宝物。
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#101 [みぉり]
「うしっ!!そうと決まれば・・・凪を待ち伏せて尾行大作戦だー!!」
一人になった屋上で、決意を叫んでから校内へと続く扉へ
作戦を考えながら向かったー・・・・
:08/07/06 23:39
:PC
:j.k9yRAA
#102 [みぉり]
―――――・・・・・
凪side
ガチャ・・・・・
バイト先に向かうため、私服に着替えてキャップとメガネで少しだけ見た目を変えて家を出る
携帯のディスプレィを見ると5時ちょい過ぎ
:08/07/06 23:43
:PC
:j.k9yRAA
#103 [みぉり]
ゆっくり歩いていっても、十分に間に合うか
バーテンのバイトを始めて、もう丸1年になる
高校生になったらやろうと決めて、たまたま面接に行った店で恭ちゃんに会った
まさか、うちの学校の秀才くんがバーテンやってるなんて思いもしなくて
すげー叫んだのを覚えてる
:08/07/11 01:08
:PC
:mzJdfIvE
#104 [みぉり]
バイト先へと向かって歩く道すがら、恭ちゃんとの出会いを思い出していた俺はふと、背後に違和感を覚えた
なんだ?
特に異臭がするとか、そういうことではないのだけれど
:08/07/12 23:32
:N905i
:BIIUbG6.
#105 [みぉり]
何気なく振り返って後ろを見るが、特に気になるものはない
気のせいか・・・
再び前を向き、そのままバイト先へと足を進めた
:08/07/15 17:52
:N905i
:Uk78WeJY
#106 [みぉり]
ガチャ・・・・・・・
「おはようございまーす」
店の裏口から、挨拶しながら中へと入る
既に開店している時間のためか、中には誰もおらず店へと続く扉から微かに人の声が聞こえているだけ
:08/07/28 04:50
:PC
:3IdQYgbQ
#107 [みぉり]
でかでかと”凪”のステッカーを貼った自分のロッカーを開けて征服に着替えてから
鏡の前に立った
白いシャツのボタンを少しだけ開けて、ほんのり甘めの香水をサッとつける
一応、見られる職業でもあるし・・・バイトといえども手を抜くことはするなというのが修さんのポリシーらしい
:08/08/02 04:04
:PC
:meav.lzk
#108 [みぉり]
・・・・バーテンなのにちょっとホストっぽいなぁ
なんて、初出勤の日に感じたのをふと思い出して顔が笑う
時計は18時の手前を示している
気持ちを仕事モードに切り替えるために深呼吸をして
店へと続く扉に手をかけ、静かに店内に出て行ったー・・・・
:08/08/02 04:08
:PC
:meav.lzk
#109 [みぉり]
――――・・・・・
有希side
ちりんちりんー・・・・・・
凪の後をこっそり付けて、辿り着いた先はこのお店
今まで立ち入ったことのない道に入って、大人の雰囲気漂う路地にあるお洒落なバー
・・・・・こんなとこ高校生が来るところじゃないよっ
:08/08/04 00:53
:PC
:Opfi5l96
#110 [みぉり]
そんなことを心の中で思いながらも、意を決して店内へと入った
高校生とばれないようにタイトなミニスカートに白いシャツを羽織って
胸元には淡い花柄のストールで大人めの服装にしたから多分、高校生とばれないはず
こういう時だけ、元々大人びた顔立ちでよかったーなんて
:08/08/04 00:57
:PC
:Opfi5l96
#111 [みぉり]
「いらっしゃいませー」
店内に入るとすぐにカウンターから声が掛かり、すぐ近くにいた男性が席の希望を尋ねてくる
カウンターに座るとさすがにすぐ、凪にばれてしまうよね
「あ、あそこいいですか?」
私が指差した先は店内の最奥の窓際、店の隅っこだし店をぐるっと見渡せるからきっと凪をすぐに見つけられるはず
:08/08/04 01:00
:PC
:Opfi5l96
#112 [みぉり]
私の答えに男性はにっこり笑って、案内してくれた
