宝物。
最新 最初 全 
#151 [みぉり]
そんな心配をしながらも、精一杯の笑顔で凪を見つめる
「・・・・違うよ」
「え?」
てっきり”そうだよ”って言われると思って、覚悟して笑顔を作っていたのに
凪の口から出たのは私が思いもしない言葉だった
「あいつは・・・・・ただのセフレだよ」
:08/08/18 00:59
:PC
:WiNzS.oo
#152 [みぉり]
「は・・・・?」
今、セフレって言った?
セフレって・・・・セックスフレンド・・・
それって・・・・
驚きを隠せず、言葉に詰まってしまった私に
凪はふっと今まで見たことのないような冷たい目で、笑って言う
「ただのH友達、したい時にするだけで付き合ってません」
:08/08/18 02:16
:PC
:WiNzS.oo
#153 [みぉり]
いたって冷静に、冷たい笑顔できっぱりという凪は私の知ってる凪じゃなかった
「何言ってんの・・・凪はそんな人じゃないでしょ?」
ぽつりと呟くように私の口からでた言葉
”冗談だよ”って言ってくれるよね?
そんな想いで呟いた凪への確認の言葉
:08/08/18 02:19
:PC
:WiNzS.oo
#154 [みぉり]
「本当。有希が知らないだけで俺にはいっぱいいるの」
頭をガツンと殴られたみたいだった
否定してくれると思っていた淡い期待は見事に打ち砕かれて
悲しさで笑顔が歪んでいくのが、自分でもよくわかった
:08/08/18 02:22
:PC
:WiNzS.oo
#155 [みぉり]
自然と視界が床へと向かっていく中、頭の上から凪の声が聞こえる
「っつーか、ここは有希みたいなお子様が来る所じゃないんだから、帰れ」
冷たい声
怒っているのか、呆れているのか、面倒くさいのか、、、
そのどれなのかわからないけど、
でも確実に私をここから立ち去らせたい思いがあることだけは明白な声
:08/08/18 02:25
:PC
:WiNzS.oo
#156 [みぉり]
それでも私は動くことが出来なかった
こんなのっ・・・凪じゃない
そう思ってみても、今さっきの言葉は凪自身が言ったことで
信じられなくてもこれが現実
中々動こうとしない私に凪は呆れたのか、再びため息をついてからまた私の右腕を掴むと
店の出入り口に向かって、私を引っ張りながら歩きだした
:08/08/18 02:29
:PC
:WiNzS.oo
#157 [みぉり]
「なっ凪ー・・・っ」
あっという間に扉の前につくと、凪はドアノブに手をかけて扉を開ける
私は慌てながらも、このまま帰ってしまったら凪との今までが全て消えてしまいそうな不安で足を止めた
「帰れ」
:08/08/18 02:31
:PC
:WiNzS.oo
#158 [みぉり]
「・・・ーっ」
凪は私と目を合せようとはせずに、私の背を押して店の外に出す
「凪っまー・・・・」
バタンーっ・・・・
:08/08/18 02:34
:PC
:WiNzS.oo
#159 [みぉり]
振り返って再び、ドアノブに手をかけてはみたものの
最後の凪の”帰れ”の冷たい声がこだまして、ゆっくりと力なく手を離したー・・・・
:08/08/18 02:36
:PC
:WiNzS.oo
#160 [みぉり]
━━――─・・・・・
凪side
バタンッー・・・
扉を閉めて、それに寄りかかるようにもたれてしまった
「はぁ〜・・・冗談じゃねぇよ・・・くそっ」
呟いた俺の言葉は、店の音楽が消してくれる
俺の今の様子だって、酒に酔ってる客達は気づかない
「凪、ちょっと・・・・」
:08/08/18 02:40
:PC
:WiNzS.oo
#161 [みぉり]
すぐ近くから声を掛けられた方に視線を移すと、
修さんがカウンターから物凄い睨みを利かせている姿が入ってきた
「・・・・うぃっす」
力なく返事をして、カウンター横の従業員部屋に入った
:08/08/18 02:43
:PC
:WiNzS.oo
#162 [みぉり]
その様子をカウンターに居た常連達が心配そうに見つめる
店のオーナーである修さんは、俺を睨んだまま常連達に”すいません”と挨拶をして
俺の後を追うように部屋に入ってきた
バタンッー・・・・
:08/08/18 02:50
:PC
:WiNzS.oo
#163 [みぉり]
「お前、いつからそんな軽い男になったわけ?」
扉を閉めて早々、修さんが厳しい口調で問う
