君の壊れる音がする           リメイク版
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#8 [神崎もえ子◆Hi9o8eIXuA]

案の定、抱えていたプリントは不規則に弧を描きながら廊下に撒き散らされた。

カレンに軽い拳骨(げんこつ)を食らわせ、散らばったプリントを拾い集めさせた後、なぜここに来たのかと訊いた。

⏰:08/06/22 11:59 📱:L704i 🆔:MbA4Q8MI


#9 [神崎もえ子◆Hi9o8eIXuA]

話によると、俺が見当たらなかったため、暇をもて余し校内を徘徊していたからとのことだった。


「今日のお弁当当番はぼくだったでしょう? だから、渉ちゃんに早くお弁当の中身を伝えたくてうずうずしてたんだよ」


満面の笑みをこぼすカレン。

⏰:08/06/22 12:50 📱:L704i 🆔:MbA4Q8MI


#10 [神崎もえ子◆Hi9o8eIXuA]

手には奇妙な兎のイラストがプリントされた大きな手提げ鞄を持っていた。

おそらく中身は弁当なのだろうと思った。

⏰:08/06/22 13:10 📱:L704i 🆔:MbA4Q8MI


#11 [神崎もえ子◆Hi9o8eIXuA]


「早く中庭でお弁当食べようよ、渉ちゃん!」


カレンは俺の腕に手を回し、もたれかかるように抱きついてきた。

その温もりと柔らかさと、あまりの軽さにどきりとした。

⏰:08/06/23 20:40 📱:L704i 🆔:Z9KxxpQY


#12 [神崎もえ子◆Hi9o8eIXuA]

「今日は科学のレポート提出日だから、さくさくとお弁当を済ませててきぱきとレポートも済ませたいんだよう」

「ああ、それに渉ちゃんが朝練で使ったジャージを洗濯してあげなきゃいけないし……部員全員にプリントを配らなくちゃいけないしっ……」

「一分一秒を争う大統領並の緻密なスケジュールだよう……うにゃあー」

⏰:08/06/23 22:01 📱:L704i 🆔:Z9KxxpQY


#13 [神崎もえ子◆Hi9o8eIXuA]

お気の毒さま。

俺が声を殺して笑うと、カレンは「もう、笑わないでよー」と言って頬を膨らませた。

俺は腕を引っ張られながら階段へと向かった。

⏰:08/06/23 22:43 📱:L704i 🆔:Z9KxxpQY


#14 [神崎もえ子◆Hi9o8eIXuA]


「しんでしまえ」


それは、階段の手すりに手をかけた時だった。

背後から忍ぶような小さな足音と消え入りそうな囁き声が聞こえてきた。

それがあまりにも間近だった為、俺は驚いて振り向いた。

⏰:08/06/23 22:43 📱:L704i 🆔:Z9KxxpQY


#15 [神崎もえ子◆Hi9o8eIXuA]

背中に何かが触れた。

そのとたんにカレンの手は俺の腕から外れ、視界は反転し、階段を転げ落ちていった。

廊下に響いたカレンの悲鳴。

それを最後に、俺は意識を失った。

⏰:08/06/23 23:55 📱:L704i 🆔:Z9KxxpQY


#16 [神崎もえ子◆Hi9o8eIXuA]


「渉ちゃん?」


カレンの呼び掛けで、俺は我にかえった。

気付けば、カレンはベッドの横に椅子を持ち込み、手さげ鞄を抱えて座り込んでいた。

⏰:08/06/24 15:38 📱:L704i 🆔:A1qigEc6


#17 [神崎もえ子◆Hi9o8eIXuA]


「どこか痛い所はない?」


カレンがか細い声で訊いた。


「特に、ないよ……」

⏰:08/06/24 23:52 📱:L704i 🆔:A1qigEc6


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