月の裏側
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#385 [我輩は匿名である]
だけどなかなか帰ってこない。

おかしい。

嫌な予感がする。

空腹どころではない。

俺は充電が済んだ携帯電話を手に取った。

すると未読メール1件が表示されていた。

送り主は…百合だ。

⏰:08/09/22 18:32 📱:PC 🆔:NBujLwf2


#386 [我輩は匿名である]
【しばらく頭冷やすね。心配しないで。ごめんなさい】

百合を…探さなきゃ。

だけど焦ってしまい、頭が上手く働かない。

まず何をすればいい?

とにかく…顔を洗おう。

⏰:08/09/22 18:33 📱:PC 🆔:NBujLwf2


#387 [我輩は匿名である]
洗面所には俺、百合、美優の歯ブラシが並んでいる。

百合の歯ブラシもいつも通り。

俺と美優の歯ブラシは寄り添いながら並んでいるのに対して、百合の歯ブラシはそっぽ向いていた。

今の俺への当て付けのような並び。

泣きそうだった。

⏰:08/09/22 18:34 📱:PC 🆔:NBujLwf2


#388 [我輩は匿名である]
百合が俺に話をしてくれたことによって余計に苦しめさせたのか。

叱らなかったのがいけなかったのか。

後悔ばかりが浮かんでくる。

顔を洗い、歯も磨き、服も着替えた。

そこでちょうど美優が起きてきた。

⏰:08/09/22 18:34 📱:PC 🆔:NBujLwf2


#389 [我輩は匿名である]
「おはよ美優」

「おはよう…ままは?」

「ちょっとお出かけしてる。美優はパパとお出かけしよっか」

「うん、いくー」

「じゃあ支度しよ」

美優を着替えさせ、歯磨きをさせて用意完了。

⏰:08/09/22 18:35 📱:PC 🆔:NBujLwf2


#390 [我輩は匿名である]
いつも綺麗に結ってもらっている髪の毛も今日は降ろしたまま。

美優の髪も結ったことがないんだ。

「ぱぱ、おなかすいたー」

「パパも。コンビニでパン買おうね」

「まま、あさごはん、つくってくれなかったのぉ?」

「うん。時間がなかったんだって」

「ふーん」

⏰:08/09/22 18:35 📱:PC 🆔:NBujLwf2


#391 [我輩は匿名である]
美優は、車の中で遊ぶ人形を取ってくると言い、子供部屋に走っていった。

その間、俺は懐かしい人に電話をかけた。

「…はーい」

「ごめん、寝てた?」

「夜勤明けで今から寝るとこー。どしたの、こんな時間に」

「ごめんな。あのさ…百合行ってない?」

⏰:08/09/22 18:36 📱:PC 🆔:NBujLwf2


#392 [我輩は匿名である]
夜勤明けだと言ってるのに、百合がいるわけない。

だけど、百合が家事や育児でわからないことがあると1番に駆け寄っていたのがこいつ、真子だった。

「来てないけど…何かあったの?」

真子の声色が変わった。

「いなくなったんだ。百合から何か相談とかされてなかった?」

「うそ…何も聞いてないけど。喧嘩でもした?」

⏰:08/09/22 18:43 📱:PC 🆔:NBujLwf2


#393 [我輩は匿名である]
「いや、喧嘩じゃなくて。百合、ヨースケのことで悩んでたみたいだから」

「ヨースケって…なんでそんな懐かしい名前出てくるわけ?」

「知るか!俺だって知りてーよ!どこ行ったんだよ、百合…」

苛立ちから真子を責めてしまった

真子に怒鳴ったって百合が見つかるってわけじゃねーのに。

⏰:08/09/22 18:44 📱:PC 🆔:NBujLwf2


#394 [我輩は匿名である]
「とにかく落ち着きな。美優は?」

「家にいる。一人で出てったんだ」

「もしかしたらフラっと買い物から帰ってく‥」

「んなわけねーだろ!こんな時間に。メールだって来たんだよ。心配するな、ごめん…って。何だよコレ!意味わかんねーし」

溜め息が零れる

⏰:08/09/22 18:45 📱:PC 🆔:NBujLwf2


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