「・・・すいません」
「店の雰囲気に関わる事なんだ、あんな真似お前らしくない」
:08/08/18 02:52
:PC
:WiNzS.oo
#164 [みぉり]
「・・・・・」
「それに・・・・俺はいつからあの子の恋人になったんだ?」
「・・・すいませんっ」
俯いたまま謝るだけの俺に、修さんは続ける
「・・ったく、何なんだよ?悠里のあの態度も意味わかんねぇし」
:08/08/18 02:57
:PC
:WiNzS.oo
#165 [みぉり]
じろっと視線を部屋のソファに向けて、、、そこに座っている悠里を睨んだ
「ちょっとね・・・凪に仕返し?(笑)」
悠里は、扉の前に突っ立っている俺と修さんに手を合せて”ごめんね”と笑う
っていうか、この場合謝るべきは俺の方だ
:08/08/18 03:06
:PC
:WiNzS.oo
#166 [みぉり]
「すいません、悠里のあの態度は俺のせいっす」
謝って、顔を上げると”訳がわからねぇ”と修さんはため息をついて悠里の隣に腰を下ろした
「修ちゃん、妬いた?笑」
「誰が妬くかっ・・・っつーか、凪にキスしてんじゃねぇよっ」
:08/08/18 03:10
:PC
:WiNzS.oo
#167 [みぉり]
「だって、つい癖でー・・・・」
「いつまでも留学してた時の癖だすなっ、ここは日本なんだよっ」
修さんと悠里が、俺がいるのもお構いなしに痴話げんかを始めてしまった
これも全部、さっきの俺の言動が招いたことだけど・・・
:08/08/18 03:13
:PC
:WiNzS.oo
#168 [みぉり]
言い合いをしている二人に気づかれない様にそっと部屋を出て、店内へと戻った
「若菜くん、大丈夫?」
カウンターからさっきの様子を見ていた常連の一人に声をかけられて
俺はにっこり笑いながら”大丈夫です”と応え、カウンター内へ入った
:08/08/18 03:18
:PC
:WiNzS.oo
#169 [みぉり]
「ばか凪」
カウンターの最奥からそんな声が聞こえて、嫌な予感を覚えながら見ると、そこには石田先生が呆れ顔で座っていた
思わず苦笑いを浮かべながら、石田先生の前にいつものお酒をそっと差し出す
先生はふっと笑って受け取ると、一口飲んで俺に話しかけてきた
:08/08/18 03:22
:PC
:WiNzS.oo
#170 [みぉり]
「お前なぁ、悠里の前で園田を”修の恋人です”なんて言ったら、冗談とはいえあいつが来るのわかってただろ」
再び呆れ顔で呟かれた言葉に、思わず”はい”と応えてしまった
悠里は俺の彼女でも、ましてやセフレでもない・・・
この店のオーナーである修さんのれっきとした恋人
:08/08/18 03:25
:PC
:WiNzS.oo
#171 [みぉり]
「・・・どっから見てたんですか?」
「お前があのナンパ男の元に歩いていった所から」
それって全部じゃないかよ・・・俺は思わず肩を落としてため息をつく
それを聞いてか、石田先生はくくっと笑って残りの酒を一気に飲み干した
:08/08/18 03:27
:PC
:WiNzS.oo
#172 [みぉり]
「悠里と修は?」
「裏です・・・俺のせいでちょっとこじれさせちゃったけど・・・・すぐ戻るんで平気だと思いますよ」
「お前が言うなっつーの(笑)」
石田先生の突っ込みに苦笑いしながら、有希の悲しそうな顔を思い出して、またため息が出た
「・・・・あれで良かったの?」
:08/08/18 03:31
:PC
:WiNzS.oo
#173 [みぉり]
いつの間に従業員部屋から出てきたのか、悠里の声が聞こえて顔を上げると
石田先生の横にちょこんと座る悠里の姿があった
「あぁ・・・・ありがとな、悠里」
礼を言う俺に、隣から”ごほん”という咳払いが聞こえて横を見ると
悠里同様、いつの間にかカウンターに入ってきた修さんの姿があった
:08/08/18 03:34
:PC
:WiNzS.oo
#174 [みぉり]
「修さん・・・本当にすいませんでした」
俺が再び、頭を下げて謝ると修さんは”悠里に軽く聞いたから”と言って俺の背中をぽんっと叩いて、入ってきたオーダーを捌いていく
「凪、ごめんね?修ちゃんにちょっとだけ・・・話しちゃった」
悠里が俺に申し訳なさそうに言う
:08/08/18 03:40
:PC
:WiNzS.oo
#175 [みぉり]
