月の裏側
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#318 [我輩は匿名である]
20歳になった大学2年。

21、22歳と月日が過ぎ、無事に卒業もした。

俺はおきまりのコース。

両親に頼ってコネ入社し、就職した。

百合も事務職という、決して派手ではないが大手企業に就職した。

⏰:08/09/14 20:54 📱:PC 🆔:kf/llK9E


#319 [我輩は匿名である]
付き合って5年目の夏に、同棲を始めた。

俺の親は、賛成も反対もしない。

好きにしろ。

そういった感じ。

⏰:08/09/14 20:55 📱:PC 🆔:kf/llK9E


#320 [我輩は匿名である]
百合の親は、最初は反対したものの、俺が頭を下げに行くと快く了承してくれた。

仕事ですれ違い、会えなくなるということもなくなった俺たち。

同棲生活は楽しくて新鮮で、早く自分で稼いだ金を貯めて、百合と結婚したかった。

⏰:08/09/14 20:55 📱:PC 🆔:kf/llK9E


#321 [我輩は匿名である]
付き合って6年目。

上司と同僚と一緒にキャバクラに行った事がバレて、百合を泣かした。

実家に帰る、といい玄関を飛び出したぐらいだ。

俺は細い腕を掴み、何度も謝った。

土下座もした。

仕事だから仕方ない。

そんな言葉はいいわけでしかない。

百合が嫌がっていたことをした俺が悪いんだから。

⏰:08/09/14 20:56 📱:PC 🆔:kf/llK9E


#322 [我輩は匿名である]
頭を4発殴られた。

だけど、それで百合が許してくれるなら何発だって殴られてもいい。

俺は百合がいないとダメなんだ。

百合しかいないんだ。

本当にごめん。

⏰:08/09/14 20:57 📱:PC 🆔:kf/llK9E


#323 [我輩は匿名である]
付き合って7年目。

俺の仕事が忙しくて旅行に行けなかった。

19歳の冬、初めてボードに行った旅行から、毎年冬にはどこかに旅行していた。

だけど、今年ばっかりは連休が取れなくて、百合は不機嫌そうだった。

お詫びに来年は海外に行く約束をした。

すると百合は簡単に許したくれた。

⏰:08/09/14 20:58 📱:PC 🆔:kf/llK9E


#324 [我輩は匿名である]
だけど、その翌年、俺らは旅行に行けなくなった。

俺、百合、共に26歳。

小さな命を授かったんだ。

⏰:08/09/14 20:58 📱:PC 🆔:kf/llK9E


#325 [我輩は匿名である]
「赤ちゃんできたの」

「…ブッ!…マ…ジで…すか?」

百合が照れながらそう言った時、俺は食べていたコロッケを吹き出したっけ。

嬉しくて嬉しくて、泣くのを我慢したせいで鼻の奥が痛かった。

「生んでもいいよね?」

⏰:08/09/14 21:01 📱:PC 🆔:kf/llK9E


#326 [我輩は匿名である]
答えは1つしかないじゃんね。

「俺と百合の子供…」

「うん」

「産んでください。よろしくお願いします」

「はい」

百合は笑った。

もう母親の顔だった。

「百合」

「ん?あ、ご飯おかわり?」

そう言って立ち上がった百合の手を掴んで言った。

「結婚しよう」

⏰:08/09/14 21:01 📱:PC 🆔:kf/llK9E


#327 [我輩は匿名である]
百合は、さっきより何倍もの可愛い笑顔で「はい」と言った。

数日後に百合の両親に、妊娠と結婚の報告に行った。

「順番が逆だ!もっと早くに籍を入れとかんから、こんなことになる!」

そう言ってお父さんに叱られた二人。

「まぁまぁいいじゃないの。私たちに孫ができるのよ?おめでたいじゃない」

お母さんは喜んでくれた

⏰:08/09/14 21:02 📱:PC 🆔:kf/llK9E


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