月の裏側
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#425 [我輩は匿名である]
ベットの近くに座って、百合の体の上に手をのせた。

「こっち向いて」

百合は首を横に振り、こっちを見てくれない。

「なんで、逃げるの。俺のこと嫌になった」

「…ううん」

消えていきそうなくらい小さな声

⏰:08/09/23 16:13 📱:PC 🆔:a.07ms/M


#426 [我輩は匿名である]
「また、見たの?」

「…」

何も言わない百合。

そっか、見たんだ。

俺の手を繋ぎながらヨースケの夢を。

さすがにそれは俺もキツい。

「百合はさ、ここに逃げて来てどうしたいの」

「…」

「俺から逃げたいんだろ?」

⏰:08/09/23 16:24 📱:PC 🆔:a.07ms/M


#427 [我輩は匿名である]
「わかんない。どうすればいいのかわかんないから、ここに来た」

「美優を置いて?」

「…」

「ヨースケの夢を見るのは百合の言う通り嫁失格かもしれない。でも母親失格にまでなるなよ」

⏰:08/09/23 16:25 📱:PC 🆔:a.07ms/M


#428 [我輩は匿名である]
「…」

「美優、ずっとママは?ママは?って聞いてくんだよ。美優のこと不安にさせちゃダメじゃん」

「…ごめ…なさい」

百合は泣いていた。

叱りたくなかったけど、百合がここまで弱かったのなら、もう叱るしか方法がなかった。

⏰:08/09/23 16:25 📱:PC 🆔:a.07ms/M


#429 [我輩は匿名である]
「わかったなら、帰っておいで」

「…ごめん」

「わかったから。もう帰ろう。これ以上、お義母さんたちに迷惑‥」

「これ以上ミナトに迷惑かけられない」

「え」

⏰:08/09/23 16:25 📱:PC 🆔:a.07ms/M


#430 [我輩は匿名である]
百合が顔を上げ、俺を見た。

目元がベチャベチャに濡れていた。

「こんな女、もういらないでしょ?」

「何言ってんの」

「もうミナトと美優に迷惑かけたくない」

「だから帰ろうって言ってんじゃん」

⏰:08/09/23 16:26 📱:PC 🆔:a.07ms/M


#431 [我輩は匿名である]
百合の目からとめどなく涙が流れている。

「帰れないよ」

「迷惑かけたくないなら、帰ってこいよ!帰って来ない方が迷惑だってわかるだろ?」

堂々巡りの会話。

どんどん…辛くなってきた。

百合と話すのが。

⏰:08/09/23 16:26 📱:PC 🆔:a.07ms/M


#432 [我輩は匿名である]
「もうミナトの奥さんも、美優のママも…自信ない」

百合は全てを放棄した。

「何、何で?たかがヨースケが夢に出てきたぐらいで俺と美優を捨てんの?」

つい、声をあらげてしまった。

⏰:08/09/23 16:27 📱:PC 🆔:a.07ms/M


#433 [我輩は匿名である]
「そんなに百合にとってヨースケは大きいの?」

誰にでも忘れられない人がいる。

俺は忘れるもなにも、目の前にいる百合が1番大切な人。

だけど百合は、きっと、ヨースケを忘れられない人として心に残してたんだ

⏰:08/09/23 16:28 📱:PC 🆔:a.07ms/M


#434 [我輩は匿名である]
「ヨースケに未練はないの。でもね、生まれて初めて大恋愛だったの。結局遊ばれただけだったし、相手にもされてなかったけど…ミナトの言う通り、私にとって大きな人だったのかもしれない」

「ヨースケとは何もないって…」

⏰:08/09/23 16:29 📱:PC 🆔:a.07ms/M


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