君の壊れる音がする リメイク版
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#1 [ちむ改め、神崎もえ子◆Hi9o8eIXuA]
:08/06/22 11:03
:L704i
:MbA4Q8MI
#2 [ちむ改め、神崎もえ子◆Hi9o8eIXuA]
:08/06/22 11:04
:L704i
:MbA4Q8MI
#3 [ちむ改め、神崎もえ子◆Hi9o8eIXuA]
:08/06/22 11:20
:L704i
:MbA4Q8MI
#4 [神崎もえ子◆Hi9o8eIXuA]
カーテンを開ける音で俺は目を覚ました。
同時に強烈な頭の痛みと喉の渇きに襲われる。
薬品の臭いが鼻をついた。
目だけを凝らして周りを見渡し、俺の寝かせられているベットを囲むカーテンを見て、なるほどここは保健室なのだと分かった。
:08/06/22 11:33
:L704i
:MbA4Q8MI
#5 [神崎もえ子◆Hi9o8eIXuA]
「具合はどう? 心配してたんだよ渉ちゃん」
視線を横に移すと心配そうに眉を八の字に歪めたカレンが立っていた。
彼女を見て、走馬灯のように目覚める前の出来事を思い出す。
:08/06/22 11:34
:L704i
:MbA4Q8MI
#6 [神崎もえ子◆Hi9o8eIXuA]
目覚める前、俺は先生に頼まれたプリントを運ぶため、一人図書室に向かっていた。
「渉ちゃん」
図書室の扉に手を掛けた時、廊下に聞き慣れた声が響いた。
:08/06/22 11:47
:L704i
:MbA4Q8MI
#7 [神崎もえ子◆Hi9o8eIXuA]
声の主は、俺のクラスメイトで幼なじみでもある狩山架恋(かりやまかれん)のものだった。
カレンは俺が両手に抱え持つプリントなどお構い無しに「わーい」と叫びながら飛び付いてきた。
:08/06/22 11:57
:L704i
:MbA4Q8MI
#8 [神崎もえ子◆Hi9o8eIXuA]
案の定、抱えていたプリントは不規則に弧を描きながら廊下に撒き散らされた。
カレンに軽い拳骨(げんこつ)を食らわせ、散らばったプリントを拾い集めさせた後、なぜここに来たのかと訊いた。
:08/06/22 11:59
:L704i
:MbA4Q8MI
#9 [神崎もえ子◆Hi9o8eIXuA]
話によると、俺が見当たらなかったため、暇をもて余し校内を徘徊していたからとのことだった。
「今日のお弁当当番はぼくだったでしょう? だから、渉ちゃんに早くお弁当の中身を伝えたくてうずうずしてたんだよ」
満面の笑みをこぼすカレン。
:08/06/22 12:50
:L704i
:MbA4Q8MI
#10 [神崎もえ子◆Hi9o8eIXuA]
手には奇妙な兎のイラストがプリントされた大きな手提げ鞄を持っていた。
おそらく中身は弁当なのだろうと思った。
:08/06/22 13:10
:L704i
:MbA4Q8MI
#11 [神崎もえ子◆Hi9o8eIXuA]
「早く中庭でお弁当食べようよ、渉ちゃん!」
カレンは俺の腕に手を回し、もたれかかるように抱きついてきた。
その温もりと柔らかさと、あまりの軽さにどきりとした。
:08/06/23 20:40
:L704i
:Z9KxxpQY
#12 [神崎もえ子◆Hi9o8eIXuA]
「今日は科学のレポート提出日だから、さくさくとお弁当を済ませててきぱきとレポートも済ませたいんだよう」
「ああ、それに渉ちゃんが朝練で使ったジャージを洗濯してあげなきゃいけないし……部員全員にプリントを配らなくちゃいけないしっ……」
「一分一秒を争う大統領並の緻密なスケジュールだよう……うにゃあー」
:08/06/23 22:01
:L704i
:Z9KxxpQY
