ギンリョウソウ
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#109 [向日葵]
自分は、要を怒らせてばかりだ。
それなのに、要は自分を気遣う一面を見せてくれたりもする。
体育祭の事は例え要の作戦だとしても、さっきのような突然の事態に作戦として素早く助ける事はきっと出来ない。
そんな所が、少しずつ椿の要に対する警戒心を解きつつあるのであった。
――――――――……
おかしい。
と要は帰っている車の中で思っていた。
前にせよ今にせよ、何故か椿にドンドンハマっているのでは?と感じる自分がいる。
:08/07/14 00:35
:SO906i
:☆☆☆
#110 [向日葵]
心を開いてくれない彼女にイライラしたり、自分以外の誰かをときめいた目線で見ていれば妬きもちを妬いたり……。
好きに慣れそうにないと思ったのに、彼女の何が自分を惹き付けるのだろうか……。
「大久保」
年若い運転手の従者に声をかける。
「ハイ」
「お前は椿嬢をどう思う?」
「椿さまですか……」
「客観的に見て彼女は可愛い部類なのか?」
モデルを見慣れている彼にはあと1歩椿のどの部分が可愛いのかを見抜けていない。
:08/07/14 00:40
:SO906i
:☆☆☆
#111 [向日葵]
「私は可愛いらしいと思いますよ。儚げで綺麗で……まるで桜のようじゃありませんか」
「フッ……桜か……。僕はギンリョウソウだと思うけどね……」
「ギンリョウソウ……ですか……?」
どうやら従者はギンリョウソウを知らないらしい。
それならそれでいいと、要は腕を組んで目を瞑る。
白く、ひかえめな存在である椿。
彼女こそ、ひっそりと小さく咲くギンリョウソウと称するにあった少女だ。
ただ、ギンリョウソウなどと名前も知られていたい花に例えるのはきっと失礼だろうと要は分かっていた。
それでも、従者が言うような桜などのポピュラーな名前の花は、彼には思いつかないのであった
:08/07/14 00:46
:SO906i
:☆☆☆
#112 [向日葵]
「要さま。一旦帰ると申しますが、帰ってからはもう外には行かない方がいいかと思われます」
「なんで?」
「天気がこれから雷雨になりますし、風も強まるみたいです。何かあっては大変ですから」
「んー……」
ん?
そう言えば、今日野々垣社長はあの屋敷にはいないのではなかったか?
確か店舗の視察で、先週から関西の方へ行っているとか……。
椿は……大丈夫なのだろうか……。
ハッとして首を振る。
:08/07/14 00:51
:SO906i
:☆☆☆
#113 [向日葵]
:08/07/14 00:57
:SO906i
:☆☆☆
#114 [向日葵]
>>110誤]好きに慣れそう
正]好きになれそう
間違いばかりですいません

:08/07/14 01:01
:SO906i
:☆☆☆
#115 [向日葵]
>>111誤]知られていたい
正]知られていない
本当にすいません


:08/07/14 01:03
:SO906i
:☆☆☆
#116 [向日葵]
どうして椿の心配をしなくちゃならないんだ。
しかも彼女には、他の心配してくれる人が沢山いる。
自分が心配する必要なんてないのだ。
地面に大きな水たまりが出来はじめる。
要を乗せた車は、その水たまりに勢いよくタイヤを沈ませ、酷くならない内に、家へと帰って行った。
―――――――……
「お嬢様、今よろしいですか?」
アルバムをまた元の位置に戻し、自分の部屋に戻ったばかりだった椿は、自らドアを開ける。
立っていたのは、メイドの中でもよく自分を世話してくれる佐々木だった。
:08/07/15 01:43
:SO906i
:☆☆☆
#117 [向日葵]
「どうかなさいました……?」
「それが、旦那さまがこの天気のせいで今日は帰れないとおっしゃってるそうです」
「まぁ……」
椿は窓に目をやる。
さっきよりも雨は勢いを増し、ザーッと耳障りな音が響いている。
「大丈夫でしょうか……」
「椿さまには心配しないようにと伝言を預かっています。ですから大丈夫ですよ」
佐々木はにこりと笑う。
それにつられて、椿も微笑んだ。
「そうですね……。無事に帰ってくるよう待っていましょう……」
:08/07/15 01:48
:SO906i
:☆☆☆
#118 [向日葵]
父だけが私の望みだ、と椿は思う。
母が亡くなってから、まだ幼い椿を必死になって育て、愛してくれたのは父だ。
他の使用人達も、自分の事をよく見てくれたけれど、やはり1番は父だ。
父さえ無事でいてくれるなら、他に何もいらないのだ……。
雨足は強くなる。
多分警報くらいは出ているだろう。
「え?本当に?」
部屋の外から、微かに声が聞こえた。
椿と佐々木はその方へ向く。
廊下の向こうから、メイド2人が現れ、椿に気づくと慌てて頭を下げた。
:08/07/17 23:44
:SO906i
:☆☆☆
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