!」と顔も見ずに吐き捨てられた俺は、柚を待ちぶせしてやることにした。


教室の机の上に座って携帯をいじっていると、見たことない女が入って来た。

⏰:08/06/16 23:58 📱:SH905i 🆔:Al3ni/IE


#288 [みい]

「あの…染谷君?」
「ん?何?」


俺は携帯をいじる手を止め、顔を上げて女に微笑みかけた。もちろん芝居だけど。


「えっと…好きなんです!!…言うつもりはなかったんだけど、今ってチャンスかな〜…とか思っちゃって…」


派手な成りをしたその女は、そう言いながら、似合わねーよって言いたくなるくらいもじもじしてこちらを見ていた。

⏰:08/06/16 23:59 📱:SH905i 🆔:Al3ni/IE


#289 [みい]

論外。てかお前誰だし。


「ごめんね、俺好きな子いるんだ」


頭を掻き、申し訳なさそうに俯いてみた。これで諦めるだろうと思ったから。

しかし、どうやら俺の考えは甘かったらしい。


「誰!?好きな子って…誰よ!?」


女は目の色を怒りに染め、俺に突っ掛かってきたのだ。

⏰:08/06/17 00:00 📱:SH905i 🆔:3rK/8YuM


#290 [みい]

うーわ、発狂パターンかよ。マジめんどくせっ!


そう思いつつもあくまで優しくなだめようと試みた。


「ごめんね、でもそれは君には関係ないから」


しかし、俺の穏やかな口調が逆に彼女を刺激したようだ。


「もしかして柚稀って子!?…いつも一緒に登下校してるし…ねえ!あの子なの!?」

⏰:08/06/17 00:01 📱:SH905i 🆔:3rK/8YuM


#291 [みい]

認めたくないけど図星だ。が、それをお前に教える義理はない。


「だから、それは言えない。本当に悪いけど」
「なんであんな子…あんなのよりあたしの方が…!!」


…このくそアマ、そろそろ俺もキレんぞ?


「許せない…!!痛い目見せてやる…!!」


…はい、残念だけどそれはこの俺が許しませんよ?

⏰:08/06/17 00:03 📱:SH905i 🆔:3rK/8YuM


#292 [みい]

「おいお前、今のもういっぺん言ってみな」


仮面を剥ぎ取り、素の俺を見せると女は少し動揺を見せたが、すぐに、


「早瀬柚稀を痛い目にあわせてやんのよ!!大してかわいくもねーのに付け上がりやがって…!」


と忌ま忌ましそうに舌打ちをする。

不愉快極まりねえ女だな、こいつ。

⏰:08/06/17 00:04 📱:SH905i 🆔:3rK/8YuM


#293 [みい]

「許されると思ってんの?んなことさせねえよ?」
「許されなくても関係ない。目障りな奴は廃除しとかないと…」


俺は眉間に皺を寄せる。なんて言い方をするんだこいつは。


「…でも、キスしてくれるならいいよ」


…は?


「今ここでキスしてくれるなら、早瀬柚稀には手を出さない」

⏰:08/06/17 00:05 📱:SH905i 🆔:3rK/8YuM


#294 [みい]

なんだ、んな事でいいのかよ。

そうとなったら答えなんか決まってる。

今俺がこいつにキスしてやったら、柚が何されるわけでもなくなる。ローリスクハイリターンってわけだ。


「目え閉じな」



…そうして俺は、ためらいもなくその女の唇に触れたんだ。

まさか柚に見られるなんて、思いもしなかったから。

⏰:08/06/17 00:07 📱:SH905i 🆔:3rK/8YuM


#295 [みい]

「ゆずっ!!」


柚と目が合ったあと、女を引きはがし、急いで柚の後を追ったが、一歩遅かった。撒かれてしまったようで、姿が見当たらない。


あー…くっそ…!!タイミング悪すぎんだよばかゆずが!!


俺は廊下の真ん中で、舌打ちをしながら頭をぐしゃぐしゃと抱え、しゃがみ込んだ。

マジありえねえくらい焦ってる自分を客観的に見たらツボって笑えた。

⏰:08/06/17 00:08 📱:SH905i 🆔:3rK/8YuM


#296 [みい]

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
更新Stopします
感想等もらえると嬉し
いので、よろしければ
是非お願いします

>>1みい感想板
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

⏰:08/06/17 00:11 📱:SH905i 🆔:3rK/8YuM


#297 [あい]
>>1-100
>>101-200
>>201-300
>>301-400

⏰:08/06/17 00:48 📱:SO903i 🆔:q3useQC.