渡されたメニューを眺めながら、ちらりと店内を見回すがまだ凪の姿はない
カウンターにはオーナーっぽい男性が料理を作りながら、すぐ近くのお客さんと楽しげに談笑してるのが見える
まだ18時前とあってか、お客さんはほとんどいない
:08/08/04 01:03
:PC
:Opfi5l96
#113 [みぉり]
・・・・まずいなぁ、このまますぐに凪が出てきちゃったらばれちゃう
そんなことを考えていると、カウンターのすぐ横にある扉が開き、見慣れた姿が目に入った
凪っー・・・・
:08/08/04 01:05
:PC
:Opfi5l96
#114 [みぉり]
咄嗟にメニューで顔を隠す
そろりと顔を半分だけ出して、じっと凪を見る
学校で見るよりも大人っぽくて………お洒落でかけているんだろう黒縁メガネがよく似合ってる
:08/08/06 19:02
:N905i
:S00DTYfA
#115 [みぉり]
カウンターにいるお客さんと楽しそうに一言、二言話をして、カウンター内へと入っていく姿に
凪じゃないみたいで、、、なんとも見ていられなくて目を反らした
:08/08/06 19:05
:N905i
:S00DTYfA
#116 [みぉり]
「お決まりですか?」
目を逸らしたのとほぼ同時に、案内をしてくれた男性に声をかけられた
はっと、慌ててメニューに目を走られてお勧めカクテルを頼むことにした
゛かしかまりました。゛と男性は笑ってカウンターへと歩いていく
:08/08/11 17:20
:N905i
:K5oGNn1Y
#117 [みぉり]
その後ろ姿にほっと胸を撫で下ろしてから、凪にばれないように窓に顔を向けた
ほんのり暗くなってきた外のせいで、中の様子が窓ガラスに反射して写っている
これはラッキーかも…
:08/08/11 17:23
:N905i
:K5oGNn1Y
#118 [みぉり]
直視せずに凪を見られるのは好都合、この席にして正解だったなぁ、なんて考えていたらいつのまにかさっきの男性が頼んだカクテルを持ってきていた
お互いに軽くほほえんで、それを受け取り、再び視線を窓に戻す
反射して見える凪は、いつもの笑顔を振りまいてシェーカーを研いてる
:08/08/11 17:32
:N905i
:K5oGNn1Y
#119 [みぉり]
ここにいても、見劣りすることもなくて高校生とは思えない雰囲気を醸し出している
それがまた私に妙な淋しさを感じさせて
カクテルを口に運んだ
:08/08/12 16:21
:N905i
:V2EVrkiA
#120 [みぉり]
「美味しい・・・・」
飲んでびっくりした。全然アルコールの味はしなくて、甘酸っぱい柑橘の香りと甘さがとっても美味しい
一口で気が良くなった私はグイグイと続けて口へ運ぶ
:08/08/12 17:26
:N905i
:V2EVrkiA
#121 [みぉり]
ちらりと窓を見てみれば、カウンターでシェーカーを振ってる凪が写っていて
いつのまにか増えてきたお客さんがカウンターを埋めていた
そのほとんどは女性で、凪に話し掛けて楽しげな様子
・・・・・でれでれしちゃって
:08/08/12 17:42
:N905i
:V2EVrkiA
#122 [みぉり]
じろっと窓越しに凪をにらんで、カクテルを一気に飲み干した
すかさず、またあの男性スタッフが私の元にやってきて注文を尋ねてくる
イライラしていたのも手伝って、さっきよりもずっとアルコールのきついカクテルを頼むことにした
:08/08/16 12:48
:N905i
:CY7Jnd8A
#123 [みぉり]
新たに運ばれてきたカクテルを飲んでまたまた驚いた
すごく美味しいんだけど、相変わらずアルコールが感じられなかったから
・・・・・私ってお酒強いのかも
:08/08/16 13:44
:N905i
:CY7Jnd8A
#124 [みぉり]
ちょっぴりうれしくなりながらも視界に凪を捉えたままに少しずつ口に運ぶことを繰り返した
っていうかさ、、、凪もなんであんなに愛想がいいんだろ
そりゃ接客業だけど・・・・にしても、あの女の人たちはちょっと行きすぎじゃないのっ?
