宝物。
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#865 [みぉり]
それ以上、俺からも口を開かず、そのまま歩き続けた


沈黙、でも気まずい空気じゃなくて



ただ、そこにお互いがいる昔の当たり前の空気が、今のこの沈黙を守っていた




「私・・・来月に留学することにしたんだ」

⏰:10/04/17 22:57 📱:PC 🆔:Rn5QrFyg


#866 [みぉり]
あと少しで、楓の家が見えてくる

そんな上り坂の途中で、楓が口を開いた




思わず、足が止まった





「・・・・・・へぇ」

⏰:10/04/18 13:52 📱:PC 🆔:wMNVx6oY


#867 [みぉり]
それに合わせて、楓も足を止め、こちらを向く。



「2年、オーストラリアへ行くの」


「・・・そ、か」



突然のことに、それ以上の言葉は出てこなくて


ポケットに突っ込んでいた手を、いつのまにか握り締めていた



「何よ、それだけぇ?寂しくなるなぁ、とか、気をつけろよ、とかないの?」

⏰:10/04/18 15:08 📱:PC 🆔:wMNVx6oY


#868 [みぉり]
頬を膨らませて言う楓、



「もー、ハルは昔っから本当に周りには関心がないんだから」


くるりと前を向いて、歩きだす

俺もそれを追うように足をすすめた

⏰:10/04/18 17:48 📱:N905i 🆔:yno7w.RM


#869 [みぉり]
少し前を歩く、楓の後姿



『留学することにしたんだ』



いつ決まった?お前はいつから行こうと思ってた?


遠い地で、一人だぞ?


怖くないのか?頼れる人間はちゃんといるんだよな?


想う言葉は浮かんでくるのに、声は出ない

⏰:10/04/19 01:09 📱:PC 🆔:4EEpFk..


#870 [みぉり]
「・・・・じゃ、ね」



無言のまま、坂を上りきり楓の家の前で立ち止まる


再び、俺を見るまっすぐな瞳は


幼い頃となんら変わらない。



ずっとずっと、俺を見る楓の目は


『幼なじみ』を大切に想っていることを伝えていた

⏰:10/04/19 23:01 📱:PC 🆔:4EEpFk..


#871 [みぉり]
「直接、話せてよかった。話せないかもしれないなって思ってたから」



真っすぐ、俺に向けられる視線



楓にとって『男』として、映らないことを認めたくなくて



逸らしてきた、この一年

⏰:10/04/20 18:17 📱:N905i 🆔:mCGHKb16


#872 [みぉり]
「また、詳しく決まったら話すね」


ばいばい、と手を振って背を向けた瞬間




……―ぐぃッ



「……ッなに?」

⏰:10/04/22 20:24 📱:N905i 🆔:anplJSYU


#873 [みぉり]
急に引っ張られ、驚いた顔で振り返った楓を


腕の中へ、抱き込んだ



ぎゅうっ



「?!ちょっ・・・・・・ハル??」



落ち着いた声で、様子を伺うように、話す楓

⏰:10/04/24 02:42 📱:PC 🆔:RJUy41LU


#874 [みぉり]
「・・・・・どうしたの?寂しくなった?笑」



腕を振りほどくわけでなく、触れるわけでなく



ただ、そのままで話しかける。




・・・・・・・・やっぱり、か。

⏰:10/04/24 02:44 📱:PC 🆔:RJUy41LU


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