ギンリョウソウ
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#570 [向日葵]
だから美嘉そのどうしようもない怒りをわめき散らす事で解消しようとしている。
「で、でも美嘉、私クリスマス柴とどこか出かけるとか予定ないよ。だから一緒に買い物でもしようよ」
「わ、私もです、美嘉ちゃん……」
焦ってフォローするも、美嘉の機嫌は治らず、とりあえずどこかファーストフード店に入る事にした。
「なによなによ……どうせ二人ともいずれは美嘉より恋人を選ぶんでしょ……」
ジュースを頼んでから席についた。
美嘉は完全に気分が落ちていた。
:09/01/10 00:39
:SO906i
:☆☆☆
#571 [向日葵]
:09/01/10 00:40
:SO906i
:☆☆☆
#572 [向日葵]
もう越と椿は苦笑いするしかない。
「体育祭とかならあんなに元気な美嘉のくせにぃ……」
「それとこれとは違うーっ」
ふと考えて、椿は口にしてみた。
「美嘉ちゃん。要さまのお宅でクリスマスパーティーをやるそうですが、一緒に行きませんか?」
「へ?アイツ海外にいんのに?」
「妹さんでいらっしゃいます唯子さまが、お誘いしてくださいまして……。もちろん、要さまは、いらっしゃいませんけれど……」
ふと見せた寂しげな椿の笑顔に、美嘉はなんとも言えず、拗ねて曲げていた背筋をしゃんと伸ばした。
:09/01/19 00:32
:SO906i
:☆☆☆
#573 [向日葵]
そして、しまったとバツが悪そうに頭をポリポリとかく。
ただでさえ、最近の椿は元気ないのに、自分が支えなくてはと思っていたのに、と。
「パーティーは夜?」
「はい」
美嘉が乗り気になったのを感じとった椿は顔を綻ばせる。
「じゃあそれまで、二人には美嘉の相手してもらおっかなー」
ようやく機嫌がなおったと、椿たちは笑う。
笑ったところで、椿の携帯が震えた。
美嘉たちに断った椿は、トイレ近くの静かな場所へ移動した。
ディスプレイを見て、椿は心を躍らせる。
なにせ2日ぶりだから。
声を咳払いして整え、深呼吸してから通話ボタンを押す。
:09/01/19 00:38
:SO906i
:☆☆☆
#574 [向日葵]
「も、もしもし」
{久しぶりだね。元気だった?}
自然と口が笑みを作る。
携帯を握る手に、少し力が入ってしまうのを椿は自覚していなかった。
「はい」
{そういえば、電話に出るの少し時間あったけど、電話しても大丈夫だった?}
「大丈夫です」
{まさか浮気中とかじゃないよね?}
意地悪な質問。
そんな事、椿がする訳がないのに。
:09/01/19 00:43
:SO906i
:☆☆☆
#575 [向日葵]
椿は半ば意地になる。
「してませんっ」
予想通りの返事に満足したのか、要はクスクス笑っている。
椿はそんな意地悪な質問をする要すら恋しく思う。
そういえば、なんだか元気そうだ。
「……要さまこそ、今はお時間大丈夫なんですか?」
{ああ。ちょっと仕事が一段落したからね。それはそうと、気にならない?}
「何がですか?」
{この二日間、僕が連絡しなかった訳}
:09/01/19 00:47
:SO906i
:☆☆☆
#576 [向日葵]
「え?お忙しかったから……では……?」
少し間をおいて、また要がクスクス笑っているのが聞こえた。
どうして笑われているのか、椿には分からない。
「要さま?」
{なるほど。僕をちゃんと信じてくれてるんだね}
「は……はあ……?」
{浮気してるんじゃないかとか心配じゃないの?}
またその話かと、椿は少し眉を寄せる。
「魅力的な方がいるなら……私は……」
拗ね気味に言ってみる。
:09/01/19 00:52
:SO906i
:☆☆☆
#577 [向日葵]
しかしそんな事を言われて困ったのは要の方だった。
{いない!いないから、婚約解消とか言わないでよねっ!}
あまりの焦りっぷりに、今度は椿が笑い出す。
しばらくして、要はため息をついた。
{本当……僕は君が大好きみたいだよ}
そんな事を言われてしまっては、胸が苦しくなる。
苦しくなるせいで、心にしまっておかなければならない椿のわがままな気持ちが、言葉となって出てしまう。
「……会いたい」
:09/01/19 00:56
:SO906i
:☆☆☆
#578 [向日葵]
自分が何を言ったか認識するまで、椿はぼんやりしていた。
{……椿?}
そして要の呼びかけにハッとして、ようやく自分が何を言ったか分かってしまえば、混乱してしまった。
「あ、いえ、あのっ、何もないですっ。か、要さまもお体にお気をつけてっ。では……っ!」
要の返事も待たずに、椿は電話を切ってしまった。
携帯を両手で握りしめ、額にあてる。
何を言ってるんだ……。
叶いもしない願いを言って、要を困らせてどうするつもりだ。
椿は自分が恥ずかしくなった。
:09/01/19 01:00
:SO906i
:☆☆☆
#579 [向日葵]
要がすごい人で、忙しくて大変な事は誰よりも知っているのに。
あんな、馬鹿な事を言ってしまうなんて。
きっと、要はあきれている。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
要は瞬きを繰り返していた。
あの椿が……会いたいと言った……。
言ってくれた……。
今、要がどれほど面白い顔をしてるか分からないのだろうなと、書類整理をしている大久保は要を見ながら笑いそうになっていた。
「要さま、何かありましたか?」
笑いをこらえる為に、声をかける。
:09/01/19 01:06
:SO906i
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