ギンリョウソウ
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#471 [向日葵]
公園についてブランコに乗っていた椿はそのまま頭を冷やすかのように雨を全身に受ける。

早く帰りたい。

そう思うのに足が進んでくれないのはどうしてだろう……。

⏰:08/09/21 02:05 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


#472 [向日葵]
ひとまずアンカーします

>>2-100
>>101-200
>>201-300
>>301-400
>>401-500

⏰:08/09/21 02:06 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


#473 [向日葵]
[第11話]

椿はずっと思っていた。

実は不安だと言う事。

こんな自分を求めて、好きだとまで言ってくれた要。

が、しかし、自分はそんな彼に見合う人かが分からない。
自分は何も持っていない。
もっているとしたら、ただただ要が好きだと言う気持ちだけ。

それでも、触れられればどうしていいか分からず、彼が求める対応すら出来ない。

そんな何も出来ない自分が、彼に全てを預けてもいいのだろうか……。

いつかこんな自分を、彼はいらないと、捨ててしまわないだろうか……。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

さすがにこのままではいけないと思った椿は立ち上がり、元来た道を戻って行く。

⏰:08/09/21 02:13 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


#474 [向日葵]
いや、戻って行ったつもりだったが、ここがどこなのかが分からない。

この場所の別荘は1番好きだが、来た事はあまりない。
前に来たのは5年程前だったか……。

他の別荘にだって行くし、椿の体、学校の事もあり、彼女は外へ出かける事が少ない。

この公園に来たのもほとんど手探り状態だったし、道しるべとしての印をつけるものも何も無かった。
なんとか帰れるだろうと思った自分が甘かった。
木だらけの林では、目印の物は、何1つとして無い。

それでも帰らねばと、椿は足を進める、

⏰:08/09/21 02:18 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


#475 [向日葵]
>>474

誤]進める、
正]進める。

⏰:08/09/21 02:19 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


#476 [向日葵]
携帯と思って開いて見るも圏外。
使い物にならない。

秋も終わりの冷たい雨は、椿の体温をどんどん奪っていく。

――――――――…………

「椿……」

さっきの場所へと戻って来た要は、その場に椿がいない事に落胆する。

だとすれば本当に湖に?
しかしここからでは湖は遠い。
なら林の中へ?

どちらにしろ動かなければならない事に変わりはない。

イチかバチかで、林の中へと進んで行く。

⏰:08/09/21 02:24 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


#477 [向日葵]
林の中に道はない。
道なき道を進む足取りは迷いを含む。

椿はどちらへ向かっただろうか……。

ハッとして携帯を取り出す。
要のいる場所はちゃんと電波がある。
リダイヤルで椿の電話にかける。が、肝心の椿の方に電波がないらしく、アナウンスが流れる。

文明の利器はこういう時に役立つものじゃないのかと苛立つ。

雨足は霧雨から本格的な粒へと変わってくる。
さっきまで色づいて見えていた山は、灰色に見える。

地面から生えている草木に足を少しひっかけながらも要は進む。

⏰:08/09/27 02:25 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


#478 [向日葵]
「椿ー!!」

叫んでみるも、エコーのように辺りに反響する自分の声と、雨の音しか聞こえない。
椿の返事らしきものは聞こえない。

遠くの方へ行ったのだろうか?
それともわざと返事をしない?

どちらにせよ、椿を見つけるのは難しいらしい。

――――――――…………

「ん……?」

振り向くが、自分が来た道しか目に入らない。
目をこらしても無駄に終わる。

椿は首を傾げる。

⏰:08/09/27 02:29 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


#479 [向日葵]
今、要の声が聞こえた気がした。……空耳か。

しかしここはどこなのだろうと椿は意味もなく空を見上げる。
さっき要と来た時のようなホッとする青空は見えない。
広がるのは、濃い灰色だ。

視線を戻し、フゥとため息をつく。
ついた瞬間妙な機械音が鳴り響く。
周りが雨の音以外何もないからよく聞こえる。
驚いた椿はびくりとし、その音が自分のスカートのポケットから鳴っている事に気づいた。

「あ、電池が……」

鳴っていたのは携帯。
どうやら電池が切れたらしい。
これでは電波がたった時に連絡する術がない。

⏰:08/09/27 02:35 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


#480 [向日葵]
急がなければと思いながら椿はブルッと震える。
寒いのだ。

両腕を抱くようにしてさする。
だが濡れてるので結局は同じだったりする。

キュッと唇を結び、また椿は歩き出す。

すると前方に何かが見えてきた。
濡れて邪魔な前髪を避けてよく見れば、美嘉ときた湖ではないか。

「で、出れた……っ」

湖のほとりまでやって来た椿は安堵感に包まれてその場にペタリと座り込む。

「良かったぁ……」

⏰:08/09/27 02:40 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


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