:08/08/16 13:47
:N905i
:CY7Jnd8A
#125 [みぉり]
時間も過ぎて人が増えたといってもカウンターは一際、女性客で賑わっていて
その中心にいる凪がすごく遠く感じてしまう
イライラもやもやする気持ちと入り交ざってどうしようもない
そんな思いでカウンターをちらちらと見ていた矢先、女性客の一人が、手を伸ばして凪の髪に触れた
:08/08/16 19:38
:PC
:jt8TLmjg
#126 [みぉり]
ガタンッー・・・・・
思わず立ち上がってしまった
近くに座っていた客が数人私に視線を向けていた様子に
慌てて我に返って、うつむき加減で腰をおろした
窓越しだし、まわりは薄明かりで賑わっているからこの辺りの人しか今の不可思議な行動に気付いてはいない
:08/08/16 23:50
:N905i
:CY7Jnd8A
#127 [みぉり]
恥ずかしいっ
そんな想いでなかなか顔を上げられなくて、熱くなった頬を押さえながらため息をつく
なんでこんなに動揺してるのよ・・・
深呼吸を繰り返し、ほんの少しの間をおいて、落ち着きを取り戻した私はゆっくりと顔をあげた
:08/08/17 19:26
:PC
:61JlzwEo
#128 [みぉり]
さっきと同じように、窓に反射したカウンターの様子が見える・・・・・・・・・・はずだった
「お一人ですか?」
カウンターの絵を遮る様に男性が立っているのが、窓越しに反射して写っていた
:08/08/17 19:33
:PC
:61JlzwEo
#129 [みぉり]
「え?」
声の聞こえた方に目を向けると、わりとかっこよさげな男性がにっこり笑って立っていた
「隣、いい?」
突然のことに驚いて、何も答えない私の隣にその人はさっと座る
:08/08/17 19:49
:PC
:61JlzwEo
#130 [みぉり]
ガタンと椅子をひく音にはっとして
いきなり何っー・・・・
そう言おうとした瞬間、
「いきなりごめんね」
先にそう言われ、にっこり微笑む顔に何もいえなくなった
:08/08/17 19:51
:PC
:61JlzwEo
#131 [みぉり]
「君、いくつ?」
私が何も言い咎めないのを受けてか、男性は話しかけてくる
っていうか、、これって軽くナンパじゃない?
ふと思い当たったけど、、、これまでにナンパなんてされたこともない私はぐっと押し黙ってしまった
:08/08/17 20:56
:PC
:61JlzwEo
#132 [みぉり]
「見た感じだとー・・・20歳?」
”もっと若いっての!!”そう言いたかったけど、言えるはずもなく
私はひきつった笑顔で”はぁ”と答えるだけ
「何々?もしかして緊張してる??・・・・可愛いなぁ」
かわっ?!?!
お世辞とわかっているのに”可愛い”という言葉にかぁっと顔が赤くなってしまった
:08/08/17 21:02
:PC
:61JlzwEo
#133 [みぉり]
「ははっ・・・純粋なんだねぇ」
私のその反応に気を良くしたのか、男性は距離を詰めてふいに私の頬に手を添えて
ぐいっと見つめ合うような姿勢にされた
え?え?
訳のわからないまま、あたふたする私に男性はさっきとは少し違う表情を浮かべてにっこりと笑う
「ねぇ・・・良かったらさー・・・」
:08/08/17 21:06
:PC
:61JlzwEo
#134 [みぉり]
なにこの人ーっ・・・・こわいっ
顔を固定されてしまったため、体勢を逸らすことができない
話しながら、でも確実に近づいてくる男性に背筋がゾクっとした瞬間
上から右腕をぐいっと引っ張られて、ガタンという椅子が倒れる音と共に体が起き上がった
:08/08/17 21:12
:PC
:61JlzwEo
#135 [みぉり]
「お客様、こちらの方はオーナーの恋人ですのでそれ以上はご遠慮下さい」
不意に聞こえてきた聞き覚えのある声ー・・・・
あまりのことに固まってしまって動けなくなってしまい、
私は、さっきまで私に言い寄ってきた男性をじっと見つめた
「え?あ、、、そ、そうなのか?」
その男性は隣にいるであろう人物に目を向けてやや焦った様子で話す
:08/08/17 21:18
:PC
:61JlzwEo
#136 [みぉり]
「知らなくて・・・すまなかった」
男性は慌てながら私にぺこりと頭を下げるといそいそとその場を立ち去っていった
今のやりとりに周りの客が注目し、ざわざわとする店内
「お騒がせいたしまして、申し訳ございません」
私を引っ張り立たせた人物は、周りのお客さんに向かって深々と頭を下げた
:08/08/17 21:23
:PC
:61JlzwEo
#137 [みぉり]
その様子に、周りの客もはっとした様子で数秒後には先刻と変わらぬ雰囲気へと戻った
私はほんの数分のやりとりの間に、、、何も言えず、、、視線を帰ることもできずに
今はもう、男性が立ち去って誰もいない椅子をじっと見つめていた
:08/08/17 21:25
:PC
:61JlzwEo
#138 [みぉり]
「・・・・・何してんの」
右隣から聞き慣れた声が聞こえる。
でもそのトーンはいつもは聞くことのない位低くて、、、、怒っていることが伝わってきて余計に視線を変えられない