#298 [みい]

………………………………
――*柚稀Side*――

今朝、私はいつもよりかなり早い時間に家を出た。

理由なんかただ一つ。染谷蓮に会いたくないだけ。


2限後の休み時間、さえちゃんとおしゃべりしていたら、


「おー、蓮!どったの?寝坊?」


クラス一明るい、矢野君の声が教室中に響く。

⏰:08/06/19 22:12 📱:SH905i 🆔:h.7epjTs


#299 [みい]

思わず肩がぴくっと反応してしまった。笑みが強張る。


「うっせ、黙れ」


普段より数倍低く、不機嫌そうな染谷蓮の返事が耳に届いた。


さえちゃんは黙ってしまった私と、数メートル先にいる染谷蓮を交互に見て、


「ねえ、もしかして染谷君と何かあった?」

⏰:08/06/19 22:13 📱:SH905i 🆔:h.7epjTs


#300 [みい]

とどことなく嬉しそうに聞いてくる。


「いやいや、別に何もないし!」


あったっちゃああったけどさ…。

『冗談で告られたのを真に受けて、彼氏がいるにも関わらず多少舞い上がってました』だなんて、いくらさえちゃん相手でも言えない。


言ってもむなしいだけだし、さえちゃんだって反応に困るだろうし…ね。

⏰:08/06/19 22:15 📱:SH905i 🆔:h.7epjTs


#301 [みい]

「ふーん、そっかあ…」


何故か肩を落とすさえちゃんに、私は当たり前じゃん〜!と笑いながら、染谷蓮の方をちらっと盗み見した。


「……っ!!//」


同時に固まってしまう。なんでかって、染谷蓮もこっちを見ていたからだ。


何故だか目を逸らすことができない。

⏰:08/06/19 22:15 📱:SH905i 🆔:h.7epjTs


#302 [みい]

顔が、身体中が熱くなって、火が噴き出しそうなほど。


「…ず!柚っ!!」


隣でさえちゃんが私を呼ぶ声に、私ははっと意識を戻した。


と同時に、染谷蓮がふいっと視線を逸らす。


「あ…はは、ごめん。ぼーっとしちゃった」

もー、と軽く睨んでくるさえちゃんに、へへっと笑い謝った。

⏰:08/06/19 22:16 📱:SH905i 🆔:h.7epjTs


#303 [みい]

なんか今…見つめ合ってるみたいで、すごいドキドキした…。


…違う違う!!ドキドキなんかしてないもん!!あんなっ…あんな、私のことを騙しておもしろがる、極悪非道な奴なんかっ…!!!!


………………………………

私は帰りのホームルームが終わると、すぐさま教室を飛び出した。染谷蓮に声を掛けられる前に、さっさと帰ってしまいたかったのだ。

「はあ…」

⏰:08/06/19 22:17 📱:SH905i 🆔:h.7epjTs


#304 [みい]

思わず嘆息をもらす。

なんでこんなことしてるんだろ。たった一日、奴を避け続けただけなのに、なんだかどっと疲れが押し寄せてきた。


「いつまで…続けなきゃいけないのかな」


呟いてみたものの、答えなんか出てこない。だって、私が勝手にやっていることなんだから。


マンションについて、ロビーに入りポストを覗く。

⏰:08/06/19 22:18 📱:SH905i 🆔:h.7epjTs


#305 [みい]

まだ夕刊来てないや。また6時頃になったら取りに来よう…。


ぼーっとそんな事を考えながらポストを閉めた時、


「……柚」


背後から響く低い声に、私の手が止まる。


「柚、こっち向け」


命令に従うことが出来ない。怖くて、後ろを振り向けない。

⏰:08/06/19 22:19 📱:SH905i 🆔:h.7epjTs


#306 [みい]

暫く沈黙が続いたあと、肩をぐっと掴まれ、体ごとぐるっと回転させられた。


目の前には、今日ずっと避け続けた悪魔の姿。


「今朝、なんで先行った?」


私の肩を強く掴んだまま、そう聞いてくる染谷蓮に、


「よ、用事があったから…」


と目を逸らしながら答える。

⏰:08/06/19 22:20 📱:SH905i 🆔:h.7epjTs


#307 [みい]

