ギンリョウソウ
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#620 [向日葵]
美嘉たちは夕飯の為に帰って行った。
椿は用意された部屋のソファに身を深く沈めて全身の力を抜いた。

疲れた……。

ただそうしか思えない。
先程、夕飯を済ませたが、今日もあまり食べれなかった。
部屋に来る前、要に心配されたが、曖昧に返して逃げるように部屋に帰って来たのだ。

このままじゃ、要に心配かけっぱなしになってしまう。
しっかりしなきゃと思うのに、今は力が入らなかった。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ふわりと、心地よい感覚に意識がいく。

いつの間にか寝てしまったのか。

⏰:09/02/22 12:39 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


#621 [向日葵]
意識は現実に戻るも、まだ目は眠いから閉じたままだ。
そうしていると、柔らかな所に体を置かれた。

誰かに抱き上げられていたのだと気づく。
薄手の布団を丁寧にかぶせられ、顔にかかった綺麗な髪をそっとよける。そして撫でられる。
目を開ければ、頭が濡れている要がいた。

「あ、ごめん、起こした?」

「い、いえ……」

寝ていては落ち着かないので、ゆっくりと体を起こす。
要はベッドに腰をおろす。

「熟睡してたね。やっぱり疲れがきてるんじゃ……」

⏰:09/02/22 12:44 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


#622 [向日葵]
「い、いえ、そんな……」

「食事もあまりとってないし」

「もともと少食なので……」

ちゃんと、目を見れない椿はうつ向く。
要が体を動かしたと思えば、椿の肩に手を置く。そのまま勢いよく椿をまた布団に沈めた。

「……っ!」

要が覆い被さるようにするので、椿の心臓が高鳴る。
顔に、まだ拭ききれていない要の髪から、雫が落ちてくるが、それを気にしていられる余裕は椿にはなかった。

鋭い目つきで見つめられれば、固まり、ただ要を見つめるしか出来なかった。

⏰:09/02/22 12:50 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


#623 [向日葵]
「僕の目は節穴じゃない。君の調子の悪さなんてお見通しなんだ。いつか君から言ってくれると待っていたんだ」

だって……。

「そうやって、支えあって、夫婦になるんだろ?なのに、僕は未だ一方通行な気分だよ」

だって……言ってしまったら……。

「……でも、君にも譲れないものがあるだろうから、しつこい干渉は、避けるよ」

少し悲しそうに眉を寄せた要は、椿からすっと離れた。
椿は急いで体を起こす。

「ちが……っ、要さま!」

呼ぶと同時に、部屋の扉は閉められた。

⏰:09/02/22 12:55 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


#624 [向日葵]
重く響く音に、椿の胸は痛んだ。

違う……。
言わなかったのは、前のような無理をしてるんじゃなく……。
ただ…………。

今、そう思ってるような事すら言えなかったと言うことは、結局前と同じようなものなのだろうか。

椿はどうしていいかわからなくて、掛布団を握り締めた。

―――――――…………

「要ぇーっ!!」

「またか……」と要は頭をガクンと落とす。
式の事がだいぶ決まり、要は一段落してるとこだった。

⏰:09/02/22 13:01 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


#625 [向日葵]
感想板です(。・ω・。)
よければ

bbs1.ryne.jp/r.php/novel/3992/f

⏰:09/02/22 13:03 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


#626 [向日葵]
「君はノックというものを知らないの?」

「美嘉は別にアンタを敬う気なんかないもの」

そういう問題か?と半ば呆れながら要は頬杖をつく。
要が座っていたソファの向かい側に美嘉も座る。

「椿の様子が更に変になってる。アンタまたなんかやらかしたの?」

「椿の事意外に用事はないのか君は」

「アンタに用事って何よ」

そう言われては、要も見つからないので「まぁそうか」と息を吐く。

⏰:09/03/08 17:09 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


#627 [向日葵]
「椿を問い詰めたんだよ。疲れているんだろ、何故隠すんだとね」

そこまで言うと、美嘉が渋い顔をして見てきたので、要もなんだと目で応じる。

「まさかその時にいやらしぃー事してやいないでしょうね」

「どういう流れでそんな事をしなくちゃならない……」

「アンタの事だから変なスイッチ入ったんじゃないかと思って。なんて言うの、ホラ、怒りに任せて的なね」

休ますようにと押し倒しはしたが、あの時にそういう他意はなかったので、要はふと浮かんだ光景をすぐに消した。

⏰:09/03/08 17:19 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


#628 [向日葵]
「あるはずない。僕はそんな獣じゃないから」

どうだか、と美嘉は背もたれに体を預ける。

「で、椿はなんて言ったの?」

「何も言わなかった。だからそれからは僕も何も問い詰めちゃいない」

「そう……」

美嘉もなんらかの形で問い詰めようとしたのだろうか。
それが敵わなかったから要ならと来たのかもしれない。
敵視していた美嘉が自分を頼りにしてくれているのが、こんな時だが要は嬉しくもあった。

「で、今椿は?」

「ドレスでいい感じのが見つかって、今は休んでる」

⏰:09/03/08 17:26 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


#629 [向日葵]
なら、と要は席を立った。

あれからあまり話せていないし、今度は感情的にならず、冷静に話そう。
そうした方が、椿もゆっくりと話し出すかもしれない。

そう思って、扉に近づこうとした時、ノックをする音が聞こえた。

椿かもと自ら扉を開けた要だが、目の前にいたのはメイドだった。いきなり開いた扉に驚き、目を見開いている。

「ああ……、何か?」

「あ、ハイ!」

ぼんやりしていたメイドは要の声を聞くと急いで来た理由を話し出した。

「椿さまが、倒れてしまいました……っ!」

⏰:09/03/08 17:31 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


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