ギンリョウソウ
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#946 [○○&◆.x/9qDRof2]
#35 [あんず]
どうしよう……!!
私はパニックになり、おろおろとその場を歩く。
ご主人様に会えない。
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#947 [○○&◆.x/9qDRof2]
#36 [あんず]
私はなんて
馬鹿なんだろう。
ご主人様は気付くわけないのに。
わかるわけないのに。
悔しさで胸がいっぱいになる。
悔しさと混乱からか、私の瞳にはじわり、と涙が浮かんだ。
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#948 [○○&◆.x/9qDRof2]
#37 [あんず]
その涙がポタリと床に落ちて滲む。
…これが、ご主人様の流した涙……。
私はぐいっと涙を拭い、ドアへ手を掛けた。
泣いてる暇なんてない。今はとりあえずこの家から出
:22/10/04 03:55
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#949 [○○&◆.x/9qDRof2]
#38 [あんず]
“この家から出る”
そう決心し、私はドアを引いた。
ドアを引き、狭い隙間から外を覗く。
…………あ、やばい。
一瞬で私はそう思い、
静かに上を見上げた。
:22/10/04 03:55
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#950 [○○&◆.x/9qDRof2]
#39 [あんず]
大好きなご主人様の甘い香りが鼻を掠める。
そして視界いっぱいに広がるご主人様の、柔らかいふわふわな蜂蜜色の髪。
「…君は………?」
不思議そうな顔をした
ご主人様が、ドア越しの目の前に立ってい
:22/10/04 03:56
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#951 [○○&◆.x/9qDRof2]
「……………っ!!」
驚き過ぎて声が出なかったのか、私は口をパクパクしながらご主人様を見上げる。
ご主人様は目を見開く。
まさかこんな所で
ご主人様と鉢合わせになるなんて―――。
:22/10/04 03:56
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#952 [○○&◆.x/9qDRof2]
「お母さぁぁん!人拾ったぁぁ!!」
「え、ちょ、アンタそんな犬拾ったみたいなテンションで!」
優雅に紅茶をすすっていたお母さんは私の叫びにびっくりした。
私はずぶ濡れの彼を家にいれて、タオルを貸してやった。
「ハイ。拭いて。風邪ひいちゃうから。」
私の言葉なんか聞いてないのか、綺麗な茶色い髪から滴る雫もそのままに、彼はぼんやりしていた。
お母さんが風呂を沸かしてあげると言って、風呂場へ向かった後、私は彼を拭いてあげる。
:22/10/04 03:57
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#953 [○○&◆.x/9qDRof2]
そこで私はハッとする。
伸びている髪の毛の隙間から覗いた瞳は、グレーだった。
外人……さん……?
もしかして日本語通じないとかかな……。
「わ……ワットユアネーム?」
カタコトな英語で話かければ少し反応したのか、こちらを見た。
「分かるから……日本語。」
ぽつりとだけど、確かにそう言った。
「良かった!あ、私は神田 越(カンダ エツ)。この家の長女。貴方は?」
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#954 [○○&◆.x/9qDRof2]
#5 [向日葵]
さっきまで私に向けていた魅力的な瞳を僅かにそらして、またポツリと呟いた。
「勝手に……呼べばいい……」
何でだろう。
でも何故か分かる事は、彼はとても傷ついてるように見えると言う事。
何故そんな悲しい目をしているんだろう……。
「どうして……うちの前にいたの?」
「……疲れた。どこにも行く場所なくて、さまよって……休んでただけ……。」
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#955 [○○&◆.x/9qDRof2]
#6 [向日葵]
行く場所がない?
つまり家出って事なのかな。
そう思いながら、今日初めてあった人をあれこれ詮索するのはよくないと思い、私は何も聞かなかった。
「じゃあ……とりあえず貴方は柴(シバ)ね。犬みたいにうちの前にいたから!」
特に反応する訳でなく、柴は黙ったまま私に拭かれた。
―――――――……
「行くとこないっていうなら、まぁいてもいいよ。」
お母さんは寛大すぎる程寛大で、お母さんだけど男気溢れる人だ。
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