・・悪魔なキミ・・
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#558 [みい]

さっきまで出なかった声が、掠れて自分の喉元を通り自分の口から零れたのがわかった。


なに…?蓮、何が「わかった」の?何に同意したの…?


「だから、そいつには近付くな」


そう言い、デブに睨みをきかす蓮。デブは鼻で笑ったあと、再び蓮のいる方へ歩き出した。


「…柚、目え閉じろ」

⏰:08/08/08 12:00 📱:SH905i 🆔:V2IHnmoY


#559 [みい]

蓮が私を見ないまま命令する。


何?私が目を閉じたら、あなたは何をするの?…淕に、土下座…する、の?

そんなの嫌だ。蓮がそんなことしなくたっていいじゃない。どうしてそんなことする必要があるの?


蓮は視界の隅に映った、いやいや、と首を横に振る私に気付き、


「早く閉じろっつってんだよ!」


と声を荒らげる。

⏰:08/08/08 12:01 📱:SH905i 🆔:V2IHnmoY


#560 [みい]

私はその声にびっくりして、思わず目をぎゅっとつぶった。



しーんとした真っ暗闇の中、


「悪かった」


と蓮の声が響く。



ああ…。今、あのプライドの高い悪魔が、屈辱に耐えながらも実の弟に…ひざまづいているんだ…。

⏰:08/08/08 12:02 📱:SH905i 🆔:V2IHnmoY


#561 [みい]

蓮のそんな姿なんか見たくない。想像だってしたくない。


私は閉じた瞳にさらに力を入れ、唇を噛み締めた。


「…いー眺め」


馬鹿にしたような口調…。同じ声だけど、これは淕のものだろう。


コツコツと、足音が近付いてくる。その音は、私の前で止んだ。


「ねえ柚稀ちゃん。見なよ、あいつの無様な姿」

⏰:08/08/08 12:03 📱:SH905i 🆔:V2IHnmoY


#562 [みい]

…淕だ。


私は強く頭を横に振った。だって蓮はそんな姿、私に見せたくないに決まってる。だから命令したのだ。


すると、舌打ちが聞こえ、


「見ろっつってんだろーがよ!ぁあ!?」」


と脅すような口調で肩をがしっと掴まれ、そのまま強く揺さ振られる。

「そいつには触んな!」

⏰:08/08/08 12:06 📱:SH905i 🆔:V2IHnmoY


#563 [みい]

蓮の怒鳴り声に、薄く目を開けると、既に立ち上がっている蓮が向こうに見えた。


「…兄さん、ちょっとそいつらと遊んでてよ」


淕が言い終わらないうちに、デブを始めとする連中が後ろから蓮に飛び掛かったのがわかった。


「蓮っ!」


私は蓮の元へ駆け寄ろうとしたが、淕に押さえ込まれてしまう。

⏰:08/08/08 12:07 📱:SH905i 🆔:V2IHnmoY


#564 [みい]

「…っ何すんのよ!放してっ!」


もがいてもあがいても、男の力になんか到底敵いっこない。


「柚稀ちゃんはその間俺と遊んでよーよ。どうせ同じ顔じゃん」

「あんたなんかっ…あんたなんか、蓮の足元にも及ばない!このカス!クズ!」


思い切り睨みながらそう吐き捨てると、淕は目を丸くし、そのあと笑い出した。

⏰:08/08/08 12:08 📱:SH905i 🆔:V2IHnmoY


#565 [みい]

「兄さんってこんな女が趣味なんだ…。俺、こんな気の強い女はパスだわ」


こっちだってあんたみたいな最低男なんか願い下げだ。


でも…と淕は私の顎に手をかけ、


「染谷蓮のものは、全て奪う」


と私の耳に口づける。


私は、あまりの気持ち悪さに全身が震え、吐き気まで催した。

⏰:08/08/08 12:09 📱:SH905i 🆔:V2IHnmoY


#566 [みい]

「兄さんとはどこまでいったの?もうヤっちゃった?」
「そんなのっ…あんたに関係ないっ!」


吐きそうなのを我慢してどうにか答えると淕は、


「ふーん…その様子だと…まだ、だね」


とニヤついた。


図星で、不覚にも顔が熱くなる。

⏰:08/08/08 12:10 📱:SH905i 🆔:V2IHnmoY


#567 [みい]

「じゃあ兄さんには悪いけど…俺がお先に柚稀ちゃんをいただこうかな」


淕は私に顔を近付けてきた。


嫌だ…嫌だよ。蓮とじゃなきゃ。蓮以外の人となんか…。


「…イタダキマス」


面白がるような淕の声が間近で聞こえ、私は強く目を閉じる。


その時だった。

⏰:08/08/08 18:28 📱:SH905i 🆔:V2IHnmoY


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