「・・・・おい、聞いてんのか?有希」
名前を呼ばれたとの同時に、掴まれた右腕がぐっとやや強く握られて
私はゆっくりと身体をその相手に向ける
:08/08/17 21:29
:PC
:61JlzwEo
#139 [みぉり]
「・・・・・・・凪」
視線を移した先にいたのは、いつもの笑顔ではなく
眉間にシワを寄せて、じっと私を見つめる凪の姿だったー・・・・
:08/08/17 21:33
:PC
:61JlzwEo
#140 [みぉり]
凪のその鋭い視線に思わず目を逸らしそうになる。
でも、なんとかこの状況を上手く説明しなきゃ、、、、後をつけたことがばれない様に言い訳しなくちゃ
そう思って口を開く
「あのっ・・・これは・・・」
けど、口を開いてはみたものの、上手い言葉が見つけられない
:08/08/17 21:52
:PC
:61JlzwEo
#141 [みぉり]
「ーーっ」
何も言えなくて、凪の目が怖くて、、、、俯いてしまった
「・・・・はぁ、お前さ」
凪がため息をついてから何かを言いかけた瞬間、
「なっちゃぁぁぁん」
鼻につくくらい、媚びてる甘ったるい声が聞こえて、凪の声を掻き消した
:08/08/17 23:42
:PC
:61JlzwEo
#142 [みぉり]
その声に顔を上げると、凪が掴んでいた私の腕を離して
抱きついてきた女性を抱き留める様子がスローモーションの様に私の視界に飛び込んできた
「・・・・悠里(ユウリ)、危ねぇよ」
凪は仏頂面をしながらも、その女性に向き直って声をかける
:08/08/18 00:17
:PC
:WiNzS.oo
#143 [みぉり]
「平気、だってなっちゃんは絶対抱きとめてくれるもん」
”悠里”と呼ばれた女性は、上目遣いで凪に応える
凪は”はぁ”とため息を吐きながらも、さっきまで私の腕を掴んでいた手で”悠里”さんの頭にぽんぽんと手をのせた
”嫌だ””触らないで”
:08/08/18 00:20
:PC
:WiNzS.oo
#144 [みぉり]
そんな気持ちが胸の中をぐるぐる回っていたけれど、目の前の光景から目を離せなかった
”悠里”と呼ばれた女性・・・いや、女の子・・・・かな
ぱっと見、私とそんなに年が変わらない様に思う
小さくてふわりとしていて、ピンクのワンピースが良く似合ってる
すごく可愛い女の子
その子と凪がぴったりと寄り添っている姿はとても絵になって、、、
・・・・・やだよ。
:08/08/18 00:29
:PC
:WiNzS.oo
#145 [みぉり]
そんなに凪に触れないで、、”なっちゃん”なんて・・・・呼ばないでよ
”悠里”さんはそんな私に気づいたのか、チラリと一瞬私を見た
その目があまりに鋭くて、可愛いのにしっかりと”女”としての気を発していて
私は思わず、身体がびくっと強張ってしまった
「ね、なっちゃん?先に部屋いってるから、、、鍵ちょーだい」
:08/08/18 00:34
:PC
:WiNzS.oo
#146 [みぉり]
「は?なんでそんなー・・・・っ」
凪は困惑した顔で応えていたが、次の瞬間はっとしたように黙った
”悠里”さんはそんな凪を見て、ふっと笑って頬に手を添える
「ね?鍵ちょーだい?」
再び、話かける”悠里”さんは女の顔で、
恋愛に疎い私にだって、凪との関係がはっきりわかった。
凪は、ふっと笑ってポケットから鍵を出して”悠里”さんに渡す
:08/08/18 00:38
:PC
:WiNzS.oo
#147 [みぉり]
「ん、失くすなよ」
「へへ、サンキュー」
”悠里”さんは凪の頬に軽くキスをして、手を振りながら去っていった
去り際、しっかりと私に不敵な笑みを浮かべながら
:08/08/18 00:40
:PC
:WiNzS.oo
#148 [みぉり]
彼女が去って、残った凪と私の間に沈黙が流れた
今の・・・・彼女・・・なんだ
それを理解するのと同時に、
自分の心がこれまでにないくらい息苦しくなっていく
「・・・・・有希」
:08/08/18 00:44
:PC
:WiNzS.oo
#149 [みぉり]
びくっ・・・・
凪の声にはっと我に返った
「あいつはー・・・」
いやだ。凪の口から彼女の紹介なんて聞きたくないっ
そう思うが早いか、自然と口を開いていた
「可愛いね、今の子、凪の彼女でしょ??」
:08/08/18 00:47
:PC
:WiNzS.oo
#150 [みぉり]
「え・・・?」
凪が驚いた顔をしたけど、私は満面の笑顔で続ける
「隠さなくていいよぉ!!っていうか、あんな可愛い彼女いるならさっさと教えなさいよ!!水臭いなぁ〜」
いつもと同じ様に笑えてるかな、
変じゃないかな
:08/08/18 00:54
:PC
:WiNzS.oo
#151 [みぉり]
そんな心配をしながらも、精一杯の笑顔で凪を見つめる
「・・・・違うよ」
「え?」
てっきり”そうだよ”って言われると思って、覚悟して笑顔を作っていたのに
凪の口から出たのは私が思いもしない言葉だった
「あいつは・・・・・ただのセフレだよ」
:08/08/18 00:59
:PC
:WiNzS.oo
#152 [みぉり]
「は・・・・?」
今、セフレって言った?
