宝物。
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#378 [みぉり]
「ん………」



多分、森くんは私を見てる
顔をあげれば真剣な面持ちでいるだろうことは予想出来ている


だから余計に顔をあげられない


昼間に言い合いにも似たやりとりの後にこんなカタチで、会うとは思いもしなかったし……

⏰:08/11/09 14:35 📱:N905i 🆔:gCJzhQEM


#379 [みぉり]
だけど、こんな時間まで付き合ってくれたし……なんと言ったらいいんだろう



「……………幼馴染みがいいって……」



「……………え」



言い訳を考える事に集中していた私は、突然の森くんの言葉に思わず顔をあげてしまった

⏰:08/11/09 14:46 📱:N905i 🆔:gCJzhQEM


#380 [みぉり]
見上げた先の森くんは、やっぱり真剣な面持ちでいて昼間のように眉間にシワを寄せていた



「………同じことを思った事がある」



「え?…………何が?」



言葉の意味を問い掛ける、同じことって?

⏰:08/11/09 22:06 📱:N905i 🆔:gCJzhQEM


#381 [みぉり]
私の声に森くんは静かに息を吐き出してから、立ち上がり窓に向かって立った



しばらく、何も話さず私も声をかけられず、ただ黙って待った



陽が完全に暮れかけて、電気を点けていない教室は真っ暗で窓から漏れる街灯がぼんやりと森くんの表情を映し出す

⏰:08/11/09 22:12 📱:N905i 🆔:gCJzhQEM


#382 [みぉり]
「幼馴染がいい・・・・お前の言葉と同じ事を思ってたんだ、俺も」


ぽつりと呟く森くんの声に、じっと耳を傾ける



「幼馴染がいいと思った、そのままで居たいと思った・・・・だから、気持ちを伝えずにいようと努力した」



森君はどこか遠くを見るような眼差しで、続ける

⏰:08/11/10 00:37 📱:PC 🆔:LKLcl7/I


#383 [みぉり]
「始めは思ったよりも楽だった、あいつは毎日変わらずに俺といたし・・・・・・けど、途中でつらくなった」



声のトーンをぐっと下げて、ゆっくりと私の方を振り向く



ドキン・・・・・ドキン・・・・・



なぜだかわからないけれど、私の心臓は大きく音を立てて鳴っていて森くんから視線を逸らせない

⏰:08/11/10 00:41 📱:PC 🆔:LKLcl7/I


#384 [みぉり]
「学年があがって、俺の知らない場所にあいつの新しい居場所があって・・・・・一緒に過ごす時間は変わらないのに、俺の知らないことばかりが増えていって・・・・・」




森くんの言葉が、いつかの自分を思い出させる


同じことを不安に思った


けれども、それは自然なことなんだと


自分の気持ちを見つめようとしなかったから納得して過ぎてきた

⏰:08/11/10 00:45 📱:PC 🆔:LKLcl7/I


#385 [みぉり]
でも森くんは違う



自分の知らない一面が増えていく前から、その幼馴染のことを想っていたのなら、その苦しさはきっと、今の私とは比べものにならない



「・・・・・縛れないって分かってる。俺は単なる幼馴染なんだと思ってみても、どうしたって悔しくて何よりも・・・・・あいつが離れていくことが寂しかった」




森くんが悲しそうに顔を歪めて、でも口元は笑いながら続ける

⏰:08/11/10 00:50 📱:PC 🆔:LKLcl7/I


#386 [みぉり]
「自分で伝えないと決めたのに、それが自分を追い詰めたんだ」


森くんの言葉が痛いほど、心に、頭に突き刺さってくる



本当はここまで自分の状況と酷似した話なんて聞きたくはない。



けれど、森くんの話し方が”過去形”だから、その行く末が気になって、聞き入ってしまう

⏰:08/11/10 00:57 📱:PC 🆔:LKLcl7/I


#387 [みぉり]
「………だから、お前の話を聞いた時は、すごく驚いた」



「え?……………ぁ…」



そうか、

森くんがあんなにも私の事を見抜けたのは、同じ経験があったから


はっと思い当たった私に、森くんは目を細めて笑う

⏰:08/11/10 04:03 📱:N905i 🆔:LHKklqQ.


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