ギンリョウソウ
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#647 [向日葵]
日差しが温かくて、余計に涙が流れる。

私も愛してます。

まだ恥ずかしくて、口にする事は出来なかったが、椿は強く思った。

「なーかしたー、なーかしたー」

聞き慣れない声に、二人は顔をあげる。

「折角の結婚式に、何を泣かせているんだい」

意地悪そうな笑みをたたえた男性と、隣でにこにこ笑っている女性がこちらへ向かってくる。

その二人を見た途端、要は驚いて立ち上がった。

⏰:09/03/15 02:51 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


#648 [向日葵]
「父さんっ!母さんっ!」

それを聞いて、椿は要よりも驚き、急いで止まらぬ涙を抑え、立ち上がった。

「いやぁ、なんとか間に合った間に合った」

飄々と、憎たらしささえ感じる要の父は若く、そしておしゃれだった。
母もまた綺麗だ。

要の父は、要の前までくると、要より背が高く、ニヤリと笑いながら要の頭をペシペシと叩く。

「さすが俺のせがれ。粋な事すんじゃねえかよ。意外とお前ってポエマーだな」

からかう父の言葉に顔を赤らめる要。
何かを言い返したいが、何を言おうか迷っている内に父は椿を見た。

⏰:09/03/15 02:57 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


#649 [向日葵]
目が会った椿は急いで頭を下げる。

要の父は、さっきの意地悪な雰囲気を消し、優しげな目をして椿を見た。

「君が椿さんだね。頭をお上げになって下さい」

そろりと椿は顔を上げ、要の父を見た。

「ご挨拶いたしませんで、すみませんでした」

「いえいえ。あなたの事は要からよく聞いていました。とーってもあなたに惚れ込んでるみたいで、コイツからのメールを読む度、滲み出る笑いをこらえる事は出来ませんでした」

要をいじめるみたいな口調だが、そこに愛情を感じた椿は微笑む。

⏰:09/03/15 03:02 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


#650 [向日葵]
「これからは、俺、いやいや、私達共々、仲良くしましょうね」

「はい、よろしくお願いします」

ジューンブライドという、結婚式の魔法。
幸せになれると椿は思った。

空を見上げれば、梅雨時なのに空は青く、天にいる母も祝福してくれてる気がした。

そして思う。

きっと母も、幸せな花嫁だったのだろうと……。

⏰:09/03/15 03:07 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


#651 [向日葵]
[第15話]

高校も卒業し、椿は要宅に住む事になった。

家を出る時はやっぱり寂しかった。
何せ18年間この家にいたのだから。

要は好きな時に帰る事を許してくれた。
でも椿は、出来るだけ要のそばで仕事を手伝いたいと思ってるので、あまり帰らないようにしようと心を決めていた。

そんな日々も慣れてきた、1年後の事だった。

「椿、こんな事言っていいかわかんないけど……太った?」

思わず持ちかけていたカップを、ショックで落としそうになる。

⏰:09/03/15 03:12 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


#652 [向日葵]
今日は授業がないからと、美嘉が遊びに来て、今は仲良くお茶していた。

「え…………、ええっ!?本当ですか……っ!?」

「まあ椿はそれでやっと標準だけどね。前と比べて、すこーしふっくらしたかなってくらいよ。気にする事ないって!」

言ったのは美嘉なのに、美嘉は気にしないかのようにお茶を飲む。

「でも椿、綺麗になったよねなんか。やっぱりエステとか行くから?」

「僕がいるからに決まってるじゃないか」

二人がいる部屋に、要が入ってきた。

⏰:09/03/15 03:17 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


#653 [向日葵]
少し伸びた前髪をかきあげた要は、背伸びをしてこちらへ歩いてくる。

「アンタと椿の美貌がどう関係あんのよ」

テーブルの上にあるクッキーをひょいとつまみ、口に入れた要は、椿の隣に腰かける。

「そりゃ僕が愛情をそそいでるから」

「やっぱりアンタって馬鹿なんだね」

真顔で言い合う。
相変わらずのやりとりに、椿はクスクスと笑い声をあげる。

「だいたいアンタが言うといやらしく聞こえる」

⏰:09/03/15 03:25 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


#654 [向日葵]
「まあ君の想像に任すよ」

「否定無しだと生々しいからやめて」

椿はまた笑う。

「お仕事は終わりましたか?」

椿も手伝っていたが、美嘉が来たので許しをもらって抜けさせてもらった。

「うん。一段落したよ。だから来たの」

「そろそろ美嘉も帰るよ。邪魔しちゃいけないだろうし」

かばんを持った美嘉は立ち上がった。
見送る為、二人は玄関まで美嘉と一緒に行く。

⏰:09/03/15 03:30 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


#655 [向日葵]
「じゃあね椿、またメールするよ。あんまり要の好き勝手させちゃ駄目だかんねっ」

「み、美嘉ちゃん……っ」

顔を赤くする椿に、美嘉はニヒッと笑って帰って行った。

ドアが閉まると同時に、椿は「うっ」と唸って胸元を押さえた。

異変に気づいた要が、椿の顔を覗き込む。

「椿?どうした?」

「あ……。いえ、なんでも」

「そう?」

⏰:09/03/15 03:34 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


#656 [向日葵]
良ければ感想お願いします(●´∀`●)

*感想板*

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⏰:09/03/15 03:36 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


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