セフレって・・・・セックスフレンド・・・
それって・・・・
驚きを隠せず、言葉に詰まってしまった私に
凪はふっと今まで見たことのないような冷たい目で、笑って言う
「ただのH友達、したい時にするだけで付き合ってません」
:08/08/18 02:16
:PC
:WiNzS.oo
#153 [みぉり]
いたって冷静に、冷たい笑顔できっぱりという凪は私の知ってる凪じゃなかった
「何言ってんの・・・凪はそんな人じゃないでしょ?」
ぽつりと呟くように私の口からでた言葉
”冗談だよ”って言ってくれるよね?
そんな想いで呟いた凪への確認の言葉
:08/08/18 02:19
:PC
:WiNzS.oo
#154 [みぉり]
「本当。有希が知らないだけで俺にはいっぱいいるの」
頭をガツンと殴られたみたいだった
否定してくれると思っていた淡い期待は見事に打ち砕かれて
悲しさで笑顔が歪んでいくのが、自分でもよくわかった
:08/08/18 02:22
:PC
:WiNzS.oo
#155 [みぉり]
自然と視界が床へと向かっていく中、頭の上から凪の声が聞こえる
「っつーか、ここは有希みたいなお子様が来る所じゃないんだから、帰れ」
冷たい声
怒っているのか、呆れているのか、面倒くさいのか、、、
そのどれなのかわからないけど、
でも確実に私をここから立ち去らせたい思いがあることだけは明白な声
:08/08/18 02:25
:PC
:WiNzS.oo
#156 [みぉり]
それでも私は動くことが出来なかった
こんなのっ・・・凪じゃない
そう思ってみても、今さっきの言葉は凪自身が言ったことで
信じられなくてもこれが現実
中々動こうとしない私に凪は呆れたのか、再びため息をついてからまた私の右腕を掴むと
店の出入り口に向かって、私を引っ張りながら歩きだした
:08/08/18 02:29
:PC
:WiNzS.oo
#157 [みぉり]
「なっ凪ー・・・っ」
あっという間に扉の前につくと、凪はドアノブに手をかけて扉を開ける
私は慌てながらも、このまま帰ってしまったら凪との今までが全て消えてしまいそうな不安で足を止めた
「帰れ」
:08/08/18 02:31
:PC
:WiNzS.oo
#158 [みぉり]
「・・・ーっ」
凪は私と目を合せようとはせずに、私の背を押して店の外に出す
「凪っまー・・・・」
バタンーっ・・・・
:08/08/18 02:34
:PC
:WiNzS.oo
#159 [みぉり]
振り返って再び、ドアノブに手をかけてはみたものの
最後の凪の”帰れ”の冷たい声がこだまして、ゆっくりと力なく手を離したー・・・・
:08/08/18 02:36
:PC
:WiNzS.oo
#160 [みぉり]
━━――─・・・・・
凪side
バタンッー・・・
扉を閉めて、それに寄りかかるようにもたれてしまった
「はぁ〜・・・冗談じゃねぇよ・・・くそっ」
呟いた俺の言葉は、店の音楽が消してくれる
俺の今の様子だって、酒に酔ってる客達は気づかない
「凪、ちょっと・・・・」
:08/08/18 02:40
:PC
:WiNzS.oo
#161 [みぉり]
すぐ近くから声を掛けられた方に視線を移すと、
修さんがカウンターから物凄い睨みを利かせている姿が入ってきた
「・・・・うぃっす」
力なく返事をして、カウンター横の従業員部屋に入った
:08/08/18 02:43
:PC
:WiNzS.oo
#162 [みぉり]
その様子をカウンターに居た常連達が心配そうに見つめる
店のオーナーである修さんは、俺を睨んだまま常連達に”すいません”と挨拶をして
俺の後を追うように部屋に入ってきた
バタンッー・・・・
:08/08/18 02:50
:PC
:WiNzS.oo
#163 [みぉり]
「お前、いつからそんな軽い男になったわけ?」
扉を閉めて早々、修さんが厳しい口調で問う
「・・・すいません」
「店の雰囲気に関わる事なんだ、あんな真似お前らしくない」
:08/08/18 02:52
:PC
:WiNzS.oo
#164 [みぉり]
「・・・・・」
「それに・・・・俺はいつからあの子の恋人になったんだ?」
「・・・すいませんっ」
俯いたまま謝るだけの俺に、修さんは続ける
「・・ったく、何なんだよ?悠里のあの態度も意味わかんねぇし」
:08/08/18 02:57
:PC
:WiNzS.oo
#165 [みぉり]
じろっと視線を部屋のソファに向けて、、、そこに座っている悠里を睨んだ
「ちょっとね・・・凪に仕返し?(笑)」
悠里は、扉の前に突っ立っている俺と修さんに手を合せて”ごめんね”と笑う
っていうか、この場合謝るべきは俺の方だ
:08/08/18 03:06
:PC
:WiNzS.oo
#166 [みぉり]