#13 [神崎もえ子◆Hi9o8eIXuA]
お気の毒さま。
俺が声を殺して笑うと、カレンは「もう、笑わないでよー」と言って頬を膨らませた。
俺は腕を引っ張られながら階段へと向かった。
:08/06/23 22:43
:L704i
:Z9KxxpQY
#14 [神崎もえ子◆Hi9o8eIXuA]
「しんでしまえ」
それは、階段の手すりに手をかけた時だった。
背後から忍ぶような小さな足音と消え入りそうな囁き声が聞こえてきた。
それがあまりにも間近だった為、俺は驚いて振り向いた。
:08/06/23 22:43
:L704i
:Z9KxxpQY
#15 [神崎もえ子◆Hi9o8eIXuA]
背中に何かが触れた。
そのとたんにカレンの手は俺の腕から外れ、視界は反転し、階段を転げ落ちていった。
廊下に響いたカレンの悲鳴。
それを最後に、俺は意識を失った。
:08/06/23 23:55
:L704i
:Z9KxxpQY
#16 [神崎もえ子◆Hi9o8eIXuA]
「渉ちゃん?」
カレンの呼び掛けで、俺は我にかえった。
気付けば、カレンはベッドの横に椅子を持ち込み、手さげ鞄を抱えて座り込んでいた。
:08/06/24 15:38
:L704i
:A1qigEc6
#17 [神崎もえ子◆Hi9o8eIXuA]
「どこか痛い所はない?」
カレンがか細い声で訊いた。
「特に、ないよ……」
:08/06/24 23:52
:L704i
:A1qigEc6
#18 [神崎もえ子◆Hi9o8eIXuA]
時計の針が動く音と、外から聞こえてくる、蝉の鳴き声だけが、嫌に大きく保健室に響いていた。
無言のまま俺を見つめるカレン。異様だった。
嫌な汗が額から頬へと伝った。
何も訊いてこないことに違和感を覚えた。
:08/06/24 23:53
:L704i
:A1qigEc6
#19 [神崎もえ子◆Hi9o8eIXuA]
「渉ちゃん、お腹空いてるよね? お弁当食べない?」
カレンは膝上に置かれた手さげ鞄をぽんぽんと叩いた。
やはり手さげ鞄の中身は弁当だったらしい。
:08/06/25 00:45
:L704i
:mKA36d8s
#20 [神崎もえ子◆Hi9o8eIXuA]
「あ、ああ、食べる」
俺がそう言うと、カレンは手さげ鞄から二人分の弁当箱を取り出し、さっと蓋を開けて俺に差し出した。
食欲をそそる香りが辺りに立ち込める。
:08/06/25 01:33
:L704i
:mKA36d8s
#21 [神崎もえ子◆Hi9o8eIXuA]
「ありがと」
弁当を受け取ると同時に、カレンの無理矢理つくったような、ぎこちない笑顔が目についた。
その姿は、まるで親に叱られる前の怯えた子供のようだった。
俺は辛抱たまらず、カレンに「おいこら」と怒鳴りつけた。
:08/06/25 22:28
:L704i
:mKA36d8s
#22 [神崎もえ子◆Hi9o8eIXuA]
「なにビクついてんだよ。そんなつまんねぇ顔ばっかしてると焼いて食うぞ」
「え」
カレンは酷く面食らったようだった。
目をぱっちりと開け、こちらに澄んだ瞳を真っ直ぐに向けている。
:08/06/26 00:05
:L704i
:T22ultoA
#23 [神崎もえ子◆Hi9o8eIXuA]
しばらくすると、カレンは口ごもりながらつぶやき始めた。
「だって、あんなに近くにいたのに、渉ちゃんが階段から落ちるのを止めることができなかったんだもん……。ぼくのせいだ……。ごめん。ごめんね、渉ちゃん……」
:08/06/26 00:09
:L704i
:T22ultoA
#24 [神崎もえ子◆Hi9o8eIXuA]
カレンは大きな瞳から次々とこぼれ落ちる涙を手でぬぐった。
俺は首を傾げる。
「それだけ?」
念のために訊いてみた。
