愛の在り処
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#82 [果樹]
疲れた・・・。
猫の世話がこんなに疲れるものだったとは思わなかった私は、マラソンでもしたかのようにどっと体力を消耗し、もう手の一本も動かせない感じだった。
そんな私とは裏腹に子猫はさっきあげたツナ缶を嬉しそうに頬張っていた。
明日は猫缶買いに行かなきゃ・・・。
後子猫の寝床てトイレと・・・。
:08/06/30 04:11 :P902iS :☆☆☆
#83 [果樹]
子猫に必要な物を思い浮かべながら私はいつのまにか眠りについていた。
――――――――・・・・
ミャアミャア
うるさ・・・。
ミャアミャアミャア
猫の声・・・?
なんか近い・・・。
猫なんかいたっけ?と思いながら目を開けると視界には天井とお腹の辺りに重みを感じた。
:08/06/30 04:12 :P902iS :☆☆☆
#84 [果樹]
ミャア
まただ・・・。
顔を少し上げ腹部に目をやると白い子猫が私の方を見ながら鳴いていた。
あ・・・そっか。
昨日猫拾ったんだ。
寝惚けた頭で昨日の事を思い出しながら体を起こし、子猫の頭を撫でる。
「お腹減ったの?」
ミャアミャアと煩いくらいに鳴いて擦り寄ってくる子猫。
:08/06/30 04:12 :P902iS :☆☆☆
#85 [果樹]
時計を見るともう10時を回っていた。
「ちょっと待っててね」
子猫の頭を軽く撫でてからキッチンに向かい、ツナ缶の蓋を開けて油を切ってから子猫用の皿に入れる。
子猫は待ってましたと言わんばかりに飛んできてご飯にがっついた。
「ふふっ・・・」
そんな子猫を見ながら私はなんとなく笑みを溢して、風呂場に向かった。
:08/06/30 04:13 :P902iS :☆☆☆
#86 [果樹]
風呂から出てくると満腹になったのか子猫はソファの上で体を丸めて寝ていた。
私は子猫をそのままにまだ少し濡れている髪の毛を後ろに流して、家を出る。
――――――――・・・・
えっとペット用品は・・・。
私が今来ているのは近所にある大型スーパー。
猫缶ついでに自分用の食材も買う為だ。
:08/06/30 04:13 :P902iS :☆☆☆
#87 [果樹]
カートを押しながらスーパーの中を回ってやっと見つけたペット用品コーナー。
しかし来たまではいいが何を買ったらいいのか全くわからない。
とりあえず目についたものを数個と固めの餌もカゴに入れて、ペットコーナーを後にする。
――――――――・・・・
重た・・・。
:08/06/30 04:14 :P902iS :☆☆☆
#88 [果樹]
食材と子猫の餌が入ったビニール袋は結構な重さがあり、家までたった数分の距離も長く感じる。
「ただいま・・・」
やっとのことで家に着いた頃には息が切れていた。
袋を引きずるようにキッチンに行くと子猫が足元に擦り寄って来た。
「何?またご飯?」
袋から食材や猫缶を出しながら子猫に話かけると子猫はミャアと小さく鳴く。
:08/06/30 04:14 :P902iS :☆☆☆
#89 [果樹]
いまいちわかんない。
言葉の通じない相手と喋るのに苦労しながらもとりあえず子猫に水とさっき買ってきたばかりの餌を与えて私はまた家を出る。
次に向かったのはホームセンターだ。
家からは20分くらいの場所にあるためちょっと長い道のりだ。
「あ!」
:08/07/01 20:26 :P902iS :☆☆☆
#90 [果樹]
スタスタと歩いているといきなり後ろから大きな声が聞こえた。
煩いと思いながらも振り向くのも面倒なので進む足を止めることなく歩く。
「ちょっと待って」
誰に言ってるのか、私の後ろの方にいるであろう人はまた叫ぶ。
グイッ!!
「!?」
:08/07/01 20:27 :P902iS :☆☆☆
#91 [果樹]
いきなり強い力で肩を掴まれた私は驚いて思わず足が止まる。
私の肩を掴んで足を止めたのは今私の目の前で息を切らしている男。
「待ってって言ったのに・・・」
ハァハァと荒い息を整えながら男は私を見る。
長身で端正な顔立ちの黒髪の男。
こいつは間違いなく昨日あの子猫を拾った時に私に飼ってくれと頼み込んだ男だ。
:08/07/01 20:27 :P902iS :☆☆☆
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