宝物。
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#340 [みぉり]
「ただいまー」
玄関からそのまま自分の部屋へと向かう
扉を開けてすぐに目に付くのは、壁に張られた無数の写真
友達と、家族と撮った写真達
そのほとんどに有希も写っている
:08/10/26 23:44
:PC
:WmVD4FgU
#341 [みぉり]
荷物を机の上に置いて、貼られた写真の前に立ち、ゆっくりと見つめる
写真の中の俺と有希は、傍から見ればそれこそ恋人同士に見えるくらい一緒に写っている
家に来た彼女達が、必ず眉間にシワを寄せながら『この子、誰?』と尋ねてくるくらいに
:08/10/26 23:46
:PC
:WmVD4FgU
#342 [みぉり]
何度聞かれようとも、俺は平然と『幼馴染』と答えるだけ
けれども、彼女達はそれには納得出来ないようで、この写真達が引き金になってケンカしたり別れた事があったのも事実
:08/10/26 23:49
:PC
:WmVD4FgU
#343 [みぉり]
かといって、この写真をはずそうと考えた事なんてない
はずすことがまるで、彼女達が不安に思う原因は有希であると認めているような気がして
本当に家族だと、単なる幼馴染なんだと信じて欲しいからこそはずすことがなんだか悔しくて
ずっとそのままにしてきた、有希の部屋にも同じような写真が壁一面にあることだって俺は知ってる
:08/10/26 23:54
:PC
:WmVD4FgU
#344 [みぉり]
同じ気持ちだと思ってた
俺が有希を想うように、有希も俺を『家族』のように想ってくれているんだと思っていた
俺が失恋すると必ず励ましてくれた有希、
『しょうがないなぁ、本当に』
そう言いながらもいつだって、俺と一緒にいてくれた有希
:08/10/27 00:01
:PC
:yXpYuQc2
#345 [みぉり]
それがこれからは叶わない
俺が、離れることを決めたのだから
俺が、有希を追い詰めているのだから
俺が、有希の気持ちに応える事は出来ないのだから
有希に本当の事を知られてしまうのが、何よりも怖いから
:08/10/27 00:03
:PC
:yXpYuQc2
#346 [みぉり]
壁に貼られた写真に手をかけると、一枚ずつ丁寧にはずしていく
一枚、一枚はずしながら、その思い出を噛み締めながら
「・・・・・・・・・・これで最後・・・・か」
思ったよりも大量に貼られていた写真をはずし、最後の一枚を手にとってベットに腰掛ける
:08/10/27 00:07
:PC
:yXpYuQc2
#347 [みぉり]
「・・・・・・・っ」
その写真は皮肉にも、俺が有希と真っ直ぐ向き合えなくなるきっかけとなった日に撮ったものだった
━━━━ーーーーー…………
半年前の夏休み半ば
:08/10/27 00:21
:PC
:yXpYuQc2
#348 [みぉり]
「・・・・・あちぃ」
夏休みの炎天下の中、俺の部屋のクーラーは故障中
扇風機をフル稼働させ、窓を大きく開けながらベットに腰掛け漫画を読んでいた
「凪ぃ〜、いる〜〜?」
:08/10/27 00:24
:PC
:yXpYuQc2
#349 [みぉり]
階段下から聞こえてくるのは、聞きなれた声
「おー、上ー」
起き上がって迎えにいくわけでもなく、変わらずに漫画を読んでいるとトタトタと足音が近づいてドアが開かれた
「うわっ、何この部屋〜・・・・・」
扉を開けるなり、その暑さに顔をしかめた有希がコンビニ袋を提げて俺の部屋に入ってきた
:08/10/27 00:31
:PC
:yXpYuQc2
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