:08/06/26 00:11
:L704i
:T22ultoA
#25 [神崎もえ子◆Hi9o8eIXuA]
「え? それだけ……」
俺はため息を吐いた。心配して損した。
先ほどまで葛藤していたのが馬鹿みたいに思える。
結局、俺を《背後から突き落とした人間》なんて存在しなかったということだ。
俺は、ただ階段から足を踏み外して転げ落ちただけということだったのである。
:08/06/26 00:14
:L704i
:T22ultoA
#26 [神崎もえ子◆Hi9o8eIXuA]
「渉ちゃんは大会前の大切な体なのに……。ぼく、マネージャー失格だよ……」
カレンはうなだれた。
「だから、どこも痛くないって言ってるだろ。大丈夫だよ。それに、なんで俺がドジって階段から落ちたのがお前のせいになるんだ?」
:08/06/26 01:34
:L704i
:T22ultoA
#27 [神崎もえ子◆Hi9o8eIXuA]
「でも……」
カレンが《良くないこと》を胸に抱えていると、俺まで調子が狂ってしまう。
不安で胸が裂けてしまいそうになる。
:08/06/26 01:36
:L704i
:T22ultoA
#28 [神崎もえ子◆Hi9o8eIXuA]
カレンは俺の太陽なのだ。
いつも明るく、そして幸せであって欲しい。
…ああ、もう。
俺はうつむいたカレンの頭に手を置き、乱暴に髪を引っかきまわした。
:08/06/26 01:37
:L704i
:T22ultoA
#29 [神崎もえ子◆Hi9o8eIXuA]
「え、ちょっと、なにするの渉ちゃん、うにゃーっ」
続けてカレンの異様に柔らかい頬を左右に引っ張る。
:08/06/27 00:11
:L704i
:J9MtnFPE
#30 [神崎もえ子◆Hi9o8eIXuA]
「はにしゅるの! いれれ、いらいよー!」
「馬鹿。落ち込むなんてお前らしくないんだよ。悪いと思ってんなら笑ってみせろ!」
:08/06/27 22:28
:L704i
:J9MtnFPE
#31 [神崎もえ子◆Hi9o8eIXuA]
未だ状況が掴めず目を丸くするカレンに、俺は吠えた。
頬から手を放すと、カレンは赤くなった頬をさすりながら「うにゃあー」と唸った。
:08/07/05 23:19
:L704i
:5t3rycKs
#32 [神崎もえ子◆Hi9o8eIXuA]
「……分かったよう。んもう、渉ちゃんにはかなわないなあ」
「分かればよし」
カレンは目を細めて「ふふふ」と笑った。
:08/07/05 23:20
:L704i
:5t3rycKs
#33 [神崎もえ子◆Hi9o8eIXuA]
「渉ちゃんてば、優しいなあー。優しすぎるようー」
カレンは《いつもの》満面の笑顔を俺に向けた。
そして少し悩んだように間を開けた後、両手を広げて俺に迫ってきた。
:08/07/05 23:21
:L704i
:5t3rycKs
#34 [神崎もえ子◆Hi9o8eIXuA]
「仲直りのハグしよー」
「断る」
「うにゃー。却下ー」
却下らしかった。
カレンはベッドに上履きのまま上がり、俺の首に抱きついた。
:08/07/07 00:32
:L704i
:Swo7NJ26
#35 [&◆JJNmA2e1As]
(´∀`∩)↑age↑
:22/10/01 20:51
:Android
:rYsbLV12
#36 [○○&◆.x/9qDRof2]
(´∀`∩)↑age↑
:22/10/19 21:23
:Android
:A4ZzuHng
#37 [○○&◆.x/9qDRof2]
:22/10/20 06:49
:Android
:nvDpRiyU
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