私の返事を聞いたあと染谷蓮は暫く黙っていたが、そのあと私の顔を見ると、はあーっと深く溜息をつき、


「昨日…見たっしょ?」


と質問を重ねる。


私はその態度が何ともめんどくさがっているように見えて、頭にかっと血が上ったのがわかった。


「見たっしょ?って…何よその言い方!!見たよ!!見ましたよ!!邪魔してすいませんでしたっ!!!」

⏰:08/06/19 22:21 📱:SH905i 🆔:h.7epjTs


#308 [みい]

私は肩にかかっている染谷蓮の腕を思い切り振り払うと、階段まで走り出そうとした。


でも、やはり染谷蓮の方が一枚上手だった。今度は私を壁に押し付ける格好になってしまう。


「んな事言いたいんじゃねーよ。俺さ、」
「ご丁寧に説明してくれなくても分かってるから!私なんかで十分楽しんで頂けたかしら!?」


染谷蓮の言葉を遮るようにまくし立てると、奴は眉間に皺を寄せた。

⏰:08/06/19 22:22 📱:SH905i 🆔:h.7epjTs


#309 [みい]

「はあ?何のこと…」
「私のことっ…からかってたんでしょ!?好きって言ったのも、冗談なんでしょ!?」


やばい、なんで?なんで泣きそうなのよ私は。


「日を跨いでまで続けるなんて、随分手の込んだいたずらだね…。でもね、私はそんな遊びに付き合ってる暇なんかないのっ…!!」


下を見ながら一気に全部吐き出した。

⏰:08/06/19 22:23 📱:SH905i 🆔:h.7epjTs


#310 [みい]

「もう…離して…」


震える声で解放を請い、私の肩の上の壁についた染谷蓮の腕にそっと触れる。


しかし、その瞬間に私は染谷蓮の体に包まれた。


「ちょっ…!止めっ…」
「なんでわかんねーんだよっ!!」


染谷蓮は私を痛いくらい強く抱きしめたまま、耳元で声を荒らげる。

⏰:08/06/19 22:25 📱:SH905i 🆔:h.7epjTs


#311 [みい]

「俺がいつ冗談だって言った!?俺がいつ、嘘だよってお前のこと笑ったんだよ!?」


耳元で響く奴の声が、頭の中でこだまする。


「…冗談なんかで言ったんじゃない。いたずらでもねえよ…」


そう呟くと、染谷蓮は私を抱きしめていた腕の力を緩め、私と向き合う形になる。

⏰:08/06/19 22:28 📱:SH905i 🆔:h.7epjTs


#312 [みい]

「俺が好きなのは、お前だ」


ドクンッ…と胸が高鳴ったのが自分でもわかった。顔が真っ赤になった気もする。


それでも、染谷蓮の真剣な瞳に縛られて、絡み合った視線を逸らすことが出来ない。


声を発することも出来ずにただ見つめ合っていると、遠くの方から誰かの足音が近づいてきた。

それに気づいて染谷蓮は私からそっと離れる。

⏰:08/06/19 22:29 📱:SH905i 🆔:h.7epjTs


#313 [みい]

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
更新Stopします

よかったら感想等もら
えると嬉しいです

>>1みい感想板
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

⏰:08/06/19 22:40 📱:SH905i 🆔:h.7epjTs


#314 [ハル]
頑張って下さい!

⏰:08/06/21 11:09 📱:911T 🆔:uSKqjtxA


#315 [我輩は匿名である]
>>200-350

⏰:08/06/21 22:19 📱:D705i 🆔:2xMI5GL2


#316 [まぁこ]
続き楽しみ

⏰:08/07/02 02:03 📱:F905i 🆔:ACGSg5mw


#317 [我輩は匿名である]
続き気になります
楽しみに待ってます

⏰:08/07/04 14:46 📱:SH903i 🆔:wllSYeBU


#318 [ハル]
書かないの?

⏰:08/07/04 18:29 📱:911T 🆔:JTclBPIo


#319 [みい]

>>312
「あら、二人ともお帰りなさい」


ロビーに入ってきたのは、スーパーの袋を両手に提げたうちのお母さんだった。


「…ども」


染谷蓮は一瞬間をあけた後、無表情でうちのお母さんに頭を下げ、ロビーを出ていってしまった。


対して私はと言うと、まだ頭がぽーっとして、口を開けて突っ立ったままだ。

⏰:08/07/10 22:07 📱:SH905i 🆔:0De4jBQ2


#320 [みい]

「ちょっと、柚稀?」


お母さんの声にはっと我に返った私は、急いで笑顔を作った。


「あっ、はいはい?」
「蓮君と何かあったの?いつもと違う感じがしたけど…」


す、鋭い…;


