愛の在り処
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#111 [果樹]
「やばっ遅刻する!」

時計を見ると8時15分。

ホームルームが始まるまでにあと25分しかない。

「じゃあねモア。いってきまーす」

私は急いでテーブルにあった鞄を持ち、モアの頭を一撫でして家を出た。

――――・・

「間に合った・・・」

⏰:08/10/14 10:48 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#112 [果樹]
椅子を引き、うなだれるように私は席についた。

ホームルームが始まるまでの暫しの休息だ。

「まーなちゃーんおっはよー!」

軽快な声が聞こえて振り向けば、やっばり声同様に金髪頭の軽い奴がたっていた。

「・・・おはよ」

「暗いよ〜もっと元気よくさっ!ね?」

⏰:08/10/14 11:04 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#113 [果樹]
朝から煩い奴・・・。

私の机の周りで煩いくらいに騒ぐこの男は、佐々木逞(ささきたくま)。

一週間前にうちのクラス転校してきた奴で、転校初日から何故か私に付きまとっている。

「・・・佐々木くん」

「佐々木ってなんて堅苦しい呼び方じゃなくて逞でいいよ。まなちゃん!」

⏰:08/10/14 11:05 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#114 [果樹]
逞のこの軽いノリが私をイラつかせるのだ。

「じゃあ逞。あのね・・・煩い」

私はにっこりと最上級の笑顔で逞に文句を言う。

そして私はそのまま机に突っ伏した。

それでも逞は相変わらずで、「まなちゃんのいけず〜」とかほざいていたが、あえて放っておいた。

⏰:08/10/21 09:56 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#115 [我輩は匿名である]
おもろいな

更新待っとるし

⏰:08/10/21 16:26 📱:SH903i 🆔:jDCAaFqs


#116 [果樹]
匿名さん
ありがとうございます!
話がまとまり次第更新します☆

⏰:08/10/26 08:25 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#117 [果樹]
「席につけー。ホームルームやるぞー」

丁度いいタイミングで、先生が教室に入ってきたので逞は渋々自分の席に戻って行った。


「えー今日は大学の方から教育実習生がきてるから紹介するぞ」

間伸びした声の担任の衝撃発言。

⏰:08/10/30 02:31 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#118 [果樹]
「キャアアアァ!!」

教室中に女子の甲高い叫び声にも似た声が木霊する。

机に突っ伏していた私は、何が起きたのか分からずただただその甲高い声に驚く。

「静かにー!」


担任はもううんざりした様子で、声を張り上げる。

⏰:08/10/30 02:32 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#119 [果樹]
「今日から英語を教えてもらう一ノ瀬慶先生だ。みんな仲良くするように」


軽い睡魔に襲われていた私は、教育実習生の名前を聞いて思わず椅子から立ち上がる。


「ん?何だ?どーかしたのか武藤」

音に反応した担任が首を傾げてこちらを見る。

⏰:08/10/30 02:33 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#120 [果樹]
「へ?あ・・・いえ何でもないです」

私は、ドクドク鳴る心臓を抑えながら静かに腰を下ろす。

その間も私は教育実習生から目がそらせないでいた。


あの目、あの髪、あの声。
間違いない。

⏰:08/10/30 02:34 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


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