「すいません、悠里のあの態度は俺のせいっす」
謝って、顔を上げると”訳がわからねぇ”と修さんはため息をついて悠里の隣に腰を下ろした
「修ちゃん、妬いた?笑」
「誰が妬くかっ・・・っつーか、凪にキスしてんじゃねぇよっ」
:08/08/18 03:10
:PC
:WiNzS.oo
#167 [みぉり]
「だって、つい癖でー・・・・」
「いつまでも留学してた時の癖だすなっ、ここは日本なんだよっ」
修さんと悠里が、俺がいるのもお構いなしに痴話げんかを始めてしまった
これも全部、さっきの俺の言動が招いたことだけど・・・
:08/08/18 03:13
:PC
:WiNzS.oo
#168 [みぉり]
言い合いをしている二人に気づかれない様にそっと部屋を出て、店内へと戻った
「若菜くん、大丈夫?」
カウンターからさっきの様子を見ていた常連の一人に声をかけられて
俺はにっこり笑いながら”大丈夫です”と応え、カウンター内へ入った
:08/08/18 03:18
:PC
:WiNzS.oo
#169 [みぉり]
「ばか凪」
カウンターの最奥からそんな声が聞こえて、嫌な予感を覚えながら見ると、そこには石田先生が呆れ顔で座っていた
思わず苦笑いを浮かべながら、石田先生の前にいつものお酒をそっと差し出す
先生はふっと笑って受け取ると、一口飲んで俺に話しかけてきた
:08/08/18 03:22
:PC
:WiNzS.oo
#170 [みぉり]
「お前なぁ、悠里の前で園田を”修の恋人です”なんて言ったら、冗談とはいえあいつが来るのわかってただろ」
再び呆れ顔で呟かれた言葉に、思わず”はい”と応えてしまった
悠里は俺の彼女でも、ましてやセフレでもない・・・
この店のオーナーである修さんのれっきとした恋人
:08/08/18 03:25
:PC
:WiNzS.oo
#171 [みぉり]
「・・・どっから見てたんですか?」
「お前があのナンパ男の元に歩いていった所から」
それって全部じゃないかよ・・・俺は思わず肩を落としてため息をつく
それを聞いてか、石田先生はくくっと笑って残りの酒を一気に飲み干した
:08/08/18 03:27
:PC
:WiNzS.oo
#172 [みぉり]
「悠里と修は?」
「裏です・・・俺のせいでちょっとこじれさせちゃったけど・・・・すぐ戻るんで平気だと思いますよ」
「お前が言うなっつーの(笑)」
石田先生の突っ込みに苦笑いしながら、有希の悲しそうな顔を思い出して、またため息が出た
「・・・・あれで良かったの?」
:08/08/18 03:31
:PC
:WiNzS.oo
#173 [みぉり]
いつの間に従業員部屋から出てきたのか、悠里の声が聞こえて顔を上げると
石田先生の横にちょこんと座る悠里の姿があった
「あぁ・・・・ありがとな、悠里」
礼を言う俺に、隣から”ごほん”という咳払いが聞こえて横を見ると
悠里同様、いつの間にかカウンターに入ってきた修さんの姿があった
:08/08/18 03:34
:PC
:WiNzS.oo
#174 [みぉり]
「修さん・・・本当にすいませんでした」
俺が再び、頭を下げて謝ると修さんは”悠里に軽く聞いたから”と言って俺の背中をぽんっと叩いて、入ってきたオーダーを捌いていく
「凪、ごめんね?修ちゃんにちょっとだけ・・・話しちゃった」
悠里が俺に申し訳なさそうに言う
:08/08/18 03:40
:PC
:WiNzS.oo
#175 [みぉり]
「いや、むしろ悠里に嫌な思いさせた俺が悪いし・・・修さんになら・・・別に聞かれてもいいよ」
笑顔で返す俺にほっとしたのか、悠里はにっこり笑っていつもの様に時折、修さんと目で会話をしながら飲み始めた
ちなみに、幼く見られがちな悠里だがこれでも22歳の大人だ
:08/08/18 03:45
:PC
:WiNzS.oo
#176 [みぉり]
修さんはこの店のオーナーで、友達の今泉恭平の兄
悠里はその恋人で、今年の2月まで5年間アメリカに留学していた大学生
石田先生は、俺の通う潮見高校の担任でこの店の常連さん、修さんとは幼馴染らしい
:08/08/18 03:49
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#177 [みぉり]
「凪、お前、今日はもういいから上がれ」
「え・・・でも」
「いいから上がれ、っつーかそんな顔じゃ接客できねぇだろ?」
修さんが自分の眉間を指差しながら言う仕草に、俺は初めてこれまで眉間にシワを寄せて、困った顔で仕事していたことに気づいた
「すいませんっ・・・・有難うございます」
:08/08/18 04:00
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#178 [みぉり]