「な、何もないよ!早く家入ろ?」

⏰:08/07/10 22:08 📱:SH905i 🆔:0De4jBQ2


#321 [みい]

まだ不思議そうな顔をしたままのお母さんと家に入った。


「ふぁあ〜……」


部屋に入るなりベッドにダイブして、先程のことを思い出す。



『なんでわかんねえんだよ!!』

『俺が好きなのは、お前だ』


「〜〜〜っ!//」

⏰:08/07/10 22:09 📱:SH905i 🆔:0De4jBQ2


#322 [みい]

本当だったんだ…。あの染谷蓮が、本当に私のことっ……//


私は枕をぎゅっと抱いた。


でもっ…私は会田君と付き合ってるんだもん!染谷蓮に告白されたところで…別に関係ないっ…!

それにあんな、誰とでもキスしちゃうような奴なんかっ…!


考えれば考えるほど、なぜか胸の奥が苦しく、ぎりぎりと締め付けられるような痛みが走る。

⏰:08/07/10 22:09 📱:SH905i 🆔:0De4jBQ2


#323 [みい]

「関係ないもんっ…!」


言い聞かせるように呟いた。


………………………………

「早瀬先輩、なんか元気ないっすね」


会田君がお箸を持つ手を止めて、心配そうに私の顔を覗き込む。


「えっ?そ、んなことないよ?」


図星だった。あれこれ考え過ぎて、食欲があまり湧いてないのだ。

⏰:08/07/10 22:10 📱:SH905i 🆔:0De4jBQ2


#324 [みい]

「ならいいんすけど……」


うーん、と会田君は唸って、何か考えているようだ。


「あ、本当に大丈夫だか…」
「先輩、明日土曜日だし、デートしませんか?」


私の言葉を遮るように会田君が口を開く。


「ああ、うん、デートね、デート…って、ぇええっ〜!?!?」

⏰:08/07/10 22:11 📱:SH905i 🆔:0De4jBQ2


#325 [みい]

「…駄目すか?」


必要以上にオーバーリアクションしてしまった私を見て、会田君はシュンとうなだれる。


「あ、いやいや!そういう意味じゃなくて!!ちょっとびっくりしちゃっただけ!」


私は焦って否定した。


「じゃあ、オッケーですか?」


……付き合ってるんだもん!!オッケーしないわけないよ、ね…。

⏰:08/07/10 22:12 📱:SH905i 🆔:0De4jBQ2


#326 [みい]

「うんっ!明日だよね!!楽しみだなあっ!!」


うわっ、今の大声、わざとらしかったかもっ…!!;

人はごまかすときほど声が大きくなるって聞いたことがある。なら、私は今……。


私のもやもやした心とは裏腹に、会田君は微笑みながら、


「決まりですね。またメールしますから」

⏰:08/07/10 22:14 📱:SH905i 🆔:0De4jBQ2


#327 [みい]

と言ってくれた。

会田君につられて、私も笑う。


そうだよ、私は会田君の彼女なんだ。それが一番幸せだ。


染谷蓮なんて…関係ない…。


………………………………

明日、デートかあ…。思えばちゃんとしたデートなんて、初めてだよなあ。


晩御飯を食べながら、明日のことに思いを馳せる。

⏰:08/07/10 22:16 📱:SH905i 🆔:0De4jBQ2


#328 [みい]

なんか…ちょっと楽しみかも。


はっ!!「ちょっと」じゃない!「すっごく」楽しみっ!!!!


「そうそう、柚?…ってあんた、何やってるの?」


一人で首をぶんぶん振っていた私に、お母さんが呆れ顔で話し掛けてきた。


「あ、いや、何でも…。どうしたの?」

⏰:08/07/10 22:16 📱:SH905i 🆔:0De4jBQ2


#329 [みい]

あははと軽く苦笑いして、お母さんに聞き返すと、予想もしなかった言葉が返ってきた。


「染谷さんのとこ、また大阪に戻るんですって」




え……?



オオサカニ、モドル…?



⏰:08/07/10 22:17 📱:SH905i 🆔:0De4jBQ2


#330 [みい]

誰が?なんで?いつ?



