・・悪魔なキミ・・
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#337 [みい]

「分かりますよ、早瀬先輩って正直だから。見てたらすぐ分かる」


ふっと笑う会田君の姿が涙で滲む。


ああ、駄目だ。泣いちゃ駄目。泣きたいのは、きっと会田君の方だもの…。


「あー!泣かないで下さいよ!!なんか俺が泣かしたみたいじゃないすか!」


会田君は私の涙を自分の服の袖で拭ってくれた。

⏰:08/07/10 22:23 📱:SH905i 🆔:0De4jBQ2


#338 [みい]

「ね、早瀬先輩?ちゃんとあいつに、素直な思いぶつけて下さい」


私の濡れた頬を拭きながら、会田君は急に真面目な顔つきになる。


「それで、絶対幸せになって下さい。あとで俺んとこ来ても、もう遅いですよ?」


最後の言葉を、会田君が笑いながら言うと、ようやく私も笑うことができた。


ごめんね…ありがとう、会田君…。

⏰:08/07/10 22:24 📱:SH905i 🆔:0De4jBQ2


#339 [みい]

やっと、やっと決心のついた私は、悪魔のもとへと走り出す。


各駅の電車がもどかしかった。自分の足の遅さに苛立った。二回転んだ。



家に着く頃には、六時を回っていた。


染谷蓮の家に、明かりは…ない。

⏰:08/07/10 22:33 📱:SH905i 🆔:0De4jBQ2


#340 [みい]

「はあっ、はあ…」


息を切らしながら、明かりが消えた染谷連の家を見上げる。


「ふぇっ…くっ……」


遅かった。間に合わなかった…。


私がもたもたしてるから。真っ正面からぶつかってきてくれたのに、私はそれから逃げていた。


自業自得……。

⏰:08/07/10 22:34 📱:SH905i 🆔:0De4jBQ2


#341 [みい]

「ひっく…ひっ…」


もう…駄目なのかな。好きなんだ、って、やっと気付いたのに。遅すぎたよね。自分勝手だよね…。



マンションの前の道路でひたすら泣き続けていたら、


「…何、泣いてんの」




……なんで、ここにいるの?

⏰:08/07/11 02:45 📱:SH905i 🆔:XC9l/Qeo


#342 [みい]

特徴のある、低く落ち着いた声に振り向くと、そこには…


「んなとこで何泣いてんだよ、ばかゆず」


いつもどおり仏頂面の…私が、好きな人が立っていた。


また、ぶわっと涙が溢れ出す。「泣き止め」って言う声が耳に入るけど、そんなの逆効果。余計に涙腺が緩む。


堪らず勢いよく染谷蓮の胸に飛びこんだ。

⏰:08/07/11 02:46 📱:SH905i 🆔:XC9l/Qeo


#343 [みい]

「おい、どうしたんだよ」


頭のすぐ上で響く、やっぱり不機嫌そうな声。でも、今日は恐くなんかない。


私が何も言わないままだから、染谷蓮は観念したのか、一つ息をつくと私の頭に手を置き、微かだけどぽんぽんって撫でてくれる。


何台か車が私達の横を通り過ぎていったけれど、それさえ気にならなかった。

⏰:08/07/11 02:47 📱:SH905i 🆔:XC9l/Qeo


#344 [みい]

「行かないで…」


しばらくしてから、私はようやく言葉を発した。染谷蓮の胸の中で、下を向いたままだけど。


「は?どこに?」
「大阪…」

「…………」


ちょっとの沈黙のあと、私はまた泣きそうになりながら付け加えた。

「どこにも行かないで。ここに…、そばに、いて…下さ…」

⏰:08/07/11 02:48 📱:SH905i 🆔:XC9l/Qeo


#345 [みい]

最後のほうはもう、声が震えて言葉にならなかった。


「…俺、行かねえよ?どこにも」


………へ?

拍子抜けして顔を上げると、笑いを堪えるような顔をした染谷蓮がいた。


「お前、勘違い。大阪に戻るの親父だけだから」


……………ぇぇえええ〜〜っ!?!?

⏰:08/07/11 02:48 📱:SH905i 🆔:XC9l/Qeo


#346 [みい]

「えっ、だって…」


お母さんが…


『染谷さんのとこ(のお父さん)、また大阪に戻るんですって』


……そーゆーことぉお!?!?


えっ、私のはやとちりってことですか!?


「まじ馬鹿。お前いつまでたっても頭弱いのな」

⏰:08/07/11 02:49 📱:SH905i 🆔:XC9l/Qeo


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