「いや、むしろ悠里に嫌な思いさせた俺が悪いし・・・修さんになら・・・別に聞かれてもいいよ」
笑顔で返す俺にほっとしたのか、悠里はにっこり笑っていつもの様に時折、修さんと目で会話をしながら飲み始めた
ちなみに、幼く見られがちな悠里だがこれでも22歳の大人だ
:08/08/18 03:45
:PC
:WiNzS.oo
#176 [みぉり]
修さんはこの店のオーナーで、友達の今泉恭平の兄
悠里はその恋人で、今年の2月まで5年間アメリカに留学していた大学生
石田先生は、俺の通う潮見高校の担任でこの店の常連さん、修さんとは幼馴染らしい
:08/08/18 03:49
:PC
:WiNzS.oo
#177 [みぉり]
「凪、お前、今日はもういいから上がれ」
「え・・・でも」
「いいから上がれ、っつーかそんな顔じゃ接客できねぇだろ?」
修さんが自分の眉間を指差しながら言う仕草に、俺は初めてこれまで眉間にシワを寄せて、困った顔で仕事していたことに気づいた
「すいませんっ・・・・有難うございます」
:08/08/18 04:00
:PC
:WiNzS.oo
#178 [みぉり]
修さんと悠里達を含めた周りのお客さんに挨拶をしながら、従業員部屋に入った
バタンッー・・・・
扉を閉めると同時にどっと疲労感が襲ってきて、思わずソファにダイブして目を瞑った
:08/08/18 04:03
:PC
:WiNzS.oo
#179 [みぉり]
迂闊だった
まさか有希が後を付けてくるなんて思いもしなかった
店へ向かう途中に感じた違和感の正体が、
店内に入って見つけた有希の姿で、すぐにわかった
どこにいたって一瞬でわかる、見つけられる
:08/08/18 04:07
:PC
:WiNzS.oo
#180 [みぉり]
有希に気づいたけれど、どうしたら良いかもわからずにいつも通りに接客していた
勿論、常に視界に入るようにはしていたけれど・・・・
元々大人っぽい有希なのに、あんな服装をされては誰も未成年であるとは気づくわけもなく、
あろうことか、カクテルのオーダーまでしやがった
:08/08/18 04:10
:PC
:WiNzS.oo
#181 [みぉり]
酒なんて飲ませられない。
有希は覚えてないだろうが、正月にちょっとチューハイを飲ませたら途端に酔っ払ってしまったのだ
そんな有希に、ここで酒を飲ませるわけにはいかない
そう思った俺は、修さんに頼んで代わりにシェーカーを振らせてもらってほとんどアルコールの入っていないカクテルを作った
:08/08/18 04:20
:PC
:WiNzS.oo
#182 [みぉり]
有希がこの店に来た目的なんてすぐに検討がついていたし、1杯飲んだら帰るだろうと考えていたのが甘かった
2杯目にアルコール度数の高いカクテルを注文してきたのには正直、焦った
勿論、1杯目同様にアルコールのほとんど入っていないものを作り、変わらずに接客をしていたのだが
ふと有希に誰かが近づくのが視界に入った瞬間、俺の思考は真っ白になってしまった
:08/08/18 04:27
:PC
:WiNzS.oo
#183 [みぉり]
:08/08/18 04:37
:PC
:WiNzS.oo
#184 [みぉり]
>>182から
有希に近づいた男が、有希の頬に触れたのを見た後
気づいたら有希の腕を掴んで立たせていた
そこから先はー・・・・・まぁ、俺が一方的にその場しのぎに口走ったわけで
すんなりとあの男が諦めてくれて本当によかった
:08/08/19 21:51
:PC
:ADyfMnhU
#185 [みぉり]
・・・・有希を傷つける事になってしまったけれど
いい機会だったのかもしれない
「いつまでも、、、一緒にはいれねぇよ」
誰にも聞こえない声で呟いた言葉は、扉の外から聞こえる音楽と笑い声に飲み込まれて消えた
:08/08/19 23:29
:PC
:ADyfMnhU
#186 [みぉり]
━━――─・・・・・
有希side
あ「・・・そ・・・んなことが・・・」
週明け月曜日、お昼休みにいつものようにあかりとご飯を食べていた
頭の中は金曜の凪との出来事でめいっぱいだったのに、考えることを心が拒絶して、あの日はどうやって帰ったのかも覚えていないくらいだった
:08/08/19 23:50
:PC
:ADyfMnhU
#187 [みぉり]
だからこうして、あかりに話すことも・・・・なんてことないように振る舞ってしまってる
