ギンリョウソウ
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#105 [向日葵]
そっと目を開けると、まず天井が見え、そして……。

「ちょっと、大丈夫……?」

要の顔が間近にあった。

そして気づけば、自分の頭が床にぶつけないように、要の大きな掌がかばっていた。

しかし……。
先ほどといい今といい……。
さっきから要と近くで見つめあいすぎではないだろうかと椿は思った。
しかもこの格好だ。
椿の白い頬が赤く染まる。

「ちょ、ちょっと……!こんなお約束な格好になっただけで赤くならないでよ……っ!」

珍しく慌てて要は椿の腕を引っ張って起こす。

⏰:08/07/10 22:27 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


#106 [向日葵]
2人して座り、気まずい雰囲気になる。

要はポリポリと頭をかく。

「椿ってさ……恋とかした事ないの?」

「そういうの、あまり分からなくて……。憧れの人ならいましたけど……」

「ふーん。どんな奴?」

椿は散らばっていた中にあるアルバムを1つ手にした。
パラパラとページをめくり、ある写真を指差す。

「こちらの方です。早乙女聖史さんと言う方で、小さい頃から仲良くしてもらってるんです……」

要は写真を覗き込む。

⏰:08/07/14 00:19 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


#107 [向日葵]
写っているのは、柔らかな雰囲気をまとった10歳くらいの少年が、まだ3歳ほどの小さな椿を抱き締めて微笑んでいるものだった。

「兄のようになついていましたわ……。この頃は、聖史さまが忙しくて、会ってはいませんが……」

憧れと言うわりに、どこかうっっりしてその写真を見る椿に、要はムッとした。

「好きなの?」

また同じ事を言う要に椿は首を傾げる。

「明らかに、憧れって思ってない顔してるよ、椿」

それを言われ、椿の頬はまた赤くなった。
要はさらにムッとする。

⏰:08/07/14 00:24 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


#108 [向日葵]
「つまんない……。僕は一旦帰るよ」

「あ、じゃあお見送りを……」

「いい。他の奴にうっとりしてる君に見送られたくなんかないねっ」

ズカズカと進んで行き、乱暴にドアを閉めた。
椿は片目を瞑ってそれをやり過ごす。

そして椿はまた写真に目を落とした。

本当に憧れだ。
物腰が柔らかく、優しく、頭の機転がいい聖史は、椿の良き兄的存在。
久しぶりに会いたいな、などと思えば、こんな自分の浮わついた心が要を不機嫌にさせたのかと少し落ち込む。

⏰:08/07/14 00:30 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


#109 [向日葵]
自分は、要を怒らせてばかりだ。

それなのに、要は自分を気遣う一面を見せてくれたりもする。

体育祭の事は例え要の作戦だとしても、さっきのような突然の事態に作戦として素早く助ける事はきっと出来ない。

そんな所が、少しずつ椿の要に対する警戒心を解きつつあるのであった。

――――――――……

おかしい。
と要は帰っている車の中で思っていた。

前にせよ今にせよ、何故か椿にドンドンハマっているのでは?と感じる自分がいる。

⏰:08/07/14 00:35 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


#110 [向日葵]
心を開いてくれない彼女にイライラしたり、自分以外の誰かをときめいた目線で見ていれば妬きもちを妬いたり……。

好きに慣れそうにないと思ったのに、彼女の何が自分を惹き付けるのだろうか……。

「大久保」

年若い運転手の従者に声をかける。

「ハイ」

「お前は椿嬢をどう思う?」

「椿さまですか……」

「客観的に見て彼女は可愛い部類なのか?」

モデルを見慣れている彼にはあと1歩椿のどの部分が可愛いのかを見抜けていない。

⏰:08/07/14 00:40 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


#111 [向日葵]
「私は可愛いらしいと思いますよ。儚げで綺麗で……まるで桜のようじゃありませんか」

「フッ……桜か……。僕はギンリョウソウだと思うけどね……」

「ギンリョウソウ……ですか……?」

どうやら従者はギンリョウソウを知らないらしい。
それならそれでいいと、要は腕を組んで目を瞑る。

白く、ひかえめな存在である椿。
彼女こそ、ひっそりと小さく咲くギンリョウソウと称するにあった少女だ。

ただ、ギンリョウソウなどと名前も知られていたい花に例えるのはきっと失礼だろうと要は分かっていた。
それでも、従者が言うような桜などのポピュラーな名前の花は、彼には思いつかないのであった

⏰:08/07/14 00:46 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


#112 [向日葵]
「要さま。一旦帰ると申しますが、帰ってからはもう外には行かない方がいいかと思われます」

「なんで?」

「天気がこれから雷雨になりますし、風も強まるみたいです。何かあっては大変ですから」

「んー……」

ん?
そう言えば、今日野々垣社長はあの屋敷にはいないのではなかったか?
確か店舗の視察で、先週から関西の方へ行っているとか……。

椿は……大丈夫なのだろうか……。

ハッとして首を振る。

⏰:08/07/14 00:51 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


#113 [向日葵]
>>107

誤]うっっり
正]うっとり

⏰:08/07/14 00:57 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


#114 [向日葵]
>>110
誤]好きに慣れそう
正]好きになれそう

間違いばかりですいません

⏰:08/07/14 01:01 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


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