聞きたいことがたくさんあるのに、…いや、ありすぎるからか、言葉が喉から出てこない。


「それで、出発が明日の夕方だって言うからびっくりしちゃったわよー!本当急よね〜。帰ってきたばっかりだったのに…って柚?」


お母さんの話は続いていたみたいだけど、私は席を立って、部屋に戻った。

⏰:08/07/10 22:18 📱:SH905i 🆔:0De4jBQ2


#331 [みい]

嘘…。何それ、私そんなこと一言も聞いてない…。


まあ、あれ以来登下校も別々だったから、会話自体交わしていないんだけど。


明日の夕方?明日って…、明日は…会田君とデートだ…。


ってことは、染谷蓮とはもう会えなくなるの?


なんか…心が、ぐちゃぐちゃだよ…。

⏰:08/07/10 22:19 📱:SH905i 🆔:0De4jBQ2


#332 [みい]

……………………………

今日は土曜日、私は会田君と遊園地デート中。


「…早瀬先輩?」


はっ!やば、私ったらまたぼーっとして…。


「たっ、楽しいね!そうだ、次あれ乗ろうよ!」


自分でも分かってる。無理してはしゃいでる、私。

⏰:08/07/10 22:20 📱:SH905i 🆔:0De4jBQ2


#333 [みい]

「いや、次はあれに乗りましょう」


と、私の提案であるコーヒーカップを却下して、会田君が指差したのは観覧車。


「カップルっぽくていいね!でもあれって、普通最後に乗るんじゃない?夜景がロマンチックでさあ…」


やけにテンションの高い私の言葉を遮ったのは会田君だ。


「いや、今乗っちゃいましょう」

⏰:08/07/10 22:20 📱:SH905i 🆔:0De4jBQ2


#334 [みい]

微笑む会田君の言葉は、何か逆らえないものがあって、私はただ頷くことしかできなかった。





「足元にお気をつけ下さい」


係員さんの言葉に従って、ゴンドラに乗り込む。


「うっわー!見て見て会田君!!人がアリみたいに見えるよ!」

⏰:08/07/10 22:21 📱:SH905i 🆔:0De4jBQ2


#335 [みい]

窓にへばり付くようにして外を見下ろす私に、会田君からの返事はない。


「会田君?」


窓の外から会田君に視線を移すと、会田君はどこか悲しそうに微笑んでいた。

そして、


「早瀬先輩、別れましょう」


衝撃的な一言。

⏰:08/07/10 22:22 📱:SH905i 🆔:0De4jBQ2


#336 [みい]

「え……?」


私は掠れた声を漏らす。


「早瀬先輩は今、誰のことを考えてるんですか?」


会田君は表情を崩さない。悲しい笑顔のまま。


「…俺じゃない男の人でしょ?」
「っ……」


…なんで?どうして……?

⏰:08/07/10 22:23 📱:SH905i 🆔:0De4jBQ2


#337 [みい]

「分かりますよ、早瀬先輩って正直だから。見てたらすぐ分かる」


ふっと笑う会田君の姿が涙で滲む。


ああ、駄目だ。泣いちゃ駄目。泣きたいのは、きっと会田君の方だもの…。


「あー!泣かないで下さいよ!!なんか俺が泣かしたみたいじゃないすか!」


会田君は私の涙を自分の服の袖で拭ってくれた。

⏰:08/07/10 22:23 📱:SH905i 🆔:0De4jBQ2


#338 [みい]

「ね、早瀬先輩?ちゃんとあいつに、素直な思いぶつけて下さい」


私の濡れた頬を拭きながら、会田君は急に真面目な顔つきになる。


「それで、絶対幸せになって下さい。あとで俺んとこ来ても、もう遅いですよ?」


最後の言葉を、会田君が笑いながら言うと、ようやく私も笑うことができた。


ごめんね…ありがとう、会田君…。

⏰:08/07/10 22:24 📱:SH905i 🆔:0De4jBQ2


#339 [みい]

やっと、やっと決心のついた私は、悪魔のもとへと走り出す。


各駅の電車がもどかしかった。自分の足の遅さに苛立った。二回転んだ。



家に着く頃には、六時を回っていた。


染谷蓮の家に、明かりは…ない。

⏰:08/07/10 22:33 📱:SH905i 🆔:0De4jBQ2


#340 [みい]

「はあっ、はあ…」


息を切らしながら、明かりが消えた染谷連の家を見上げる。


「ふぇっ…くっ……」


遅かった。間に合わなかった…。


私がもたもたしてるから。真っ正面からぶつかってきてくれたのに、私はそれから逃げていた。


自業自得……。

⏰:08/07/10 22:34 📱:SH905i 🆔:0De4jBQ2


#341 [みい]

「ひっく…ひっ…」


もう…駄目なのかな。好きなんだ、って、やっと気付いたのに。遅すぎたよね。自分勝手だよね…。



マンションの前の道路でひたすら泣き続けていたら、


「…何、泣いてんの」




……なんで、ここにいるの?

