宝物。
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#857 [みぉり]
それが、自転車を早く漕いだせいなのか


去り際に見た、森くんの瞳のせいなのか




どちらのせいなのか、と考えている自分に困惑しながら


それでも必死に夜の町を駆け抜けて、ただひたすら家を目指したー・・・

⏰:10/04/11 23:57 📱:PC 🆔:WH6mz90s


#858 [みぉり]
━━━―――……
陽臣side


園田の自転車が、角を曲がるのを確認して


大きくため息をつく


そのまま、向かいの道路を、そこで信号待ちをしている楓に向かって


足を踏み出した

⏰:10/04/12 00:53 📱:PC 🆔:t37IgOjI


#859 [みぉり]
「・・・・楓、」


後ろから呼びかけても、楓の足が止まることはない


ヘッドフォンから音が漏れるほどの音量で音楽をかけながら歩いているのだから無理はないけれど


ーったく、あぶねぇなぁ、本当に


これが俺じゃなかったらどうする?


いきなり、夜道で襲われたってこいつはぎりぎりまで気配すら感じとれないだろうな

⏰:10/04/12 00:58 📱:PC 🆔:t37IgOjI


#860 [みぉり]
そんなことを考えてはため息がでたが、とにかくこちらに気づいてもらわないと


ひょいっと楓のヘッドフォンに手を伸ばし、外すと


「?!?!?!?!」


目を大きく見開いた楓が勢いよく、振り返った



「えっ?!?!ハルッ?!?!?!」

⏰:10/04/12 01:03 📱:PC 🆔:t37IgOjI


#861 [みぉり]
「よ、」


「何してんの?!っていうか、びっくりしたよぉ〜」


手を胸に当てて、はぁーっとため息をつく姿に


これまで感じていたイライラする気持ちじゃなくて


ただ、単純にふ、と笑いがでた

⏰:10/04/17 21:56 📱:PC 🆔:Rn5QrFyg


#862 [みぉり]
「や?ちょっと用があってその帰り道」

「へぇ〜、あ、じゃあ途中まで一緒に帰ろう?」



楓にヘッドフォンを手渡しながら、軽く同意すると


嬉しそうな、子どもの頃によく見た笑顔で並んで歩き出した


こんな風に笑って、並んで歩くなんて



ずっとこない、と思っていたのに

⏰:10/04/17 22:14 📱:PC 🆔:Rn5QrFyg


#863 [みぉり]
「・・・・・ねぇ?久ぶりだね、こうして話すの」



歩き出してすぐ、楓が切り出した



「・・・・・あぁ」



この1年、ずっと俺に聞きたかったことだろう


突然、俺は楓を突き放していたのだから

⏰:10/04/17 22:22 📱:PC 🆔:Rn5QrFyg


#864 [みぉり]
「・・・・・あのさ、・・・・」


そこまで話して口をつぐんだ楓


続いて聞きたいことは想像ができていた


けれど、そこに触れることをためらっているのもよくわかった

⏰:10/04/17 22:48 📱:PC 🆔:Rn5QrFyg


#865 [みぉり]
それ以上、俺からも口を開かず、そのまま歩き続けた


沈黙、でも気まずい空気じゃなくて



ただ、そこにお互いがいる昔の当たり前の空気が、今のこの沈黙を守っていた




「私・・・来月に留学することにしたんだ」

⏰:10/04/17 22:57 📱:PC 🆔:Rn5QrFyg


#866 [みぉり]
あと少しで、楓の家が見えてくる

そんな上り坂の途中で、楓が口を開いた




思わず、足が止まった





「・・・・・・へぇ」

⏰:10/04/18 13:52 📱:PC 🆔:wMNVx6oY


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