修さんと悠里達を含めた周りのお客さんに挨拶をしながら、従業員部屋に入った
バタンッー・・・・
扉を閉めると同時にどっと疲労感が襲ってきて、思わずソファにダイブして目を瞑った
:08/08/18 04:03
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#179 [みぉり]
迂闊だった
まさか有希が後を付けてくるなんて思いもしなかった
店へ向かう途中に感じた違和感の正体が、
店内に入って見つけた有希の姿で、すぐにわかった
どこにいたって一瞬でわかる、見つけられる
:08/08/18 04:07
:PC
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#180 [みぉり]
有希に気づいたけれど、どうしたら良いかもわからずにいつも通りに接客していた
勿論、常に視界に入るようにはしていたけれど・・・・
元々大人っぽい有希なのに、あんな服装をされては誰も未成年であるとは気づくわけもなく、
あろうことか、カクテルのオーダーまでしやがった
:08/08/18 04:10
:PC
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#181 [みぉり]
酒なんて飲ませられない。
有希は覚えてないだろうが、正月にちょっとチューハイを飲ませたら途端に酔っ払ってしまったのだ
そんな有希に、ここで酒を飲ませるわけにはいかない
そう思った俺は、修さんに頼んで代わりにシェーカーを振らせてもらってほとんどアルコールの入っていないカクテルを作った
:08/08/18 04:20
:PC
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#182 [みぉり]
有希がこの店に来た目的なんてすぐに検討がついていたし、1杯飲んだら帰るだろうと考えていたのが甘かった
2杯目にアルコール度数の高いカクテルを注文してきたのには正直、焦った
勿論、1杯目同様にアルコールのほとんど入っていないものを作り、変わらずに接客をしていたのだが
ふと有希に誰かが近づくのが視界に入った瞬間、俺の思考は真っ白になってしまった
:08/08/18 04:27
:PC
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#183 [みぉり]
:08/08/18 04:37
:PC
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#184 [みぉり]
>>182から
有希に近づいた男が、有希の頬に触れたのを見た後
気づいたら有希の腕を掴んで立たせていた
そこから先はー・・・・・まぁ、俺が一方的にその場しのぎに口走ったわけで
すんなりとあの男が諦めてくれて本当によかった
:08/08/19 21:51
:PC
:ADyfMnhU
#185 [みぉり]
・・・・有希を傷つける事になってしまったけれど
いい機会だったのかもしれない
「いつまでも、、、一緒にはいれねぇよ」
誰にも聞こえない声で呟いた言葉は、扉の外から聞こえる音楽と笑い声に飲み込まれて消えた
:08/08/19 23:29
:PC
:ADyfMnhU
#186 [みぉり]
━━――─・・・・・
有希side
あ「・・・そ・・・んなことが・・・」
週明け月曜日、お昼休みにいつものようにあかりとご飯を食べていた
頭の中は金曜の凪との出来事でめいっぱいだったのに、考えることを心が拒絶して、あの日はどうやって帰ったのかも覚えていないくらいだった
:08/08/19 23:50
:PC
:ADyfMnhU
#187 [みぉり]
だからこうして、あかりに話すことも・・・・なんてことないように振る舞ってしまってる
でも、、、本当は気付いてしまった
気付きたくなかった色々なことに
:08/08/22 18:44
:N905i
:5MTxFqMQ
#188 [みぉり]
有「いやぁ〜・・・・さすがにショックだった・・・よ」
ショックなんてものじゃなかった
凪が凪じゃないみたいで、本当に私は凪を何にも知らないんだってこと
いつも前向きだって思ってた自分が凪のことに関しては臆病になってしまうこと
:08/08/23 02:30
:PC
:s.l8mfkw
#189 [みぉり]
あ「有希・・・・・」
あかりが戸惑いを隠せない顔で私を見つめる
本当なら、いつもは笑い飛ばすのに、、、凪のことだけは笑い飛ばすことが出来ないこと
有「それでわかったの・・・・・」
:08/08/23 02:32
:PC
:s.l8mfkw
#190 [みぉり]