⏰:08/07/11 02:45 📱:SH905i 🆔:XC9l/Qeo


#342 [みい]

特徴のある、低く落ち着いた声に振り向くと、そこには…


「んなとこで何泣いてんだよ、ばかゆず」


いつもどおり仏頂面の…私が、好きな人が立っていた。


また、ぶわっと涙が溢れ出す。「泣き止め」って言う声が耳に入るけど、そんなの逆効果。余計に涙腺が緩む。


堪らず勢いよく染谷蓮の胸に飛びこんだ。

⏰:08/07/11 02:46 📱:SH905i 🆔:XC9l/Qeo


#343 [みい]

「おい、どうしたんだよ」


頭のすぐ上で響く、やっぱり不機嫌そうな声。でも、今日は恐くなんかない。


私が何も言わないままだから、染谷蓮は観念したのか、一つ息をつくと私の頭に手を置き、微かだけどぽんぽんって撫でてくれる。


何台か車が私達の横を通り過ぎていったけれど、それさえ気にならなかった。

⏰:08/07/11 02:47 📱:SH905i 🆔:XC9l/Qeo


#344 [みい]

「行かないで…」


しばらくしてから、私はようやく言葉を発した。染谷蓮の胸の中で、下を向いたままだけど。


「は?どこに?」
「大阪…」

「…………」


ちょっとの沈黙のあと、私はまた泣きそうになりながら付け加えた。

「どこにも行かないで。ここに…、そばに、いて…下さ…」

⏰:08/07/11 02:48 📱:SH905i 🆔:XC9l/Qeo


#345 [みい]

最後のほうはもう、声が震えて言葉にならなかった。


「…俺、行かねえよ?どこにも」


………へ?

拍子抜けして顔を上げると、笑いを堪えるような顔をした染谷蓮がいた。


「お前、勘違い。大阪に戻るの親父だけだから」


……………ぇぇえええ〜〜っ!?!?

⏰:08/07/11 02:48 📱:SH905i 🆔:XC9l/Qeo


#346 [みい]

「えっ、だって…」


お母さんが…


『染谷さんのとこ(のお父さん)、また大阪に戻るんですって』


……そーゆーことぉお!?!?


えっ、私のはやとちりってことですか!?


「まじ馬鹿。お前いつまでたっても頭弱いのな」

⏰:08/07/11 02:49 📱:SH905i 🆔:XC9l/Qeo


#347 [みい]

くすくすと、頭上で馬鹿にするような厭味な笑い声がする。


「〜〜っ!!!!///」


ものすごく恥ずかしくなって、悪魔から無理矢理離れようとしたら、逆にさらに引き寄せられてしまった。


「ちょっ…//」
「そばにいろっつったのはお前だろ?」


耳元で楽しそうな声が低く響いて、思わずぞくっとしてしまった。

⏰:08/07/11 02:50 📱:SH905i 🆔:XC9l/Qeo


#348 [みい]

「そうゆう意味じゃないもん!//」「ふーん、どーだか」



…ああ、私は何だってこんな男が好きなんだろうか…。


「ところで」


私を抱きしめたまま、染谷蓮は話を切り出す。


「この俺に許可なく抱き着いてくるなんて、いい度胸してんじゃねえか」

⏰:08/07/11 02:51 📱:SH905i 🆔:XC9l/Qeo


#349 [みい]

体中の血の気がすーっと引いていくのがわかった。


「いや、あの、それはつい勢いで…ごめんなさ…」


急いで離れようとしても、腰に回された染谷蓮の腕が、それを阻止する。


「ばかゆずの分際で、ちょーっと生意気なんじゃねえの?」


だから謝ってるじゃないのよーっ!!!

⏰:08/07/11 02:52 📱:SH905i 🆔:XC9l/Qeo


#350 [みい]

「それなりの覚悟はできてんだろうな?」


口角を上げ、にやりと笑った染谷蓮は、細長い綺麗な指で、私の顎をそっと掴み、少し上を向かせる。


「か…くご、って…」


声が上擦る。そんなこと言ってるうちに、目の前には染谷蓮のどアップ。


「……お前は目開けたままキスすんのか」

⏰:08/07/11 02:52 📱:SH905i 🆔:XC9l/Qeo


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