宝物。
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#261 [みぉり]
ゆっくりと瞼を閉じて、その日の記憶を手繰る
━━━━――――……
約一年前、入学式後のこと
「有希ッ早くしろよ」
「ちょっ…ちょっと凪ッ?この先は屋上だよ??立入禁止ってさっき担任が……」
辺りを心配気に見回す私を尻目に凪は楽しそうに階段を上っていく
:08/10/09 19:37
:N905i
:ic.cSgqE
#262 [みぉり]
「平気平気♪」
………それが不安なんだって
私はため息をつきながら、黙って凪についていくことにした
昔からそう。止めたって聞きやしない
凪はみんなが止めること、禁止されてることをするのが大好きの困った癖がある
彼曰く、『だめと言われる程体がうずく』らしい
:08/10/09 19:43
:N905i
:ic.cSgqE
#263 [みぉり]
そして小さい頃からそんな凪にいっつも付き合ってきた
まったく・・・・なんでこうもヤンチャなままかなぁ
ブツブツ呟きながらも階段を上っていくと、扉の前で凪が立ち止まった
不思議に思って扉を見るとどうやら鍵が掛かっているみたい
「なんだ・・・・鍵閉まってるんじゃ入れないね」
:08/10/10 02:50
:PC
:oj1hJBTU
#264 [みぉり]
折角、来たのに入れないとは・・・・半分ほっとしたような残念なような・・・・
複雑に思いつつ凪に目を移すと、子供の頃からずっと変わらないいたずらっこのような顔でにやっと笑う姿があった
「なっ・・・・何よ、その笑顔」
不信を抱かずにはいられずに、思わず言うと凪は得意げに胸ポケットをゴソゴソと探り出した
「??何??」
:08/10/10 02:53
:PC
:oj1hJBTU
#265 [みぉり]
頭の中に『?』が飛び交う私に、凪はポケットから何かを取り出し目の前にずいっとそれを出す
「じゃーん♪」
「何これ・・・・鍵??」
凪が手にしていたのは、小さくて刃先のシンプルな鍵
・・・・ん?鍵??って・・・・え?!
「ちょっ・・・凪それっー・・・・」
:08/10/10 05:08
:PC
:oj1hJBTU
#266 [みぉり]
ガチャリッー・・・・
『屋上の鍵なの?』と聞く途中、その答えが開錠された扉の音で明らかになった
ぽかんとする私に、凪は得意満面な顔で笑ってドアノブを回して外に出ていく
「あっ待ってよぅ」
はっと我に返り、慌てて凪を追って屋上に出るとそこは真っ青な空がぐーっと広がっていてその眩しさに一瞬、目を伏せた
:08/10/10 05:13
:PC
:oj1hJBTU
#267 [みぉり]
「うぉーい、何してん?」
立ち止まった私に、陽気な凪の声が聞こえる
その声に再び目を開くと、数歩先で凪が手招きをしてる姿が見えた
「こっち。」
呼ばれるがままに歩みを進めると
凪は大きく伸びをして、フェンスに寄りかかってしゃがみこんだ
:08/10/10 05:20
:PC
:oj1hJBTU
#268 [みぉり]
「ん〜・・・気持ちいいなぁ・・・・さすが、やまとさんお勧めスポットなだけあるわ」
大きな一人言で、目を閉じる凪
その隣にちょこんと腰を下ろして座ると、すーっと気持ちの良い風が吹き抜けて、私も思わず目を閉じた
「「気持ちいい風ー・・・・」」
同時に呟いた言葉に思わず顔を見合わせて、次の瞬間、お互いに噴出した
「ちょっと〜真似しないでくれますぅ?笑」
「有希が真似したんだろ〜笑」
:08/10/10 05:26
:PC
:oj1hJBTU
#269 [みぉり]
他愛もない会話だけど、凪とのこのやりとりだって小さい頃からの癖みたいなもの
二人でひとしきり笑った後、どちらともなく無言になった
沈黙とはまた違う
会話がなくても、なんてことない
ぼーっとして過ごしているだけの、実はすごく好きな時間
:08/10/15 02:11
:PC
:EIAQpJII
#270 [みぉり]
「凪さぁ、よくこんな所知ってたねぇ、ってかよく鍵見付けたね(笑)」
「んー、見つけたっていうか……卒業生からもらったんだよ。代々引き継がれてんだって。」
目を閉じたまま話す私に、多分凪も目を閉じたまま応えてる
「引き継がれてるって……じゃぁ持ってる人って限られてるの?」
:08/10/16 13:23
:N905i
:vR.5kib2
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