ギンリョウソウ
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#112 [向日葵]
「要さま。一旦帰ると申しますが、帰ってからはもう外には行かない方がいいかと思われます」
「なんで?」
「天気がこれから雷雨になりますし、風も強まるみたいです。何かあっては大変ですから」
「んー……」
ん?
そう言えば、今日野々垣社長はあの屋敷にはいないのではなかったか?
確か店舗の視察で、先週から関西の方へ行っているとか……。
椿は……大丈夫なのだろうか……。
ハッとして首を振る。
:08/07/14 00:51
:SO906i
:☆☆☆
#113 [向日葵]
:08/07/14 00:57
:SO906i
:☆☆☆
#114 [向日葵]
>>110誤]好きに慣れそう
正]好きになれそう
間違いばかりですいません

:08/07/14 01:01
:SO906i
:☆☆☆
#115 [向日葵]
>>111誤]知られていたい
正]知られていない
本当にすいません


:08/07/14 01:03
:SO906i
:☆☆☆
#116 [向日葵]
どうして椿の心配をしなくちゃならないんだ。
しかも彼女には、他の心配してくれる人が沢山いる。
自分が心配する必要なんてないのだ。
地面に大きな水たまりが出来はじめる。
要を乗せた車は、その水たまりに勢いよくタイヤを沈ませ、酷くならない内に、家へと帰って行った。
―――――――……
「お嬢様、今よろしいですか?」
アルバムをまた元の位置に戻し、自分の部屋に戻ったばかりだった椿は、自らドアを開ける。
立っていたのは、メイドの中でもよく自分を世話してくれる佐々木だった。
:08/07/15 01:43
:SO906i
:☆☆☆
#117 [向日葵]
「どうかなさいました……?」
「それが、旦那さまがこの天気のせいで今日は帰れないとおっしゃってるそうです」
「まぁ……」
椿は窓に目をやる。
さっきよりも雨は勢いを増し、ザーッと耳障りな音が響いている。
「大丈夫でしょうか……」
「椿さまには心配しないようにと伝言を預かっています。ですから大丈夫ですよ」
佐々木はにこりと笑う。
それにつられて、椿も微笑んだ。
「そうですね……。無事に帰ってくるよう待っていましょう……」
:08/07/15 01:48
:SO906i
:☆☆☆
#118 [向日葵]
父だけが私の望みだ、と椿は思う。
母が亡くなってから、まだ幼い椿を必死になって育て、愛してくれたのは父だ。
他の使用人達も、自分の事をよく見てくれたけれど、やはり1番は父だ。
父さえ無事でいてくれるなら、他に何もいらないのだ……。
雨足は強くなる。
多分警報くらいは出ているだろう。
「え?本当に?」
部屋の外から、微かに声が聞こえた。
椿と佐々木はその方へ向く。
廊下の向こうから、メイド2人が現れ、椿に気づくと慌てて頭を下げた。
:08/07/17 23:44
:SO906i
:☆☆☆
#119 [向日葵]
「どうかなさったんですか?」
「ええ実は……」
「や、やめて下さい!」
止めたのは、最近入ってきた新人のメイドだ。
椿とそんなに年は変わらなく、いつかじっくり話してみたいなと椿は思っていた。
そのメイドの様子が、おかしかった。
「何かあったのなら、教えて下さい」
心配そうな椿を見て、若いメイドはうつ向きくちごもる。
代わりに、彼女を指導していた少し年上のメイドが口を開く。
「この子、大久保さんと言うんですが……、大久保さんの実家が、山近くにありまして、どうやらこの雨で、実家近くで土砂崩れがあったそうです」
:08/07/17 23:49
:SO906i
:☆☆☆
#120 [向日葵]
「まぁ!大変!」
佐々木が声を上げる。
椿は窓の外を見る。
さっきまで激しく降っていた雨は、今度は少しおさまったようだった。
こくりと頷いて、大久保に歩み寄った。
「雨が今はマシになっています。大久保さんの実家はどちらですか?」
「車で、1時間程の……」
「今すぐお帰りになって下さい。このままじゃ、更に天気は悪くなります。そして佐々木さん、皆さんに、今日はもう帰るようにお伝えして下さい」
「お嬢様……っ!?」
:08/07/17 23:55
:SO906i
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#121 [向日葵]
椿は佐々木の動揺を無視して、1番使いたくない言葉を吐き出す。
「これは命令です。早く、今の内にお帰りになって下さい」
椿の強い眼差しに、佐々木はもう何も言わなかった。
この言葉を使った彼女が折れる事は無い事を知っているからだ。
―――――――……
30分後。
幸い雨はまだマシなままだった。
使用人達はやはり実家が心配だったのか、次々に帰って行った。
「本当に、大丈夫ですか……?」
最後に出ていく佐々木が、椿を心配そうに見つめる。
:08/07/17 23:59
:SO906i
:☆☆☆
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