ギンリョウソウ
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#445 [向日葵]
「あ……んた……ねぇ……」

「美嘉、違う。いや、違わないんだけど違う」

要は椿をパッと離し手を突き出して否定をする。
が、そんなのが美嘉に通用する訳もなく、美嘉は目をこれでもかという程つり上げて要を睨む。

「この……万年発情男――――っ!!」

椿は咄嗟にサッと避ける。
美嘉は要に飛びかかり髪を引っ張る。
要が「痛い」と連呼し許しを請うが、「問答無用」と美嘉は要を痛めつける。

その隙に椿は部屋を出ていく。
廊下に出て、要と美嘉の喧騒を聞きながら肺が空になるまで息を吐いた。

⏰:08/09/14 02:51 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


#446 [向日葵]
>>444

誤]見えるのものだから
正]見えるものだから

⏰:08/09/14 03:08 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


#447 [向日葵]
ドキドキ高鳴る胸がうるさい。
早く静かになってくれと願う。

下におりれば、お茶の用意が大方済んでいた。
あとはお茶うけを用意するぐらいだろうと、食器棚に置いてある高そうな大皿を出して、持ってきていたクッキーやらを並べる。

紅茶が冷めてはいけないと、ティーコーゼをかけ、2人を待つ。

そういえば着いたら連絡して下さいと、佐々木に言われたのを思い出して、椿は携帯を鞄から出す。

電話に出た佐々木は「楽しんで下さいね」と優しく言うと、電話を切った。
椿も携帯を閉じる。

そして気づく。

⏰:08/09/17 00:32 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


#448 [向日葵]
「どうしたんでしょう……」

2人が一向におりてこない。

もしや大喧嘩になっているのではないかと再び上へ向かう椿。

部屋の前まで来て、ノックしようとすると、中から声が聞こえてきた。

「そんなの自分で訊きなさいよ」

美嘉の声だ。
ノックしようとした手を引っ込めて、思わず立ち聞きしてしまう。

「訊いたら気づいてしまう。僕は気づかれないようにしたい」

「それでも本人が1番と思うのがいいじゃない」

「そういうのは人の気持ちがまず1番だろ」

⏰:08/09/17 00:38 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


#449 [向日葵]
何の話なのだろう……。

立ち聞きしては失礼だと今気づき、椿はまたノックしようとする。

「椿には絶対バレないようにしてくれよ。大事な事なんだから」

ドアに触れようとする寸前で椿の手は止まる。

バレてはいけない……?私に……?

すると呼び鈴が鳴った。

ビクリとした椿は、今来たかのようにノックをする。

「は、入ります」

ドアを開ければ、要と美嘉はそこにいた。

⏰:08/09/17 00:42 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


#450 [向日葵]
今の話を聞いてしまったせいか、「何?」と訊ねる美嘉の声の調子や、椿を見て口元に笑みをたたえる要が、なんだか白々しく見えてしまう。

そんな自分が嫌だから、椿は笑顔で2人に話かける。

「お茶、冷めてしまいますから……。早く下へ行きましょう」

「あ、そうだった!」

美嘉は慌てて下へと向かう。
その美嘉を、要が呼び止める。

「美嘉」

「心配しなくても分かってんよ」

美嘉は下へと走っていった。

⏰:08/09/17 00:46 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


#451 [向日葵]
「……どうか、されたんですか?」

もしかしたら聞けるかもしれない。

期待をこめて、椿は訊いてみる。
しかし要は笑みを浮かべる。

「ちょっとね」

ただそれだけ。
言うと要は下へと向かう。

1人残された椿は、自分には話してくれない要に悲しくなり、肩を落とす。

「美嘉ちゃんには……おっしゃってたのに……」

そう呟いてから、また呼び鈴が鳴った。

⏰:08/09/17 00:49 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


#452 [向日葵]
ハッとした椿は小さく首を横に振って、気を取り直す。

下へ向かい、玄関へと向かう。

「ハイ……。あ……っ!」

「こんにちわ。椿さま」

そこにいたのは、要の従者である大久保だった。
いつもの優しげな笑みを浮かべ、椿に深々お辞儀をする。

「どうなさったんですか?」

「要さまに忘れ物を届けに参りました」

「そうですか……。あ、どうぞ中へ」

「失礼します」と言った大久保は中へと入っていく。

⏰:08/09/17 00:54 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


#453 [向日葵]
「大久保さん、忘れ物とは……?」

「お仕事用の携帯電話と、あとは……ちょっとしたアドバイスを」

意味深に微笑む。
友のように接する事を許されてる彼は、要にとって本当に良き理解者なのだろう。

椿はハッと思い出す。

「大久保さん、この間はありがとうございました」

「この間……?……あぁ、いえ。解決なさいましたか?」

椿は少し顔を赤らめて柔らかく微笑むと、小さく頷いた。
大久保もにっこり笑う。

⏰:08/09/17 00:57 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


#454 [向日葵]
そして思い出したようにクスクス笑い出す。

「だからですね……」

「え?」

「解決なさったのは、椿さまが悩んでいらっしゃった夜ですよね?」

「その通りですが、それが……何か……?」

大久保はまたクスクス笑い出す。
椿はそのそばで首を傾ける。

「すいません。要さまがあまりに分かりやすい態度だったもので」

「要さま?」

「帰って来た要さまは、それは穏やかな表情をしておりまして、椿さまの事をお訊きしましたら、嬉しそうに微笑んでご婚約の事をお話して下さいました」

⏰:08/09/17 01:03 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


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