・・悪魔なキミ・・
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#610 [みい]

私はぶんぶんと首を横に振る。

昨日は恐かったけど、蓮がいなくなっちゃうかもしれないことの方が、想像しただけでも何億倍も恐かった。


蓮は私が無傷だと知って、安心したように長く息を吐く。


それでも尚泣きつづける私に、痺れを切らしたようだった。


「泣くなっつーの。…俺、お前が泣くの、なんか苦手ってゆうか…調子狂う」

⏰:08/08/12 22:49 📱:SH905i 🆔:F8dJwfHI


#611 [みい]

「…よく泣かしてたくせに」


私が少し嫌味ったらしく言うと、


「昔の話だろ。いっちょ前に揚げ足取ってんじゃねえよ」


と私のおでこを小突く蓮。


自分でも涙を拭きながらへへ、と笑うと、蓮も無言で微かに口角を上げる。


「…ってわけで……」

⏰:08/08/12 22:51 📱:SH905i 🆔:F8dJwfHI


#612 [みい]

…ん?んんん?


途端に穏やかな空気が一変したのが感じられた。


さっきまでより更に強く掴まれた私の右腕。

熱を帯びた色に染まる蓮の瞳。


「れ、蓮…?あの…っ」


これはっ…、この雰囲気はっ…!

⏰:08/08/12 22:52 📱:SH905i 🆔:F8dJwfHI


#613 [みい]

「そ、そろそろ私、行くねっ…」


明らかに動揺した私が席を立った瞬間、思い切り腕を引っ張られ、再びお互いの顔が近づいた。


「まだ、帰さねえ」


真剣な表情でそんなことを言われると、一気に恥ずかしくなってしまう。


静かな中、自分の心臓の音だけがバクバクとうるさく、蓮にも聞こえてしまうかも、なんて変な心配まで生まれる始末だ。

⏰:08/08/12 22:53 📱:SH905i 🆔:F8dJwfHI


#614 [みい]

「柚…」


こんなに近くで自分の名前を甘く囁かれると、余計に胸が高鳴る。


息をすることすらままならない。それほど私は緊張していた。

なにせこうゆう雰囲気にはどうも慣れないもので…。


「…再会を祝して」


蓮が薄く笑い、近付いてきたのがわかった。

⏰:08/08/12 22:54 📱:SH905i 🆔:F8dJwfHI


#615 [みい]

私は強く目を閉じ、覚悟を決めた…が。


「……はれ?」


蓮の唇が触れたのは、意外や意外、私の唇…ではなく。


「涙、残ってたから」


まだ涙の跡が消えずにいる、私の頬だった。

⏰:08/08/12 22:55 📱:SH905i 🆔:F8dJwfHI


#616 [みい]

唇を舐め、しょっぺえ、と顔をしかめる蓮を見て、私はいてもたってもいられないくらいの恥ずかしさに襲われる。


当然のように、唇にされるものだと思い込んでいた自分が、ひどく自惚れているように思えたのだ。


真っ赤になってしまった顔が蓮に気付かれないよう俯くが…


「なに顔赤くしてんの?」


…ばーれーてーるー……。

⏰:08/08/12 22:57 📱:SH905i 🆔:F8dJwfHI


#617 [みい]

「や、べ、別っ、に!?」


自分でもどんだけだよ、とツッコミたくなるほどのきょどりようだ。


「…こっち向いてみ」


何となく、勘だけど、蓮の声色がおもしろがっているようなものに思える。


…絶っっ対嫌だ!!こんな林檎みたいな顔、笑われるに決まってる!

⏰:08/08/12 22:59 📱:SH905i 🆔:F8dJwfHI


#618 [みい]

断固拒否、とでも言うように、私は蓮から素早く顔を背ける。


「柚、こっち向けって」


嫌だってば!あんたはそんなに私を笑い者にしたいのか!


無視を決め込む私に、蓮もいい加減苛立ったようだった。


無言で腕を引っ張られる。


「きゃっ…」

⏰:08/08/12 23:01 📱:SH905i 🆔:F8dJwfHI


#619 [みい]

咄嗟の出来事に、とろい私はもちろんされるがままで。


思い切り蓮の胸に飛び込む形になってしまった。


本能的につぶった目を恐る恐る開くと、目の前に映るは包帯が巻かれた蓮の胸板。


「…いってえ……」


勢いよくぶつかってしまったせいか、蓮が微かに声を漏らした。

⏰:08/08/12 23:02 📱:SH905i 🆔:F8dJwfHI


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