色々なことがわかってしまった
きっとずっと、わかってて目を瞑ってきたこと
有「私ね・・・・・多分凪のことが好きなんだ」
:08/08/23 02:34
:PC
:s.l8mfkw
#191 [みぉり]
あの日、家に帰ってから、、、いや、店で”悠里”さんと凪が並んでいる姿を”嫌だ”と感じてしまったから
気づいてしまったんだ
初めて言葉にしてみて改めて痛感する
凪が好き、どうしようもないくらい好きで好きで、、、
:08/08/23 02:37
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:s.l8mfkw
#192 [みぉり]
見つめていたあかりの姿がぐにゃりと歪んできて
いつのまにか、目に涙が溜まっていたことに思わず空を見上げた
あかりは何も言わず、じっと黙っている
きっと、私の言葉を待ってくれてるんだ
:08/08/23 02:40
:PC
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#193 [みぉり]
凪と彼女、、、というか恋愛関係にある人と会ったのは実はあの日が初めてだった
いつも、話に聞くだけだった凪の彼女達、、、一度だってその姿を見たことがなかったから
きっと、心のどこかでほっとしていたんだと思う
会わなければ現実を知ることはなかったから
:08/08/23 02:42
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#194 [みぉり]
”悠里”さんに触れて、髪を撫でていた凪
思えば、私は凪にあんな風に触れられたことなんてなかった
あの光景を見た瞬間、凪にとって自分は単なる”幼馴染”でしかないことを突きつけられたんだ
:08/08/23 02:45
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#195 [みぉり]
有「でもね・・・・同時に失恋!!」
出来る限りの明るい声であかりに告げる
好きだって自覚した途端に失恋なんて・・・・
:08/08/23 02:48
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#196 [みぉり]
有「・・・・・・・なんで今頃気づくかな〜私ってば・・・・」
あ「有希・・・・・」
有「誰かが・・・・凪に触れるって思うと・・・それがすごい嫌なんて・・・・」
涙がこぼれそうになるのを堪えながら、あかりに向き直って続ける
有「凪にとって・・・私は"幼馴染"であってそれ以上でも以下でもないってわかってるのに・・・ね」
:08/08/23 02:49
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#197 [みぉり]
そう言いながら、ずっと本当の気持ちから目を背けて続けてきた自分自身がひどく情けなくなった
真っ直ぐに私を見つめていたあかりはいつの間にか、静かに涙を流していて
私が突っ込むまで、泣いてることに自分で気づいてなかったあかりは慌てて涙を堪えようとするもぽろぽろ泣いていて
:08/08/23 02:54
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#198 [みぉり]
その姿に、我慢していた涙は一気に溢れ出てしまった
予鈴が鳴っても、本鈴が鳴っても泣き止むことが出来ない私にあかりは黙って寄り添ってくれていたー・・・・
:08/08/23 02:57
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#199 [みぉり]
凪が好き
好きだよ
大好きだよ
だけど・・・・それは伝えられない
:08/08/23 03:00
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#200 [みぉり]
伝えちゃいけない
凪はきっと困ってしまう
伝えてしまったら、もう戻れなくなってしまう
今まで通り、幼馴染として一緒にいられなくなるんだきっと
:08/08/23 03:01
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#201 [みぉり]
いつかまた、凪に彼女が出来て笑いながら私に報告してくる日が来る
その時は、笑って喜んであげたい
好きって伝えないんだから、誰も手にすることが出来ない”幼馴染”という立場だけは守りたい
:08/08/23 03:04
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