でも、、、本当は気付いてしまった
気付きたくなかった色々なことに
:08/08/22 18:44
:N905i
:5MTxFqMQ
#188 [みぉり]
有「いやぁ〜・・・・さすがにショックだった・・・よ」
ショックなんてものじゃなかった
凪が凪じゃないみたいで、本当に私は凪を何にも知らないんだってこと
いつも前向きだって思ってた自分が凪のことに関しては臆病になってしまうこと
:08/08/23 02:30
:PC
:s.l8mfkw
#189 [みぉり]
あ「有希・・・・・」
あかりが戸惑いを隠せない顔で私を見つめる
本当なら、いつもは笑い飛ばすのに、、、凪のことだけは笑い飛ばすことが出来ないこと
有「それでわかったの・・・・・」
:08/08/23 02:32
:PC
:s.l8mfkw
#190 [みぉり]
色々なことがわかってしまった
きっとずっと、わかってて目を瞑ってきたこと
有「私ね・・・・・多分凪のことが好きなんだ」
:08/08/23 02:34
:PC
:s.l8mfkw
#191 [みぉり]
あの日、家に帰ってから、、、いや、店で”悠里”さんと凪が並んでいる姿を”嫌だ”と感じてしまったから
気づいてしまったんだ
初めて言葉にしてみて改めて痛感する
凪が好き、どうしようもないくらい好きで好きで、、、
:08/08/23 02:37
:PC
:s.l8mfkw
#192 [みぉり]
見つめていたあかりの姿がぐにゃりと歪んできて
いつのまにか、目に涙が溜まっていたことに思わず空を見上げた
あかりは何も言わず、じっと黙っている
きっと、私の言葉を待ってくれてるんだ
:08/08/23 02:40
:PC
:s.l8mfkw
#193 [みぉり]
凪と彼女、、、というか恋愛関係にある人と会ったのは実はあの日が初めてだった
いつも、話に聞くだけだった凪の彼女達、、、一度だってその姿を見たことがなかったから
きっと、心のどこかでほっとしていたんだと思う
会わなければ現実を知ることはなかったから
:08/08/23 02:42
:PC
:s.l8mfkw
#194 [みぉり]
”悠里”さんに触れて、髪を撫でていた凪
思えば、私は凪にあんな風に触れられたことなんてなかった
あの光景を見た瞬間、凪にとって自分は単なる”幼馴染”でしかないことを突きつけられたんだ
:08/08/23 02:45
:PC
:s.l8mfkw
#195 [みぉり]
有「でもね・・・・同時に失恋!!」
出来る限りの明るい声であかりに告げる
好きだって自覚した途端に失恋なんて・・・・
:08/08/23 02:48
:PC
:s.l8mfkw
#196 [みぉり]
有「・・・・・・・なんで今頃気づくかな〜私ってば・・・・」
あ「有希・・・・・」
有「誰かが・・・・凪に触れるって思うと・・・それがすごい嫌なんて・・・・」
涙がこぼれそうになるのを堪えながら、あかりに向き直って続ける
有「凪にとって・・・私は"幼馴染"であってそれ以上でも以下でもないってわかってるのに・・・ね」
:08/08/23 02:49
:PC
:s.l8mfkw
#197 [みぉり]
そう言いながら、ずっと本当の気持ちから目を背けて続けてきた自分自身がひどく情けなくなった
真っ直ぐに私を見つめていたあかりはいつの間にか、静かに涙を流していて
私が突っ込むまで、泣いてることに自分で気づいてなかったあかりは慌てて涙を堪えようとするもぽろぽろ泣いていて
:08/08/23 02:54
:PC
:s.l8mfkw
#198 [みぉり]
その姿に、我慢していた涙は一気に溢れ出てしまった
予鈴が鳴っても、本鈴が鳴っても泣き止むことが出来ない私にあかりは黙って寄り添ってくれていたー・・・・
:08/08/23 02:57
:PC
:s.l8mfkw
#199 [みぉり]
凪が好き
好きだよ
大好きだよ
だけど・・・・それは伝えられない
:08/08/23 03:00
:PC
:s.l8mfkw
#200 [みぉり]
伝えちゃいけない
凪はきっと困ってしまう
伝えてしまったら、もう戻れなくなってしまう
今まで通り、幼馴染として一緒にいられなくなるんだきっと
:08/08/23 03:01
:PC
:s.l8mfkw
★コメント★
←次 | 前→
トピック
C-BoX E194.194