宝物。
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#861 [みぉり]
「よ、」


「何してんの?!っていうか、びっくりしたよぉ〜」


手を胸に当てて、はぁーっとため息をつく姿に


これまで感じていたイライラする気持ちじゃなくて


ただ、単純にふ、と笑いがでた

⏰:10/04/17 21:56 📱:PC 🆔:Rn5QrFyg


#862 [みぉり]
「や?ちょっと用があってその帰り道」

「へぇ〜、あ、じゃあ途中まで一緒に帰ろう?」



楓にヘッドフォンを手渡しながら、軽く同意すると


嬉しそうな、子どもの頃によく見た笑顔で並んで歩き出した


こんな風に笑って、並んで歩くなんて



ずっとこない、と思っていたのに

⏰:10/04/17 22:14 📱:PC 🆔:Rn5QrFyg


#863 [みぉり]
「・・・・・ねぇ?久ぶりだね、こうして話すの」



歩き出してすぐ、楓が切り出した



「・・・・・あぁ」



この1年、ずっと俺に聞きたかったことだろう


突然、俺は楓を突き放していたのだから

⏰:10/04/17 22:22 📱:PC 🆔:Rn5QrFyg


#864 [みぉり]
「・・・・・あのさ、・・・・」


そこまで話して口をつぐんだ楓


続いて聞きたいことは想像ができていた


けれど、そこに触れることをためらっているのもよくわかった

⏰:10/04/17 22:48 📱:PC 🆔:Rn5QrFyg


#865 [みぉり]
それ以上、俺からも口を開かず、そのまま歩き続けた


沈黙、でも気まずい空気じゃなくて



ただ、そこにお互いがいる昔の当たり前の空気が、今のこの沈黙を守っていた




「私・・・来月に留学することにしたんだ」

⏰:10/04/17 22:57 📱:PC 🆔:Rn5QrFyg


#866 [みぉり]
あと少しで、楓の家が見えてくる

そんな上り坂の途中で、楓が口を開いた




思わず、足が止まった





「・・・・・・へぇ」

⏰:10/04/18 13:52 📱:PC 🆔:wMNVx6oY


#867 [みぉり]
それに合わせて、楓も足を止め、こちらを向く。



「2年、オーストラリアへ行くの」


「・・・そ、か」



突然のことに、それ以上の言葉は出てこなくて


ポケットに突っ込んでいた手を、いつのまにか握り締めていた



「何よ、それだけぇ?寂しくなるなぁ、とか、気をつけろよ、とかないの?」

⏰:10/04/18 15:08 📱:PC 🆔:wMNVx6oY


#868 [みぉり]
頬を膨らませて言う楓、



「もー、ハルは昔っから本当に周りには関心がないんだから」


くるりと前を向いて、歩きだす

俺もそれを追うように足をすすめた

⏰:10/04/18 17:48 📱:N905i 🆔:yno7w.RM


#869 [みぉり]
少し前を歩く、楓の後姿



『留学することにしたんだ』



いつ決まった?お前はいつから行こうと思ってた?


遠い地で、一人だぞ?


怖くないのか?頼れる人間はちゃんといるんだよな?


想う言葉は浮かんでくるのに、声は出ない

⏰:10/04/19 01:09 📱:PC 🆔:4EEpFk..


#870 [みぉり]
「・・・・じゃ、ね」



無言のまま、坂を上りきり楓の家の前で立ち止まる


再び、俺を見るまっすぐな瞳は


幼い頃となんら変わらない。



ずっとずっと、俺を見る楓の目は


『幼なじみ』を大切に想っていることを伝えていた

⏰:10/04/19 23:01 📱:PC 🆔:4EEpFk..


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