月の裏側
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#395 [我輩は匿名である]
俺とは違い、真子は冷静だった
「実家に連絡は?」
「…まだ」
「じゃあ実家かもしんない。実家じゃなかったら…ヨースケのとこ」
真子の遠慮しがちな最後の言葉を聞いて、頭が痛くなった。
「とりあえず探してみる。悪かったな、寝てるのに」
「ううん…ミナト、大丈夫?」
「もう崩壊寸前」
:08/09/22 18:46
:PC
:NBujLwf2
#396 [我輩は匿名である]
「がんばりな。ミナトには美優がいるんだから。逃げ出しちゃだめだよ」
「あぁ…」
「なんかあったらすぐ電話して。私も行くから」
「わかった。じゃあ」
電話を切って、後ろを振り向くと、怯えた顔の美優がいた。
:08/09/22 18:46
:PC
:NBujLwf2
#397 [我輩は匿名である]
「美優、支度できた?」
「ぱぱ、こわいよ」
「え?」
「なにおこってんの?」
「別に何も」
真子に怒鳴ってしまった時、きっと美優は聞いていたんだ。
普段の俺は、美優に怒鳴ったこともなければ大声を出すこともない。
:08/09/22 18:47
:PC
:NBujLwf2
#398 [我輩は匿名である]
だからさっきの俺が別人のように怖かったのだろう。
「美優、ごめん。びっくりしちゃったな」
しゃがんで美優に目線の高さに合わせた
「みゆにも、おっきなこえ、だすの?」
「出さないよ。美優にもママにも出さない。ごめんね」
「ほんと?」
「ほんと。もう支度できた?行ける?」
「うん」
「じゃあ行こっか」
:08/09/22 18:47
:PC
:NBujLwf2
#399 [我輩は匿名である]
美優にも許してもらい、俺らは家を出た。
コンビニでパンとジュースを買い、簡単な朝ご飯を済ませた。
車内は陽気な子供のうた。
美優は楽しそうに歌っている。
向かうはヨースケの家。
何も連絡を入れなかった。
:08/09/22 18:48
:PC
:NBujLwf2
#400 [我輩は匿名である]
もし百合がいて、俺らが迎えに来ることを知ったら…きっと逃げられる。
何も責めてないんだから、帰って来て欲しい。
30分後にはヨースケの家に着いた。
駐車場に車を止め、俺はヨースケの携帯に電話をかけた。
:08/09/22 19:20
:PC
:NBujLwf2
#401 [我輩は匿名である]
「…んあー、誰ぇ」
「俺」
「誰ー」
「ミナト」
「あー、ミナト。久しぶりー」
なんだ。
はずれか。
ここに百合はいない。
明らかに寝起きの声のヨースケ
:08/09/23 15:59
:PC
:a.07ms/M
#402 [我輩は匿名である]
「百合、いないよな」
「…は?何の話だよー。つか、まだ8時前じゃねーか」
「今、お前んちの家の前の駐車場だから出てこい」
「やだー」
「2分で来い」
そう言って電話を切ると、1分もしないうちに寒そうな顔をしたヨースケが家から出てきた
:08/09/23 15:59
:PC
:a.07ms/M
#403 [我輩は匿名である]
俺は車の外に出た。
「うおー、美優ちゃんおっきくなったねー」
美優は恥ずかしそうな顔で車の中からヨースケをじっと見ていた。
「もう3歳だから」
「デカくなったな。で、何?寒いし眠いし久しぶりだし意味わかんねーしで、俺爆発しそう」
「百合がいなくなった」
「…何で?意味不明」
:08/09/23 15:59
:PC
:a.07ms/M
#404 [我輩は匿名である]
「お前のとこには勿論いねーよな?」
「いるわけねーだろ。ミナトんちで殴られてから百合なんて見てねーよ」
「ほんとか?」
「嘘付いてどーすんだよ。だいたい何で俺に聞くわけ?一番知ってる可能性の低い人間じゃんかー」
「百合がいなくなったのはお前が原因だもん」
:08/09/23 16:00
:PC
:a.07ms/M
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